海外に住んでいて日本のサイトを見ようとしたとき、「Forbidden」と大きく書かれた英語の文章しか表示されないこと、ありませんか?
他には「このサービスは日本国外からご利用いただけません」というのもありますよね。
個人のサイトほど、こういったページに飛ばされてそれ以上詳しい内容は閲覧できない様になっています。
今回はそんなサイトを無料でスマフォから閲覧できるようにする方法を解説していきます。
海外アクセス禁止とVPN
なぜ海外アクセスを禁止する?
海外からのアクセスを禁止している理由は主に2つあります。
それぞれをひとつずつ見ていきましょう。
サイトのセキュリティの関係
一つは特に個人や企業レベルのお話ですが、セキュリティの問題ですね。
どうしてもサイトに対する悪意ある攻撃は海外からのほうが多くなります。
そのため、単純に海外のIPアドレスからのアクセスを禁止しているのです。
ちょっと考えてみてもこれは非常に納得の行く話です。
世界的に見て日本語という特殊な言語を使うのはまず日本人しかいません。
日本語でサイト運営をしているのに、英語やスペイン語などの他言語しか使えなさそうな人がコメントしてきてもスパム以外ありえませんよね。
特にそのコメントなどにURLが貼っつけてあったら、なおさらです。
そんなことをする人はサイト内の情報を有益に使っているはずもなく、ただただ、スパムサイトのアドレスを拡散させようとしているだけ。
そんなアクセスは遮断してしまったほうが安全であることは誰にでも分かると思います。
でも、それによって海外で住んでいる、もしくは一時的に海外に出ていてアクセスしようとしている日本人がサイトを利用できない、というとばっちりを受けてしまうのです。
とは言っても、サイトに対して攻撃してくる回数とサイトを有効利用しようとしている海外からのアクセスとの回数を比較すれば、海外からのアクセスを遮断してしまったほうがいいという判断になるのは明白です。
というわけで、セキュリティの問題上、海外からのアクセスを禁止しているのが1つ目の理由です。
政府のセキュリティの関係
もう一つの理由は国家レベルのお話。
このレベルになると、日本などの先進民主主義国家に話ではないのですが、世界には政府が国を治めるために、情報操作を行っているところがあります。
北朝鮮や中国、ロシアなどが有名ですが、中東やアフリカなどの国でも珍しくはありません。
そういう国の政府にとって都合の悪い情報を国民が知らないようにしておかないと、ついには自分たちの地位が転覆することに繋がる可能性があるのです。
有名なところで、中国内よりフェイスブックやグーグルにアクセスができない、というのもその一つ。
欧米のニュースによって、多くの国民が不平等や不自由に関して文句を言いだしたら。
ついには暴動が起こって、なんてこともありえない話ではなくなってしまいます。
ですので、そういう国は国家レベルのファイヤーウォールで、自国内から国外へのアクセスを禁止しているのです。
もちろんそんな国で何らかの理由で滞在することになったら、その期間、あなたにもアクセスに制限がかかってしまうことになります。
VPNって何?
VPNとはバーチャル・プライベート・ネットワークのそれぞれの単語の頭文字をとって名付けられました。
説明すると専門的になり、しかも多くの時間を費やさないといけないので、ここでは簡単に済ませます。
通常、インターネットに接続したとき、IPアドレスというネット上の住所のようなものを用いて接続を行っています。
これによってどこの誰がどこのサイトにどのくらいアクセスしていたという記録がプロバイダーのもとに残ることになります。
ところがこのVPNを使うことで、自分の存在が特定されるIPアドレスに変わって、別のIPアドレスを使用してアクセスを行うことが可能になるのです。
これによっていろいろと便利なことが起こるわけですが、その一つとして、海外からアクセスしたとしても国内のIPアドレスを使うことで、国内アクセスとして認識させることが可能、ということが挙げられます。
この特性を生かして、海外からのアクセスをを禁止しているサイトにアクセスしよう、というのが、今回の趣旨になります。
スマホ(Android)のVPN設定のやり方
AndroidのスマホにはL2TP/IPsec VPNが標準搭載とされています。
こちらを使い、筑波大学がVPN Gateを学術研究サービスとして公開している無料で使うことのできるVPNサーバーと接続させる方法を説明していきます。
説明はSamsungのギャラクシーS6 英語版での方法です。
機種やメーカーによって若干操作方法が変わる場合がありますが、基本的な設定方法は同じですので、わけがわからなくなることはないと思います。
1. 「Setting(設定)」を開きます。
2. 「Connections」を開きます。
3. 「More Connection Settings」を開きます。
4. 「VPN」を開きます。
5. 右上の「ADD VPN」をタップします。
6. 新しいVPNのアカウントを設定します。
アカウント名を好きに決めて「Name」に打ち込みます。
次にその下の「Type」をタップします。
7. 出てきた一覧の中から「L2TP/IPSec PSK」を選んでタップします。
8. すると同じ画面の下の方に設定するべき項目が表示されます。
一つずつ説明していきましょう。
8.1 「Server address」には接続したいVPNゲートのDDNS名もしくはIPアドレスを入力します。
DDNS名やIPアドレスはこちらの下の方にリストがありますので、そこから選ぶことになります。
海外アクセス禁止している日本のサイトにアクセスしたいので、物理的位置は日本を選びましょう。
また、スマフォ(Android)への「L2TP/IPsec」接続ですので、項目の「L2TP/IPsec」にチェックのあるVPN Gateを選ぶ必要があります。
こちらの例ではこの「marimo-net.opengw.net」を選ぶことになります。
「Server address」に打ち込むのはDDNS名を奨励します。
8.2 「IPsec pre-shared key」「Usename」「Password」には「vpn」と入力してください。
8.3 「Show advanced options」の前にある○をタップしてチェックを入れます。
すると新たに3つの項目が現れますので、一番下の「Foewarding routes」に「0.0.0.0/0」と入力しましょう。
8.4 全て入力が終わるとこんな感じになります。
(「IPsec pre-shared key」と「Password」は正確には「…」という表示になります)
確認した後、右下の「SAVE」をタップして設定を保存しましょう。
8.5 設定を終えると自動的にVPNに接続を開始します。
接続されれば、日本の海外アクセス禁止サイトにも問題なくアクセスできるようになります。
VPNの切断と接続
VPNを切断したい場合、接続しているVPNをタップすると「切断」を選択できるウィンドウが開きます。
「切断」をタップすると接続が切れ、VPNを切断することができます。
あとでVPNにまた接続したい場合は、同じように、VPNアカウントまで開きます。
接続したいアカウントをタップするとウィンドウが開きますので、「接続」をタップしてください。
VPNに接続しても閲覧できない場合
VPNでネット接続して日本のサイトを開こうとしても、
- 海外のからのアクセスはできません
という表示が出てきてしまう場合があります。
これは、海外からのアクセスを禁止しているサイト側で、VPNを利用したアクセスも遮断したいと、VPN中継サーバーを見つけ出してはアクセス禁止にしているからです。
特に各動画配信サービスはVPN中継サーバーを見つけ出してはアクセス禁止にしていて、海外からの利用できないようにしています。
これを潜り抜けるためには、
- 「起動時間」
が短いVPN中継サーバーを選ぶと回避することができます。
つまりVPN中継サーバーとしての存在時間が短ければ短いほど、このIPアドれレスがVPN中継サーバーであることがばれていない、というわけで、このことを利用してアクセスする方法なのです。
まとめ
スマホ(Android)を使ってVPNでネットに接続する方法を解説しました。
今回は筑波大学の無料サービスを利用していますが、他にも企業が無料サービスを行っていて、そちらを利用してVPN接続をさせることもできます。
メリットとして、海外アクセス禁止の日本のサイトにアクセスできるようになる点が挙げられますが、他にもこのVPNゲートを利用することで公共の無料WiFiを利用しながらデータが盗まれることを防ぐことも可能です。
旅行先など、どうしても大切な支払いなどをオンラインでしなくてはならないとき、VPNを利用することで、パスワードなどの個人情報が盗まれる心配はなくなります。
いい事ずくめですが、やはりデメリットもあって、例えばこのサービスは筑波大学の研究の一環として無料提供されていますが、いつ何時、事前の通達なしにサービスが停止される可能性が無いわけではありません。
また、通信速度が限られていますので、特に動画の視聴には向かないと言えるでしょう。
動画の視聴を目的とした場合、お金はかかりますが、やはり有料サービスを利用したほうが安定します。
そちらについては別の記事で解説していますので、もしよろしければ参考にしてください。
また、今回はスマホ(Android)のVPN接続方法を解説しましたが、Windowsでも同じように筑波大学の無料VPNサービスを利用することは可能です。
そちらについても別の記事で解説していますので、もしよろしければ参考にしてください。
関連記事: 国外アクセス禁止の日本のサイトをパソコンで海外から無料で見る方法
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