ダンボの実写映画とオリジナルアニメとの違い・相違点まとめ12選!

映画

映画ダンボ実写版が公開されました。

ここ最近、ディズニーが進めているクラシックアニメの実写版シリーズ、第3段となります。
(注:何を持ってアニメの実写版とするかによっては7作目と数えることもできます)

家族の絆をメインに据えた心温まるストーリーに仕上げていますが、オリジナルアニメ版との違いはどこにあるのでしょうか?

オリジナルは1941年公開という78年も前の作品ですので、ご覧になった方も少ないかもしれません。

今回はそんなオリジナルアニメとの違いをまとめてみました!







オリジナルと実写版の大きな違い

やはり、一番の違いは映画の長さになるかと思います。

オリジナルが64分であるところ、実写版は1時間52分
おおよそ2倍の長さになっています。

その為、他の実写版で見られたほとんど同じ内容のストーリーというわけにはいかなくなりました。

それを踏まえて、オリジナル版と実写版の個々の違いを見ていくことにしましょう。

オリジナルキャラの動物がいない

オリジナルアニメはダンボを中心に、サーカスの動物たちをキャラクターとしてストーリーが進んでいきました

人間としてのキャラは団長とダンボにいたずらする意地悪な少年くらいで、観客などは背景といってもいいくらいの扱いです。

そのかわり、ダンボの親友であるネズミのティモシー、ダンボが飛ぶきっかけになったカラス達、そしてダンボの姿をあざ笑う他のゾウたちなど、動物の世界のお話としてアニメは進んでいきます。

一方実写版ではアニメでメインキャラとして使われていたしゃべる動物は一切、カットされました

変わってダンボの世話係として新キャラのファリア一家、より重要なキャラクターとなった団長、他のサーカスのメンバー、お決まりのディズニーヴィランズとよりたくさんの人間キャラクターがダンボの周りを彩ります。

とはいえ、ティム・バートン監督のいたずらごころでしょうか、ティモシーのように赤の衣装でドレスアップしたネズミが登場しますし、そのネズミがピーナッツを食べるシーンも含まれています。

ジャンボ・ママが妊娠して登場

オリジナルアニメではダンボはコウノトリによって運ばれてきました

が、実写版ではジャンボの初シーンは妊娠中として登場します。

それでも、やはりティム・バートン監督はオリジナルアニメに敬意を払っていたのでしょう。
ダンボが生まれる前日、ジャンボが入れられている貨車の窓からコウノトリの一群が空を飛んでいくシーンが入れられていました。

また、ジャンボはダンボを守るところは同じですが、その結果がオリジナルとは異なっていました。

子供を守るためとはいえ、大きな騒ぎを起こしてしまったジャンボは、アニメでは貨車の中に閉じ込められるだけでしたが、実写版では損害をカバーするために、売られてしまい、
ダンボとは完全に離れ離れになってしまっています。

もちろん、この演出もその後のストーリーをよりドラマチックにするためのものですが。

ダンボを馬鹿にする他のゾウたち

大きすぎる耳を持ったダンボの姿をあざ笑う役は、オリジナルアニメではサーカスに所属する他のゾウたちでした。

実写版では動物たちの扱いが全く変わってしまっていますので、ダンボを仲間外れにするゾウたちは存在しません。

が、変わってダンボをバカにして笑いものにするのは、観客の役目となり、ダンボの姿を始めてみた団長やサーカスの他のメンバーでさえ、ダンボの姿に驚き、失望していました。

カラス達も登場しない

サーカスの動物ではありませんが、オリジナルアニメではダンボが空を飛ぶきっかけとなった重要なシーンでのキャラクターとしてカラス達が登場しました。

ダンボは最初、カラスからもらった羽を持つことで空を飛ぶ事ができたのです。

実写版では、カラスは登場せず、変わって新キャラとして加わったファリア一家の子どもたち、ミリーとジョーの観察で、ダンボが飛べることがわかります。

しかもどうしたらダンボが気持ちよく飛べるのか、もミリーとジョーの研究と観察でより詳しくわかるようになっていったのでした。

ただ、オリジナルアニメでのカラス達の描かれ方が、典型的なアメリカの黒人差別を根底にしたものであるという指摘もありましたので、今の御時世では間違いなく含める訳にはいかないでしょう。

特にディズニー映画で子供向け対象であるわけですから。

一方で、カラス達が歌う有名な「もしも象が空を飛べたなら」の歌詞の一部が、実写版でも使われていました。

ドリームランドに活躍の舞台を移したダンボを紹介する団長のスピーチがそれです。




動物のニューキャラクター

オリジナルアニメで登場したほとんどの動物は、実写版ではカットされていますが、一匹だけオリジナルアニメには登場しないものの、実写版で加えられた動物がいます。

それがですが、団長の部屋を荒らしまわるいたずら好きで、時には予期しないところにいたりして、団長を驚かせます

この猿も、完全にCGで合成されたキャラクターですが、可愛くて可哀想なダンボに変わって映画内で笑いを提供するコミカルな役どころとして使われていました。

ダンボ自身の設定

オリジナルアニメはダンボと他の動物達とでストーリーが進んでいきましたが、実写版ではダンボとサーカスの関係者でストーリーが進んでいきます。

そのため、ダンボにまつわる設定であったりがオリジナルとは全く異なることにならざるを得ませんでした

その姿は可愛く愛くるしいですし、境遇は最終的にハッピーエンディングになるものの、涙を誘う可哀想なものになっています。

また、作品のメッセージである

    「自分を信じること」
    「個性は弱さではなく強さ」

はアニメでも実写版でも全く同じです。

しかし細かい設定、例えば「ダンボ」と名付けられた由来であったり、ダンボが空を飛べることがわかったきっかけであったりは、実写版のストーリーに沿ったものに変更せざるを得ませんでした。

そしてサーカスの人々に徐々に心をひらいていく心の交流が新しく付け加えられています。

完全オリジナルストーリー

オリジナルアニメが64分という上映時間に対し、実写版は2時間近いとほぼ倍の上映時間。

実際、1時間ちょっとの映画では映画館で配給して上映させられないでしょう。

それもあってストーリーは、アニメ版を取り入れつつも、新しく作り直さないといけなくなりました

具体的にいえば、オリジナルアニメではラストシーンとして使われた火事のビルから飛び降りるアクションを、実写版では映画が始まってから1/3あたりで使われています。

また、ダンボは1941年と第2時世界大戦中の作品であるため、戦時高揚色のあったアニメでもありました。

が、実写版ではホルト・ファリアが第1次世界大戦から帰ってきたという時代設定に変更されています。

ピンクのゾウ

オリジナルアニメではダンボがシャンパンを誤って飲んでしまい、酔っ払ってピンクのゾウという幻影を見るシーンがありました。

実写版ではダンボがお酒を飲んで、酔っ払うシーンは完全に省かれています

しかし、ピンクのゾウのシーンは別の形で映画の中に取り入れられました

ドリームランドでのパフォーマンスで、前座で巨大なシャボン玉を作るのですが、ピンクの照明に当てられて巨大なシャボン玉が、ゾウの形になり、アニメのようにコミカルで幻想的な動きを見せます。

その楽しい動きと軽快な音楽に脇で見ているダンボもリズムに乗って体を動かしているのでした。




挿入歌

オリジナルアニメでは数多くの記憶に残る名曲が含まれていました。

これまでのディズニーの実写版でも、特に「美女と野獣」では映画で使用した曲だけでなく、ミュージカル用に作られ、人気の出た曲までも映画内に取り入れ、アニメのようにミュージカル調の作品に仕上げていました。

しかしダンボの実写版では挿入歌は1曲しかありません

ミス・アトランティスと名前の人魚役のサーカス団員が歌う「Baby Mine」、母親のジャンボと離れ離れになってしまったダンボとのことを歌う静かなララバイです。

ところが気をつけていると、映画の中でオリジナルアニメの有名な曲がちょこっと使われていることがわかります
団長が口ずさむ「ケイシー・ジュニア」の歌詞であったり、「ピンク・エレファンツ・オン・パレード」であったり。

また、エンドロールでもジャズ・バージョンに編曲された「もしも象が空を飛べたなら」がかかっていたりします。

ストーリーを彩る新キャラ:マックス・メディチ団長

オリジナルアニメでは数少ない人間キャラとして多くのシーンに登場した団長。

実写版ではマックス・メディチという名前でメディチ・ブラザーズ・サーカス団を率います。

アニメでは、動物たちをこき使うだけの、嫌な人物でしたが、実写版ではサーカスとサーカスに所属する人々の幸せを考えて苦悩する、深みのある人物となっています。

団長というトップにいる人物として、時には辛い決断もしないといけないですし、ビジネスが大きくなると、投資してくれるビジネスマンとの会話についていけないというちょっと頼りないところもあったりしますが、全体的に人間味のある、優しい人物として描かれています。

初めてダンボを見たときは、オリジナルアニメで他の動物達がダンボに対してとった反応を、他の団員以上に大げさにみせてはいますけどね。

ディズニーヴィランズ

オリジナルアニメが公開された時代は、まだ、ディズニーの作品にディズニーヴィランズというポジションは、明確にはなかったのでしょう。

嫌味なキャラがいて、最終的にそのキャラが仕返しを食らう、程度ですが、そんな嫌味なキャラもディズニーヴィランズの走りといえば、そうかも知れませんが。

とはいえ、オリジナルアニメのダンボのストーリーでは、完全にやっつけられるほどの悪役はいませんでした。

実写版ではストーリーも長く、複雑になっこともあり、またディズニー最新作としてディズニーヴィランズが登場しないわけにもいかないので、腹黒いビジネスマンを登場させています。

彼が実写版で企んだダンボを強奪しようとした方法は、誰の目にも理不尽で、卑怯な方法だと映るでしょうが、実際は反撃を食らっていますし、かなり稚拙で急ぎすぎたやり方だったと、個人的には思いました。

やるならもっと抜け目なく、徹底的にやらないと。

もっとも、ディズニー映画には絶対にそぐわないやり方になってしまいますけど。

ファリア一家とダンボ

オリジナルアニメではダンボの親友であったネズミのティモシー。
彼の活躍もあって、ダンボが空を飛べることわかり、サーカスの看板スターへとなっていくわけです。

実写版ではダンボと世話役のファリア一家との交流が話の中心になります。

それはいくつものシチュエーションでダンボと重なる部分がありました

例えば戦争で左腕をなくし、久しぶりに子どもたちの元へ帰ってきたホルト。
彼はミリーとジョーと離れ離れになっていた時間を取り戻し、また家族としてやっていくための絆を作り上げていく必要がありました。

おそらく戦争で、思い出したくもない記憶もあるでしょうし、ホルトがいなかった間ミリーとジョーに起こった出来事で、彼らが別れたときと同じ人間ではいられなくなってしまった可能性があります。

そんな彼らがまた家族としてやっていくのと、ジャンボがある意味、奇形の子供ダンボを持って、家族として絆を深めていくことは、鏡に写ったもののように同じ境遇であると言えるのではないでしょうか。

そしてダンボがジャンボを失ったとき、同じように母親を失ったミリーとジョーがダンボの悲しみを理解して、一所懸命に助けようとするのも、同じことだと思います。

まとめ

オリジナルアニメと比べ、映画の尺が約2倍ということもあり、多くの変更点を加えないといけなくなりました。

その結果、まったく違うストーリーの映画といっても過言ではないような作品に仕上がっています

だからといって、オリジナルアニメと見劣りするかといえば、それはないでしょう。

唯一残念なのが、オリジナルアニメを持つディズニー映画でありながら、耳に残る歌がほとんど無いというところでしょうか。

全く新しいストーリーを作り上げていく必要があり、たくさんの新キャラを参加させる以上、それぞれがわかりやすい立ち位置にいて、視聴者が容易に理解できたほうがいいのは、自明の理です。

そういう観点からみれば、中には影が薄くて必要があったのか、と思えるキャラもいなくはないと思いました。

ただ、そんな存在の新キャラがいたとしても、全体的に話はわかりやすいですし、ダンボの可愛らしさや活躍を、多くの新キャラクターによってさらに強く伝えることができたと思います。

難しく考える必要はなく、子供と一緒に楽しむことのできる映画です。

またオリジナルアニメの要素がそこかしこに散りばめられていますので、オールドファンにはそれを探しながら見て楽しめることでしょう。

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