1991年公開のディズニーアニメの名作「美女と野獣」
2017年にはエマ・ワトソン主演で実写化されました。
ディズニールネサンスと呼ばれる時期に、ミュージカルをアニメーション化した作風は、今でも色あせることはありません。
その成功を基にアラジンやライオンキングなどのミュージカル調のアニメーションの名作が次々と生まれていきました。
そんな「美女と野獣」
いきなりオープニングから舞台背景を「朝の風景」という楽曲で説明しています。
その中で、ベルが市場に出かけた理由は読書。
読み終わった本を返して次の本を借りるためでした。
結果、新しい本がなく、すでに2度も読んだ本を、一番のお気に入りと、借りています。
この一番のお気に入りという本、いったいどんな物語なのでしょうか?
ベルが3度も借りた本の物語の内容は?
村の中でも美人ではあるが変わり者という評判のベル。
朝の市場へ向かうも、実際に何かを買う描写はなく、ひたすらに本を読みながら図書館へ出向いて、本を借りています。
時代的にみても、おそらく村人の中で文字が読める人がどれくらいいたのか、疑問が生じるころ。
女性であるベルが文字を読めたのは、奇跡に近いでしょう。
父親からの教育であろうことは、予想されますが、実際、アニメの父親、モーリスはかなり抜けているようなキャラとして描かれていたので、本当にベルはモーリスから文字を習ったのか、疑わしく思ってしまいます。
何はともあれ、ベルは文字が読め、そのおかげで本が好き、という娘で、村では変わり者扱いされていました。
作中で語られる物語の内容
そんなベルが蔵書の少ない村の図書館から借りる本は、同じものになってしまうのは仕方のないこと。
そしてベルは、少ない本のチョイスの中から一番のお気に入りを見つけ出します。
題名ははっきりと明かされていませんが、どのような内容なのかは、ベルが歌う「朝の風景」の中でいくつか分かるのでした。
-
・遠い国の話
・剣による決闘
・魔法
・姿を変えている王子
(英語でPrince in disguiseと表現されており、直訳すると「変装している王子」となります)
この4つの特徴に加え、登場する王子は典型的な「白馬の王子様」。
しかしそのことは「姿を変えている」ために第3章まで分からない、とされています。
これだけのヒントで本が何の作品であるかを推察するには、あまりに少ないのでまず無理といえるでしょう。
ハリウッド版「起承転結」
ところで
- 王子が姿を変えているため、正体が第3章まで分からない
という具体的な情報は、英語版の「朝の風景」のなかで歌われている歌詞にあり、日本語吹替版ではそこまで分かりません。
英語では、
-
Here’s where she meets Prince Charming
But she won’t discover that it’s him ‘til chapter three.
となっており、直訳すれば、
-
ここが彼女と白馬の王子様とが出会うシーン
しかし彼女は彼が王子様だとは第3章まで知らないまま
となります。
日本語吹替版の「朝の風景」では、
-
ああ、なんて素敵 胸がときめく
見て、そう気づかないのよ
王子様が彼だってことが
となっています。
そしてこの「第3章」の意味ですが、ハリウッド映画のストーリー展開としての王道というべきものを指しているのでした。
つまりハリウッド版「起承転結」です。
「起」に当たる第1章で、登場人物の紹介や舞台背景の説明を行います。
「承」に当たる第2章で、事件が起こり、その事件を中心にストーリーが展開していきます。
「転」に当たる第3章で、隠されていた秘密や裏設定が明かされ、登場人物だけでなく視聴者にも驚きを与える、という展開になるわけです。
本の物語はベル自身だった!
このベルの「一番のお気に入り」という本の内容、よくよく考えてみるとまさにこの後、ベルが自分自身で体験することをそのまま物語したような話だと思いませんか?
- ・遠い国の話
実際に住んでいる村から遠く離れているわけではないようですが、城の中は家具や道具に姿を変えられた城の住人が住んでいて、普通の世界とはとんでもなくかけ離れています。
- ・剣による決闘
野獣を退治しようと城を襲った村人たち。
そのリーダーは嫉妬に怒り狂ったガストンで、彼は野獣と剣も使った決闘を城の屋根の上で繰り広げていました。
- ・魔法
野獣と化した王子、道具や家具に身を変えられた家来たち。
そして城自体もおどろおどろしい化け物が潜んでいるのにぴったりの外見になっていました。
これが魔法によるもの以外に考えられるのでしょうか。
さらに真実の愛のキスによって呪いのような魔法が解けるところも魔法そのものです。
- ・姿を変えている王子&白馬の王子様
本名アダムという王子は、自分の意思で姿を変えているのではなく、罰として魔法で野獣に姿を変えられてしまいました。
ですので、少し内容は異なるかもしれません。
ただし、彼がベルにとって白馬の王子様となったことは、本の内容と同じなうえ、ベルも魔法が解けた時まで、野獣が王子であったことははっきりと認識していなかったようです。
ここまでくると、狙っていたとしか思えないくらい、本の内容とベルが体験したことはほとんど一緒。
ベルのお気に入りのストーリーは、ベルが実際に自分で体験することになった物語なのでした。
本の表紙はベルの服と同じ青色
ところで、ベルのお気に入りの本の表紙は青色でした。
この「青色」には映画全編を通して隠されたメッセージが込められていたのです。
村の住人の中で青色の衣服を着用しているのはベル以外いません。
それは青色が自己の強さ、相手への思いやりを暗示しているからです。
面白いことに、本作品のディズニーヴィランズとなったガストンは青と対比されるかのように赤い服を全編において着用していました。
そして野獣もベルを城の中に閉じ込めた際には、裏が赤地のマントを上半身に羽織っていました。
しかし野獣は、その後ベルと過ごす時間が長くなるごとに代わっていき、あの映画の中で一番ロマンチックで有名な、黄色のドレスを着たベルと野獣が踊りを踊るシーンでは、ついには青色を基調とした正装に身を包んでいたのです。
このシーンを境に、野獣も相手への思いやりの心を手に入れたのでした。
ただ、不思議なのはガストンも野獣も同じように青い目をしていることです。
一方はディズニープリンスとなり、もう一方がディズニーヴィランズになるのは、なんとも印象的ですね。
それほどこの映画において重要な「青」という色。
その色の表紙を持った本がベルの一番のお気に入りの作品だったことは、偶然ではなく、あえて初めから狙った演出だったに違いありません。
考察のまとめ
ディズニーアニメーション「美女と野獣」
その冒頭シーンでベルが読んでいた青い表紙の本。
ベルは村の図書館の中で一番好きな本と話していますが、その内容の中でベルが気に入っている特徴は、まさにその後、ベル自身が体験することとそっくり同じであったことが分かりました。
つまり一番好きな本の物語はベルの物語といってもいいと思います。
ところで最後に、ベルの白馬の王子様となった本名アダムという元野獣。
ベルがディズニープリンセスですから、アダムはディズニープリンスということになります。
ディズニープリンセスの引き立て役の地位に甘んじているディズニープリンス、このアダムもいったいどれだけの人が、本名をアダムということを知っているのでしょうか?
そんなディズニープリンスについて、一覧でまとめた記事がありますので、もしご興味がおありであれば、ご一読ください。
関連記事:ディズニープリンスの一覧と選ばれていないキャラクターを選出理由とともに考察!
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