アニメ「地獄楽」では時の将軍の命令により、死罪免除を巡って死罪となった犯罪者が危険な極楽浄土の島で不老不死の仙薬を探します。
島に上陸したのは10名。
どれも一癖も二癖もある面々でした。
そんな中、「傾主の杠」というくノ一が、「ころび伴天連」の茂籠牧耶を利用して使い捨てにします。
その経過に関し、画眉丸に「本当は何をしたんだ?」と問い詰められました。
杠は一体、茂籠 牧耶に本当は何をしたのでしょうか?
地獄楽・杠は茂籠牧耶に本当は何をしたか?ネタバレ考察
アニメ「地獄楽」で杠は画眉丸と協力することになり、彼女が知りえた情報を提供することになります。
その主な情報は虫について、でした。
しかし、話をしていく中で杠は茂籠牧耶を都合よく利用して殺害したことが分かります。
画眉丸は杠が何かを隠していると感じ、本当は何をした?と問い詰めたのでした。
杠には、茂籠牧耶に対して行ったことについて、画眉丸に話していない本当のことは、あったのでしょうか?
杠のセリフ・別に何もしていない
杠は協力を申し込んだ画眉丸に了承されたことから、約束通り、彼女が知っている情報を提供します。
それはほとんどが島に生息している、気味の悪い虫について。
杠は襲ってくる生き物よりも、実は虫のほうが恐ろしいと答えるのでした。
画眉丸はその情報に対して、どうやって入手したのかを訪ねます。
すると杠は茂籠牧耶に協力してもらったことを明かしました。
そして最後に手を下したことも、あっさり白状しています。
そんな杠に画眉丸、さらに本当に何をしたのか、問い詰めました。
その際の杠の実際の返答を抜き出してみましょう。
杠は、
-
別に何もしていないよ
虫のこととか、鳥のこととか、調べたかったから
協力してもらっただけ
と答えています。
が、そのセリフ中に回想風に描かれている画はとても不気味なものでした。
杠は本当に茂籠牧耶に対して何をしたのでしょうか?
何か後ろめたいことをしたのでしょうか?
画眉丸への説明と教えなかった情報
杠の説明では人面蛾が一番危険であることがわかります。
蛾や蝶の羽についている鱗粉に、幻覚作用とか毒が含まれているといいます。
一方、人面ムカデは死肉しか食べないので、直接の危険はないと付け加えるのでした。
そして、これらの情報はすべて茂籠牧耶の協力で得たものといいます。
しかし実際は、杠が茂籠牧耶を篭絡し、丸めこんで得た情報だったのです。
杠は、その事実は伝えておらず、彼女のしたたかさ、危険度が感じ取れるのでした。
さらによくよく気を付けてこの場面を見てみると、杠は茂籠牧耶が死んだあとのことについては、画眉丸に話をしていません。
映像では、明らかにとても重要なことをしていることが分かりますが、そのことについて言及するセリフを画眉丸には伝えていませんでした。
茂籠牧耶という人物像
杠に利用された茂籠牧耶という人物について、簡単に紹介しておきます。
彼は「ころび伴天連」という異名を持っています。
その意味は、と言いますと、「伴天連」とは江戸時代にキリスト教徒を指す言葉、「ころび」とは「ころぶ」という、「信仰をやめる」という動詞から来ています。
つまり茂籠牧耶はもともとキリスト教徒で、今はキリスト教信者ではない、ということです。
設定では茂籠牧耶はキリスト教徒から自身を教祖とする新興宗教を作り上げ、多くの信者を集めて倒幕まで企てたことになっていました。
そのことが露見し、死罪となったことになっています。
新興宗教を作り上げただけあり、人々をたぶらかせて洗脳してしまう能力に長けていたと考えられます。
杠と協力をすることにした時も、おそらく彼女をたぶらかせ、洗脳してしまうだけの自信があったと考えるのが自然でしょう。
島に送られた死罪人の中で女性であったのは杠とあか絹だけでしたし、茂籠牧耶の外見から感じ取れるナルシスティズムから、女性なら操れると思っていた節があると思います。
杠が茂籠牧耶に本当にしたこととは?
実際に杠が茂籠牧耶に対してしたことは、視聴者にはわかりにくいように演出されていました。
というのも、アニメとして視聴者は画を見ることができるので杠が茂籠牧耶の死体を利用して人面蛾の毒針がどのような影響を与えるのかを、実験していることがわかります。
しかし、杠が画眉丸に説明している言葉だけを、しっかりと確認すると、彼女は画眉丸に人面蛾の毒針によって人間が花化することを教えていません。
回想の画では、死体となった茂籠牧耶ですら、花化してますし、外側だけでなく内臓も花化していることが杠の解剖でわかっています。
視聴者は民谷 巌鉄斎と人面蛾の一件をすでに知っているので、この画だけ見ると杠が画眉丸に人面蛾と花化の関係を教えたように感じてしまうかもしれません。
が、杠が画眉丸にこの秘密だけは明かしておらず、何か企んでいるように感じてしまうのでした。
もしかすると、ゆくゆく画眉丸が邪魔になった際、人面蛾を利用して画眉丸を亡き者にできるかも、と考えていた可能性があると思います。
杠の最初からの狙いを考察
杠の最初からの狙いを考えると、とにかく島の情報を集めたい、です。
そんな中、一番最初に集めたい情報はどんな危険があるのか、だと思いました。
仏像もどきの化け物は、一目で危険そうだ、とわかりますが、よくよく見る気味の悪い虫たちもとても安全とは思えません。
しかしどんな危険があるかわからない状態ではとてもそんな虫たちに近づこうとは思えません。
ですので、杠はその異名の通り、うまくたらしこんで自分の欲しい情報を得るために利用できる男性を探していたのでしょう。
関連記事:地獄楽・杠の異名「傾主」の意味は?くのいちの詳しい解説も
地獄楽スピンオフ小説「うたかたの夢」からのネタバレ
実はアニメ「地獄楽」は漫画が原作です。
漫画が人気作品になったため、アニメ化されたわけですが、そのほかに、スピンオフの小説も出版されているのでした。
そのタイトルは「地獄楽 うたかたの夢」
4本の短編小説が収録されており、それぞれ、
-
・画眉丸と佐切が神仙郷上陸前に遭遇した敵とは!?
・弔兵衛&桐馬兄弟はいかにして盗賊の首領となったのか!?
・神仙郷上陸直後、杠はいかにして牧耶を殺害したのか!?
・道場時代、典坐が士遠を師と仰ぐようになった理由とは!?
という人気キャラクターの過去や、知られざる物語が語られています。
この第三話「心動かすもの」というタイトルで杠と茂籠牧耶の話が詳しく語られています。
簡単なネタバレをすると、茂籠牧耶が持ち前の洗脳技術を使って杠を催眠状態にし、自害するように仕向けるのですが、実は杠は催眠術にかかったふりをして反対に茂籠牧耶を油断させて殺害したお話です。
実際に読むと、彼らの設定をより深堀りして彼らが行っている行動に説得力を持たせ、最終的に杠が茂籠牧耶を殺害した場面で終わっています。
杠は見事なくらい嘘やでたらめを言っておらず、アニメで語られる以上のことは起こっていないことが分かるのでした。
まとめ
杠が茂籠牧耶に対して本当に何をしたのか?
画眉丸が感じた疑問についてスピンオフ作品の小説も交え、ネタバレ考察してみました。
正直なところ、杠は見事なほど、画眉丸に嘘はついていません。
彼女の言う通り、茂籠牧耶の協力のもと、島の虫の脅威を調べただけでした。
しかし実際には、杠は人面蛾の毒針が人間を花化させることを茂籠牧耶の死体を使った実験で知っていたはずなのに、そのことは画眉丸に話していません。
決して嘘は言っていませんが、こんな重要な話を秘密にしておくというのは、何かしら企んでいる、と考えるしかないですよね。
おそらく今後、画眉丸が邪魔になったとき、人面蛾を利用して彼を亡き者にするチャンスもある、と考えていると思われます。
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