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実写版映画ライオンキング・オリジナルアニメからの変更点まとめ!

2019/08/02
 
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厳密には実写版ではなくCG版の映画「ライオンキング

1994年より25年ぶりに映画館に戻ってきました。

そのフォトリアルはすごいの一言で、実際にアフリカで撮影されていないことや、実在の動物を一切撮影使用していないことが嘘のようです。

そんなCG版「ライオンキング」ですが、オリジナルアニメからの変更点をまとめてみました。

今回はそちらを紹介していくことにしましょう。







ライオンキング・オリジナルアニメからの変更点

これから紹介するオリジナルアニメからの変更点は、まとめてしまうとリアリティ」という言葉で表すことができると思います。

CG版ライオンキング、ちまたでは「超実写版」と呼ばれていますが、始まりから終わりまで、いかにリアリティを正確に表現することができるか、を最重要点として制作されたように感じました。

そのことを踏まえておくと、これから紹介する変更点は、もはや必然というしかありません。

それでは、一つずつ見ていくことにしましょう。

間抜けなハイエナがいない

CG版ライオンキングで一番に感じるオリジナルからの変化はハイエナ達ではないでしょうか?

監督のジョン・ファブローは、実写に限りなく近いCGバージョンでは、間抜けなハイエナが作品の雰囲気を壊してしまう、と感じてオリジナルの間抜けさより怖さ、残忍さを強調した、とインタビューで答えています。

そのため、オリジナルであった、トゲの茂みに突っ込んでしまうシーンや、ムファサの名前を連呼しておかしがるシーンはカットされています。

悪ふざけがすぎるハイエナのエドとバンザイは、名前すらアフリカ風のアジジとカマリというものに変えられました。

この二人はオリジナルのころの雰囲気を少し残しており、二人は掛け合い漫才のようなコミカルなやり取りをしています。

一方でハイエナのリーダーであるシェンジは、面白おかしいところが全く無く、ディズニー・ヴィランズとして存在力を高めていました。

準備をしておけ

ハイエナ達の描かれ方がオリジナルと大きく異なることに合わせるかのように、スカーの代表的な挿入歌「準備をしておけ」も大幅に変更となりました。

映画が作成されている最中には、挿入歌の「準備をしておけ」をまるっきりカットするのでは、という噂が流れましたが、その後、正式に歌が映画内に含まれることが発表されました。

しかし蓋を開けてみると、挿入歌はスピーチと歌のミックスというバージョンとなり、その長さもオリジナルと比べると極端に短いものになってしまったのです。

この理由を考えるに、オリジナルではハイエナが間抜けに描かれていたため、彼らにスカーの計画とそれが成功した暁にハイエナが手に入れるであろう報酬を詳しく説明してわからせる必要がありました。

しかしCG版ではオリジナル版に比べてハイエナはより賢く残忍なキャラクターとして描かれていますので、長い挿入歌を使わなくてもスカーの計画を理解できてしまったからでしょう。

ただし、短くなったおかげで、ナチスドイツの行進を彷彿させるような、スカーの前で更新するハイエナ達というシーンはカットされてしまっています

また、活火山が発する溶岩の赤を貴重とした明かりの中で、「準備をしておけ」が歌われていましたが、より現実的な描写を優先させたため、CG版では薄暗い洞窟の中で、特別な明かりを使うことなく、描かれています。

スカーの喋り方

オリジナルでのスカーと言えば、その話し方は独特で、腹に一物を持った、なにか良からぬことを企んでいそうな雰囲気をありありと醸し出していました。

オリジナルのスカーを担当した声優はイギリス人俳優のジェレミー・アイアンズで、そのしゃべり方は1960年代のディズニー作品「ジャングル・ブック」の悪役であるシェアカーンを演じたジョージ・サンダースのものとそっくりで、近年ではハリー・ポッターシリーズのセブルス・スネイプを連想させるものでした。

一方でCG版のスカーを演じた声優はキウェテル・イジョフォー

オリジナル版のスカーの話し方は、多くのファンにとっても強い印象として残っているでしょうから、このなかなか難しい役をよく引き受けたものだとは思いましたが、実際に映画で見てみると、キウェテル独自の色を出した、シェイクスピアの演劇を見ているかのようなスカーの話しぶりに、驚きました。

ライオンキングのストーリーがシェイクスピアのハムレットからインスピレーションを受けて作られたことは有名ですので、よりしっくり来るのかもしれません。

スカーの風貌

CG版のスカーは、先に述べた話し方だけではなく、その風貌もより深みのあるものに変更されています。

オリジナル版のような黒いたてがみは持っていませんが、左目にある傷跡だけでなく、耳の一部がかけており、体にもいくつかの傷跡があるように表現されています。

その傷がどのようにしてついたのかはCG版映画内では説明がありませんが、オリジナル版では人間のように顔の表情を変えることで心情などを表現していた手法が使えないため、よりヴィランズのような雰囲気を出すためにも、そのような風貌になったのだと思います。




コメディー担当のプンバァとティモン

オリジナル版で凸凹コンビとしてお笑い担当だったプンバァとティモン。

CG版ではよりコメディアンとしての存在を強調していて、かなり笑える二人のシーンが含まれていました。

実写に限りなく近くする必要があったため、アニメでよくある不可能な動きだけでなく、実際の動物ができそうにない不自然な動きや顔の表情を変えて笑いを取るという手法が使えないだけに、全て話術でカバーしないといけません。

また、オリジナルが存在する作品として、そのアドバンテージをつかったジョークも入っていました。

それはティモンとプンバァがシンバに対して「ハクナ・マタタ」という考え方を教える場面。

オリジナルによって世界的に有名になったこのフレーズ、ティモンとプンバァは、すでにこの言葉が世界的に認知されていることを前提にはなしています。

だからこそ、シンバが知らないことに驚いて、期待していたリアクションと違う、というコメントをしているのでした。

サークル・オブ・ライフ?意味のないライン?

同じ様に1994年の「ライオン・キング」によって世界的に有名になった「サークル・オブ・ライフ」

自然界を支配するバランスと繰り返される生命の営みの2つの意味を、映画を通じて主張しているのですが、この有名な言葉に対しても、ティモンとプンバァはギャグのネタにしてしまっています。

彼らにとっては「サークル・オブ・ライフ」は存在せず、「実際には意味がない違いを示す線」があるだけだ、と答えています

群れからはぐれて、同じような孤独な存在の友達とだけで暮らす生活には、有ってもなくても関係ない線が存在するだけ、と達観しているのでした。




フランス語訛り

シンバは生まれ故郷のプライド・ランドに戻ったものの、住処であり、スカーが居座ってい岩山に、ハイエナに気が付かれないように忍び込まなくてはなりません。

そこで生き餌を使ってハイエナのきを引く作戦に出るのですが、オリジナルではハワイアンソングの替え歌で、プンバァをお取りにしてハイエナを岩山から引き離していました。

CG版では選曲が変わり、「美女と野獣」の「一人ぼっちの晩餐会」を少しフランス訛りを入れて歌おうとしていました

フランス訛りといえば、CG版ではカットされていましたが、オリジナルではシンバとナラが再会した際に、二人の関係によってシンバがティモンとプンバァの二人を捨てて故郷に帰ってしまうのでは、という歌詞で「愛を感じて」を歌っているティモンを思い出しました。

ナラの存在感

CG版の「ライオンキング」ではナラのシーンが増やされていました。

プライド・ランドのライオンの住処である岩山からスカーやハイエナに気が付かれないように抜け出すシーンや、シンバと一緒に故郷に帰るシーン。

シンバがスカーに挑んだ際に、シンバへの支持を一番に表明し、他のライオンたちに加勢を促すセリフのシーンもありました。

また、ハイエナのリーダー・シェンジとの因縁の対決も見どころの一つになっています。

一方で「愛を感じて」のシーンではシンバと旧交を温め、恋がお互いの心に芽生えるような描写を表現しようとしていましたが、やはり顔の表情を変えられないCGバージョンではなかなか感情移入しにくい、という欠点が明らかになってしまったと感じました。

オリジナルであった、ともするとお子様向けの映画に含めるにはふさわしくないのではと思ってしまうナラのセクシーな表情がなくなってしまったのは、個人的には残念です。

ブタ?太っちょ?

ラストの決闘でハイエナがプンバァに対して発したセリフ。

「あのブタは誰だ?」

オリジナルでは、この後プンバァはマーティン・スコセッシ監督、ロバート・デ・ニーロ主演の1970年台の傑作映画「タクシードライバー」に出てくる有名な名シーンのセリフ、

You takin’ to me?(俺に用か?)

を連呼します。

そして最後に発したセリフは1967年のアカデミー賞作品賞受賞映画「夜の大捜査線」に出てくる名台詞、

They call me Mr. Tibbs!(みんな私をミスター・ティッブスと呼んでいる!)」

をもじって、

They call me Mr. Pig!(ブタだと言ったな!)

というセリフで締めています。

ちなみにこの「They call me Mr. Tibbs!」というセリフは「アメリカ映画の名セリフベスト100」の中で第16位にランクインしています。

また「タクシードライバー」の「You talkin’ to me?」は同じランキングで10位に入っています。

CG版ではこれらの名作映画の名台詞のパロディは全てカットされました。

しかもハイエナがプンバァに向かって放ったセリフは「ブタ(Pig)」ではなく「太っちょ(Chubby)」になっています。

これに対し、プンバァはハイエナに対して突進する前に、

自分の今の体型を恥ずかしいとは思っていない!

と叫んでいました。

これは、近年だんだんと広まってきている、自分のことを自分がまず認めよう、受け入れようという「ボディポジティブ」の考えに沿ったものに変更されたのでした。

動物を動物らしく

この変更に関しては賛否両論があると思います。

CG版ではより実在の動物たちに近づけることに最大の労力が払われており、映画全編で本当にアフリカへロケに赴いて、本物の動物たちを使って撮影をしたのでは、と勘違いするほどの出来栄えでした。

ただし、その美しい映像を手に入れるのと引き換えにオリジナルアニメでキャラクターに自然と感情移入してしまう原因であった、人間のような表情の変化、を手放さざるを得なくなってしまったのでした。

それだけではなく、アニメのキャラだからできた、

    ・爪をヤスリで削る
    ・蔓を使って木に登る
    ・同じく蔓をハンモック代わりに使う
    ・変顔を作る
    ・首を斬るような動作をする
    ・涙を流して悲しむ
    ・動物ピラミッドを作り上げる

といった行動は完全になくなってしまっています。

これが良かったのか、悪かったのかは、人それぞれでしょうが、僕個人的には今回の作品は、(厳密にはそうではないのですが、)実写版「ライオンキング」で見たかったと期待したものではなかったと感じざるを得ませんでした。

新曲

今回のCG版「ライオンキング」のために、新曲が2つ加わりました。

一つは「スピリット

シンバとナラが故郷に帰るシーンに流れる、ビアンセが歌う曲です。
この曲はビアンセ、スェーデン人シンガーソングライター、イリヤ・サルマンザーデとイギリス人シンガーソングライター、ラビリンスによって「ライオンキング」のために作詞されたものです。

2つ目はシンバ役のドナルド・クローヴァーとビアンセが歌う「Never too late」。

こちらの曲はエンドロールに使用されました。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

映画の内容は9割以上がオリジナルと同じ。

オープニングなどはカットまで同じという映画ですので、個人的には一度見ればいいかな、と思える作品でした。

そんな中でもいくつかの変更点があり、CG版の作品として完成度を高めようとしたスタッフの努力が垣間見えます。

実は変更点としては、オリジナルで間違ったまま描かれていた部分もあったのを、きちんと正しく修正している部分もあるのでした。

それについてはこちらの記事で詳しく紹介したいと思います。

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