ネタバレ感想 1 飽きもせずに3代目、と思いきやかなり出来の良い作品に
今回、トビー・マグワイア主演の1代目、アンドリュー・ガーフィールド主演の2代目に
続く3代目のスパイダーマン。
個人的に1代目の印象が強く、なんとかそれを払拭しようしたけど上手くいかなかったように
感じた2代目につづいて、またスパイダーマンか、と思いましたが、今回は「マーベル・
コミック」のキャラが一つに集う「マーベル・シネマティック・ユニバース」シリーズと
しての作品でしたので、いい意味で映画の最初から期待を裏切られました。
まったくそんな予備知識をいれずに映画館に出向いたものですから、ピーター・パーカーが
蜘蛛に噛まれてスパイダーマンになるシーンを期待していたのに、いきなりスパイダーマン
として話が始まっていることに面食らいました。
多くのスーパーヒーローの中で、年齢的にも子供ですので、完全に子供扱いされており、
それを見返そうと子供らしい発想で事件に首を突っ込んで、更に大騒ぎに成ってしまう
ところなどは、見ていて微笑ましいリアリティーを感じます。
自分の周りの現実生活に目を向けず、学業も部活動も、友人関係さえも後回しにして
アベンジャーズとして認められようと奮闘努力する姿に理解はできるものの、今やって
おかないとダメなことはそこなんだけどな、と年老いたオッサンそのままの思いで見て
いました。
連絡役にさせられたハッピーはまともに相手してくれませんし、他のスーパーヒーロー達
とも連絡は取れず、街を守ると言ってもコソドロを捕まえるくらいのことしかできません。
いつしか犯罪を未然に防いだ結果、認められるという順序も、認められたいがために犯罪を
待ち望んでいる、という本末転倒な気持ちになっているのでした。
1代目のスパイダーマンが街の平和を守るために、自分のバイトや大学の勉強を犠牲にし、
正体を隠しているがために、自分自身には感謝をされず、守れば守るほど、自分の現状が
惨めになっていくという描写が有りましたが、そのとおりだと思います。
全米チャンピオンになったデカソロンの決勝も参加せず、ホームカミングのダンス
パーティーに念願の片思いのリズと参加できたのに、ロクも相手せず、いなくなったり。
世界を守るという有意義なことをしているとはいえ、その時にしか体験できないイベントを
棒に振る生活が羨ましいのか、と考えると全くそうではないと、今は思えます。
が、僕も若い頃にスパイダーマンとまではいかないまでも、他の生徒が味わえない特別な
体験に憧れてそちらのほうに行ってしまったがために、普通の生徒が味わうことができる
体験を少し体験し損なったのではないか、という後悔を持ったことを思い出してしまいました。
嬉しかったのはピーターが最後にはそのことに気がついてくれて、アベンジャーズへの
参加を断ったエンディングでした。
ネタバレ感想 2 他のアベンジャーズシリーズを見ていなくても大丈夫?
先にも書きましたが、3代目スパイダーマンの第1作である「ホームカミング」はマーベル
ヒーローズが同一世界に存在する「マーベル・シネマティック・ユニバース」シリーズの
一作品でも有ります。
今回はアイアンマンことトニー・スタークのみがメインで出てきていますが、他のヒーロー
もちょこちょこと顔を出しています。
そこで気になるのは他のマーベル・コミックシリーズの映画を見ていないと話が繋がらない
のではないかという点ではないでしょうか。
ですが、僕自身、マーベル・コミックシリーズの映画を全部見ているわけではありません。
というより、殆ど見ていない部類に入ると思います。
アイアンマンは1と2は見ましたが3は見ていません。キャプテン・アメリカ、ソー、ハルク
に至っては一作も見ていませんし、アントマンもアベンジャーズシリーズも見ていません。
おそらくコアなファンからしたら、なんという不届きなヤツだと言われると思いますが、
それでも今回の「スパイダーマン ホームカミング」をみて、ちんぷんかんぷんだったという
印象はありませんでした。
おそらく、映画内に散りばめられた他の作品との絡みやネタにしたジョークなどには気が
ついていないのではないかと思いますが。
ネタバレ感想 3 マイケル・キートンの怪演と高校生を見事に演じたトム・ホランド
今回、敵役として出演していたマイケル・キートンですが、思い起こせば初代バットマンと
して2作品に主演しています。
1989年と1992年ですから25年~30年近く昔のことで、僕にとっては、マイケル・キートンと
いえばバットマンという印象が未だに強いのですが、そんな彼も年を取って味のある演技を
披露されています。
この映画で一番驚いたシーン、ピーターの片思いの相手リズの父親が強敵バルチャーの
エイドリアン・トゥームスであったのには本当にやられた、と思ったくらい予想もして
いませんでしたが、愛娘のパートナーをからかい半分に相手していたのが、ピーターが
スパイダーマンだと気がついた時の表情の変化には恐怖なのか、何なのか、自分でも正体
不明なゾクゾクするような感覚を覚えました。
「スパイダーマン ホームカミング」の前の主演映画
「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」
でレイ・クロックを演じていましたが、そちらの映画は、今回のようにただの悪人
ではないが、ビジネスのためには熱中もするし、冷徹にもなれるビジネスマンをみごとに
表しています。
マイケル・キートンといえば2014年の主演映画「バードマン あるいは (無知がもたらす
予期せぬ奇跡)」でゴールデングローブ賞 主演男優賞を受賞しています。
まだ見ていない映画ですので、とても興味があります。
ところでこの映画はアクション・コメディともいえる映画だと思います。
とにかく高校生のピーターが有名なスーパーヒーローのスパイダーマンになっても、ちっとも
スーパーヒーローらしいかっこよさがないと言うか、空回しっぱなしなんですよね。
片思いのリズの興味を引くためにホームパーティーにスパイダーマンとして参加しようと
したり、夜、不審な光を見てそこへ移動するのにスパイダーウェブを使おうとしたものの、
公園とゴルフ場でウェブをくっつけるものがなくて、結局走っていかなくてはならなかったり。
情報を聞き出そうとストリート・ギャングを脅そうとしますが、音声変換機をつかって
超低音の声色でおどすのですが、全然脅しになってなくて、結局懇願して情報を聞き出す
はめになったり。
そんなピーターに付き合わされたかわいそうなキャラがハッピーで、全てが終わったあと、
謝罪とスパイダーマンのアベンジャーズ参加の話をしに、学校でピーターを呼び出すのですが、
呼び出した先が男子トイレ。
ピーターの活躍に、真剣に取り合わず、半人前扱いしたことの謝罪をしているシリアスな
場面で、大をし終わった他生徒が出て来るハプニングに、雰囲気を台無しにされています。
もちろん、この映画で終わるわけでなく、今後も数多くのマーベル・コミックシリーズの
映画に出演することになると思います。そんな中で成長をしていくスパイダーマンをみる
ことができるでしょうし、捕まったとはいえ死んではいないエイドリアン・トゥームスも
敵役として必ず復活することでしょう。
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