地獄楽・茂籠牧耶の異名「ころび伴天連」の意味を解説!

アニメーション

アニメ「地獄楽」で登場した茂籠牧耶。
原作ではオネエ言葉で話す、陰湿でいやらしそうなキャラとして描かれていました。

彼の異名は「ころび伴天連」です。

ところでこの「ころび伴天連」とはいったいどのような意味なのでしょうか?

今回は「ころび伴天連」について、解説していきたいと思います。







地獄楽・茂籠牧耶の異名「ころび伴天連」の意味は?

アニメ「地獄楽」で登場する茂籠牧耶は、自身を教祖とする新興宗教を立ち上げ、洗脳した信者たちを利用して倒幕を目論んだことになっています。

しかしその計画は未然に防がれ、捕らえられた茂籠牧耶は死罪人となってしまいました。

一方で彼は「ころび伴天連」と呼ばれています。

いったいどのような意味なのか、というと、

    キリスト教を棄教した人

という意味なのでした。

「ころび伴天連」の正確な意味を解説

「ころび伴天連」という言葉についてもっと詳しく調べると、かなり興味深いことが分かりました。

それは、

    ・宗教指導者に使う言葉
    ・「ころぶ」の言葉の語源
    ・ころんだ後はどうなるのか?

ということです。

順にみていきましょう。

宗教指導者に使う言葉

「ころび伴天連」とは、正確には「キリスト教を棄教した宗教指導者」を指す言葉でした。

同じキリスト教徒でもただの信者であれば、「ころびキリシタン」と呼ばれていたのです。


茂籠牧耶はキリスト教徒ではないので、「ころび伴天連」という呼び名はふさわしくないのかもせ入れません。

ただ、彼が作り上げたとする新興宗教では教祖であったので、そういう意味では「ころび伴天連」は正しいのかもしれません。

ただ、キリスト教司祭に対して伴天連と呼んでいたので、茂籠が作り上げた新興宗教がキリスト教の諸派とみなされていなければ、彼は伴天連ではない、ということになってしまいます。

「ころぶ」という言葉の語源

「転びキリシタン」の由来は京都所司代の板倉氏が、キリスト教徒達を棄教させるために考案したという拷問「俵責め」といわれる。

「俵責め」とは」俵に押し込めて首だけ出させ、それを転がしたり、山積みにして鞭打ったりしたというものでした。

その苦しさは耐え難いものであったため、責め苦に耐えられず俵から”転がり出て”棄教したとのことで、このことから、

    棄教=転がり出る

と認識され、棄教という行為が、「ころぶ」という言葉で呼ばれるようになったといわれているのでした。


一方で一度棄教した人物が再び信仰に立ち返ることもあったそうです。

そしてそうした行為は、「立ち上がる」「立ちかえる」と言われました。


また「ころびキリシタン」という言葉は、江戸幕府による禁教令が発令してから使われた言葉だったそうです。

ですので、江戸時代の前にキリスト教を棄教した人々に対しては「ころびキリシタン」とは呼ばれませんでした。

例えば豊臣秀吉の天下取りに大いに貢献した黒田如水はキリシタン大名として有名でしたが、秀吉がバテレン追放令を発した際、自主的に棄教しています。

しかしながら、黒田の棄教行為は「ころびキリシタン」とはみなされないのでした。

ころんだ後はどうなる?

さらに資料を調べていくとさらに面白いことがわかりました。

キリスト教からころんだ人々は、誓詞に血判させられていたのです。

そしてその誓詞の内容ですが、キリスト教の神(デウス)や天使、聖人に対して信仰を棄てる誓いをしているため、誓詞の文面は「デウスやマリアに誓って確かに転びました(棄教しました)」という、わけのわからない文面になっています。

まとめ

アニメ「地獄楽」に登場する「ころび伴天連」の茂籠牧耶。

彼の異名である「ころび伴天連」ですが、本来はキリスト教徒聖職者が棄教した場合にこのように呼ばれるのでした。

「伴天連」と呼ばれているのは彼が新興宗教の教祖であったから、です。

伴天連とは宗教聖職者のことを指す言葉でした。

一方でキリスト教に対して使われた言葉であり、茂籠牧耶は新興宗教であったため、厳密には間違った使われ方をしているといえそうです。









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