映画「リメンバー・ミー」でたくさん登場する骸骨姿の死者たち。
その姿形に関して一つの謎が浮かんできます。
それは、どんな基準であの姿になっているのか?ということです。
特に映画の最後で、ミゲルが元の世界に戻った1年後、ひいおばあちゃんのココが亡くなっていました。
が、その年の死者の日に死者の国でヘクターが再会したココは、白髪の三つ編みをした、無くなる前に着ていた服装で現れました。
再会を喜ぶヘクターとココでしたが、なんだかココはへクターの娘というよりお母さんかおばあさんのような絵になっていたのに、疑問を感じてしまったのです。
ヘクターが若いままで、ココはおばあさん?って。
一体どういう基準で死者の国での姿が決められているのか、考えてみました。
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骸骨の姿は祭壇に飾られていた写真通りなの?
一番最初に思いつくのは、死者の日に作られる祭壇に飾られる、写真と同じ年齢での骸骨姿になる、というものでした。
イメルダおばあさんを始め、死者の国でミゲルが会った家族達は祭壇に飾られている写真とそっくりの格好をしています。
また、国民的スターのエルネスト・デラクルスもお墓の中の壁にかけられた遺影のものと同じ衣装を死者の国で着ています。
ですので、シンプルに祭壇に飾られている写真と同じ年齢である、という仮説が立証されるかと思ったのですが、そうとも言えない事例が発見されてしまいました!
イメルダとココ、そしてヘクターで疑問点が出てきてしまったのです。
イメルダですが、よくよく見てみると頭に白髪が数本、額から後ろに伸びているのが確認できますが、祭壇に飾られた写真にはそのような、色の違う髪の毛は一筋も写っていません。
次にココですが、ココは2つの姿が祭壇に飾られています。
一つはイメルダの膝の上に抱かれた幼い女の子のころの写真。
そしてもう一つは大往生した年齢の、年老いておばあさんになったときの写真。
こうなると、ココは2つの姿のどちらにでもなれる、ということになってしまいます。
だとしたら、ヘクターと久しぶりに再会するのですから、彼が覚えている幼い女の子の姿のほうが良かったのではないでしょうか?
さらに問題なのはヘクターです。
祭壇に写真が飾られていなかったときの姿がなぜ、あんなオンボロな格好だったのか、わかりませんが、祭壇に飾られるようになった写真にはマリアッチの衣装で正装した姿が映し出されています。
それなのに家族とともに橋を渡って現世にもどったヘクターは、最初にミゲルが出会ったままの、オンボロな姿かたちから変化がありません。
なぜなのでしょうか?
祭壇に飾られた写真でないとすると、覚えている人の持つ記憶が基準?
一つの仮説を思いつきましたが、イメルダとココの謎に関してはそれなりに説得力がある解答になるのでは、と思います。
ズバリ、死者の姿は祭壇の写真ではなく、覚えている人の記憶に沿ってその姿に落ち着いているのでは、というもの。
これであれば、つい最近亡くなったココの姿は、現世で覚えていてくれている人々にとって、おばあさんの姿が自然に記憶に強く残るでしょう。
子供の頃の写真は古い上に、映像も鮮明ではないと思われるので、現世でココおばあさんのことを思い出すと、必然としてココはおばあさん姿に落ち着くという説です。
イメルダも基本は写真の姿形になっています。
おそらく実際にイメルダに会ったことのない家族もいるので、写真の姿が一番印象的であるというのは、すんなりくることでしょう。
一方で年老いたエレナおばあちゃんなどは、実際に生きていたイメルダと一緒に生活していた可能性もあり、そうであれば、年老いてからのイメルダのほうが彼らの記憶には強く残っているでしょう。
つまり少数派ではありますが、イメルダが年取った後の姿を覚えている人たちが記憶しているため、イメルダの年をとってからの姿がわずかに影響を及ぼして、白髪が見えるほどになった。
しかし家族の大半は写真のイメルダしか知らず、この合わせ技でその姿が死者の国でのメインの姿となっている、という考え方です。
最後の難関はヘクター
ではヘクターはどうでしょうか?
映画内で映し出される生きているヘクターは、常にマリアッチの衣装に身を包んでいます。
ですが、普段はあそこまでボロボロでないにしても、ラフな格好をしていたのではないでしょうか?
ヘクターを覚えているのはココだけで、彼女の記憶の中にあるヘクターの姿が、死者の国でのヘクターの姿に影響を与える唯一のもの。
その唯一のココの記憶には、ヘクターのラフな格好の姿が強く残っているから、ということで説明は付きます。
では、ボロボロの格好についてですが、記憶している人の記憶が薄れだすと、着ている服もボロくなっていく、というのではどうでしょう?
一応、説明はこれでつくような気がします。
ただ、この仮説も最後のワンシーンでその根拠が大きく揺らいでしまいました。
死者の国でヘクターとココが再会したシーンで、そこでもヘクターはボロい格好のままです。
生きている人の記憶と同じ格好になるとすれば、ココが死んで後は、家族がヘクターを知る唯一の写真は祭壇に飾られていた、マリアッチの格好だけです。
そうなるとヘクターの記憶を持つ家族は全てマリアッチ姿のヘクターしか知らないことになるはずです、ミゲルを除いて。
そのミゲルもヘクターのボロい格好は死者の国で出会ったことで得た情報ですので、ルール上、その姿はカウントされないことになるはずですが。
それともミゲルの鮮明に覚えているヘクターの姿に引っ張られて、姿が変わらないのかもしれません。
最後の最後で、説得力が薄い結末になってしまいました。
どなたかいい考えがありましたら、アドバイスください。m(_ _)m
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コメント
死んだ年齢の時の姿というのはどうでしょうか
sakuさん、コメント、ありがとうございます。
ご指摘の説、十分ありえると思います。
ただそれだとリヴェラ家の祖先の3人の女性、イメルダ、ロシータ、ビクトリアがかなり早い時期で亡くなったのかな、と思ってしまい、完全に納得できないでいます。
イメルダはほんの少し、髪の毛に白いものが混じっているのが確認できますが、ロシータとビクトリアは黒髪のまんま。
年をとっても髪の毛の色が変わらない人もいますが、ココのような年齢まで黒髪でいられないでしょうから、ココより若い年齢で亡くなったのでしょう。
けど、ちょっと早いような気がして、それがふたりともとなると、本当にそうなのかな、と思えてしまうのです。
確かにそうですよね…映画をもう一度見てきて気づいたのですが、あの髪の毛取れるんですね!(ヘクターもフリーダに変装してましたし)
ということは、死者の国ではかつらが売られていて好きなかつらを頭につけれるのではと思いまして、
骨格は死んだ時のもの→髪は別発注みたいな感じではと
(なんと若作りも可!黒髪も白髪混じりも、水色でもなんでも可!!しかし骨格は亡くなった時のものだから似合うものをね、みたいな)
(ママイメルダが白髪混じりなのは、最初黒髪にしていたが、ヘクターに死者の国で初めて会った時に、「おまえ変わってないな!」みたいなことを言われて、
お前がいなくなってから随分苦労もしたし変わったわ!!!こいつ!!!と憤慨して、黒髪からヘクターの出て行った後になってしまった白髪混じりの髪に変更してたりして…なども想像してしまいました)
突飛な考えですが…
(でもそしたら、死者の国が骨格がお年を召したものばかりになりそうなのになってないような…とも思われました、なかなかいい考えがないものですね)
(補足)
映画パンフレットを見たところ、メキシコをモデルにしているそうで、メキシコの統計情報とパンフレットの家系図を元に、とりあえず、ママイメルダがこれぐらいに亡くなったのではという予想を立てようとしたのですが、統計情報が足りなくてできませんでした…
(ミゲル父を現在a歳とすると
ミゲル父が生まれたのは(2018-a)年
ミゲル父を出産したときのママエレナの年齢がb歳だとすると(平均出産年齢から仮定)、ママエレナが生まれたのは(2018-a-b)年、
ママエレナを出産した時のママココの年齢がc歳だとすると、ママココが生まれたのは(2018-a-b-c)年
ママココを出産した時のママイメルダの年齢をd歳とすると、ママイメルダが生まれたのは、(2018-a-b-c-d)歳だから、その歳の平均寿命をe歳とするとママイメルダはe歳ぐらいで亡くなったと、ざっくりしているが仮定できるかな…みたいな感じで)→(ミゲル父の年齢が第一子を授かる男性の平均年齢にミゲルの年齢(12歳ぐらい)を足して求めようとしたが、統計が見つからず頓挫)
長文失礼いたしました
sakuさん、面白いコメント、ありがとうございます!
髪の毛のこと、全く気が付きませんでした!いわれるとおりですね。
家族の家系図、発表されているのは知りませんでした。僕も見てみたいので探してみます。
(ただでさえ誰がどの世代かも分かりづらいな~と思っていましたので)
私も映画を観て率直に亡くなった年齢なんだろうな〜だと思いました。根拠はありませんが(^^;
sさん、コメント、ありがとうございます!
何となく僕が考えすぎなのかも、と思い始めてきました。
深く考えず、最初に見た時に感じた第一印象が大事なのかな、と。
とはいえ、今の僕がそれを感じることができないので、いろいろと考えて考察を続けていこうと思います。
新しいひらめきなどが浮かびましたら、また紹介しますので、よろしくおねがいします!
単純にヘクターがあの服でオシャレを楽しんでるとか。子孫であるミゲルと大冒険した記念の服だし
あさん、コメント、ありがとうございます!
そういう考え方もありますね、気が付きませんでした!
服装については、亡くなった時の格好というのはいかがでしょう?
イメルダさんたちは棺に入れられた服や装飾品、ヘクターはおそらくですが、殺害されてその辺の浮浪者などの遺体と紛らわせるために着せ替えられてしまったと考えました。
あずきさん、コメント、ありがとうございます!
あずきさんの考え、僕も考えましたが、一つだけ疑問に思うのはエルネストはどうだったのか?という点です。
大きな鐘に潰されて死んだ彼の遺体、わざわざきれいにして着飾らせて埋葬するのか、と考え込んでしまいました。
どう思われます?
コメントありがとうございます!
たしかに、エルネストは鐘に潰されていましたが、ステージだったので衣装は着ていたはず…ですが、確か青い衣装で、死後は白でしたし、違うものですね。
変装等できるのですから他の服に着替える事も出来そうなものですが…難しいですね!
あずきさん、返信いただき、ありがとうございます!
そうなんですよ、いろいろと考えてみると、全ての辻褄が合うような説明がつかなくて難しいです。
案外、ピクサースタッフはきっちりとした設定を作らずに映画を完成させた可能背もあるのかな、って思ってしまいます。
でも、映画を見終わって、あーでもない、こーでもないと考えるのも映画の楽しみの一つだと思います。
お付き合いいただいて、ありがとうございます!
厳格なルールはかえって見た人の想像力を奪うとして、ピクサーが曖昧に留めた部分もあるでしょうけど、「覚えている人の記憶に沿ってその姿に落ち着いている」が一番自然だと思います。死んだ時の姿でも決定的な矛盾はないですが、それだと死者の国がもっと見るからに老人だらけでないと不自然ですし、子供の頃に一枚撮影しただけで長生きした人は、出国時の同一判定が不可能になってしまいます。
ただ服は、記憶とは無関係なのではないでしょうか?人の記憶に自動で従うなら、着替えの一つも不可能になってしまいますし。となると「死者の国に来た時の最初の一着が何か」が問題ですが、
1.人の記憶にある最も印象の強い装い
2.死亡時の服
3.本人の生前の一番のお気に入り
4.人生で最も長く着ていた一着
このあたりではないでしょうか?私は3番目かな、と思ってます。
jaladahikaさん、コメント、ありがとうございます!
考え始めれば、本当に切りがありませんよね。
最近思いついたのは、じつは見る人によって見え方が違っていて、映画の描写はミゲルが見えている姿、というもの。
もしかすると、ヘクターが見ている骸骨の姿は、映画で視聴者が見ている姿とは違うのかもしれません。
ヘクターにとってイメルダの姿は最後に別れた頃の姿だし、ココもヘクターにとっては小さな女の子として見えていたのかも。
ミゲルには、祭壇に飾られている写真でしか見たことのない大叔父さんや大叔母さんなどもいるでしょうから、写真の姿に落ち着く、という理屈です。
では、会ったことのない死者の姿については?
亡くなって祭壇に飾られた写真が優先順位として高いような気がします。でも、死者の国での仕事に沿ったものが勝ってしまうでしょうけど(役人の政府付などですね)。
初めまして、こんにちは!
ブログやコメントを楽しく拝見しています!
死者の服装が生きている人の記憶に左右される、というのは面白いですね(*^^*)
ただ、記事を拝見してて引っかかったところもありました。
ヘクターの服装はマリアッチの服装のもの、と記事にはありましたが、マリアッチの服装とは、刺繍の入ったジャケットとパンツと、頭の尖った帽子(まさにデラクルスのようなスタイル)を指す…と話を聞いたことがあります。
ヘクターはジャケットに普通のストライプパンツ、サスペンダーに麦わら帽子と裸足なので、マリアッチの服ではなく、彼の私服なのではないでしょうか?
また、ヘクターの服装は確かに序盤はぼろぼろですが(長袖のジャケットも破れているし、パンツも穴あき)1年後の服装はピカピカに変化していますよ!(ノースリーブジャケットと、きれいになったパンツと、新品の靴を履いてます)
イメルダと和解したヘクターが靴を履いてるということは、彼女又は家族からのプレゼントかな?と思いました
以上のことから、服装のチョイスは本人の自由なのかな、と思っています。
ヘクターがマリアッチの服ではないのは、彼が音楽家としての成功よりも家族の大切さを知っているからではないかな…と思いました
服装の状態については、生きている人がちゃんと記憶してくれていれば綺麗で、あまり覚えられていない人はぼろぼろなのではないかな?と思います。
長文失礼しました!
ミミズクさん、コメント、ありがとうございます!
ご指摘のとおり、多分ですが、生きている人が記憶していてくれるかは、きちんとした服装をしているかどうかのかなり大きなファクターになると思います。
1年後のヘクターの服装のご指摘には、頭が下がりました!改めて見直しましたが、まさにそのとおりで、全く気がついていませんでした!
これからもよろしくおねがいします!m(_ _)m
普通に享年なのでは。
女性陣が早くに亡くなったのは納得できないとコメントを読みましたが、パパ・フリオの中の人のtweetではイメルダは70代、彼女の6歳下の弟の双子のおじさん達も70代で亡くなっているそうです。
で、ロシータおばさんがフリオの妹であの恰幅ならそれなりの年齢で没年したのでは。ヴィクトリアおばさんはエレナおばあちゃん(ミゲルの祖母)の姉?らしいので、母親のママ・ココより先立っています。こちらは早くに亡くなったのでしょう。
皮もない骨だけの顔ですからね。髭というシンボルがない分、男性より女性陣の方が解かりづらく、若く見えるのでしょう。ヘクターだってあのみすぼらしい格好では21歳には見えませんし。
人生何があるか分からないし、そこらへんはあまり気になりませんでした。
tweetは拾い物なので間違ってるかもしれませんが悪しからず。
麦子さん、コメント、ありがとうございます!
Tweet情報、ありがとうございます!そういう情報が出ていることは知りませんでした。
確かに骸骨では、年齢はわかりにくいですよね。ピクサーも制作段階で同じ悩みが出たらしく、それもあって骸骨に服を着させ、服装の様式によっていつ頃亡くなったかを現すようにしていた、と公表しています。
ヘクターが亡くなった年齢が21歳というのは、驚きでした。愛する妻と娘を残してそんな若さで死んでしまわなければならなかったなんて、薄幸な人生だったのですね。
リメンバーミーについて疑問があって、いろいろなサイトを見ていたところこのサイトを見つけました。
とても深く考察していてすごく納得しております。その疑問ですが、デラクルスはなぜ自分が友に毒をもったシーンを映画にしたのでしょうか?しかもまったく同じセリフで。これがなかったら、ヘクターにばれなっかったわけですし、どこか腑に落ちません、、この点を考察していただけないでしょうか。よろしくおねがいします。
ほ〇おだほ〇おさん!
コメント、ありがとうございます!
お褒めいただき、光栄です。
ご質問いただいた点、
「デラクルスがはなぜ自分が友に毒をもったシーンを映画にしたのか?」について、僕の考えをお話していきたいと思います。
デラクルスの性格として、曲はすべてヘクターのものを盗んだという設定になっています。
ですので、彼はオリジナルを作るだけの才能がなかったのではないか、と思うのです。
だから映画にドラマチックでスリルあふれるヘクターに毒を持ったシーンを、現実からそのまま持ってくるくらいしか思いつかなかったのではないでしょうか?
確かにストーリー上、ヘクターにバレて、その後、すべての人にまでバレてしまいましたが、もしヘクターだけにバレたのであれば、それほど大事になっていないのではないかと思うのです。
ただでさえヘクターはホラ吹きとして周りから認知されていましたので、デラクルスの言うことと、へクラーの言うことでは明らかに信用度が違います。
おそらくデラクルスは、
・真実はヘクターしか知らない
・ヘクターが騒いだところで誰も信用しない
と高をくくっていたのでしょう。
ところが、映画ではヘクターを信じるミゲルが現れて、という展開からデラクルスの嘘がすべて暴かれてしまったわけです。
いかがでしょうか?
余談ですが、このデラクルスのオリジナリティーのない性格は、2003年の映画、「ミニミニ大作戦」の敵役「スティーブ」とそっくりだな、と思いました。