横浜市の原発いじめの金銭支払いがいじめ認定できない理由は?

   

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福島県の原発事故で横浜市に自主避難してきた少年が同級生にいじめを受けていた問題で
いじめの一部と思われる150万円の支払いについて、横浜市教育委員会が認定が難しいという
考えを示しました。


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なぜ150万円の支払いがいじめ認定できないのか?

今回の事件で報道に少し重要な部分が抜け落ちているような気がしますので、きちんと補足
してみたいと思います。

昨年11月に市教育委員会の第三者委員会がまとめた調査報告書内で、まずこの150万円の
支払いがいじめではなく「おごりおごられる関係」としていました。

それを受けて生徒の代理弁護士が調査報告書に対する意見書を横浜市長宛に提出し、金銭の
支払い部分もいじめと認定するように要望していました。

これに対し、20日の市議会の委員会で「認定は困難」と述べたため、大騒ぎになっています。

実際のところ、市教育委員会が直接いじめたとされる加害者側に再度聞き取り調査を行ったか
どうかはわかっていませんが、第三者委員会の結論を覆すだけの新たな証言なり証拠なりが
出てこなかったから、という気がします。

今回の件を犯罪の立証という考えから見てみると、被害者が150万円をいじめが怖くて支払った
と主張していますが、加害者側はおごってもらっただけ、と話していることから、どちらの
証言が正しいのかを調べなくてはなりません。

そして加害者の主張を覆すだけの証拠がなかったので「疑わしきは罰せず」ということに
なったのではないでしょうか?

そもそもいじめの有無を犯罪の立証と同じに考えていいのか?

しかし、ネットで大騒ぎになっているように、この主張にはとても賛同できるものでは
ありません。

いじめは加害者にその気がなく、ただからかっているだけだと思っていても、被害者が
精神的に不快感を感じた時点でいじめになるものです。とくにそれを止めるようにいっても
止めなかったり、相手がそれを申し出るだけの精神力がないことを見越して行っている場合、
それは完全ないじめです。

明らかに今回の件は、被害者が加害者の金銭の要求に対し、過去のトラウマから断ることが
できないことは誰が見ても明白であり、明らかに「おごりおごられる」関係ではありません。

だいたい、「おごる」行為は「おごる側」が自発的に行うものであり、第3者から依頼されて
行うものではありません。

もう一つ、立証が難しいとすれば、被害合計150万円という金額でしょう。

その報道がないことから、おそらく被害者少年は複数回に渡る金銭の支払いをきちんと
記録していたというような事実はないと思われます。
ましてや受け取った側は合計でいくらになるか、回数は何回になるかなど、覚えているわけが
ないでしょう。

そうなると、実際の金額がいくらであったかは、証明が難しいと言わざるを得ません。

しかし、少年が市長宛に綴った手紙には「金銭の受け渡しをいじめとして認定してほしい」と
しており、金額がいくらであったかは重要視していないと思われます。

とにかく、被害者少年は学校で助けを求めてもきちんと対応してもらえなかったという辛い
過去があり、それが心の傷になって大人を信用できなくなっている事も考えられます。

今回のニュースが、やっぱり誰も助けてくれない、という絶望に変わることは避けなければ
ならず、市教育委員会の対応は自分たちで考えず、他人が出した決定にそのまま従うという
だけの、何ら存在価値のない対応しかしていないと感じざるを得ません。

願わくば、今回の私教育委員会長の発言が最終決定で無いことを祈っています。

いじめの流れをおさらい

最後に今回のいじめの流れをおさらいしてみたいと思います。

2011年 被害者少年が小学2年生のときに、自主避難で福島県から横浜市に引っ越し。
その後すぐ、学校で名前の後に「菌」とつけられたり、暴行を受けたりしたいじめを受ける。

一時、いじめは収まったものの小学5年生になって同級生から「賠償金を受け取っているだろう」
といわれ、いじめが再発することを恐れて現金を渡す行為が始まる。

保護者がその事実を知り、学校に相談したが、警察に行くように言われ、教育事務所に連絡しても
学校には介入できないと、断られていた。

この教育事務所は2010年に、私教育事務局だけでは500を超える学校への対応が難しいとして、
政令指定都市としては初めて市内4箇所に、学校が抱える様々な課題への対応支援をおこなう
目的で設置されたが、今回のことで、全く機能していない無駄な機関であることが判明した。

そのため、両親は16年市教委に訴えて初めて明るみで、第三者委員会が16年11月に調査報告書を
まとめていた。
そこで、150万円の金銭支払いに関しては、いじめと認定できないとされており、それを不服と
した被害者側が12月に横浜市長宛に意見書を提出していた。

今回の市教育委員長の発言はその意見書に対する発言であった。





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