クシャナ殿下の左腕が義手になった過去の出来事とは?おぞましきものを見ることになる意味は?

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映画「風の谷のナウシカ」でナウシカの敵役として登場するトルメキア軍の指揮官クシャナ殿下

蟲や不快を忌み嫌い、巨神兵を使って根絶やしにしたいと考えています。


そんなクシャナ殿下は実は左腕が義手でした。

一体何があったのでしょうか?

作品の中でははっきりと説明されていませんでしたが、ユパとの会話などから察することのできるクシャナ殿下に起こった過去の出来事を考察していきたいと思います。









クシャナ殿下の左腕が義手になった過去の出来事とは?



クシャナ殿下はナウシカと同じような王族出身の指導者という立場でありながら、ナウシカとは正反対の考え方を、蟲や腐海に対して抱いています。

おそらく映画の世界に住む多くの人々が大なり小なりの違いはあるにせよ、蟲や腐海に対してはクシャナ殿下と同じような考え方を持っていると思ってしまいますが。


ただ、クシャナ殿下はそんな人々の中でも人一倍、蟲や腐海に対して憎しみを抱いているように描かれています

それは間違いなく、過去に彼女に降りかかったつらい出来事が関係しているのでしょう。

映画「風の谷のナウシカ」内で語られた会話



実際に映画の中での会話を再現すると、このようなやり取りをしています。

    クシャナ殿下:「見ろ」
    (左手の義手を外す)

    ユパ:「蟲にか?」

    クシャナ殿下:「わが夫となるものはさらにおぞましきものを見るだろう。」
    クシャナ殿下:「腐海を焼き、蟲を殺し、この地を取り戻すに何をためらう!」

このシーンでの会話の、クシャナ殿下の最後の言葉にはかなり強い感情を感じずにはいられませんでした。


腐海や蟲が憎くてたまらない


そんな思いがひしひしと伝わります。


また、風の谷からペジテに戻る途中に、ペジテの残党であるアスベルに襲われ、腐海に不時着した際に、オームの巣である沼で、オームに囲まれて試されていたシーン。

ナウシカは冷静にオームを受け入れていましたが、他の風の谷の人々は、何が起こるのかと不安に襲われていました。

が、同じくそこに居合わせたクシャナ殿下のおびえようは、彼らの比ではありません。

間違いなく、過去のトラウマによってより大きな恐怖を感じていたのでしょう。

考察されるクシャナ殿下に起こった過去の出来事



これらのことを考えるに、クシャナ殿下は理由ははっきりしないものの、蟲に襲われ、九死に一生を得るような体験をしたと考えられます。

そしてその時の後遺症として左手を失い、義手をつけているのでしょう


トルメキアという軍事国家の王家出身者ということもあり、一目で義手とわかるようなものではなく、戦闘用甲冑を利用し、傍目では義手であるとはわからないようなデザインにしています。

そこには、人に弱みを見せたくないという勝気なクシャナ殿下の性格が見て取れるのではないでしょうか。

「おぞましきものを見る」ことになる理由は?



過去に蟲に襲われ、九死に一生を得るような体験の末、左手を失ったであろうことはわかりました。

が、クシャナ殿下のセリフにある、

    わが夫となるものはさらにおぞましきものを見るだろう

という意味は何なのでしょうか?

虫が人を襲うシーンから考えられるクシャナ殿下の傷跡



腐海に不時着したアズベルが蟲をたくさん殺したことで、多くの蟲たちに襲われていました。

ナウシカの救助によって難を逃れましたが、その一連のシーンで蟲が人を襲おうとする行動を見てみると、餌食になったときに受ける体への損壊は、とんでもないものになりそうなことが分かります。

比較的小柄なイモムシのような蟲ですら、集団でとびかかって食いちぎろうとしてくるのですから。


大きな蟲になれば一口で丸のみにされてしまいそうです。

そんな蟲達に襲われて左手を無くしたクシャナですが、受けた傷が左手だけというわけではなかったのでしょう。


後のシーンで左腕全体と両足だけ甲冑を身にまとうクシャナ殿下が登場します。

そこから考えると、もしかすると左腕は完全に肩から無くしているのかもしれません。

そして肩から胸にかけて、左腕をもぎ取られた際にできた大きな裂傷の傷跡がある可能性もあります。


まさかそこまで、と思ってしまう自分がいますが、逆にそこまでひどいことになっていれば、

    「わが夫となるものはさらにおぞましきものを見るだろう」

というセリフが非常に説得力を持つと思えてしまいます。

クシャナ殿下は両足も義足?



ところでクシャナ殿下は両足も義足ではないか?という意見が上がっています。

甲冑を脱いで行動しているのに、義手の左手だけでなく、両足も甲冑をつけたままであることが、その疑問の出所でしょう。


が、クシャナ殿下の両足が義足であるという説には賛成はできません

アズベルに襲われて墜落しそうな巨大飛行艇から脱出する際に、ナウシカたちを追ってガンシップのある格納庫まで移動し、ガンシップに飛び乗っています。

また、風の谷の人々にとらわれた状態から抜け出し、トルメキア軍の元に戻る際にも、かなり足場の悪い地形を移動していました。


両足が義足であったのであれば、このような行動はできないと思います。


単に両足の甲冑は靴の役目もしているというのが、つけたままでいた理由ではないでしょうか。

クシャナ殿下は原作では義手ではない!?



ところで「風の谷のナウシカ」は宮崎駿監督が手掛けた漫画を原作として作られた映画です。

その中でもクシャナ殿下はトルメキア王国の王族として登場し、ともすればナウシカと対比されるような形で描かれているキャラクターなのでした。


そして原作の中では、クシャナ殿下は五体満足な状態で描かれ続け、映画のように左手が義手であるという設定はありません。

つまり左手が義手で、過去に蟲によって左手を失ったという設定は映画だけのオリジナルだったのです。


実は原作漫画と映画の中の設定、ストーリーまでもが、かなり異なっているのでした。

例えば風の谷はトルメキアと軍事同盟を結んでおり、戦争が起きた時にはガンシップとともにトルメキア軍に参加するように取り決められています。

映画のようにトルメキア軍と敵対している関係ではありません。


また、オームが風の谷を襲うのは同じですが、それをたくらんだのはクシャナ殿下を亡き者にしようとしたトルメキアの王族であり、ペジテの残党ではありません。


さらに映画では早すぎる覚醒のため巨神兵は死んでしまいますが、漫画では巨神兵は死なず、主要キャラクターとして生き続け、ナウシカを母親だと思っているという設定までついています。


と、まぁ、映画しか知らない人が漫画を読むとかなり面食らってしまうほど、ストーリーも設定も異なるのでした。

計7冊完結の漫画と、2時間足らずの映画では、同じストーリーで扱うことは不可能ですので、このような変更がなされたのでしょう。

まとめ



風の谷のナウシカ」に登場するクシャナ殿下

彼女の左手が義手であるのは、過去に蟲に襲われたことがあったため

しかもその時は死にかけるほどの重症を負い、左手だけでなく体に大きな傷跡を負った可能性が高いことが分かりました。


そんな過去があるのであれば、蟲やその蟲が守る腐海に対して人一倍憎しみをもって地上から消滅させたい、と思うのは自然な心情なのかもしれません。

クシャナ殿下がナウシカのように蟲や腐海を受け入れられないのも納得がいきますね。












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