アニメ逃げ上手の若君瘴奸の鬼名鍼口鬼について詳しく解説

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アニメ「逃げ上手の若君」に登場する瘴奸は悪党集団集団「征蟻党」の首領であり、数々の非道を繰り返してきていました。

村を襲って大人を皆殺しにし、残された子供を傷つけて逃げられないように片輪にしたうえで、奴隷として売り払っていたのです。

時行と対峙した際、南北朝鬼ごっこでは「鍼口鬼」と名付けられていました。

今回は、この「鍼口鬼」について詳しく解説をしていきたいと思います。







アニメ「逃げ上手の若君」の瘴奸の鬼名「鍼口鬼」について詳しく解説

瘴奸の鬼名「鍼口鬼」ですが、「シンコウキ」と読みます。

文字通り、口が針の針穴のように細い形状になった鬼のことを指し、そのせいで常に食べることができずに苦しんでいる餓鬼の一種なのでした。

「鍼口鬼」とは餓鬼の一種

餓鬼とは仏教において、地獄にあるとされる餓鬼道に落ちた者たちを指す言葉です。

そして餓鬼は、常に飢えと乾きに苦しんでいるのでした。

しかも食物、また飲物でさえも手に取ると火に変わってしまうという苦しみに見舞われており、決して満たされることがないとされているのです。


地獄にて罪の苦しみを受けている餓鬼なわけですが、生きている最中に犯した罪によって、いろんな餓鬼に分けられるとされています。

正法念処経というお教の中に36種類もの餓鬼が登場するのですが、鍼口鬼はその中の鬼として詳細が語られているのでした。

その容姿は、口は針穴の如くであるが腹は大山のように膨れている、とされています。

生前、貪欲や物惜しみの心から、布施をすることもなく、困っている人に衣食を施すこともなく、仏法を信じることもなかった者がなる餓鬼なのでした。

常に餓え苦しんでいる上に、わずかに食べたものが炎になって吹き出すという責め苦を負っています。

さらに蚊や蜂などの毒虫にたかられ上に、常に火で焼かれている、のでした。

この説明ですと、鍼口鬼にたかっている毒虫は、鍼口鬼と同じく火に焼かれてしまうので、あまり苦にならないのでは、と突っ込んでしまいたくなりますが。


このように、生前の行いによって餓鬼道に落ちてしまい、餓鬼となるとされています。

例を上げると、

    ・食糞(じきふん):僧に対して不浄の食べ物を与えたものがなる。
    糞尿の池で蛆虫や糞尿を飲食するが、それすら満足に手に入らず苦しむ。
    次に転生してもほとんど人間には転生できない。
    ・地下(じげ):悪事で他人の財産を手に入れた上、人を縛って暗黒の牢獄に閉じ込めた者がなる。
    暗黒の闇である地下に住み、鬼たちから責め苦を受ける。
    ・羅刹(らせつ):生き物を殺して大宴会を催し、少しの飲食を高価で販売した者がなる。
    四つ辻で人を襲い、狂気に落としいれ殺害して食べる。
    ・食毒(じきどく):毒殺して財産を奪ったものがなる。
    険しい山脈や氷山に住み、毒に囲まれ、夏は毒漬けと天から火が降り注ぎ、冬には氷漬けと刀の雨が降る。

などなど。

このような36種類の餓鬼が、生前に犯した罪によって地獄に存在するとされているのでした。

餓鬼は救われて天国に行けることもある

一方で仏教では、餓鬼になった者も何らかの方法で助かり、天国に行けるという教えも存在します。

それが施餓鬼法と言われるもので、池の畔、樹木の下などの静かな場所で東方に向かい3尺以下の壇を設けて修します。

陀羅尼と宝勝・妙色身・甘露王・広博身・離怖畏と言われる五如来の名号念誦の加持力によって、餓鬼の罪障を滅し、飢渇を除き、天人道や浄土へと往生させるとされているのでした。

また、餓鬼道から救われた人の話として、このような伝説が伝わっています。

お釈迦様の十大弟子の一人目連尊者お弟子が神通力で亡くなった母親の姿を見たところ、母親は餓鬼道に堕ちており、逆さ吊りにされて飢えと渇きに苦しんでいたそうです。

嘆き悲しんだ目連尊者がお釈迦様に、何とか母親を救いたい、と相談したところ、

自分の力は母親だけのために使うのではなく、同じ苦しみを持つすべての人を救う気持ちを持つように諭されました。

その助言にしたがって目連尊者は修行僧たちに、食べ物や飲み物、寝床などを捧げたところ、修行僧たちは大変喜び、その喜びが餓鬼の世界まで伝わり、母親が救われ、天国に行ったということです。

ところで、目連尊者の母が餓鬼道に落ちた理由はいがのとおりです。

彼女が生前の出来事。

喉の乾きに苦しんでいる修行僧が水をたっぷりとたたえる瓶をみて、一杯の水をお願いしました。

しかし目蓮の母親は、息子の目蓮にのみ与える水であることから、その願いを拒否したのです。

この行動が、彼女が餓鬼道で苦しまなくてはならない理由なのでした。

まとめ

アニメ「逃げ上手の若君」に登場する悪党の瘴奸。

南北朝鬼ごっこでの鬼名は「鍼口鬼」ですが、これは餓鬼の一種を指す呼び名でした。

口は針穴の如くであるが腹は大山のように膨れた姿をしている鬼で貪欲や物惜しみの心から、布施をすることもなく、困っている人に衣食を施すこともなく、仏法を信じることもなかった者がなるとされていました。


一方で、餓鬼はその後の行いによっては救われ、天国に招かれるという一面も持ち合わせています。

ネタバレにはなりますが、今後、瘴奸が心を入れ替えて、領民に慕われる地頭になったことを考えると、餓鬼の一種である鍼口鬼というネーミングが伏線になっていることがわかるのでした。









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