アニメ「地獄楽」のメインの敵キャラである7人の天仙が明かされました。
木人ホウコより7人の天仙の呼び名が明かされています。
全員なんとなく仏様のような名前でしたが、その意味は何でしょうか?
今回は7人の天仙の呼び名の意味や普賢上帝、アシュク大帝、ラトナ大聖などの元ネタを調べてお伝えしたいと思います。
地獄楽・7天仙の呼び名の意味
ホウコの話では仙人が神の領域にまで達し、7人に分かれたのが神仙郷と呼ばれる島を統べる天仙とのことです。
詳しく7人の呼び名を明かしていますが、
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・普賢上帝
・アシュク大帝
・ラトナ大聖
・不空就君
・如イ元君
・准胝帝君
・文殊公々
と、どれも物々しい呼び名ですね。
それではこの7人の天仙の呼び名について、一つ一つ意味を見ていきたいと思います。
普賢上帝(ふげんじょうてい)の元ネタ
まずは天仙の中で蓮という漢字でリエンと呼ばれている、リーダー格の天仙から。
この天仙の呼び名は「普賢上帝(ふげんじょうてい)」です。
調べてみるとこの呼び名は 「普賢」と「上帝」という2語をつなげたものでした。
普賢
「普賢」の元ネタは普賢菩薩という、大乗仏教における崇拝の対象である菩薩の一尊だそうです。
文殊菩薩とともに釈迦如来の脇侍として祀られることが多いようです。
「普賢」の元ネタは普賢菩薩の梵名はサマンタバドラいいますが、その意味は「普く(あまねく)賢い者」となります。
世界にあまねく現れ、仏の慈悲と理智を顕して(何かの形で、善行などを広く世間に知らせること)人々を救う賢者である事を意味します。
上帝
上帝とは、中国における天上の最高神を意味します。上帝の代わりに天帝ということもあります。
とくに古代中国では天地・宇宙・万物を支配する神、造物主として上帝という言葉が使われていました。
アシュク大帝の元ネタ
続いては菊花という漢字でジュファと呼ばれいるアシュク大帝です。
こちらも「アシュク」と「大帝」の二語をくっつけたものとなっていました。
アシュク
「アシュク」はアシュク如来という仏教における如来の一尊です。
ちなみに「如来」とは「仏教で釈迦や諸仏の称呼」ということになっています。
そして「アシュク」の梵名はアクショーブヤといい、「揺れ動かないもの」だそうです。
その心は、この如来の悟りの境地が金剛、つまりダイヤモンドのように堅固であること、となっています。
大帝
「大帝」は立派な治績を残した偉大な皇帝を指す称号です。
ちなみにアジア圏では皇帝に対して「大帝」、王に対しては「大王」として使い分けられています。
ラトナ大聖の元ネタ
3番目は桃花という漢字でタオファと呼ばれている「ラトナ大聖」です。
7人の天仙のうち、常に女性形態でいる天仙ですね。
ラトナ
「ラトナ」とはサンスクリット語で「宝石」という意味です。
仏尊では梵名でラトナサンバヴァという宝生如来やサンスクリット語でプラブータ・ラトナという多宝如来が存在します。
大聖
一般的に、徳が高く、人格高潔で、生き方において他の人物の模範となるような人物を指す言葉に聖人というものがあります。
その聖人の中でも最も優れ、徳の高い聖人のことを「大聖」と呼ぶのでした。
不空就君(ふくうじゅくん)の元ネタ
続いては牡丹という漢字でムーダンと呼ばれる不空就君です。
不空
「不空」とは神様ではなく、実在したお坊さんでした。
唐の時代の高僧で、中国密教の祖、金剛智やインドの国王で僧侶の善無畏によってもたらされた密教を唐に定着させたという偉業をなした方でした。
不空金剛が本名で不空とは本名の略称です。
就君
調べてみると「就君」という固有名詞はなさそうです。
翻訳を調べると「就君」は「王のために」となりました。
また「就」は「近寄る」「そばに寄る」という意味のほかに「すぐに」という意味もあるようです。
如イ元君(にょいげんくん)の元ネタ
続いては朱槿という漢字でヂュジンと呼ばれている天仙。
天仙としては一番最初に登場し、典坐を殺した天仙です。
如イ
「如イ」に関し「如意輪観音」という観音様が存在することが分かりました。
が、一方で「如意」という、僧が読経や説法の際などに手に持つ道具が存在することも判明したのです。
この「如意」という道具は、孫の手のような形状をしていて、笏と同様に僧の権威や威儀を正すために用いられるようになったそうです。
「如意」には「思いのまま」という意味があり、本来は孫の手の様に背中を掻く道具で、意の如く(思いのままに)痒い所に届くことから、この孫の手が如意と呼ばれたそうです。
元君
「元君」とは立派な君主を指す称号です。
父祖のことも指す場合があります。
また、道教では女性の仙人のことを表す言葉で、反対に男性の仙人は真人(しんじん)、道君(どうくん)と呼ばれます。
准胝帝君(じゅんでいていくん)の元ネタ
続いて蘭(ラン)と呼ばれている准胝帝君です。
准胝
「准胝」は准胝観音からとられた物と思われます。
この准胝観音は、仏教における信仰対象である菩薩の一尊でインドでは「准胝」が女性名詞であることから、「観音」が男性名詞であるにもかかわらず、女尊とされているそうです。
帝君
「帝君」とは中国語で「大神、神々の中の最高の神」という意味になります。
中国の神話上仙人の中に「東王父」という男仙を統率する仙人が登場するのでした。
この「東王父」の数ある別名のなかに「東華大司命少陽帝君」というものがあります。
文殊公々(もんじゅこうこう)の元ネタ
最後に桂花という漢字でグイファと呼ばれる天仙を紹介しましょう。
桂花の呼び名は「文殊公々」です。
文殊
「文殊」は「文殊菩薩」からとられたと思われます。
この「文殊菩薩」とは大乗仏教の崇拝の対象である菩薩の一尊で、一般に智慧を司る仏とされています。
その他、非人救済などの慈善事業を司るとされています。
日本の真言律宗では慈母供養の象徴としての一面も重視され、祭られる仏でした。
公々
「公々」という中国語を訳すと、祖父のうち夫方の父親を指す言葉となります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
こうやって見てみると、基本的に4文字の呼び名の前2語で、仏教に関連する言葉となっています。
観音や如来、菩薩といった個々の神様から名前がとられているようです。
一方で後ろ2語は敬称といった言葉が選ばれている傾向にあります。
宗教とは関係なくとも尊敬を集める呼称であったりと、名前の響きを重くするような言葉が使われておりました。
ですがこれらの呼び名、一度登場したのち、2度とつかわれることはありませんでした。
天仙たち自身も4文字の呼称で呼び合うことはなく、植物に関係あるカタカナの名前で互いに呼び合っていましたね。
おそらくホウコら木人が自分とは比べ物にならないくらいの高貴な立場の彼ら天仙に対し、神と同じ名前で呼ぶことで、敬っていたからだと思います。
天仙たちはそんな仰々しい名前ではなく、呼びやすい名前で互いに呼び合っていたのでしょう。
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