アニメ「俺だけレベルアップな件」で篠原が覚醒後に初めて参加したレイドは右京隼人が率いるギルドが挑むC級レベルのものでした。
C級レベルのレイドでは最低10名のハンターがそろわないと挑めず、右京のギルドは8名しかいなかったため、2名が数合わせで募集されたわけです。
そこで、そのうちの一人として水篠が参加することになったのですが、レイド開始からおかしい雰囲気を感じ取るのでした。
それもそのはず、右京たちは数合わせの二人を都合よく利用することだけを考えており、一般的に「トカゲ」と呼ばれる悪徳集団だったのです。
今回は右京隼人が「トカゲ」と呼ばれる集団になったのかを考察していきたいと思います。
アニメ「俺だけレベルアップな件」で右京兄がトカゲになった理由と考察
右京隼人は陰で「トカゲ」と噂されている、一緒にレイドに参加したほかのハンターを都合よく利用して使い捨てる悪徳ハンターでした。
ダンジョン内での出来事の詳細は、そこにいたハンターたちの証言以外、確認する方法がないため、他人を利用して貶める行動を、取ろうと思えば取れたわけです。
右京隼人がトカゲとなった理由を考えてみると、彼の家族構成に大きなヒントが隠されているように感じました。
右京隼人はS級ハンター右京将人の兄
右京隼人には弟がいます。
しかもこの弟が、S級ハンターである右京将人でした。
近年、その傾向が薄くなったとはいえ、兄が弟よりも劣る、という場合、ハッピーエンドで終わることは少ないでしょう。
特にこの「俺レべ」の原作は儒教文化が日本より色濃く残る韓国です。
「兄が弟よりも劣る」という設定は、よくないことしか起こらないといえるのではないでしょうか。
隼人やその仲間の発言から、隼人は弟と比べられて育ってきて、そのことを隼人自身とても気にしていることは一目瞭然です。
しかも厄介なことに二人ともハンターとして覚醒し、隼人がC級であるのに対し、将人はS級という、超エリートな存在となってしまいました。
さらに不幸なのは、ハンターとして覚醒した後、どれだけ努力をしようとも格付けは変化することなく、レベルアップもしない、という事実です。
C級はどれだけレイドをこなしてもC級。
唯一強くなる方法は、アイテムによる強化だけですが、このアイテムの強さもダンジョンのレベルに比例してしまいます。
ですので、C級ダンジョンまでしかレイド参加できない隼人の収入は、S級ダンジョンでアイテムを得られる将人と比べ物にならない差がついてしまうことでしょう。
つまり、自身の戦力を強化する唯一の方法であるアイテムだよりも、S級の弟との溝を埋めるには有効な方法ではない、ということになるのでした。
こうなると隼人の性格はひねくれざるを得ません。
兄という立場でありながら、弟の陰に隠れ、時にはかばってもらい、威を借りることもあったでしょう。
そしてどれだけ努力してもその差は埋まらない。
強いものに対して、不満を持ちながらその強さを認めなくてはいけないという毎日に、弱い者に対してはどのように扱ってもいい、という価値観が生まれてきたのだと思います。
また、弟の将人の性格も、S級でありながら謙虚で兄を立てる、というようなものではなく、自分の能力の高さから、自分は特別でルールの外に生きることができる特別な存在、と思っていることがわかります。
以上のような家族構成の中で育った隼人が他人を思いやる心を持っている、とは到底思えません。
卑屈になりながら、利用できるものはすべて利用して、いつかは弟を見返したい、としか考えなくなってしまい、トカゲとしての行為を、躊躇なく行えるようになったのでしょう。
トカゲと噂されるハンター集団の行為
トカゲと呼ばれるハンター集団は、弱いハンターを利用し、時には手に入れた報酬を分けることが惜しいという理由だけで、使い捨てにしているようです。
分け前にありつける人数が減れば減るほど、一人当たりの報酬が大きくなるのですから、あたりまえでしょう。
また、場合によっては高価な装備をしているハンターを殺し、その装備を強奪するということも、躊躇なく行っているようです。
さらに考えられる行為として、敵やボスと戦っている最中、魔法の巻き添えにして、敵もろとも倒してしまう、ということも考えられます。
罠や敵の不意打ち回避のため、おとりにすることもあったでしょう。
水篠の発言の通り、弱くて戦力にならない以上、何らかの利用価値を見出して、戦力になるハンターたちの被害が最小になるように、都合よく使われるに違いありません。
トカゲとしての黒い噂が立たなかったのかを考察
しかし一方で、トカゲと呼ばれる悪徳集団の存在が噂されていたのに、実際にトカゲではないか、と疑われていたギルドの存在がなかったとは思えません。
レイドという命を賭しておこなう冒険に従事している以上、その手の情報は真っ先に確認したいと思うのが普通だと思います。
特にD級、E級といったギルドに入れない低レベルのハンターたちが、C級のギルドの頭数合わせという仕事にかこつけて、体よく利用されて殺されるという、さも頻繁に起こりそうなリスクを考えると、彼ら側も何らかの防衛対策をしていないわけがありません。
また、ハンター協会もレイドについてある程度の管理を行っているようです。
水篠がかかわったレイド事件に関し、
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・二重ダンジョン事件
・右京隼人攻撃隊全滅事件
・監視課ハンターによる暗殺事件
という形である程度の事件のあらましが協会によってまとめられ、情報共有可能な形になっていることがわかっています。
一件一件、詳しく調べて関連性まで考慮されていないようですが、トカゲという問題があり得る以上、ハンターの安全を確保するために協会が何らかの抑止力となるように乗り出すことは、普通に考えられると思うのですが。
右京隼人たちがトカゲとして黒い噂が立たなかったとしてら、よほど間隔を置いて低レベルのハンターを利用するレイドを行っていた可能性しか思いつきません。
それこそ、10回に1回だけ、低レベルハンターを捨て駒として露骨に利用し、残りは不自然さを出さずに、レイドを行う、といったような。
ハンター協会はどこまでハンターを管理している?
ハンター協会について先にも記しましたが、ダンジョンという監視の効かない空間、ボス討伐に失敗した場合の現実世界へのリスクなどを考えると、レイドという行為に対してより厳格な管理が必要だと感じました。
ダンジョン内で手に入るアイテムが、企業にとっても多大な利益を見込める資源ともなっている以上、独占禁止法のようなルールは必要だと思われます。
あるいは、国がその管理をおこない、レイドから得られる資源や利益を国で独占する、ということが起こっても不思議ではありません。
それだけの価値がありますし、そうしないと国をも超える力を持った集団ができないとも限りません。
ハンターが一般人に対して何か危害を加えた場合、ハンター以外が止めることは難しい世界です。
すでにハンターとハンター以外の人間は同じ種族ではない、とまで言えると思います。
そういったハンターを曲がりなりにもルール内で決められた行動しかできないようにする力は必要ですし、それがハンター協会であると考えていました。
ただ、水篠がかかわっている事件を通してハンター協会のことを見てみると、そこまで責任をもって動いているような印象は、今のところ持てません。
一方で、旗ー協会の会長はS級ハンターですので、ハンターが何か問題を起こしたのであれば、彼、後藤清臣が最終的には出向いて事を鎮静化させるのかもしれませんが。
まとめ
今回はあにめ「俺だけレベルアップな件」で右京隼人がトカゲになった理由を考察してみました。
兄よりも優秀な弟がいて、しかもその優秀さはどう逆立ちしても追いつくこともできないレベル。
しかもどれだけ努力しても成長が望めないということであれば、ひがんでしまっても仕方ないですね。
そのことを受け入れられず、いつの日にか、目にもの見せてくれる、と思い続けてはいるものの、いざピンチになると、弟の威を借りずにはいられない。
このような複数の要因が積み重ねられ、自分より弱いものを利用しても悪いとは思わない、性格になっていったと思われます。
どんな手を使っても弟に追いつくという思いから、そのために利用できるものは利用する行動ばかりしてきたのでしょう。
ただ、このような胸糞なギルドや集団は珍しいとは思えません。
ダンジョンという特殊な環境で、監視などが全くない状態ですので、死人に口なし、が横行していると考えても不思議ではないでしょう。
利用される側の低級ハンターも、そのための自衛はしていると思います。
また、ハンターの数が少なくなれば、社会としての安全が脅かされることになるわけですから、ハンター協会なる組織が存在していますので、今以上に管理が必要だと思います。
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