映画ライフのカルバンのように宇宙空間で生きられる生物はいるのか考察

      2017/06/15

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映画「ライフ」の中に出てくる火星で見つかった未知の生物 カルバン。

はじめは可愛らしかったのですが、とんでもない生物でミッションに携わったメンバーに
次々と襲いかかり、餌食にしていきます。

現実問題として、SF映画の話の中に出てくるカルバンのような生物がいるのかどうかを
考えるのはナンセンスかもしれませんが、せっかく疑問に思ったので考察してみることに
しました。

どうぞお付き合いくださいませ。

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宇宙空間の過酷な環境をおさらい

宇宙での生活環境がとても厳しいものであることは想像がつくと思います。

真空状態で空気がない。

温度が-270℃。

などですが、それに加えて自然放射線というものもあります。

つまり、これは自然界に元々ある放射線の総称で、人は常にこの放射線に被ばくしている
のですが、この自然放射線の中に宇宙線と呼ばれるものがあります。

地球上で生活している分には空気などに遮断され、弱まっていますが、空気が薄くなるに
つれ、放射線濃度が高くなっていき、例えば高々度を長時間、飛行する国際線の飛行機に
乗っている間に被ばくする数量は地上にいるときよりおよそ100倍にもなります。

これが400kmも上空を回る宇宙ステーション内では、1日に被ばくする量は跳ね上がります。

地上における年間の被ばく線量は、資料によって異なりますが、300 uSv ~ 2,500 uSvと
言われています。

宇宙ステーション内では1日あたり1,000 uSv程度となるそうで、1,200倍から145倍もの
被ばく量
になります。

また、太陽フレアが発生した場合はさらに多くの放射線が発生します。フレア発生時に
宇宙空間にいた場合に被爆する量が人間の致死量を超えることもあるそうです。

実は宇宙空間の中でも生きていられる生き物がいた!

そんなとんでもない環境の中で、死なずに生き延びられる生き物がいることが分かっています。

実際に2007年に宇宙空間にいって実験をした結果、無事生き延びて地球に帰ってきたことも
ある程の強者ですが、それはなんと、緩歩動物に分類されるクマムシをいう虫で、体長が
50マイクロメートルから1・7ミリメートルというとても小さい生物なのです。

その強い耐久性のため、地球上ではほとんどあらゆるところで見つけられる生き物です。

その姿は芋虫のようにズングリしていて4対8脚の足が生えており、見た目がクマに似ている
ことから「クマムシ」という名前がつきました。

特筆すべきは先に紹介した強い耐久性ですが、強いという表現が生易しすぎるほどです。

温度:絶対零度の-273℃から150℃の高温

圧力:真空状態の0気圧から75,000気圧

放射線:X線の半致死線量が3,000 – 5,000 Gy(人では4 Gy)

2007年に宇宙に連れて行かれたクマムシは10日間、直接宇宙空間にさらされても生存でき
たことが実験で確かめられています。

さらに実験では宇宙船と真空にさらしたクマムシは、その後地球上で蘇生し、生殖能力も
失っていませんでした。

太陽光を直接浴びたクマムシは、、生き返るものもいたようですが、生存率は低かったと
実験結果が出ています。

でも、ちょっと待ってください。「蘇生した」とはどういう意味なんでしょうか?

ちょっと待って、つまり宇宙で動けるわけではないの?

実はクマムシは、例えば落ち葉の中とか苔の中で生息しているのですが、水分がなくなって
来ると「乾眠」と呼ばれる状態に入ります。

この「乾眠」とはクリプトビオシスと呼ばれる現象の一つで、無代謝状態になること
いいます。その間、温度や圧力、放射線で大きな変化があっても、影響をほとんど受ける
ことなく、水分が補給されると活動を再開するのです。

ですので、この乾眠状態のクマムシが異様に耐性があるだけであり、普通に活動している
クマムシをこのような条件下に放り出した場合はあっけなく死んでしまいます。

調べると乾眠状態に入る速度はクマムシの種類によって違うようですが、瞬時できるものは
存在しません。

つまり、2007年に宇宙空間に連れ出されたクマムシも乾眠状態のものであり、普通に活動
しているクマムシではありませんでした。

乾眠状態になるためには、徐々に乾燥していくことが必要ですので、おそらく通常の
クマムシであれば、宇宙空間に連れ出されてすぐ、死滅していることでしょう。

つまり、とてつもない耐性を持つクマムシでさえ、普段通り活動しながら宇宙空間で
生き延びられる能力は持ち合わせていない
ということになります。

カルバンはお話の中の未知の生物

地球上に存在する生き物でカルバンのような能力を持つ生き物は存在しません。
特に真空空間である宇宙でかなりの時間、動き回れるような能力は論外です。

間違いなく、カルバンは想像上の生き物で、絶対にあのような生き物が宇宙の何処かに
生息している可能性はない
、と断言できます。

(と、そんなことははじめから分かっていながら、無駄な時間を突き合わせてしまうことに
なって、ここまで読んでいただいた方には大変な感謝とお詫びをしたいと思います。)

ところでクマムシの耐性ですが、宇宙空間でも身を守ることができたDNAを研究することで、
放射線の耐性を強める事ができる方法が分かるかもしれないといわれています。

それが可能になるのであれば、放射線被ばくによるガン発生率を抑えることができる
のですから、今後人類が宇宙に生活の拠点を移すことの大きな助けになるのでしょう。

こんな小さな小さな虫ですが、今後の人類が活動拠点を広げていくための大きな助けに
なるなんて、そっちのほうが驚きですね。





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