ドラマ「クイーンズギャンビット」はチェス用語!その後の展開と具体的な動きを解説!

トリビア・隠れキャラ・映像ミス

ネットフリックスのオリジナルドラマで世界中で大人気の「クイーンズ・ギャンビット

類まれなるチェスの才能に恵まれていたものの孤児という境遇の主人公ベス・ハーマンがチェスを通じて成長していく姿を描いたドラマです。

とはいえ、孤児院育ちということもあり、少年漫画のようにつらい境遇にもめげず、努力と友情で成長していくというような明るい話ではありません。

薬物依存症やアルコールにおぼれる姿など、暗い部分もふんだんに取り入れた見ごたえのあるストーリーとなっていて、全7話、とても興味深く視聴することができました。


ところでこのドラマのタイトル「クイーンズ・ギャンビット」、この意味はいったいどういったものなのでしょうか?

調べてみると実はチェスの用語なのですが、ではいったい、どういった動きなのか、詳しいことをもっと知りたくなってしまいました。

今回はクイーンズ・ギャンビット」のチェスのコマの動かし方と、その後の展開について詳しく解説していきたいと思います。










クイーンズ・ギャンビットはオープニング方法を示すチェス用語



ドラマのタイトルとなった「クイーンズ・ギャンビット」はチェスの用語でした。

そしてそれは、チェスの対戦をした際に先手が選択したオープニング戦法の名前だったのです。


となると、

    どのようなオープニング戦法であるか?

ということが気になるところですね。

そちらを説明する前に、まずチェスで使用するコマの種類とそれぞれの動き方を押さえておくことにしましょう。

チェスに登場するコマの種類と具体的な動き



チェスでは6種類のコマを使用します。

ドラマでも登場しますので、すでにご存じかもしれませんが、それぞれの名前は、

    ・キング
    ・クイーン
    ・ビショップ
    ・ナイト
    ・ルーク
    ・ポーン

となっています。

ではそれぞれのコマがどのような動きをするか、紹介していきましょう。

分かりやすく説明するために将棋の駒で例を出していくことにします。

キングの具体的な動き



キングは将棋の王将と同じで、前後左右斜めと8方向のどれかに1マス進むことができます。



クイーンの具体的な動き



クイーンは将棋の飛車角を合わせた動きをし、前後左右斜めの8方向のどれかに好きなだけ進むことができます。



ビショップの具体的な動き



ビショップは将棋の角と同じ動き、すなわち斜め4方向のどれかに好きなだけ進むことができます。



ナイトの具体的な動き



ナイトは将棋の桂馬と同じような動きをします。
桂馬は前方にしか進めないのに対し、ナイトは8方向のどれかに進むことができます。



ルークの具体的な動き



ルークは将棋の飛車と同じ動き、すなわち前後左右の4方向のどれかに好きなだけ進むことができます。



ポーンの具体的な動き



ポーンは基本的には将棋の歩と同じく前方に1マス進みます

が、最初の配置から動くときだけ、2マス進むこともできます。
(1マス進むことにしてもOKです)




また相手のコマを取るのは、左右斜め前の位置でなくてはいけません。

目の前に相手のコマがある場合は、取ることもできず、進むこともできなくなってしまいます。

クイーンズ・ギャンビットとその後の展開を解説



それでは「クイーンズ・ギャンビット」の動きを解説してきます。


まず先手がクイーンの目の前のポーンを2マス進めます。




それに対し、後手もクイーンの前のポーンを2マス進め、お互いのポーンが隣り合わせになる形になります。




続いて3手目。
先方が「c」列のポーンを2マス進めます。




この形になった時点で「クイーンズ・ギャンビット」というオープニングの形が出来上がりとなります。


では、この形になる「クイーンズ・ギャンビット」という戦法は、先手にとってどのような利点があるのでしょうか?

それを見ていくことにしましょう。

「c4」のポーンを取った場合



後手はここで選択をしないといけません。

「d5」の黒ポーンを守るのか?それとも「c4」の白ポーンを取ってしまうのか?

    1

ここで「c4」のポーンを取ったら、どのような展開が待ち受けているのでしょうか?



    2

「c4」の白ポーンが取られた状況で先手は「e」列のポーンを1マス進ませ「e3」に移動します。




これによって「e3」の白ポーンが「d4」の白ポーンを守ることになり、先手はクイーンを動かしても後手のクイーンによって「d4」の白ポーンを取られることはなくなります。。


更に「e3」の白ポーンが動いたことで「f1」のビショップが「c4」の黒ポーンを取ることが可能になります。



    3

「c4」の黒ポーンを守るため、後手は「b」列の黒ポーンを2マス進め「b5」に移動します。



    4

その対抗策として先手は「a」列の白ポーンを2マス進め、「b5」の黒ポーンにプレッシャーを与えます。



    5

「b5」の黒ポーンを守るため、後手は「c7」の黒ポーンを1マス進ませます。



    6

先手はそれに構わず、「b5」の黒ポーンを取り、



    7

後手も「b5」の白ポーンを取り返します。



    8

ここまでくると後手はまんまと先手の罠に引っかかってしまっているのでした。

この状況から先手はクイーンが「f3」に移動します



    9

これによって「a8」の黒ルークが白クイーンに取られてしまう状況になってしまい、それに対抗する後手の選択肢はほぼないという結果になっているのでした。

唯一の方法としてできるのは黒ナイトを「c6」に動かし、白クイーンと黒ルークの間に割って入る以外ありません。



    10

白クイーンはその黒ナイトを取ります。




後手は「c8」の黒ビショップを「d7」に動かし、白クイーンにプレッシャーをかけると同時に「a8」の黒ルークを黒クイーンに守らせます。



    11

先手は白クイーンを「a」列に動かし、「a」列の黒ルークが動けないようにします。




ここまでの展開で先手はポーンを2つ失っていますが、後手はナイト1つにポーン1つを失い、しかもルーク1つとビショップ1つ、さらにクイーンまでも動きが封じ込まれているという、非常に不利な状況です。


このように後手が「c4」のポーンを取るという選択は、その後、後手にとって好ましい展開にはなりません。

だからこそ、先手の戦法として有力なオープニング戦法となっているのです。

「c4」のポーンを守らなかった場合



では後手が「c4」の白ポーンを取った黒ポーンを「3」の場面で守らなかった場合も見てみましょう。

    3-1

後手は「g8」のナイトを「f6」に進めます。



    4-1

先手は「f1」の白ビショップで「c4」の黒ポーンを取ります。



    5-1

後手は「c7」の黒ビショップを「f4」のナイトによって効かせた「g4」に移動させ、白クイーンにプレッシャーを与えます。



    6-1

これに対し先手は「g1」のナイトを「f3」へ移動させ、クイーンを守ります。




この状況ですと先ほどの展開よりは後手にとってましな状態になっていますが、それでもクイーンのいる「d」列を中心に先手が中央ににらみを利かせており、後手を圧倒している状況になっています。

この展開でも先手有利でゲームが開始されているといえるでしょう。

定石となっている受け方



では、後手は「クイーンズ・ギャンビット」に対して対抗策はないのでしょうか?


今現在定石となっている「クイーンズ・ギャンビット」の受けは、「d5」の黒ポーンが「c4」の白ポーンを取らずに、「e6」へとポーンを前進させて「d5」の黒ポーンを守るというものです。




それに対し、先手としては中央にコマを集めてより多くのコマが効いているようにしたいため、「b1」のナイトが「c3」に移動し、「d5」へプレッシャーをかけます。




後手もコマを集めて対抗するため、「g8」のナイトを「f6」へ移動させます。




先手としては「e」列のポーンを進ませて中央へのプレッシャーをさらに与えたいところですが、「e3」をふさいでしますと「c1」のビショップが動けなくなるので、先に出しておきます。




そういう意味では、「クイーンズ・ギャンビット」の受けで後手は、「c8」のビショップの動きが封じ込まれてしまっているのが痛いところ。

逆に、先手としては後手に死にゴマを生じさせているだけでも有利になっています。


その後、後手は中央へのプレッシャーを増やすべく、「b8」のナイトを「c6」に移動させ、




同様に先手も「g1」のナイトを「f3」へ移動させる、という展開になっていくのが一般的でしょう。



まとめ



ドラマのタイトルである「クイーンズ・ギャンビット」の由来はチェスのオープニング戦法の名前から取られたものでした。


そしてその戦法は、クイーンのいる中央の主導権をいかにして取って有利な展開に持ち込むか、を目的としているものです。


もちろんその対処法も研究されており、今では最小限のリスクに抑える受け方も確立しています。

そして、これはあくまでオープニングの戦法であり、いかに有利な展開にすることができたとしても、その後にミスをすれば、あっという間に逆転されてしまうことがあることに注意しないといけないでしょう。


最後にドラマがなぜこのタイトルを選んだのか、を考察してみましょう。

やはりその理由は、1960年代という女性の地位も立場も抑圧された時代に、孤児という境遇の主人公ベスがチェスの才能だけで世界に立ち向かっていく姿に、チェスの中で最強のコマであるクイーンの力を最大限有効活用する戦法、そしてその戦法で縦横無尽に活躍するクイーンの姿を重ね合わせたから、でしょう。

まさにベスが活躍するストーリーにはぴったりのタイトルであったと思うのでした。












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