映画「トイ・ストーリー4」の予告編が公開され、何人かの新キャラが登場しました。
今回は、そんな中で登場シーンは数秒ながら、担当する声優の大物ぶりから話題になっているスタントマン人形「デューク・カブーン」について紹介していきたいと思います。
新キャラ「デューク・カブーン」とはこんなキャラクター
新キャラのデューク・カブーン。
ディズニーから公式に発表されたキャラクター説明ではこの様になっています。
実在する偉大なカナダ人スタントマンの人形で、バイクとセットのおもちゃ。
本物のデューク・カブーン同様、付属のバイクと一緒にスタントをこなせる様になっており、本人もそのことに誇りを持っている。ところが実際はコマーシャルで宣伝されたようなスタントを行っても、デザインミスのためなのか成功することはなく、事実、これまでどんなスタントも成功させたことはなかった。
それが理由で売れ残ってアンティークショップに長い間陳列されたままになっている。
と、かなり悲しい過去を持つキャラクターです。
そんなキャラクターがウッディと関わるのですから、エンディングまで何事もなく、映画が終わっても、同じ生活を続けていく、というような結末になることはおそらくありえないでしょう。
このデューク・カブーンの性格にもよりますが、おそらく最後には長年夢見てきたスタントをして、終わると思います。
成功するかどうかは「性格にもよる」と言ったように、騒々しいけど憎めないキャラなら、メインキャラクターのピンチを救うためにスタントを試して、無事成功させてキャラクターを救出する、といった話になるでしょう。
反対に性格が悪かったり、ディズニー・ヴィランズであったり、自分のスタントを成功させるためにメインキャラクターを騙して利用しているようであれば、スタントは実行されたものの、そのまま永遠にどこかへ行ってしまう、というようなオチになるのではないでしょうか。
予告編の映像の中にも、後半のワンシーンで、このような場面が数秒、映し出されます。
この映像でははっきりとわかりませんが、おそらく色や形からバイクに乗ったデューク・カブーンがスタントで空を舞っているものと思われます。
とはいえ、この状況はデューク・カブーンが望んでいて起こったことか、お仕置きのようなシチュエーションで起こったものかは、わかりませんが。
はっきりと言えることは、予告編では出番がほとんどなかったキャラですが、ストーリーにはある程度の重要性を持っているらしい、ということがわかります。
実際にどんな関わり合いをするのか、早く知りたいものですね。
デューク・カブーンの声優担当はあの大物俳優!
この新キャラ、デューク・カブーンですが、声優担当はなんとキアヌ・リーブス!
彼自身、これまでTV番組やショートムービーなどでは声優を担当することはありましたが、長編映画、しかもアニメーションの声優を担当するのは初めてです。
実は公式発表の前に、アメリカのトークショーでバズ役のティム・アレンが「キアヌ・リーブスがトイ・ストーリー4に出演する」ことを思わずばらしてしまっていました。
その時はどのキャラの役で出演するかまでは、明かしていません。
が、キャラクターの設定性格が一作目の「トイ・ストーリー」のバズ・ライトイヤーのようであることを、話していました。
この話と、その後に発表されたキャラクター紹介とを合わせて考えると、成功したこともないスタントを軽々と成功させることができるという自信家、でありそうなことは、簡単に想像が付きます。
一体、キアヌ・リーブスがどんな演技をするのか、楽しみですね。
一方で今のところ、日本語吹き替えで誰が担当するかは、発表されていません。
こちらの情報も分かり次第、更新していきたいと思います。
デューク・カブーンの映画予告動画
5月に入ってデューク・カブーンをメインキャラとした映画予告編が発表されました。
映像の中にもあるように、スタントマンをモデルにしたおもちゃでありながら、全くスタントはできず、「自分はただのおもちゃだからできるわけがない」と情けないことを言っています。
これではおもちゃとして人気が出るわけがないですよね。
モデルになったカナダ人スタントは誰?
ところで、デューク・カブーンはカナダ人の偉大なスタントマン、ということになっています。
つまり、「トイ・ストーリー」の世界では人間のデューク・カブーンが存在することになるのですが、このデューク・カブーンなる偉大なるスタントマンは、実在の人物ではありません。
となると、誰かモデルが居るのか、という話になりますが、カナダ人で有名なスタントマンと言うとこの人、ケン・カーターだと思われます。
ケン・カーターは、その無謀な挑戦から「カナダの狂人」とあだ名されたスタントマンで、1950年代半ばより最終的に1983年にスタント失敗で亡くなるまで、現役で活躍した人です。
ただ、デューク・カブーンと違い、バイクよりも主に車でスタントを行っています。
そしてケン・カーターのいちばん有名なスタントイベントは、やはり車で行った「セントローレンス川ジャンプ」ではないでしょうか。
セントローレンス川は北米の五大湖から大西洋に向けて流れる大河で、場所によってはカナダとアメリカの国境となっています。
この国境にあたる川幅約1.6 km 以上、アメリカで使われる単位で1マイルに相当する場所で、1976年に、ロケットと同等のパワーを出せるように改造した車、リンカーンコンチネンタルでジャンプする企画を立てたのです。
この一連の挑戦は「The Devil at Your Heels」という名のドキュメンタリーとして1981年に発表されました。
それではこの「セントローレンス川ジャンプ」の過程と結果を見てみることにしましょう。
準備に3年
ケン・カーターは1976年に企画を立ち上げてから、実際に行うための準備にかかるわけですが、その準備は思いの外、困難を極めました。
先立つものはお金と、まずはスポンサーを探すところから始めます。
アメリカのABCが「セントローレンス川ジャンプ」の世界中継を行うことを条件に、25万ドル提供します。
世界中継の予定は1976年9月25日でした。
約425メートルの発射台を50エーカーという農場に設置する工事が始まりました。
50エーカーという数字がピンとこないかもしれませんが、だいたい東京ドーム4.3個分に当たります。
同時にジャンプに必要な特注の車の改造も同時に進められましたが、車も発射台もABCと約束した世界中継の9月25日までに完成させることができず、ABCは提供から降りることになってしまうのでした。
その後、1977年、1978年と計画を再開させますが、どちらも実行には至りませんでした。
そして1979年に、ついにジャンプが実行されたのでした。
セントローレンス川 1.6 kmジャンプの結末
満を持して1979年9月26日、すべてが順調に進み、ケン・カーターは車に乗り込みます。
ところが発車5秒前というところに来て、車に不調が見つかり、これまたキャンセルをせざるを得なくなってしまいました。
ところが、このときスポンサーをしていたのはセントローレンス川ジャンプの撮影及び放映の権利を持っていたプロデューサーでしたが、彼と撮影クルーたちは車の不調はいいわけで、ケン・カーターが土壇場に来てビビってしまったに違いない、と思い込みます。
そしてそんな万が一のときのために、ケン・カーターには内緒でアメリカ人スタントマン、ケニー・パワーズが密かに雇われていました。
ケン・カーターがホテルに戻ったスキにケニー・パワーズがジャンプをすることになります。
ケニー・パワーズは勢いよく車を走らせ、発射台からジャンプをしますが、結果は大失敗。
たった155メートルほどしか飛べず、川に墜落してしまうのでした。
失敗の理由は主に2つと言われています。
第一の理由は、発射台への加速中、車がはねて激しく上下してしまったことでした。
この不慮の動きによってケニー・パワーズはアクセルにきちんと足を載せていられなくなってしまいます。
それによって計画では時速435 km に達してジャンプをすることになっていましたが、実際に到達できたスピードはたったの時速290 km だけでした。
第2の理由は、ジャンプをした後、風によって車がばらばらになってしまったことです。
そのため、着地用に備えてあったパラシュートが開いてしまい、全く距離が稼げなくなってしまったのでした。
この失敗により、ケニー・パワーズは椎骨を8箇所、肋を3箇所、片方の手首を骨折してしまう大けがを負います。
ケニー・パワーズの失敗後、ケン・カーターはインタビューに応じ、自分に黙ってケニーが代役を務めたことはたいへん無謀で、一歩間違えば死んでいたかもしれない、と語っています。
それはそのとおりで、このような大きなジャンプ、しかもロケットと同じ馬力の空飛ぶ車を使うのですから、運転手の体重や体つきなども計算に入れてチャレンジしないと成功しないわけです。
それを無視してのケニー・パワーズの挑戦でしたので、成功するほうがあり得なかったのでしょう。
車が大破したこともあり、ケン・カーターはセントローレンス川ジャンプを諦め、二度と挑戦することはありませんでした。
ケニー・パワーズが挑戦したセントローレンス川ジャンプの一部始終を撮影したドキュメンタリーがありましたので、合わせて紹介しておきます。
残念ながら英語のみですが、それでも失敗した様子などがわかりますので、参考にしてみてください。
その後のケン・カーター
ケン・カーターはその後もスタントジャンプを続けます。
そして1983年7月1日にカナダのオンタリオ州にある湖をジャンプして飛び越えるスタントを行いますが、失敗して湖に落ちてしまいます。
同年9月5日、再度のチャレンジで同じ湖を飛び越えようとしますが、今度はジャンプが長すぎ、着地用の台を飛び越えて台の屋根に激突してしまいます。
ケン・カーターはその衝撃で即死。
産まれた年はわかっているものの月日が不明のため、享年44歳もしくは45歳でした。
まとめ
デューク・カブーンはカナダ人のスタントマンと言う設定ですが、実在した有名なカナダ人のスタントマンはケン・カーターという車を使ってのスタントマンでした。
バイクでのスタントマンとして有名なのはグランド・キャニオンのジャンプを計画したアメリカ人のイーブル・ケニーブルの方です。
イーブル・ケニーブルはバイクでのジャンプを行っており、多くのスタントを成功させてきました。
そのため人気も高く、バイクとセットのおもちゃも彼をモデルとして売り出されたのです。
その玩具も大人気を得ましたので、イーブル・ケニーブルのほうがデューク・カブーンのモデルとしたほうがいいのかもしれません。
とはいえ、映画に登場するおもちゃのデューク・カブーン自身はスタントを一度も成功させたことがないそうですので、かなり辛い立場のおもちゃになってしまっています。
そんな彼とウッディらとの絡みがどうなるのか、今から楽しみですね。
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