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モアナと伝説の海(映画)でなぜモアナが海に選ばれた意味を考察?テカァに負けた理由も

2020/03/21
 
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映画「モアナと伝説の海」は、南太平洋を舞台にしたポリネシアの少女モアナの冒険と成長の物語です。

半神であるマウイの助けも借り、世界を飲み込もうとする闇を打ち払うために、一人島を出るのですが、彼女は海から選ばれた少女として海からも助けられて、無事に目的を果たすのでした。


が、いざモアナが海に選ばれた理由を考えてみると、そこにはかなり深い意味が隠されていたことに気が付きます

しかもモアナは最初のトライでテ・カァに負けて追い払われてしまっていますが、いったいなぜでしょうか?

2度目に成功した時と何が違うのでしょうか?


実はこのことも、モアナが海に選ばれた理由に関係していると思っています。


今回はモアナが海に選ばれた理由を考察し、その意味の深さについて、紹介していきたいと思います。







モアナが海に選ばれた理由を出来事順に考察

モアナは映画の冒頭から、モトゥヌイの他の人々が全く興味を示さないのとは対照的に、海に憧れを抱いていることが描写されます。

幼いころは海に入って遊びたがり、物心つくと船に乗って海に出ようとしては、父親に見つかって連れ戻されています。


しかし、子供のころから海にあこがれていた、という事実だけで海に選ばれるのでしょうか?

そしてモアナがいつ、海に選ばれたのかの時期について考えるため、出来事順にみていきたいと思います。

モアナが子亀を助けた時

まずはモアナが2歳~3歳のころ。

浜辺で立ち往生している亀の子を保護して海に返してあげる行為をしてみせます。

この時、モアナは海が差し出したきれいな貝殻を手に取ろうとしたものの、命の危険が迫る子亀のことを気にかけて、貝殻を後回しにして子亀を助けました。

そのお礼とでもいうのでしょうか、海は不思議に泡立ち、モアナの前に取り損ねた貝殻を差し出します。

そして、似たような貝殻を2度、手に入れる機会を与えた後に、海はテ・フィティの心の宝石を差し出します。

が、モアナはもらい損ね、テ・フィティの心はまた海の底に沈むことになったというのが一連の流れです。


一連の流れを見てみると、

    ・奇麗な貝殻が目の前にあり、それを受け取れば自分自身の気持ちは満たされる。
    ・しかし子亀は鳥たちに食べられてしまうかもしれない。
    ・一方で子亀を助ければ、貝殻は海の中に消えて手に入れられなくなってしまう。

というどちらを取るかの二者択一の選択を与えられます。

ここで、モアナは自身の満足度よりも小さな海の生物の命を守ることを選択し、その結果、海に選ばれた、ということに見えそうです。


が、果たしてこれで「海に選ばれた少女」になったのでしょうか?

答えはYesであり、Noでもあると考えます。

つまり、どういうことかというと、「海に選ばれた多くの一人になった」と考えたほうが妥当だと思われるのです。

父親トゥイ・ワイアリキが越えられなかった試練

モアナは元気に成長していきますが、どれだけ大きくなっても海へのあこがれは消えません。

父親のトゥイによって、次期村長としての責任と自覚をことあるごとに植え付けられていき、その父と村人たちの期待にこたえられるだけの優秀なリーダーに育っていきます。

そんな中で海へのあこがれは忘れ去れたかに見えましたが、村の窮状、海からの漁獲が極端に減ったことで、新しい漁場の開拓という必要に迫られ、海へのあこがれを再発させるのでした。

が、父親はサンゴ礁の外に航海することをかたくなに禁じ、その理由が、彼自身、若いころ海へのあこがれを持っていて、その結果、親友を亡くしたという過去にあることが分かります。


ですが、モアナは子豚のプアと一緒に海に出てしまいます。

そして未熟な航海技術に、まだ見ぬ海の一面に出くわし、命を落としそうになって島に逃げ戻るのでした。


この一連の流れについて考えると、子亀を助けたのが第一の試練とした場合、この「海に出て死にかけた」という出来事は第二の試練であったのではないでしょうか。

つまり1000年という時の流れの間、モアナが登場するまで、だれ一人海に出てテ・フィティの心を返そうとしなかった、ということは考えにくく、幾人もの人たちが、海に出ることを志した、と考えたほうが自然でしょう。

祖母のタラがモアナや他の子供たちに語って聞かせる伝説も、過去にテ・フィティの心を戻そうとした人たちがいて、失敗してきたからこそ、出来上がった話であり、もし誰も何もしていないのであれば、このような話が出来上がるわけがないからです。


現に、モアナの父親トゥイもテ・フィティの心を返そうとしたかはわかりませんが、海にあこがれて、サンゴ礁の外へ親友と航海に出かけています。

が、外洋という全く異なる環境は、モアナや島の中だけで生きている人が考えているほど生易しくはありませんでした。

おそらくモアナ以前に試した父親をはじめ、過去の人々も大なり小なり同じ経験をしたはずです。

中には本当に命を落としてしまった人もいたでしょう。


海というものは憧れだけで何とかなるような相手ではなく、そのこともきちんと理解し、覚悟しないといけない大自然です。

第二の試練は、その現実を受け止め、きちんと理解し、それでも海に出ようとする覚悟を持っているかどうか、を見極めたのではないでしょうか。

テ・フィティの心のシンボルの帆

一度はモアナも海へのあこがれを完全に捨てて、村長として落ち着く覚悟を決めます。

が、海へのあこがれを消してしまうことはできず、祖母タラによって自分たちの祖先が海洋民族であったことを知り、隠された船の一つに乗り込んで、海へと旅立つのでした。

この時、モアナが選んだカヌーのマストにはテ・フィティの心のシンボルである渦巻が描かれています


一方でモアナが初めて隠されたカヌーを探し出したときに見た過去のイメージの中で、大船団を作り上げて航海するカヌーの中に、モアナが選んだカヌーは見当たらないのに気が付いたでしょうか?

これが意味するところは、おそらくこのカヌーは過去に、モアナのように海に選ばれた人物が、航海に出ようとして用意したものではないか、ということです。

そしてテ・フィティの心を返すという航海の目的もあって、テ・フィティの心のシンボルをマストに描いた、と考えるのが、自然ではないでしょうか。

そしてその船が洞窟内に残っていた、ということは、その人物はどんな理由があったかはわかりませんが、結局、航海には出なかった、ということでしょう。

挑戦し続ける限り、海は見捨てない

その後、モアナは多くの困難に直面します。

が、その都度、困難を乗り越えてテ・フィティの心を送り届けるために、前に進んでいきました。

そういう、挑戦し続けるモアナに対して、海はサポートをつづけます

で、なければマウイを探し出そうとしていた時点で、遭難死していても不思議ではないほど、モアナの航海術は未熟でした。


また、嫌がるマウイがモアナをカヌーからおろそうとしても助けていますし、モアナがマウイから航海術を学ぶためにマウイを麻酔で動けなくして挙げています。


さらに、テ・カァとの2度目の対決の際にも、海はカヌーから落ちたモアナを陸まで運びましたし、テ・カァとモアナとの間に道を作りました。


こうしてみると、海はテ・フィティの心を返すという行為に対し、挑戦し続ける以上、海が選んだ人物の手助けをずっとしてきていたことが分かります。

モアナがいつ海に選ばれたのかの結論

こうしてみていくと、「モアナが子亀を助けた時点で海に選ばれた」といえそうです。

が、選ばれたから安泰、というものでもなく、海はモアナが成長していくにつれ、今後直面するであろう試練をきっちりとモアナの前に披露してきました。

そしてモアナがその試練を乗り越えようと努力をするのであれば海はその手助けをしてきたのです。

つまり、モアナは「海に選ばれた」わけですが、いつでもその地位から彼女の意思で降りることはできた、といえるでしょう。

モアナとマウイがテ・カァに一度負けた理由

そんな中で、モアナとマウイはテ・カァに対し、最初のトライで完全に負けて追い返されてしまいました。

しかもマウイはテ・カァの一撃で魔法の釣り針にひびを入れられてしまい、次の一撃で完全に壊されてしまう、という状況に追い込まれます。


が、ここで少し考えると、いったい何が悪くて一度目は失敗したのでしょうか?

その答えを知るために二度目のトライとの違いを見てみましょう。


すると1度目と2度目の大きな違いがすぐにわかります。

それはマウイ

1度目はマウイがいて、彼が心を返そうとしました。

2度目はマウイがおらず、モアナ一人で心を返そうとしました。

これは何を意味するのでしょうか?


祖母タラから聞かされていた伝説でも語られていますが、海から選ばれた英雄が行うとされている行動とモアナのマインドセットをよくよく見てみると、おかしいと思いませんか?

曰く、

「マウイを探し出し、テ・フィティの心を返して命の力を復活させる」

しかしモアナはマウイに対してこう宣言しています。

「私はモトゥヌイのモアナ。あなた(マウイ)を連れてテ・フィティのもとへ行き、あなたが心を戻す手伝いをする。」


つまり海から選ばれた自分は「マウイを探し出して連れ出し、テ・フィティのところまで連れて行って、マウイがテ・フィティの心を返すのを手伝う」ということになります。

これは伝説の海から選ばれた者とかなりかけはなれていると思いませんか?

言葉を選ばずに言えば、他力本願です。


確かにマウイがテ・フィティの心を盗み出したことに原因がある、といえますが、そのマウイも人間の際限のない欲望を満たそうとしたために、盗みという行動をしたわけで、もともとの元凶は「足るを知らない」人間にあった、といえなくもありません。

であれば、そのおおもとの間違いを犯した人間であるモアナが、テ・フィティに心を返さないといけないのではないでしょうか?

そしてそのメンタリティが不足していたからこそ、モアナとマウイは最初のトライでテ・カァに負け、追い返されてしまったのだと思います。

まとめ・映画「モアナと伝説の海」において海に選ばれるということの意味

ここまで見てきましたが、まとめてみますと映画「モアナと伝説の海」で「海に選ばれた」ということの意味は、ただ単に生まれながらにして英雄として特殊な力を持っている、というような話ではありません。

モアナの祖先や父親を含めた村人は、本当の問題を知らなかった、気が付かなかったとはいえ、島の中で生活していけるという生活が保障されていることに甘え、根本の問題をどうにかしないといけなくなるまで、見ないふりをして生きてきたといえるでしょう。

「海から選ばれる」という存在になることは、その根本の問題に気付き、どうしたらその問題を解決できるかを考え、解決するためにクリアしないといけない課題を自分を成長させることで、乗り越えていくことができる人物になる、ということだと思います。


そしてその覚悟を失わない限り、海はできる限りの手助けをしてくれる。

それは、海がしてくれるから何もしなくてもいい、というのではなく、自分の精一杯で物事に対処した時に、少しの幸運を与えてくれる、というものだと思います。

もしかするとマウイは、そのことを知っていて、最初のトライでテ・カァに負けた後、モアナのもとを去ったのかもしれませんね。

そのことを考察した記事がこちらになりますので、もしよろしければ参考にしてみてください。

映画モアナと伝説の海でのマウイの役割とは?モアナとの関係も考察!











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