映画長ぐつをはいたネコと9つの命のビッグ・ジャック・ホーナーの元ネタ紹介!

アニメーション

映画「長靴をはいたネコと9つの命」で登場するビッグ・ジャック・ホーナー。

本作品のメインヴィランズでその性格は自己中心的。

手下に対して思いやる気持ちも持ち合わせない、とてもひどいキャラクターです。


ところでこの「ビッグ・ジャック・ホーナー」は、いったいどういうキャラクターが元ネタなのでしょうか?

「長靴をはいたネコ」シリーズや、本シリーズがスピンオフした「シュレック」シリーズでは童話や童謡のキャラクターが元ネタになっています。

では、「ビッグ・ジャック・ホーナー」の元ネタもそうなのか、詳しく見ていくことにしましょう







映画「長ぐつをはいたネコと9つの命」ヴィレンズについて

「ビッグ・ジャック・ホーナー」は映画「映画長ぐつをはいたネコと9つの命」内では主人公のプスのメイン・ヴィランズとして描かれています。

巨大なパイ工場を経営しており、味についてはうるさそうで、設定ではパティシエということになっています。


そのほかに2つの重要な設定があり、一つは魔法の品をコレクションしていること。

そしてもう一つは、非常に自己中心的な性格で他人を思いやるという気持ちは全く持ち合わせていない、ということです。


そんな「ビッグ・ジャック・ホーナー」の元ネタはいったい何なのでしょうか?

それについては次で詳しく紹介しましょう。

ビッグ・ジャック・ホーナーの元ネタ紹介

「ビッグ・ジャック・ホーナー」の元ネタですが、それは童謡でした。

「リトル・ジャック・ホーナー」という名前で知られており、ヨーロッパや北米では非常に有名は童謡の一つです。

童謡「リトル・ジャック・ホーナー」

童謡「リトル・ジャック・ホーナー」の歌詞とその役は以下の通りです。

    (原文)
    Little Jack Horner
    Sat in the corner,
    Eating his Christmas pie;
    He put in his thumb,
    And pulled out a plum,
    And said, “What a good boy am I!

    (発音)
    リトル・ジャック・ホーナー
    サット イン ザ コーナー
    イーティング ヒズ クリスマス パイ
    ヒー プット イン ヒズ サム
    アンド プルド アウト ア プラム
    アンド セイド ホワット ア グッド ボーイ アム アイ

    (日本語訳)
    リトル・ジャック・ホーナー
    隅に座って、
    彼のクリスマスパイを食べています。
    彼は親指を入れ、
    そして梅を取り出し、
    そして、「私はなんていい子なんだ!」と言いました。

こちらがYoutubeで見つかる「リトル・ジャック・ホーナー」のミュージックビデオです。




英語の歌詞では

    「ホーナー」と「コーナー」
    親指という意味の「サム」と「プラム」
    「パイ」と「アイ」

が見事に韻を踏んでいます。

童謡ができた背景

童謡「リトル・ジャック・ホーナー」ができた背景を調べてみると、イギリスで起こった歴史的な出来事を風刺したのが始まり、という説が有力です。

その出来事とはチューダー朝の2代目の王、ヘンリー8世の治世に起こりました。


このヘンリー8世はイギリスで宗教改革をした人物として知られている王様です。

が、ざっくりと説明するとこの宗教革命は、自身が妻と離婚して別の女性と結婚したいために行われたという点で有名です。

それまで敬虔なカソリック信者であったヘンリー8世ですが、王妃キャサリンと離婚し、アン・ブーリンと結婚したいと考えました。

そのため、王妃との婚姻の無効を教皇に願いでますが、認められません。
カソリックでは離婚は認められていないからです。

それでも新しい愛人と結婚したかったがために、カソリック信者をやめてしまったのでした。

ちなみにアン・ブーリンはチューダー朝第5代国王エリザベス1世の母親に当たります。


カソリックが国教でなくなったため、カソリック教会の所有地が国王によって没収されるという事態を引き起こしました。

そしてその時に起こった出来事が後に童謡「リトル・ジャック・ホーナー」として風刺されるようになったと考えられています。


ヘンリー8世の治世中に、グラストンベリー修道院長の執事を務めていたトーマス・ホーナー。

修道院長が修道院の維持のためにメインとなる領地を維持できるように国王に働きかけることを決定します。

具体的には、輸入の一番多い領地を引き続き統治できるように取り計らってもらうため、国王に賄賂を贈ることにしたのです。

賄賂として国王に渡すものとして修道院が保有している土地の一部が選ばれました。

土地の所有権証書を、パイの中に隠すことにし、トーマス・ホーナーは国王が住むロンドンに向かいました。

しかし、トーマスはヘンリー8世に賄賂を渡す代わりに、彼はパイから、メルズ マナーと呼ばれる場所の権利書を引き出して自分のものとしたのです。


一説にはそれは鉛鉱山であったとされていました。

というのも歌詞に出てくる「プラム」はラテン語の「鉛」との語呂合わせができるから、というのが、その根拠だそうです。


また、実際にパイに権利書を隠したわけではないようです。

この場合の「パイ」はメタファーで、大事なものが隠せる箱のようなものであった、とするのが一般的な説です。


この「リトル・ジャック・ホーナー」の歌は、日和見主義をしていた修道院が痛い目を見る、という意味を持つようになりました。

ですので、その後、どっちつかずのあいまいな政策を行った政府首脳を風刺するためによく使われるようになったのです。

例えば「リトル・ジャック・ホーナー」の恰好をした時の首相の風刺画が新聞に掲載されたり、として風に。


こちらの風刺画は日露戦争での日本海海戦で日本海軍がロシアバルチック艦隊に大勝利を収めた際にタコマ・タイムスというアメリカの新聞に掲載されたものです。




「リトル・ジャップ・ホーナー」がロシアパイから軍艦を引っこ抜いた様子が描かれています。

日露戦争で日本とロシアを戦わせ、ともに消耗したのちに漁夫の利を狙おうと考えていた勢力は、日本の大勝利にその目論見が霧散した、と考えていた人たちがいたのでは、と邪推してしまう風刺画になっていますね。

まとめ

映画「映画長ぐつをはいたネコと9つの命」に登場するビッグ・ジャック・ホーナーはマザーグース二も収められている童謡「リトル・ジャック・ホーナー」が元ネタとなっていました。

かわいらしい歌詞に登場するリトル・ジャック・ホーナーですが、歌が出来上がったきっかけは、日和見をしてお目こぼしにあずかろうとしたカソリック修道場が、逆に損をしたという昔話だそうです。

そのため、「リトル・ジャック・ホーナー」は、日和見的な政策を決めてしまった政府首脳をこき下ろすためのキャラクターとして使われているとのことでした。









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