映画天使にラブソングをの撮影秘話・制作裏話・トリビアのまとめ!

コメディー

映画「天使にラブソングを」は1993年に日本で公開したミュージカルコメディー映画。

北米。日本のみならず、全世界で大ヒットを記録した作品です。


そんな映画「天使にラブソングを」にまつわる制作裏話、撮影秘話、映画やスタッフ、出演者に関するトリビアを集めてみましたので、紹介していきたいと思います。









映画「天使にラブソングを」の制作裏話

映画「天使にラブソングを」の制作が持ち上がってから実際に撮影に入るまでの間にあった裏話を紹介していきます。

本物の修道院に取材に行ったお話

脚本家で劇作家、小説家でもあるポール・ラドニックが大女優ベット・ミドラーを主役にするイメージで修道女の映画の脚本を手掛けるアイデアを持ったことから、この「天使にラブソングを」は始まりました。


主役を打診されていたベット・ミドラーはポール・ラドニックに対し、「それであれば実際に修道院に行き、修道女の生活の様子を体験取材してくるべきだ。」とアドバイスします。

そのアドバイスに従って、ポール・ラドニックはコネチカット州のベツレヘムにあるレジーナラウディス修道院に取材に訪れるのでした。


その修道院で修道女長をしていたのが、ドロリス・ハーツ(Dolores Hart)だったのですが、彼女は修道女になる前、1960年代前半にハリウッドで活躍した女優で歌手、そしてダンサーでした。

映画「Where the Boys Are (ボーイハント)」、「Francis of Assisi 」、「Come Fly with Me」などにに出演しています。
1958年にはエルビス・プレスリー主演の映画「King Creole」にも出演していました。


修道女になった今でも、1960年前後の活躍から映画界とかかわりを持ち続け、アカデミー賞の投票権を持つ唯一の修道女として知られています。

ドロリス・ハーツと他の修道女たちは、毎年、一緒にアカデミー賞授賞式の中継を見て楽しむのが、恒例の習慣になっているのでした。


ポールは、ドロリスとの縁の記念として映画「天使にラブソングを」の主人公デロリス(Deloris)の名前をドロリスから拝借することにしたのでした。。

ウーピー・ゴールドバーグが主役を務めることになって

ポール・ラドニックはベット・ミドラーを主役にする予定で計画をディズニーに持ち込み、脚本を執筆していました。

が、最終的にベット・ミドラーはこの映画への出演を辞めてしまいます。

一説にはベット・ミドラー自身が、修道女の役で映画に出演しないといけないことに不安を感じるようになったから、という話が出ています。

彼女のファンが修道女姿のベット・ミドラーを見たくないのではないか、と思ったからでした。


ベット・ミドラーが主役の座から降りたことで、他の女優を探さなくてはならなくなりました。

また脚本も彼女が主役というイメージで作られてきたこともあり、彼女が出演しない以上、他の女優が演じてもおかしくないように修正が必要となったのです。

そこで多くの脚本家が脚本を書き直すために参加し、出来上がったものはポール・ラドニックが作り上げたものとは、かなり異なるものとなったのでした。

そのため、エンドロールで脚本担当としてポール・ラドニックの名前は登場せず、「ジョセフ・ハワード」という偽名が使われることになったのでした。

この「ジョセフ・ハワード」という名前は、偽名を考えないといけないときにポール・ラドニックが執筆していた主人公の名前「ジョセフ」と、彼の兄弟のミドルネーム「ハワード」から取られた名前だったそうです。


ちなみにポール・ラドニックは最初、「脚本担当:グーフィー」にしたい、と申し出たそうですが、却下されたそうです。


ベット・ミドラーを主役にしての脚本では舞台はシカゴとなっていましたが、ウーピー・ゴールドバーグが主演を務めることに決定した後は、舞台はサンフランシスコに替えられたそうです。

ちなみにサンフランシスコはウーピー・ゴールドバーグがコメディアンとしてキャリアをスタートさせた場所でもありました。

ディズニーとケンカ

ウーピー・ゴールドバーグが主役を演じることが決まったため、彼女によってキャリー・フィッシャーが主人公デロリスのセリフを直す脚本担当として雇われることになったのでした。

このキャリー・フィッシャーはあのスターウォーズのレイア姫のキャリー・フィッシャーです。


ですが、ウーピー・ゴールドバーグとキャリー・フィッシャーが映画でデロリスに使わせたかったセリフに直すたびにディズニー側からクレームが来たのだとか。

その当時、子供の前では映画のセリフとしてはばかられるようなものが多かったためでした。

が、二人は多くのセリフをディズニーに認めさせたのです。

メアリー・パトリック役のキャシー・ナジミー、オーディション裏話

キャシー・ナジミーがメアリー・パトリック役が射止め、役者人生においてはじめて大きな映画での重要な役を演じることになります。

メアリー・パトリック役を射止めるまで6回ほど、オーディションがあったそうなのですが、最終オーデションを音楽担当のマーク・シャイマンのアパートで行っていた時のこと。

ミュージカル映画ということもあり、歌唱力はとても重要なのですが、修道女のお話ということでどうしても「サウンドオブミュージック」のイメージがあったようで、そこからのイメージが抜け出せない曲をキャシー・ナジミーはオーデションで披露していたそうです。


が、マーク・シャイマンは、他の音楽も聴きたいと、他に歌えないかとキャシー・ナジミーにたずねました。

そこでキャッシーはちょっとした特技なんだけど、とオペラのソプラノ歌手が発するような甲高い音を出してみせます。

その声を聴いたマーク・シャイマンは、「それだ!それを映画の中でやってくれたらいい!」と採用をその場で決断したのです。


この後、キャシー・ナジミーはマーク・シャイマンの作品でもあるディズニー映画「ホーカスポーカス」にも出演し、この映画で、ベット・ミドラーとの共演を果たすのでした。

メアリー・ロバート役のウェンディ・マッケナ、オーディション裏話

キャシー・ナジミー同様、ウェンディ・マッケイも修道女と音楽の映画ということでギターを弾きながら、修道女が歌いそうな曲を歌ってオーディションをしていました。

が、マーク・シャイマンはウェンディ・マッケナに女性グループソングを歌えるかどうか、と尋ねます。


その質問を全く予想していなっかった彼女は後日3人の女性コーラスを雇って再度オーディションに臨み、ビートルズの「ミスターポストマン」を歌ったのでした。


だからというわけではないでしょうが、「天使にラブソングを2」ではこの「ミスターポスタオマン」が挿入歌として使われています。


「天使にラブソングを2」について動画配信サービスで視聴が可能ですので、もし興味がありましたら、そちらを紹介した記事をご覧ください。

関連記事:映画「天使にラブソングを2」ノーカットをお得に動画視聴する方法

映画「天使にラブソングを」の撮影秘話

映画の撮影が始まってからもいろいろと面白い話があったのでした。

続いてはそちらを紹介しましょう。

酒を飲み、ギャンブルを楽しむ修道女たち

映画の舞台の一つにカジノのシーンがあります。

この撮影はネバダ州のリノで行われていました。

カジノの中での撮影では、出番待ちの修道女役女優が多数、いたのですが、自分の撮影出番が来るまで、長い間待つことになったそうです。

その場合、修道女の衣裳を着たまま、ギャンブル場やバー、ショー舞台にたむろって出番待ちをしていたため、ギャンブルを楽しむ者やお酒を飲む者が多くあらわれたそうです。

しかし映画の出番待ちしている偽物の修道女とはいえ、見た目には本物と変わらないため、かなり異様な風景が繰り広げられていたそうです。

ホテルで滞在していたならではのいたずら

映画の撮影では通常、出演者が寝泊まりするためのキャンピングカーが並らぶのですが、リノの街中では多数のキャンピングカーを停める場所がありません。

ですので、出演者たちはホテルに滞在することになるのでした。


ある日、メアリー・パトリック役のキャシー・ナジミーとメアリー・ロバート役のウェンディ・マッケナが部屋に帰って衣装も着替えずに休んでいるとき、面白いいたずらを思い付いて、ルームサービスでワインとフライドポテトを注文することにします。

やがてホテルスタッフが注文の品を持ってきたとき、修道女姿のキャシー・ナジミーはスタッフに品物を部屋の中に運び入れるようにお願いします。

実は部屋の中では映画の衣裳のままのウェンディ・マッケナがベッドに腰かけて、とても真剣な表情のままテレビから流れるAVをじっと見ていたのです。


二人はこのいたずらを思い付き、同時に二人の間で賭けをしていました。

祖の賭けとは、スタッフが部屋から出ていくまで、ウェンディ・マッケナが笑い出さずに演技をつづけられるかどうか、だったのです。


結果はというと、ウェンディが耐え切れずに笑ってしまい、キャシー・ナジミーに100ドル払うことになったのでした。


真相を知って聞いていてもおかしいのですから、実際にいたずらされたホテルスタッフの驚きはどれほどであったのか、リアクションを詳しく知りたいものです。

舞台となった教会

「天使にラブソングを」の舞台となった教会と修道院はサンフランシスコの貧しいスラム街にある設定となっていました。

それをデロリスとそのほかの修道女たちの活動で、健全で小さな子供たちが遊べるほど安全な地域へとしていきます。


実際にロケーションで使われた教会は、聖ポールカトリック教会。

ネオバリーという町のバリー通りとチャーチ通りに建つ教会で、この地域は映画で登場したようなスラム街ではなく、サンフランシスコの中でも中流階級が多く住むエリアでした。

住所は「バリー通り221番地」です。


映画の設定に合わせるために教会の近所に協力してもらい、通りの向いの店や住宅を荒れ果てた感じにメイクアップしたそうです。


この聖ポールカトリック教会は今でもサンフランシスコにあり、映画の聖地の一つとしてファンが訪れています。

映画「天使にラブソングを」のトリビアまとめ

最後に、映画「天使にラブソングを」のトリビアを紹介していきましょう。

デロリスの子役

映画の冒頭はデロリスが学校に通っているころのシーンで始まります。


デロリスの子供役を演じたのは、アイシス・カーメン・ジョーンズという子役でした。

ウーピー・ゴールドバーグはこのころ、テレビドラマシリーズの「新スタートレック」の順レギュラーとしてガイナン役で出演していました。

そのシーズン6の第7話でガイナンの子供時代の話が出てきますが、その時にガイナンの子供時代の役を演じたのも、アイシス・カーメン・ジョーンズだったのです。

新スタートレックのシーズン6の放映は、映画が公開された後でしたが、同年の1992年でしたので、映画の大ヒットのおかげもあってのアイシスの起用だったのでしょう。

2度目の共演

アイシス・カーメン・ジョーンズは映画「天使にラブソングを」の後、テレビドラマ「新スタートレック」でウーピー・ゴールドバーグと共演を果たしたわけですが、他にもウーピー・ゴールドバーグと共演を果たした出演者がいました。


それは教会近くに住む少女グループの一人で、演じたのはデスレタ・ジャクソン。

彼女はウーピー・ゴールドバーグが初めて映画デビューし、同時に主演を務めたスティーヴン・スピルバーグ作品「カラーパープル」です。

北米では1985年公開、日本はよく1986年に公開された映画です。

第58回アカデミー賞で作品賞を含む10部門で候補に挙がった完成度の高い作品でした。


この中でデスレタ・ジャクソンはウーピー・ゴールドバーグ演じる主役であるセリーの若いころを、演じていたのでした。


ちなみに映画「カラーパープル」は2020年5月現在、以下の動画配信サイトで視聴が可能です。

    ・U-NEXT
    ・ビデオマーケット


雑誌ローリングストーンズの表紙を飾る

エンディングのスタッフロールで画面上に登場する、「天使にラブソングを」をイメージしての雑誌ローリングストーンズの表紙。

実はこの映像に登場したローリングストーンズの表紙は、映画のためだけに作られたフェイクではなく、実際にこの表紙で発行された本物だったのです。

舞台ミュージカルとしての成功

映画で大成功したこともあり、2006年にカリフォルニア州パサデナで部隊ミュージカルとして復活しました。

10月24日から12月23日まで上演され、興行収入は会場となったパサデナ・プレイハウスの最高記録を達成しています。


その後、2009年にイギリスロンドンのウエスト・エンドで舞台ミュージカルとして、ストーリーの大筋と登場人物は映画版を踏襲してたまま復活しています。

が、楽曲は『リトル・マーメイド』や『アラジン』などのディズニーミュージカルアニメ作品を作曲したアラン・メンケンが担当して全て書き下ろしのオリジナルとなっており、映画版での挿入曲は一切使用されていませんでした。

こちらのプロジェクトにはウーピー・ゴールドバーグもプロデューサーとして参加。
2010年8月1日から8月31日までは修道院長として舞台にも出演する予定でした。


実際には母親の脳卒中のため、8月27日で降板しなくてはならなくなったものの、10月22日、23日、25日に行われた計5公演に再出演しています。


ロンドン公演は2010年10月30日に予定通り閉幕したのでした。

また、このロンドン公演の出演により、映画で修道院長を務めたマギー・スミスと再会していました。

リノ市警察署

映画で登場するリノ市警察署は、リノ市の中央郵便局だったことを監督のエミール・アルドリーノは明かしています。

撮影時に建物の外に泊まっていたパトカーは本物で、撮影現場の警備のために来ていたパトカーを撮影で使用させてもらったとのこと。


実際のリノ市警察署は、見た目が警察署のようには見えなかったことから、このような対応をしたのだそうです。

「ノートルダムの鐘」つながり

映画「天使にラブソングを」の原板ではデロリスがエディー・サウザー警部補に連れられて隠れ家となる修道院にやってきた際、

「こんなところに連れてきて何をさせる気?ノートルダムの鐘撞き男にでもなれと?」

と悪態をつくセリフがあります。


これはビクトル・ユーゴーが執筆した「ノートルダムの鐘」からのパロディなのですが、1996年にディズニーがアニメ化した「ノートルダムの鐘」では、「天使にラブソングを」でメアリー・ラザルスを演じたマリー・ウィックスは、このディズニーアニメ版「ノートルダムの鐘」に歌を歌うガーゴイルの一人として出演しているのでした。

25年越しのプレゼント

映画ではデロリスはリノを牛耳るマフィアのボス、ヴィンス・ラ・ロッカの愛人でした。

デロリスがヴィンスのもとを去ろうと決めたのは、妻のおさがりの紫の毛皮をプレゼントとしてもらったからでした。


映画公開から25年後、テレビのワイドショーで25周年を記念し、同窓会と称してメインキャストとスタッフが呼ばれ、当時の思い出を話す特別番組が放送されました。

そこにはウーピー・ゴールドバーグ、キャッシー・ナジミー、ウェンディ・マッケナ、そして音楽を担当したマーク・シャイマンが出演しています。

さらにスペシャルゲストとしてウーピーを驚かせるためにヴィンス役のハーヴェイ・カイテルも遅れて登場。

スタジオにいる観客とともに、出演者を驚かせていました。


その際、ハーヴェイはウーピーにプレゼントを持参します。

25年前に妻のおさがりを渡したことを詫び、「ウーピー、ハーヴェイより愛をこめて」と刺繍された新しい上着をプレゼントしたのでした。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

かなり面白い制作裏話、撮影秘話、トリビアがあったと思います。


やはり個人的には修道女姿の映画スタッフがリノのカジノの中を出番待ちでうろつき、修道女の格好のままブラックジャックやスロットなどのギャンブルを、酒を片手に楽しんでいる風景ですね。

知らない人たちからしたら、いったい何が起こったのか?とさぞびっくりしたことでしょう。


映画「天使にラブソングを」は、世界中で大ヒットしたこともあり、続編となる「天使にラブソングを2」が翌年の1993年に北米で公開されています。
(日本公開は1994年)

「天使にラブソングを2」について動画配信サービスで視聴が可能ですので、もし興味がありましたら、そちらを紹介した記事をご覧ください。

関連記事:映画「天使にラブソングを2」ノーカットをお得に動画視聴する方法












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