ディズニーの作品は、自社のアニメ、2006年に完全子会社化されたピクサー・スタジオ、そして2009年にこちらも完全子会社化されたマーベル・スタジオなど、多くの作品を世界中に公開しています。
基本的にはアメリカで企画が上がってそれを作品としてまとめ上げていき、作品として仕上げて各世界に送る、という形をとっていますが、上映する国や地域によっては、制作された段階では気が付かない、その地域文化にそぐわない内容や設定が含まれていることもあり得るようになってきました。
特に、子供向けの作品をターゲットとし、家族で楽しめる、を売りにしていますので、その部分で変更をしなくてはならない作品の一部も出てきます。
今回はそんな、ディズニーとピクサー関連の作品で、国や地域ごとに作品内容や設定を変更した作品トリビアの10選を紹介していきたいと思います。
ピクサー作品より
まずはディズニー関連の中でも近年、そのアニメーション部門を牽引してきたピクサー・スタジオの作品より、紹介していきたいと思います。
トイ・ストーリー
トイ・ストーリーはピクサーが初めて世に出した長編アニメーション。
この成功でピクサーは一躍アニメ・スタジオとして世界的に認知されるようになります。
内容については詳しく説明することも不必要なくらい有名な作品ですが、その中の主役キャラの一人、バズ・ライトイヤーは、ニール・アームストロングとともに人類初の月面着陸に成功したアポロ11号のパイロット「バズ・オルドリン」から名前を取られています。
そのバズが、作品の中で他のおもちゃを前に演説を行うシーンがあります。
北米バージョンではそのシーンで、バズの背景にアメリカ合衆国の国旗がはためいていました。
しかし北米以外では、「回転する地球儀と花火」という背景に差し替えられています。
アメリカ合衆国の自負する「世界の警察」という、ともすると強すぎる自国への誇りは、他の国には鼻持ちならないと感じられることのほうが強いためでしょう。
ちなみにバズ・オルドリンはニール・アームストロングに続いて世界で二人目の月面歩行者となったのですが、そのことは「自身の敗北」と感じていたそうで、地球帰還後には目標の喪失と、非社交的な性格であるのに英雄として多くの催しに参加するスケジュールが続いたことも相まって、うつ病を患ったそうです。
そんなバズを映画の主人公の一人の名前として採用したところに、なんとなく味があるな~、と感じてしまいました。
インサイド・ヘッド
インサイド・ヘッドでは2つのシーンに変更が加えられました。
ひとつずつ、見ていきましょう。
世界的人気スポーツ
主人公のライリーも選手として参加しているアイスホッケー。
実は両親もアイススケートやアイスホッケーをミネソタでやっていた過去があり、特に父親は今でもアイスホッケーを好んでプロアイスホッケーをテレビ観戦しています。
しかし、アイスホッケーがメジャーである地域は世界的にかなり限られています。
氷や雪などに縁のない熱帯地域の人々にはなおさらですよね。
そのため、北米以外の地域では父親が観戦しているスポーツが世界的に人気のあるサッカーにとって変えられました。
日本や他のアジアの国々でもやはり、アイスホッケーよりサッカーのほうが親密度は高いのではないでしょうか。
子供が嫌い野菜は?
こちらはライリーの子供の頃の記憶から。
まだ2~3歳のライリーに父親がご飯を食べさせようとします。
が、ライリーはその野菜が嫌いで食べようとはしません。
小さな子供にはよくある話ですが、世界的に小さい子どもたちが食べるのを嫌がる野菜はなぜだかブロッコリーだと相場が決まっている様です。
しかし日本ではブロッコリーよりも子どもたちが嫌う野菜があるということで、そちらに変更となりました。
それはピーマン。
なんとなく、わからないでもないという感じですが、絶対そうとも言い切れない変更だと感じています。
ちなみにボクの子どもたちはブロッコリーは問題なく食べますが、ピーマンはスキではありません。
モンスターズ・ユニバーシティ
全作のモンスターズ・インクではディズニー・ヴィランズだったランドール・ボッグスも、モンスターズ・ユニバーシティではマイクの寮のルームメイトで、気の弱い性格をしたモンスターでした。
そんな彼が、友達を作ろうとカップケーキを焼いて、交流会にでかけます。
7つのカップケーキの一つずつにアルファベットを描き、「Be my pal(友だちになって)」というデコレーションを施しました。
結果的には、カップケーキを載せていたお盆をひっくり返し、そのうちの4つがランドールの顔に落ちてきて、「Lame(ダサい、退屈だ、最悪だ)」となってしまいます。
が、同じようなギャグを英語以外の言語で表現しようとしても、7文字と4文字の組み合わせで表現できないほうが、当たり前でしょう。
アルファベットを使っていない国で、同じようなギャグをするには縛りがきつすぎます。
というわけで、英語以外の言語を公用語としている国では、このシーンは単純にスマイルフェイスのデコレーションのカップケーキ、というものに変更となりました。
ディズニー作品より
こちらではディズニーの作品のうち、実写版であったり、もともとディズニーではなかったスタジオの作品などで、国別、地域別に内容が変更・削除されているものを紹介していきます。
美女と野獣・実写版
「美女と野獣・実写版」は近年、ディズニーが力をいれている、有名なクラシックアニメを実写化した作品で、いまのところ一番興行成績がよかった作品です。
そのなかで、ディズニーヴィランズのガストンのサイドキックとしてル・フウがいい味を出していましたが、監督などのインタビューを聞くと、ル・フウの扱い方に知恵を絞ったそうです。
アニメーションでは、それこそ人間パンチングバッグのような扱いをされていた、ギャグキャラですで、実写で同じような扱いを俳優に対して行うわけにはいきません。
実写である以上、ギャグには見えず、ただの虐待になってしまいます。
それでいて、コミカルなキャラは残したいということもあり、結果的にあのようなキャラクターが出来上がりました。
覚えている方も多いかもしれませんが、ディズニーキャラではじめてのオネエキャラ登場、ということで、話題になりましたが、地域によってはオネエ自体の存在がダブー視されているところもまだあります。
クウェートもそんな国のひとつであったために、「美女と野獣・実写版」は公開されたものの、エンディングにあった、ル・フウと村人男性とのこのダンスのシーンはカットされたそうです。
その他にもロシアでも2013年に同性愛宣伝禁止法が可決していることもあり、上映に対してこの法律に抵触する可能性があるのではという論議が起こりました。
結果的には16歳以上の年齢制限付きで公開されています。
また、マレーシアでは検閲当局が同性愛シーンをカットしたとの発表にディズニーが、無期限の公開延期で対抗。そのご、13歳未満の鑑賞には保護者の同意が必要となる制限付きで、カットされることなく、上映されたそうです。
アイアンマン3
マーベル・スタジオの代表作の一つ、アイアンマンシリーズ。
そのアイアンマン3で登場したドクター・ウー。
主人公トニーを助ける役どころで登場シーンはごく僅かです。
が、中国版では出演箇所が増やされており、しかもファン・ビンビンが演じる彼の助手も出演をしております。
その結果、アイアンマン3の中国バージョンはオリジナルバージョンよりも4分ほど、長くなっています。
かつては日本の俳優が登場するハリウッド映画で、日本バージョンだけ、日本の俳優が登場するシーンが多く含まれることがありました。
いわゆるお得意様マーケットへのスペシャルボーナス的な特典映像ですね。
プレーンズ
ピクサー作品の「カーズ」のスピンオフ映画として発表されたプレーンズ。
「カーズ」を手がけたピクサーは一切関与せず、ディズニートゥーン・スタジオズが手がけた作品です。
世界一周レースをその中で登場するレイサーの一人、唯一の女性プレーンであるサクラは公開国によって名前とデザインが変わっています。
北米版はカナダのケベック出身、フレンチカナディアンのローシャン。
ロシア版はターニャ。
ブラジル版はキャロライナ。
ドイツ版はハイジ。
その他にもイタリア版のアズーロ、中国版の雲燕飛(ユイヤンフェイ)などです。
ウォルト・ディズニーアニメーション・スタジオの作品より
最後にウォルト・ディズニーアニメーション・スタジオ関連の作品より、紹介していきたいと思います。
シュガー・ラッシュ
「シュガー・ラッシュ」は映画のタイトルとともに、作品内のレースゲームの題名でもあります。
そのレースゲーム「シュガーラッシュ」にはたくさんのレーサーが登録されていて、日毎に選択できるレーサー9名がランダムで変化するという設定になっています。
ですので、登録されているレーサーは選択できる9名以上となっており、作品中でもアーケードが閉店した後に、上位9名が次の日の選択権を獲得できるレースをしていました。
そのなかで、日本とそれ以外の地域で名前とデザインが異なるキャラが一人います。
日本版での彼女のキャラ名はミンティ・サクラ。
オリジナルではミンティ・ザキというキャラ名です。
このミンティ・ザキは製作総指揮を務めたジョン・ラセターとの進行も深い宮崎駿監督を意識して名付けられました。
が、日本では気を利かし、宮崎監督に敬意を払う形で、ミンティ・サクラという名前に変更したそうです
ズートピア
ズートピアで国ごとにキャラが異なる設定になったのは、ニュースのシーン。
ニュースキャスターが2名いますが、一人は白ヒョウの女性。
そしてもう一方のニュースキャスターが国によって違っているのです。
北米はヘラジカ。
中国ではパンダ。
ブラジルではジャガー。
オーストラリアではコアラになっています。
日本ではタヌキでしたね。
モアナと伝説の海
「モアナと伝説の海」ではキャラクターだけではなく、なんと映画のタイトルが変更となった国があったのです。
その一つがスペイン。
スペインではすでにモアナが商標登録をされており、使用することができませんでした。
そこで、タイトルとキャラクター名は「Vienna(ヴァイアナ)」という海の洞窟を意味する言葉に変更されました。
さらに同じヨーロッパの国のイタリアでもモアナというタイトル名が変更になります。
こちらはスペインとはちがう理由ですが、1980年代後半から1994年の間にモアナという名前で活躍した、とても有名な女優がその原因です。
その女優はモアナ・ポッツィ。
女優は女優でも、子供向けの映画にはふさわしくないタイプの女優です。
彼女は多くの著名人とも浮名を流し、しかもそれ暴露した本を出版します。
その中には俳優のロバート・デ・ニーロ、ハーヴェイ・カイテル、ロベルト・ベニーニ、
サッカー選手のパウロ・ロベルト・ファルカン、マルコ・タルデッリや、首相のペッティーノ・クラクシという名前まであがっていました。
そういうわけで、イタリアでは超有名人のモアナ。
その彼女と同じ名前のヒロインのディズニーアニメでは、どうしたってイメージが合いませんし、変なイメージを持ってしまわれかねません。
そのため、イタリアでは「Oceania(オーシャニア)」というタイトルとヒロイン名に変更したのでした。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
アイアンマン3のような、変更と言うより、その国の俳優が参加していることからの特典映像を加えたその国だけのバージョンというのは、ディズニーだけではなく、他の作品でもよくあることです。
一番ビックリしたのは「モアナと伝説の海」のイタリア・バージョンの話でしょうか。
いろいろとモアナ・ポッツィのことを調べてみると、かなりぶっ飛んだことをしていることがわかりました。
政治家の愛人となってそのコネで国営テレビ局の子供向け番組に出演しながら、ハードコア作品にも名前を出していないとはいえ、出演していたのですから。
その他にもいろいろな思惑といたずらごころで変更がなされていたりします。
他の作品にもこのような変更点がないか、調べてみるのも楽しいかもしれませんね。
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