アニメ「地獄楽」で極楽浄土の島に送り込まれた監視役と死罪人たち。
その島は、外観はとてもきれいで優美。まさに極楽浄土と呼べるようなものでした。
しかし少し探索するとすぐに見つけられた石像や化け物はとても宗教色の強いもの。
それに関して杠の監視役である仙太の知識が大変役に立ち、仏教や道教の影響を受けていることがわかります。
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なぜ仙太は打ち首執行人でありながら、こんなに宗教に詳しいのでしょうか?
今会は仙太が宗教に詳しい理由について、彼の過去をネタバレしつつ、説明していきたいと思います。
地獄楽ネタバレ・仏教や道教などの宗教に詳しい仙太
画眉丸と佐切、杠と仙太、源嗣がともに行動をすることにした際、まずは食料の調達を兼ねて近くを探索に出かけました。
その探索は、その前に行った戦闘での相手から、その姿や装飾に仏教や道教の影響を受けたものであることに、仙太が気が付きます。
とはいえ、完全に仏教や道教の姿をしているわけではなく、宗教的整合性は認められない、と発言していました。
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宗教色の恋化け物が闊歩していて、襲ってくるのですから恐ろしいもののよくよく見れば間抜けな姿。
自然物としてはあまりに非現実的…。
神秘の顕現としてはあまりに人工的…。
まるで下手くそで…
悪趣味な曼荼羅の中に放り込まれたみたいだ。
そう、解説しています。
仙太が宗教に詳しい理由のネタバレ
このように仙太は宗教にとても詳しいことが分かります。
ただ、この時点ではなぜ仙太が詳しいのか、その背景は語られません。
実は、その理由はこの後、彼の生い立ちに関連していることが明かされるのでした。
そして、その生い立ちから、仙太が杠をあこがれる理由もわかることになります。
簡単に説明してしまえば、仙太は人殺しが嫌で仕方がありませんでした。
しかし打ち首執行人となった以上、罪人を殺さずにはいられません。
自分の意思に反するその行為を何とか正当化しようと、宗教に助けを求め、詳しくなっていったのでした。
仙太の生い立ちと山田家での修行
仙太は子供のころから絵を描くことが好きで、将来は画家になりたいという夢を持っていました。
ところが彼の家は代々、男子は山田家に入門することが仕来りで、逆らうことは許されません。
人を切り殺すために剣技を磨き、役目として自身の意思とは関係なく、人を殺さなくてはいけない。
そんな彼は宗教に救いを求めたものの、それでも救われることありませんでした。
やがて心を閉ざして、自分を偽り、自分の意思を殺して、ただ役目に従うようになって言ったのです。
仙太が杠に魅かれた真相
そんな仙太は今回のお役目で杠に監視役になりました。
彼女は瞬時に仙太の悩みを見抜きます。
そして彼女は自身の意思に忠実で、彼女のしたいことしかしない自由なふるまいを仙太の前で繰り返していくのでした。
そのためには残虐で冷酷なふるまいも数々行っていきます。
自分がこのわけのわからない極楽浄土の島で安全に過ごしていくために、「ころび伴天連」の茂籠牧耶を利用し、死んだ後も彼の死体を、用が済むまで使い続けました。
関連記事:地獄楽・杠が茂籠牧耶に本当は何をしたかについてのネタバレ考察!
全く正反対の二人
ところがともに時間を過ごしていくうちに、仙太は杠のことを美しいと感じるようになっていったのです。
自分に嘘をつき続けて、自分で考えることをやめ、盲目的に役目をこなすだけの仙太。
そんな仙太に対し、杠は自分自身の意思に忠実で、他人にしか嘘をつかない自由さが、とてもまぶしく映っていたのでした。
仙太にとって杠とは、一種のカルチャーショック。
まさに、
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不謹慎で、残酷で、罪深い人殺しの業
そんな僕の常識をすべて吹き飛ばした強い風
だったわけです。
気にする仙太が気にしない杠に魅かれる
仙太はそんなまぶしい杠に胸が締め付けられるほどうらやましく重いようになり、あこがれを抱き始めます。
しかし役目柄、また、自分のことを信じきれない仙太は杠とは釣り合わない、とも思ってのでしょう、
ただただ、傍らでずっと見ていられたら、と願うようになるのでした。
そんな仙太は杠の身を守るため、致命傷を負うことになります。
すでに仙太の生き方を見抜いていた杠は、息絶える仙太の最後に、こう語りかけるのでした。
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わかっているだろうけど
アンタはもう助からない
…だから
もういらない
役目とか
侍の教示とか
そういうの
もういらない
もう
楽にしていい
すっと自分に
嘘ついて
生きてきたんでしょ?
最後くらい正直に…
好きなことだけ
考えてればいい
家族の事?
飼い猫?
故郷に残した好きな人?
その人の胸の中でも思い浮かべて
美しい景色の中で死になさい
これに対し、仙太は自分の好きなもの、
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故郷の家族
金平糖
北尾重政の画本
…憧れの人の胸の中
を思い浮かべながら、微笑んで息を引き取るのでした。
杠の腕の中で…。
まとめ
監視人・山田浅ェ門仙太が宗教に詳しい理由をネタバレを含め、紹介していきました。
もともと絵が好きで、画家になりたいという夢がありながら家の仕来りによって山田家に入門しなくてはならなくなった仙太。
そこで大っ嫌いな首切りという人殺しをしなくてはならなくなってしまいます。
精神的なプレッシャーに悩まされ、宗教に助けを求めることになるのですが、そのことで仏教や道教といった宗教に詳しくなったのでした。
また、今回のお役目で杠という彼とは全く正反対の性格の死罪人の監視役となります。
自由奔放な杠に戸惑う仙太ですが、やがてその自由さは自分があこがれ、遂には手にすることのできないものだと気が付いたとき、胸が詰まるほどうらやましいことに気が付いたのです。
このことが、仙太を杠に魅かれるようになった真相でした。
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