アニメ「地獄楽」の監視役、山田浅ェ門典坐は「山の民」ヌルガイを最初から助けたい、と奮闘していました。
島についてから、仙薬を探さずに脱出をしようと試みます。
結果、島からは簡単には抜け出せず、遂には天仙の一人と遭遇して絶体絶命の危機に。
そこに典坐の剣の師匠である士遠が登場し、二人を助けます。
なんとかその場は逃げだし、典坐はヌルガイに士遠のことを紹介するのですが、固いきずなが有りそうながら、二人のきずなには複雑な過去があるようにも見られるのでした。
今回は典坐は士遠の弟子になったいきさつのネタバレを紹介していきたいと思います。
地獄楽ネタバレ・典坐が士遠の弟子になったいきさつ!
典坐が士遠と始めたあったのは街中。
典坐が複数の侍相手にけんかをし、数名をぶちのめしたあとのことです。
士遠の介入は喧嘩の止めに入ったというより、典坐の行動を止めに入った感が強く、おそらく士遠が典坐を止めなければ、ケガだけでは済まなかったのではないか、と思われます。
この時の出会いが典坐が士遠の弟子になったきっかけでした。
しかし、二人はすんなりと、仲のいい師弟関係になったわけではなかったのです。
典坐は侍の生まれではなかった
典坐が士遠の弟子になってすぐの頃の回想シーンがありましたが、典坐の言葉遣いは悪く、士遠の思いに対しても理解できていない風でした。
実は漫画「地獄楽」のスピンオフ作品として発行された小説「地獄楽 うたかたの夢」という作品があります。
島に上陸してはじめての夜、4人が過去の出来事を回想する、という形で4つの短編作品が収録されています。
その中の一作「桜咲く庭」という作品が典坐と士遠の物語なのでした。
その中で語られている典坐は貧民街で生を受けたことになっています。
親は育児放棄をし、気づいたころには同じような境遇の仲間とつるんで好き勝手して生きてきたのでした。
その生活の粗暴さは大概のもので、「殺し以外すべてやった」のです。
そんな中、武士とのけんかで相手方全員を意識不明に叩きのめしたのち、止めに入った士遠によって、手も足も出ないほど、やっつけられたのでした。
叩きのめされてもすぐにおとなしくなるほどヤワな典坐ではなく、士遠に対して反抗していたものの、その支援に左手一本での再戦を提案され、負けたら門下生になるという条件をだされます。
再度頭に血が上って挑みかかった典坐でしたが、あっという間に叩きのめされたのでした。
士遠に弟子入りしたものの
その後、典坐は宿なしということもあり、道場で寝起きして剣の稽古をする羽目になります。
それだけではなく、生活習慣から態度、言葉遣いまでの指導を受けることになり、今までの自由な生活と正反対の毎日に、不満ばかり感じていたのでした。
遂には我慢の限界がきて逃げ出そうとします。
そんな典坐に対し、どのような方法でもいいので士遠から1本取ったら、好きにしていい、とい割れるのでした。
しかし、典坐は陽動作戦、不意打ち作戦、両手の自由を奪っての奇襲、就寝中の襲撃と試しますが、ことごとく返り討ちに会います。
その後、士遠が出張に出かけた際、黙って逃げ出そうとするのですが、序列第一位の衛善に見つかります。
しかし衛善は典坐を止めはしません。代わりに最後に散歩に付き合うように言い、とあるお寺のお墓まで彼を導くのでした。
そのお寺にはかつて士遠のお供できたことがあり、そのお墓に士遠が手を合わせていたことを思い出します。
明らかになる士遠の過去
衛善がそのお墓の主のことを典坐に話します。
かつて士遠が指導を担当していた鉄心という人物の墓でした。
鉄心は典坐に似て素質はありながら、稽古に対してやる気がなく、道場での生活を堅苦しく感じていたといいます。
そのころの士遠は自身の剣技を上達させることのほうに熱心で、鉄心の修行嫌いにあきらめを感じていたのです。
ですので、鉄心が隙に生きるという捨て台詞を残して道場を逃げ出したとき、士遠はこれといった行動を何もとりませんでした。
その後、鉄心のいなくなった、少し寂しい道場でいつも通り剣の技を磨く日々が続き、ある時、士遠は御様御用にでかけました。
引き出された死罪人は押し入り強盗で捕まった男。
いつものように口縄をつけられ、紙で顔を覆われていたものの、士遠はその人物が鉄心であったことに気が付いてしまったのです。
振り上げた刀をなかなか振り下ろすことができなかった士遠ですが、鉄心も士遠のことに気が付き、「先生、ごめんなさい」と伝えたとか。
どのような私情があろうとも、役目を果たさなければならない士遠は、後悔の元、刀を振り下ろさざるを得ませんでした。
鉄心の可能性を摘み取り、救えた命を捨てさせてしまった、と。
士遠が典坐を人助けで弟子にした本当の理由とは?
鉄心との一件以来、弟子の指導に熱を入れ、人助けをするようになったのだそうです。
典坐に対して1本取ってから道場を後にするように条件を付けたのも、それだけの腕になっていれば、剣の道で身を立て、食べていける可能性が広がるから、というものでした。
士遠の本心をはじめて理解した典坐は、ここで心を入れ替えます。
他の山田浅ェ門にそれぞれの特技に合わせた剣の稽古をつけてもらい、厳しい修行に耐えていくのでした。
そして士遠が出張から戻った後、正面から手合わせを挑みます。
何度も1本取られるのですが、それでも典坐は士遠に挑んでいき、遂に1本を取り返します。
これで典坐は自由になれるのですが、すでに道場から逃げ出すといった考えは全くなく、さらに剣の上達を目指し、士遠にさらなる稽古と指導を頼むのでした。
そして士遠が自分に人助けをしてくれたように、いつか自分も誰かの人助けをすることを心に誓って。
まとめ
士遠と典坐がアニメで見せる師弟関係になるまでの背景設定をネタバレ紹介してきました。
典坐は初めから士遠に素直なわけではなく、むしろ反発しており、機会があれば逃げ出そうとさえしていたのでした。
それは、彼の生い立ちが自己肯定感を感じることができない環境にあったせいです。
士遠に感じられた典坐の可能性を、自分自身で全く感じることができず、どうせ努力したって今の境遇から抜けられない、と思い込んでいたからでした。
しかし士遠をはじめとした山田浅ェ門の人々のおかげで典坐は可能性を信じることを学びます。
信じた可能性を希望にけいこを重ね、士遠からはじめて剣で1本取ることができたのでした。
そのころには、道場から逃げ出すという考えは全くなく、士遠について、さらに剣の技に磨きをかけていったのです。
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