映画バズライトイヤー子供連れは気まずい?視聴は大丈夫なのか解説

SF

ディズニー映画でピクサー作品の「バズ・ライトイヤー」

中東の国を中心に14か国で上映を禁止したというニュースが流れ、公開前から大きくニュースで取り上げられました。

詳しい内容は調べれば、簡単に見つかりますが、実際に映画館で子供連れで見に行った際、気まずい雰囲気になるような描写なのでしょうか?


僕自身、9歳と7歳の子供と一緒に見に行きましたが、全く問題ありませんでした。

今回はこの点を中心に、映画「バズ・ライトイヤー」を視聴するにあたって、気を付けておきたい4つのポイントを解説していきたいと思います。







映画「バズ・ライトイヤー」子供連れは気まずい?

映画「バズ・ライトイヤー」の公開を控えた時期に、映画の公開を禁止にした国が多数ある、というニュースが駆け回りました。

それを聞いた子持ちの親御さんは、この映画を子供を連れて見に行っても大丈夫なのか、心配になったのではないでしょうか?

実際に映画を子供を連れて視聴した感想を基に、「バズ・ライトイヤー」を子連れで視聴した気まずい雰囲気になったかどうか、そして上映禁止になったであろう問題シーンを含めて紹介したいと思います。

上映禁止理由・LGBT描写

中東の国を中心に14か国、主にイスラム教の国で「バズ・ライトイヤー」は映画館での上映禁止処置がとられています。

それらの国で定められている負定説な表現にあたるシーンがあるので、編集するように求められていたものを、ディズニーおよびピクサーが拒否した結果でした。


では一体、どのようなシーンが問題となったのでしょうか?

正確にはどの国の政府も具体的に「このシーンに問題あり」と表明はしなかったそうです。


しかし、一般的に言われているのが、主要な登場人物の一人アリーシャがレズビアンで、

    女性のアリーシャがパートナーの妻と口づけを交わすシーン

ではないか、と言われているのでした。

問題のシーン

その問題のシーンがこちらとなります。




ほんの数秒程度のシーンで、セリフもありません。

本編ではバズがウラシマ効果の影響を受ける飛行テストに帰ってくる度に、上司であり友人でもあるアリーシャが、バズが認識している以上に年を重ねていることを実感するシーンの一部として差し込まれています。

1回のテストはバズにとって4分超の時間でしかないのに、地表では4年以上、時間が過ぎてしまっていたのです。

ですので、テスト飛行からかえってくる度に、アリーシャは

    ・婚約
    ・妊娠
    ・少年とパートナーとの家族生活
    ・息子の大学卒業
    ・妻との結婚40周年記念日

を迎えているのでした。


そしてこのシーンは、最後の妻との結婚40周年記念日の一コマとなります。

子供連れで見ても気まずい雰囲気にはならなかった

アリーシャはバズに、婚約を話した後、相手の名前がキコであることを伝えます。

その際にはキコというキャラクターは画面に登場しません。


その次に初めて画面に登場しますが、セリフはなく、その姿も胸が強調されてなくて髪の毛もショートボブくらい長さのため、男性か女性かが一瞬では判断が付かないようになっています。

その後、キコの容姿はより女性ぽく変わっていきますが、視聴者の目には

    ・生まれた少年
    ・その少年が大学生になっている
    ・息子に恋人がいて結婚40周年の記念日

のほうに注意が奪われ、キコが女性なのか男性なのかには注意がいかないような後世になっていました。

実際、僕も9歳と7歳の息子と娘といっしょに映画を見ましたが、彼らからアリーシャが女性とキスをしている、と言った指摘は全く受けませんでしたので、おそらく気が付いていないと思います。


この部分はレズビアンのカップルを登場させたものの、ピクサーとしてもことさらそのことを大々的に主張したいわけではないのでしょう。

特に子供たちに気が付きにくい自然な演出にしているのではないか、と感じました。

映画「バスライトイヤー」子どもの視聴は大丈夫?

映画「バズ・ライトイヤー」を小さな子供が視聴しても大丈夫なのでしょうか?

上記したように、レズビアンのキスやレズビアンが家庭を持っているシーンを描いているシーンはバズがテスト飛行によって一人、時間の経過に取り残されていることを強調する演出となっていて、そちらに注意がいくように配慮がなされています。

その他に、お子さんを連れて行った際に、特に小さいお子さんに質問されるかもしれないポイントがいくつかありますのでそちらを紹介しておきましょう。

映画「バズ・ライトイヤー」にウッディーは登場しない

映画の冒頭に説明されますが、この映画は1995年にアンディが映画館で観て、バズのファンになった作品である、とされています。

そのため、「トイ・ストーリー」シリーズのスピンオフ作品でありながら、「トイ・ストーリー」作品のキャラクターは一人も登場しません。


バズ自身も「トイ・ストーリー」シリーズのバズとは少し異なる描かれ方をしています。

「トイ・ストーリー」のバズのようなコミカルさは強調されず、有能なスペースレンジャーとして描かれています。

数秒の間に数学者か物理学者しか理解できないような数式を用いて瞬時に正確な答えを導き出しているシーンも。

また笑える描写はあるものの、それは彼自身が間の抜けた所があるといったものではありません。


監督のアンガス・マクレーンもインタビューの中で、こういったバズ・ライトイヤー像があったため、声優をコメディアンのトム・アレンから「キャプテンアメリカ」を演じたクリス・エヴァンスにした、と答えていました。

日本語吹き替え担当も所ジョージから鈴木亮平に変更されたのも、この流れを受けてであることが予想されます。


最後に蛇足として個人的におやっと思ったことを記しておきます。
それは時代考証的に首をかしげてしまった点。

この「バズ・ライトイヤー」は1995年時点で劇場公開された作品としている設定。

その時点でも上記したLGBTの描写をしていたことになりますが、1995年では今ほどアメリカでもLGBT問題がオープンに語られ、対象者たちの権利が今のように認められていませんでした。

映画の登場人物がレズビアン、しかもパートナーと子供を育てて家庭を持っているという描写をしているのは行き過ぎのように感じました。

ストーリーの中心キーワード「ウラシマ効果」

今回の映画「バズ・ライトイヤー」では多くのSF作品で取り上げられてきた「ウラシマ効果」がストーリーの根幹となっています。

おそらく小さいお子さんであればあるほど、見終わった後にお父さんやお母さんに「なんで?」と疑問をぶつけてくるのではないでしょうか?


「ウラシマ効果」とは日本のSF業界で生まれた造語であり、正式には「タイム・ディレイション」と呼ばれています。

専門的に説明すると余計に分かりにくくなるため、簡単に説明しますが、二つのもののうち、どちらかが片方より高速で移動した場合、高速で移動したほうが、低速だったものもしくは動いていないものに対して時間の経ち方が遅くなる、という現象のことです。

相対性理論の中で言われている現象で、速度と重力の違いによって二つの時間の経ち方が異なる、というものでした。

このことは、

    ・片方だけを宇宙飛行に送った1組の原子時計の時間のわずかなずれが生じていたこと
    ・スペースシャトルに搭載された時計が地球上の基準時計よりもわずかに遅くなっていたこと
    ・GPS衛星やガリレオ衛星の時計が早く動くようになっていたこと
    ・東京スカイツリーの展望台に置かれた光格子時計が地上のそれよりわずかに進んでいる事

等で実証されています。


映画内で、バズはハイパースピードの飛行テストを行っていました。

それによってバズは4分超の飛行をしていただけでしたが、そのような速度で飛行していた彼だけ時間の進み方が遅くなり、結果、地表では4年以上の時間が過ぎていた、という結果になってしまったのです。

そして物語中盤から後半に登場するヴィレンズのザーグもこの「ウラシマ効果」によって誕生したのでした。

映画のテーマは「失敗との向き合い方」と「セカンドチャンス」

映画のストーリーは「ウラシマ効果」を更に応用し、過去に戻って失敗をやり直せると分かったとき、どういう選択をするか?というテーマに行きつきます。

バズや仲間たちが今の惑星に住まなくてはいけなくなった理由は、バズが犯した失敗でした。

その失敗をした瞬間に戻り、やり直すことができるとわかったとき、どちらの選択をするのか。


失敗がなかったことにできるのであれば、どんなに良かったか。

夢にまで見てうなされるバズは、やり直しができることの大きな魅力に魅かれます。


しかし一方で、失敗がなかったことになれば、バズをはじめとしたクルーたちがこの惑星に何十年という時間足止めされ、その間に作り上げてきたものすべてを失うことにも気が付きます。

それはアリーシャの孫娘イジーの存在をも完全に否定してしまう結果につながるのでした。


ここでバズは、失敗したことに対する後悔だけでなく、失敗したことで生み出された結果への感謝に気が付かされます。

起こってしまったことは変えられない。

たとえ失敗であったとしても、そこから学ぶこともあれば、新たな発見が生まれることもある。と。


これはキリスト教聖書、ローマの信徒への手紙 8:28にある一節、

    神を愛する者たち、つまり、御計画に従って召された者たちには、万事が益となるように共に働くということを、わたしたちは知っています。

という教えそのものであり、

僕の好きな言葉、

    「神は計算しない、計算するのは人間だ」

と同じことだと強く感じたのでした。

結論:大人向け設定もあるが子ども視聴も大丈夫!

このように設定の中で小さなお子さんには不思議に思ってしまうものが含まれています。

だからと言って子供視聴に向かない、というわけではなく、十分楽しめるものだと断言できます。

そして、一緒に視聴しに行った大人も楽しめるようなシーンも多く含まれていました。

特にバズのパートナーとなる猫ロボットのソックスは、かわいいですし、笑える行動をいくつもしてくれます。
視聴中の映画館内で笑い声が何度も起こったほど。

映画「バズ・ライトイヤー」は家族みんなが取っても楽しめる映画で、ぜひ視聴することをお勧めいたします。

解説のまとめ

映画「バズ・ライトイヤー」を上映禁止にしている国が複数あるというニュースが大きく取り上げられました。

正式な発表があったわけではありませんが、大勢の見解ではLGBT表現、レズビアンのキスが問題になったととらえられています。


しかし実際に作品を見たとしても、大人であればちょっと違和感を感じる程度。

子供の多くはそのことにも気が付かない程度のわずかな時間しか映し出されません。

その場で家族の間で気まずい雰囲気になることもないでしょうし、後々、子供から質問をされる事もないでしょう。

安心して家族で楽しめる映画となっています。









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