映画ペンタゴンペーパーズ最高機密文書のネタバレ感想とあらすじ!実話と背景の解説も

映画

映画「ペンタゴン・ペーパーズ」はベトナム戦争を分析して記録したアメリカ国防総省の
最高機密文章の存在をスクープして新聞で公開したワシントン・ポストのジャーナリスト
達の実話を映画化した作品です。

アメリカではトランプ政権が不安定な政権運営をしていますし、日本も安全保障の問題が
大きくなっているにもかかわらず、森友学園問題でゴタゴタしていて、はっきりせず、
何も進展がありません。

そんなゲンナリする現状を見ていると、この映画のようにジャーナリズムの活躍で政府の
隠蔽を暴き立ててスッキリしたい、と思ってしまいますが、よくよく考えると今は、
そこまできれいに解決しないのではないでしょうか。





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キャストの紹介

キャサリン・グラハム: メリル・ストリープ
ワシントン・ポスト社主・発行人
ベン・ブラッドリー: トム・ハンクス
ワシントン・ポスト編集主幹
トニー・ブラッドリー: サラ・ポールソン
ベン・ブラッドリーの妻
ベン・バグディキアン: ボブ・オデンカーク
ワシントン・ポスト編集局次長・記者
ダニエル・エルズバーグ: マシュー・リス
元アメリカ軍事アナリストでペンタゴン・ペーパーズを新聞社にリークした人物

ネタバレ感想 1 背景を詳しく知らなかったため?

映画「ペンタゴン・ペーパーズ」ですが、ベトナム戦争関係の話で新聞社が政府の秘密
情報をすっぱ抜くストーリーであることはわかっていました。

が、僕自身、ベトナム戦争のことや戦後のアメリカの政局の動きをを詳しく知らなかった
こともあり、映画を見る前まで「ウォーターゲート事件」と混同してしまっていました。

背景を事前に知っていないということで、映画で提供される登場人物同士の会話を一語
一句聞き漏らさないようにしないと、誰が誰で、どこのグループに属していて、どういう
事が起こっているのかが、分からなくなってしまうのが、この手のサスペンス映画の欠点
だと思っています。

登場人物も多く、誰が誰かを理解するのに時間がかかったこともあって前半は今ひとつ
話に乗っていけませんでした。

それでも中盤から後半になってくると登場人物達の関係も把握できて、ストーリーを
楽しむ事ができました。

簡単にあらすじを説明すると、政府が戦局が悪くなるベトナム戦争について、じつは
第2次世界大戦後から戦争をした場合の分析を行っていて、戦争をしたら結果はひどい
ことになることがわかっていながら、そのことを国民に伏せて、戦争を始め、続けていた
のでした。

で、政府内で働く軍事アナリストのダニエルが政府が嘘をついていることに我慢できず、
そのことを分析記録の「ペンタゴン・ペーパーズ」を持ち出してニューヨーク・タイムズ
にリーク。ニューヨーク・タイムズはそれをスクープして新聞発表をしました。

その対応として政府は裁判所に訴え出て国家機密を新聞発表をすることを禁止し、
ニューヨーク・タイムズはこれ以上、記事がかけなくなってしまいます。

そこで、ニューヨーク・タイムズに持ち込まれていたリーク資料がワシントン・ポストに
持ち込まれ、ワシントン・ポストがさらに詳細を公開しようとするわけです。

新聞を刷る最後の最後まで、ゴーサインを出したら会社は抹殺され、携わった人たちは
刑務所に送られるかもしれないという恐怖と、真実を伝えたいという思いの間で揺れ動い
ていましたが、社主であるキャサリンは新聞発表の決定をします。

もちろんその後、ワシントン・ポストは政府から裁判所に訴えられますが、最終的に
ワシントン・ポスト側が勝利し、報道の自由が守られるという流れです。





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ネタバレ感想 2 この快挙を称賛して現在のマスコミを嘆く事ができるか?

なんともタイムリーな映画内容で、今の政治の問題をみて不満が溜まっている人たちには
この映画の胸すくストーリーで、多少のストレス発散にはなるのではないでしょうか。

一方で、むかしはこんな気概のあるジャーナリストがいたのに、今のマスコミは一体、
何をしているか、とさらに不満を持ってしまう人もいるかも知れません。

しかし、時代があまりに変わってしまって、同列には語れないと僕は思ってしまいます。

やはりなんと言っても現代ではインターネットの普及が大きな違いを生み出してしまって
いて、昔はよかった、というのは単に昔を美化しているだけのように思うのです。

現代であれば、ダニエルが文章を持ち出したのち、彼が一人で機密文章の暴露をすること
も可能でしたし、機密文章を世界中の新聞社やテレビ局に送りつけることも簡単にできて
います。

今の世の中は情報が多すぎて、しかも一つ一つの情報が本当に正しいのかどうかの裏取り
を、常にしないといけないという時代になっています。

それこそ可能か不可能かだけの確率だけで言えば、戦場のリアルタイムの映像も世界に
向けて発信できてしまうのですし。

この映画の内容はハラハラ・ドキドキ、手に汗握るスリリングなものでした。
しかしそれはあの時代だったからこそ、成立するサスペンスであって、今の世の中では
もうムリでしょう。

あの頃であれば、新聞社やテレビ局など、限られたマスコミ団体だけが世界に向けて
情報を発信できた時代でした。

今はそれこそスマフォ一つでいつでも情報発信を誰もができますので、新聞社が政府の
妨害を受けても報道の自由を守るために、私達がしなくて誰がする、的な考えもつよく
あったのでしょうが、今だとアクセスさえ取れればいいや、という軽さに変わってしまった
と思います。

ネタバレ感想 3 実話はベトナム戦争を背景としているのですが、

実話を映画化したのですが、ベトナム戦争が大きなキーイベントとしてこの問題が発生
しています。

映画をみてベトナム戦争のことを知らないと、なぜこのような事が起こったのか、
はっきりわからないと思ったので、調べてみました。

するとベトナム戦争は第2次世界大戦のころにその遠因があったことがわかりました。

ベトナムはもともとフランスの植民地でしたが、第2次世界大戦にフランスはドイツに
早々と占領されてしまいます。

本国が戦争に負けたことにより、植民地政府も降伏を選択。当時ドイツと同盟関係に
あった日本が占領することになります。

その日本も太平洋戦争で次第に戦局が悪化していき、その中で占領した東南アジアの国々
を独立させる様になるのでした。

ベトナムもその国の一つで、独立はしたものの世界、とりわけ戦勝国からこの独立は
認められておらず、大戦が終わった後、フランスによる再統治の動きが起こります。

ですが、一度は独立したわけですし、好き好んで植民地に戻りたいわけもなく、
ベトナムとフランスの間で戦争が起こるのですが、このとき主力として戦ったのが、
ホー・チ・ミン率いるベトナム共産党軍でした。

第2次世界大戦後、アメリカとソ連による冷戦が起こり、ソ連は共産国を増やしたい、
アメリカはそれを阻止したいという対立で世界中で代理戦争が起こります。

ベトナムもこの例に漏れず、ホー・チ・ミン率いる北ベトナムが共産勢力、フランスが
南ベトナムの傀儡政権を後押しするという形で戦われますが、北ベトナムの勢いのほう
がつよく、やがてフランスは負けてしまいます。

そこでフランスの代わりに首を突っ込んできたのがアメリカです。

アメリカはその頃、ドミノ理論という考えに凝り固まっていました。
つまりある地域で共産国が誕生するとドミノが倒れるようにその次、その次と共産国が
増えていく、という考えです。

中国が共産国になっていますし、ベトナムも共産圏に参加するとなると、次はラオスか、
カンボジアか、と恐怖が広がっていきます。

そのため、アメリカが南ベトナムを援助する形で戦争に参加し、その後、いろいろな
トリックを使って正規軍を送り込み、ベトナム戦争にどっぷり使っていくのでした。

結果的に軍を出して人も金もつぎ込んでいるのに、損害ばかりがでて、戦況は好転しない
という状況が続きます。

大統領が何人も変わりますが、戦線の縮小は考えられず、泥沼化としていくのですが、
そのことを予測分析した書類が「ペンタゴン・ペーパーズ」になるわけです。








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