美濃加茂市長選挙での藤井浩人氏の勝利を考察と今後どうなる?
2017/02/01
1月29日に投開票があった岐阜県の美濃加茂市長選挙で元市長の藤井浩人氏が再選を果たしました。
名古屋高等裁判所で有罪判決を受け、上告をしたものの、市民からの信任を得たいとして12月に
辞職して選挙に立候補。そんな藤井氏が再選を果たしましたのはなぜでしょう。
目次
第一審では無罪だった。第二審で有罪判決がでたが、冤罪との声は大きい。
有罪判決を受けた事件は2014年の6月に逮捕された収賄容疑です。
学校への雨水濾過器設置の便宜を図るように依頼され、現金30万円を受け取ったとされていますが、
藤井氏は一貫して無罪を主張していました。
確固たる物証は全く無く、お金を渡したとされる容疑者からの証言のみで逮捕、起訴されており、
第一審ではこの容疑者の供述内容が変わっていることから信憑性がないと無罪判決が出ました。
これを不服とした検察側が控訴し、高等裁判所で審議されるのですが、一転して贈賄者側の供述が
変わったことに不審点はないとして2016年11月に懲役1年6ヶ月、執行猶予3年の有罪判決が
出されました。
ですが、第一審と第二審の間に新たな証拠や証言が出てきた事実はなく、判決か覆る理由に
乏しいと感じないわけにはいきません。
藤井氏は上告し、最高裁判所で争われることが決まっています。
出直し選を選んだ市長。選挙に勝ったが今年6月に任期満了で再度選挙の予定。
有罪判決を受けて、出直し選挙を選んだ藤井氏ですが、その心情は十分理解できます。
それまでの新聞での書かれ様から分かるのですが、ただでさえ、全国最年少のイケメン市長と
もてはやされてはいましたが、これまでの慣例を無視して第3者をアドバイザーとして連れてきて
政策をするとか、新しいアイデアを出して、議会と強調せずに身勝手にそれを推し進めるという
ディスりよう。
議会との関係もあまり良かったとは思えません。そこに来て有罪判決を受け、上告したとはいえ、
有罪となった市長に議会の反発がないわけがなく、市政が混乱することは目に見えています。
ここで、出直し選挙をぶち上げ、そこで勝利して民意をバックに市政を勧めていきたい、と考えた
のは当然だと思います。
それもあってなのでしょう、前回の投票率が過去最低の52.86%でしたが、それをも上回る投票率で
勝つことを目標に選挙活動をしました。ただ勝つだけではなく、より多くの市民に新任して
もらうことになるからです。
結果57.10%という投票率で、獲得票数は23,900票中、19,088票と79.9%の得票で圧勝しました。
この結果を見ると市民の多くは藤井氏を応援しており、収賄の有罪判決も冤罪であると考えて
いるようです。
しかし今回、藤井氏は辞任して市長に再選していますので、人気は辞任する前に決まっていた
今年5月までで、6月には再度、市長選が行われます。
藤井氏はこの選挙にも再立候補する意思があると表明されています。
再選できた理由を考察すると
再選ができた理由を上げてみると、以下のようになるかと思います。
・多くの有権者市民が収賄容疑を冤罪であると考えていると思われる。
警察の取り調べ、裁判の審議内容、それに事件事態を詳しく見てみると、どうも濡れ衣を着せ
られたという印象を持ってしまいます。おそらく、地元の人々がそれをよく感じておられたので
しょう。
・候補者相手が無名な上、準備不足すぎた。
相手の候補者は72歳の無名新人。一説には当選しても6月まで市長はやるものの、その次の
選挙には立候補しないと公言されていたらしいです。
自分の感想ではこの2点に尽きると思います。
一方で、投票率が上がっている以上、有権者はより多くの関心を示したということですので
前回に比べれば、前回は投票にいかなかった方々が、今回わざわざ投票した、ということになり、
その原動力は藤井氏の無罪を信じている、ということになると思います。
これからの市政運営、そして6月の選挙、更には最高裁判所での審議判決と注目していきたい
ものばかりです。