先行者利益の確保とブランディングの重要性-小さな街での日本食レストラン戦争

      2017/01/14

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世界的に日本食、それも寿司の人気が高いですが、北米の片田舎街では日本食や寿司に対しての間違った認識がはびこっています。
魚を生で食べる事を寿司だと勘違いしている人に何人も会いましたが、北米での寿司自体もアボカドを使ってカラフルに仕上げ、見た目でインパクトがないとだめなようです。


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中華レストランも多いのですが、中華料理と日本食の違いとして、中華料理は地元の食材でも調理が可能で、しかも美味しいのですが、日本食は現地の食材だけで再現するにはかなり難しく、日本食材を用意しないと形になりにくいという欠点があるように印象を受けます。

話が少しそれましたが、こちらで日本食や寿司がある程度認知度を得てきた10年ほど前、トロントにある日本食レストランのチェーン店が開店しました。ニセのオーナーは中国人で、すでにトロントで日本食レストランをオープンした経験のある人物。今では揚げるだけの天ぷら用食材や電子レンジで解凍するだけの刺身盛り合わせなどが卸売業者から購入できるため、レストラン経営をして接客サービスの経験さえあれば、非常に簡単に日本食レストランが開店させられます。

寿司も日本のような修行はせず、見よう見まねでそれなりの形が出来上がればOKで、なにより客が本物のに接したこと、食したことがないため、そこでこれが寿司だ、と言われて食べてしまえば、これが寿司なんだ、と受け入れるしかありません。
今でこそ、街に日本食レストランは5、6店舗ありますが、その当時はその店1軒で、日本食や寿司を食べたければその店に行くしかありませんでした。その甲斐もあってこの町では日本食レストラン=その店というイメージが根付いており、今では合計3店舗もあります。

競合他社がいない時点で殆どのシェアを取り、町の人々に寿司といえばその店、というイメージを植え付けることに成功した、まさに先行者利益をうまく利用し、ブランディングを確立した典型的な例だといえます。

個人的にはその店が出す寿司のレベルであれば、自分で作ってもそれほど変わらないので、コストパフォーマンスの観点からそのレストランで食べることはまずありません。(といってもこれは自分の主観での判断ですので、他の人でとても美味しいと思われる方がいるかもしれませんが。)
また、日本人のスタッフがいないため、本物を知らないのでメニューに書かれている日本食を頼んで思いもよらないものが出てくることもありますが、客も本物を知らないので、問題になりません。ある意味、客が美味しいと思えば料理の名前と出された料理が違っていても、それは重要では無いのでしょう。

例えば日本でもコロッケがありますが、元はフランス料理のクロケットで、両者は似ているものの全く違いうものになっています。これにフランス人から本物と違うとクレームがあったからといって日本のコロッケがフランス料理のクロケットに取って代わられるかというとそんなことはないでしょう。日本で大流行のラーメンも中華料理のものとは違っているでしょうし、インド料理のカレーは日本のカレーとはやはり違います。

その場その場の文化だったり、環境だったりで料理は変わるので、それは間違い、というのではなく、そういうものと受け入れるのが一番でしょう。





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