実写版かと見間違えるような出来の2019年版ライオンキング。
オリジナルアニメ版からCG版になった際に変更された部分がいくつかありますが、実はその中に、オリジナルアニメ版では間違いであったと指摘されているものの修正もなされました。
今回はオリジナルアニメ版での間違いと、それを2019年版ではどの様に修正したのかをまとめてみましたので紹介していきたいと思います。
オープニングの間違い
「ライオンキング」のオープニングは「サークル・オブ・ライフ」の曲とともにたくさんの種類の動物達が集い、その前でシンバのお披露目がなされる、とても有名なシーンです。
ヒヒのラフィキがシンバの前に立ち、持っていた果実を割って中の赤い果汁でシンバの額に線を引き、そこに砂をかけて印を目立つようにします。
この果実はラフィキが住んでいるバオバブの木の実ですが、このバオバブの実を割っても中には果汁は存在せず、乾燥した果肉と大きな種が入っているだけなのです。
この間違いはCG版「ライオンキング」では乾いた木の根を使うことで、修正しました。
木の根を引きちぎると赤い粉が中から現れ、この粉を使ってシンバの頭に線を描きます。
オリジナルでは砂をかけられたことでくしゃみをするシンバでしたが、CG版ではこの粉のせいでくしゃみをするようにも修正されています。
右利きのラフィキ
ラフィキは右利きか左利きか?そんな疑問を持ったことはありませんか?
実はオリジナルアニメでは、オープニングでラフィキは左手を使ってシンバの額に線を引っ張っています。
ところがラストの戦闘シーンでは、ラフィキは右利きとしてハイエナと戦闘を繰り広げているのでした。
もちろん、ものを書く手と杖を武器として振るう手が別、という人も世の中に存在しないわけではないでしょうが、その数はかなり限られるでしょう。
ですので、CG版ではシンバの額に横線を書く手もラフィキの右手でなされるように、修正されたのでした。
ラフィキはマンドリル?
ラフィキはマンドリルをモデルとしてデザインされています。
あのカラフルな顔はマンドリル特有のものですが、唯一マンドリルと異なる体の特徴は猿のように長い尻尾。
本物のマンドリルは短いしっぽしか持っていません。
CG版ではその部分がしっかりと修正されています。
また、オリジナルアニメの中にはラフィキのセリフとして「バブーンと間違えられるがマンドリルじゃ。」というものがあります。
バブーンもマンドリルもオナガザル科に属する霊長類ですが、バブーンは顔がマンドリルのようにカラフルではありません。
シンバの瞳の色
ライオンのことを詳しくないとわからないことではありますが、シンバの瞳の色がCG版では修正されました。
実はライオンは生まれてすぐは、青く灰色がかった目をしています。
その後、2~3ヶ月経つとオレンジというか茶色じみた瞳へと変わっていきます。
CG版はこのライオンの性質をきちんと描いていて、お披露目の際のシンバの瞳は青色がかっています。
その後、大きくなったシンバの目は茶色へと変化しているのでした。
オリジナルアニメではそのような表現はされていません。
お披露目の際
子供として大きくなった際
成長しておとなになってからは、ライオンとしては絶対にありえない白目で描かれているシーンも有りました。
またオリジナルアニメでは、シンバだけでなく、スカーもライオンにはありえない緑の目を持っていましたが、
そちらもCG版ではきちんと修正されています。
アフリカにいないはずの野生動物たち
オリジナルアニメでは沢山の動物が登場しますが、その中にはアフリカにはいないはずの野生動物が描写されてます。
「王様になるのが待ちきれない」の中で、動物達がピラミッドパワーを作り上げるシーンがありますが、一番てっぺん、キリンの後に登場するのがオオアリクイ。
実はオオアリクイは中南米に生息する動物で、アフリカには住んでいません。
また、同じく「王様になるのが待ちきれない」の中で登場する猿。
とくにしっぽを手のように使って、木からぶら下がるような猿は南米種のものであり、アフリカには存在しません。
ですのでこの猿たちも、CG版では削除されました。
更にオリジナルアニメのザズーがムファサに朝の報告を行うシーンで現れるモグラですが、
モグラはアフリカには生息しない動物ですので、このシーンもCG版では再現されませんでした。
一方で実際にはアフリカに生息しないハキリアリ。
オリジナルアニメ版、CG版ともにオープニングの「サークル・オブ・ライフ」のシーンで登場しますが、実は北アメリカから南米ジャングルに生息するアリで、アフリカには生息しません。
なぜこのシーンだけ修正しなかったのかは謎ですが、おそらくオープニングシーンをオリジナルアニメ版とまったく一緒のカットにしたかったのと、CG版オリジナルのシンバが生きていることをラフィキが知るきっかけになった下りでハキリアリにシンバの体毛を運ばせるシーンを描きたかったからだと思われます。
実は賢いハイエナ
オリジナルアニメ版ではディズニー・ヴィランズとして間抜けで残忍なキャラとして描かれていたハイエナ。
実はハイエナはとても頭のいい、凄腕のハンターです。
特にアフリカに広く分布するブチハイエナは時速65kmほどの速度で走ることが出来、しかも10頭から15頭ほどの群れを形成して集団で獲物を狩る事ができます。
だからというわけでしょう、ハイエナたちの、特にリーダーのシェンジはまったくコミカルなところがなく、冷徹なディズニー・ヴィランズのリーダーとして描かれています。
一方で実際のハイエナの姿をリアルに描くことを最優先にしたためでしょう、スカーの代表曲である「準備をしておけ」は短くなっていますし、ヒトラーとナチ党の行進をモチーフにしたスカーの目の前で行うハイエナたちの行進シーンもCG版ではカットされています。
ちなみになぜメスのシェンジがリーダーなのか?と疑問に思ったことはありませんか。
野生のハイエナはメス優位という特徴を持っており、雄と雌で個体の大きさなども違わないのです。
ですので、必ず群れのリーダーはメスが務めることになっており、そのことを反映させてシェンジがリーダーとなっているのです。
さらに付け加えますと、ハイエナは外見から犬の仲間のように見えるかもしれませんが、実はジャコウネコに近いと研究によってわかっています。
ですので、犬というよりは猫の仲間、ということになります。
ライオンは「喉鳴らし」をする?
オリジナルアニメ版ではシンバとナラが再開をした際に、猫が良くするような「喉鳴らし」をしている描写があります。
が、CG版ではシンバとナラが「喉鳴らし」をする描写は完全にカットされました。
専門家の見解ではライオンは「喉鳴らし」を全くしないか、猫とはまったく異なる音をたてると見られているからです。
セクシー・ナラ
1994年のアカデミー歌曲賞を受賞した「愛を感じて」
この曲の中でナラがシンバに対してしてみせた表情は、ディズニー作品の中でもトップクラスのセクシーな眼差しでした。
CG版では登場する動物たちは、まったく顔の表情を変えることのない、まさに生きた動物のように描かれていましたので、シンバに対する愛の行動として、まったく別の、それこそ野生の動物に見られる舌で顔を舐める行動に取って代えられています。
シンバが生きてる!
故郷から遠く離れた場所に生きるシンバ。
その存在を、オリジナルアニメ版では風に乗って飛ばされてきたシンバのフケの匂いでラフィキの知るところとなります。
が、よくよく考えてみるとシンバが故郷に戻るシーンから見ても2つの場所の間にはかなりの距離があると思われ、そんな距離を偶然とはいえ、風だけで飛ばされたフケで嗅ぎ分けるラフィキは、すごいと言わざるを得ません。
CG版では、そんな日現実的な偶然ではなく、シンバの体毛が風だけではなく、川の流れであったり、生き物の分の中であったりによって運ばれてくる描写がなされていました。
見方を変えると、体毛がラフィキのもとに届けられた一連の流れは、「サークル・オブ・ライフ」の一種とも見ることができるのかもしれません。
大きすぎる象の頭蓋骨
シンバとナラが子供の頃に、面白半分で訪れた象の墓場。
巨大な象の頭蓋骨があり、おどろおどろしい雰囲気を漂わせています。
そんな頭蓋骨の中からハイエナたちが現れて二人を殺してしまおうとするのですから、とても危険な場所ではあるのですが、よくよく考えてみるとあの頭蓋骨はあまりに大きすぎないでしょうか?
とくに頭蓋骨の穴の中からハイエナが現れるわけですから、その象の鼻の穴はハイエナが一匹通り抜けられるくらいの大きさであったことになります。
これはあまりに非現実的な描写であるため、CG版では完全に象の頭蓋骨はカットされ、ハイエナは洞窟や岩の陰から現れるようになったのでした。
ラフィキは超上級のロッククライマー
シンバのお披露目の際、プライド・ロックにやってきたラフィキは見晴台の先から姿を表します。
しかしこの見晴らし台、横から見るととんでもない構造になっていて、ラフィキがやってきた場所から登っていたとなると、オーバーハングの岩を超えて登ってこないといけないことになります。
そこしか登るルートがないのであれば致し方ありませんが、よくよく見るともっと簡単に登ってこれるルートが有ることがわかります。
CG版ではラフィキはそのルートを使って見晴台の上に上がってきたように修正されていました。
ティモンは力持ち?
ティモンとプンバァが行き倒れになっているシンバを見つけたシーン。
オリジナルアニメ版でシンバの様子を見に近寄ったティモンが、シンバの爪を見てライオンであることを認識するように描写されています。
ですが、やせ細ったミーアキャットのティモンがシンバの前足を頭上まで持ち上げるというのは、いかにもアニメチックで、どれだけティモンは力持ちなんだ、というツッコミを入れたくなるほどです。
CG版では前足を持ち上げることなく、口の中を確認してライオンであることを確かめていました。
CG版ではティモンの大きさに対してシンバも小さくなっていますが、明らかにこちらのほうがより、現実的な確認の方法だと思います。
引っかかるプンバァ
ナラによって獲物として追いかけられるプンバァ。
オリジナルアニメ版ではよりコミカルに、木の根っこを潜って逃げようとして引っかかり、ナラに追いつかれそうになるという描写があります。
CG版ではそういった行動によるコミカルな描写をできるだけ省き、より現実的な動物の行動を映像化する事を最優先にしていました。
ですので、地面との隙間に出来た木の根っこの穴は無事にくぐり抜け、ナラに追いつかれそうになるのは、苔むした岩の斜面を登れないから、ということに変更されています。
口だけ動かして何も話さないザズー
「ライオンキング」の熱烈なファンであれば、有名ですので知っているかもしれませんが、オリジナルアニメ版では、スカーを倒した後、王として名乗りを上げるシンバにザズーがとる行動に致命的な間違いがあるのでした。
スカーを倒し、見晴台の上に立って勝利の咆哮をあげるシンバ。
その見晴らし台に向かうシンバに対してザズーが羽を広げておじぎをするのですが、このとき、わずか1秒程度ですがザズーの口だけ動くものの、まったく言葉が発せられませんでした。
こちらの動画の15秒あたりになります。
これは、もともとこのときにザズーが「陛下」とセリフを発することになっていたのですが、そのシーンの雰囲気より、より敬意を払う意味で黙って最敬礼をするほうがいい、と変更があったのでした。
ところが、その変更によってセリフがカットされたもの、アニメーションの差し替えがなされず、ザズーが「陛下」と発言している口の動きのままのシーンが使われしまったのです。
CG版ではその間違いの修正を完全に行い、ザズーが無言で最敬礼をする、というシーンになったのでした。
まとめ
いかがだったでしょうか?
オリジナルアニメで思ったより間違いがあったことに驚きです。
特にアフリカに生息していないはずの動物達のことなんて、ぱっと見では気が付きませんよね。
そしてそんな細かいところまで調べ上げてしまうコアなファンにも脱帽ものです。
そういう意味では、いい加減な描写はご法度なのでしょうね。
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