アニメダンジョン飯ドライアドの実ジャックオーランタンの元ネタを紹介!

アニメーション

アニメ「ダンジョン飯」で登場したドライアドは、植物の魔物として描かれていました。

そしてこの植物の花がドライアドでしたが、その実はジャック・オー・ランタンであることが一瞬だけ、紹介されていました。

実際にはドライアドとジャック・オー・ランタンは全く元ネタが異なるものです。

では、ジャック・オー・ランタンの元ネタはどういったものなのでしょうか?

今回はジャック・オー・ランタンの詳しい紹介をしていきたいと思います。


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アニメダンジョン飯ドライアドの実ジャックオーランタンの元ネタを紹介

アニメ「ダンジョン飯」に登場したドライアドの実であるジャック・オー・ランタンは、元来ドライアドとは全く関係のないものでした。

ドライアドについて簡単に紹介すると、ギリシャ神話が元ネタとなります。

木の精霊であり、下級女神という位置づけで、「ダンジョン飯」のように、魔物植物の花の部分、というわけではありません。

ドライアドの元ネタについての詳しいことは、こちらの関連記事を参考にしていただけると幸いです。


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では、ジャック・オー・ランタンの元ネタは何なのでしょうか?

それは、ギリシャ神話とは全く関係のない、ケルト系文化に色濃く影響を受けた伝承が元ネタだったのです。

ジャック・オー・ランタンはアイルランドとスコットランドの伝承

ケルト系文化に端を発するジャック・オー・ランタン。

現在の地理的に言うとアイルランドやスコットランドになります。

スコットランドとはイギリス島の北部地域。

名前の「ジャック」は日本で言うところの「太郎」や「法師」といった、男性を現す呼称で、「ランタン」とは日本で言うところの提灯。

ですので、「ジャック・オー・ランタン」を日本語訳すれば「提灯太郎」といったところでしょうか。


ケルト文化の中で、おそらくは、亡くなった祖先の霊を祀ることで、子孫を悪霊から守る、といった考えが、起源だと考えられています。

これは何もケルト文化だけに見られる考えではなく、世界中で、亡くなった祖先が家族のもとに戻ってきて一緒に時を過ごす、家族に幸をもたらす、家族を不幸から守る、という考えを見つけることができます。

ところが、ケルト文明圏にキリスト教が入り込んでくることで、この考えに変化が見られるようになるのでした。

キリスト教には死んだ祖先が魂や霊となって家族のもとに戻ってくるという教義がないどころか、天国や地獄にいけない魂は個人や家族にとっても不名誉である、とされたのでした。

そのため、現在ジャック・オー・ランタンについての伝承で残っているものには、この世で彷徨っている霊といった印象が強いものが多いです。

ジャック・オー・ランタンの伝承

ジャック・オー・ランタンに関する伝承で代表的な以下の2例を紹介しましょう。

その1

    生前に堕落した人生を送った男が死んだ。

    死んだ者の魂は、その生前の生き方を理由にが死後の世界への立ち入りを拒否されてしまった。

    死後の世界へ入れなかった魂は、悪魔からもらった石炭を火種にし、萎びて転がっていたカブ(ルタバガ・西洋カブ)をくりぬきいてランタンを作った。

    火種をランタンに入れて片手に持ち、ジャック・オー・ランタンとして彷徨い続けることになった。

その2

    悪賢い遊び人が悪魔を騙し、死んでも地獄に落ちないという契約を取り付けた。

    が、死後、生前の行いの悪さから天国へ行くことを拒否されてしまう。

    悪魔との契約により地獄に行くこともできなかった彼の魂は、カブに憑依し、安住の地を求め、ジャック・オー・ランタンとして。この世を彷徨い続けている。



このように、ジャック・オー・ランタンは生前の悪い行いの結果、懲罰的に死後の安息が得られない存在として語り継がれています。

これは、明らかにキリスト教の影響を受けての変化だと考えられるのでした。

本家はかぼちゃでなくカブ

ジャック・オー・ランタンといえば、ハロウィンの際にオレンジ色のかぼちゃをくり抜いて作るイメージがありますが、もともとはカブを使って作られていました。

カブと言っても日本のカブとは異なる種で、ルタバガという名前のスウェーデン原産の西洋カブと言われるものです。

カブとして食される肥大した根っこの皮は、緑や紫、褐色ですが、切ると中身は黄色か白となっています。

この白カブのほうを、内部をくり抜いて顔に模したランタンにし、ジャック・オー・ランタンとして飾っていました。

白株を使用していた理由は、白色が人間の頭蓋骨を連想させるためと考えられています。


もともとカブを利用して作られていたジャック・オー・ランタンですが、ヨーロッパ人がアメリカに移民として移り住んだ際、より収穫が容易なかぼちゃを使用することに取って代わられたのでした。

現在でもハロウィンになるとかぼちゃをくり抜いてランタンを作る風習は続けられており、地域地域のハロウィンイベントでは、ジャック・オー・ランタンコンテストとして、どれだけ奇抜なカボチャのランタンを作成できるかを競う催しが行われていたりします。

一方、世界的にはかぼちゃに取って代わられたジャック・オー・ランタンですが、スコットランドでは現在でも西洋カブを使って、ハロウィンのジャック・オー・ランタンが作られているそうです。

ドライアドの実がジャック・オー・ランタンなのは「ダンジョン飯」だけ

「ダンジョン飯」では、ジャック・オー・ランタンが魔物植物の実の名前となっており、ドライアドという花が受精して成長した跡にできる、という設定になっていました。

ジャック・オー・ランタンはかぼちゃをくり抜いて顔が形作られていますが、「ダンジョン飯」のジャック・オー・ランタンでは、顔がすでに実の外側についている事になっています。

魔物を食べることが主題のファンタジー冒険ものであるわけですから、登場する敵を食べやすく、また調理後に映えるようにシないといけない、という成約が、「ダンジョン飯」には存在します。

そのことを考慮することで、ドライアドが花となり、ジャック・オー・ランタンが実となったのでしょう。

まとめ

ダンジョン飯に登場したジャック・オー・ランタンの元ネタについて紹介、解説してみました。

ジャック・オー・ランタンの元ネタはアイルランドやスコットランドに広まっていたケルト文化になります。

もともとはなくなった祖先が家族のもとに、これから向かう未来を指し示す守護霊のような存在として信じられたおり、カブをくり抜いてランタンを作ることで、家族のもとに帰ってきて一緒に時を過ごす、という考えであったようです。

その後、キリスト教がアイルランドやスコットランドにも広まった関係で、生前の良くない行いのため、天国にも地獄にもいけないさまよえる霊として、ジャック・オー・ランタンは認知されるようになってしまいました。

ただ、そんなジャック・オー・ランタンですが、迷った人を安全なところまで道案内をする、という伝承も残っており、ケルト文化の中で育まれた考えが完全に消えて亡くなったのではないことを示しています。

アニメ「ダンジョン飯」に登場したジャック・オー・ランタンはこういった元ネタの設定を全く使うこと亡く、アニメの主題である魔物食に沿う形に改変されたことがわかります。









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