映画「アナと雪の女王2」の予告編とポスターが公開されました。
両方共、英語版のみですが、予告編は手に汗握るアクションの連続で、ポスターは幻想的でシンプルな紋章だけとなっています。
ところで、このポスターにデザインされた構図、一体どういう意味があるのでしょうか?
今回はポスターのデザインと、それに関連する予告編の映像を合わせて、「アナと雪の女王2」のストーリーがどのようなものになるのかを考察してみたいと思います。
ポスターにある雪の結晶のようなクリスタル
日本語版ではありませんが、「アナと雪の女王2」のポスターとしてこれが発表されました。
雪の結晶のようなデザインで予告編映像にも写っていた4つのクリスタルが描かれています。
ところで、このデザイン、なんだか不自然に思えませんか?
「雪の結晶のような」と表現しましたが、雪の結晶のデザインはそれこそ無限大にあるものの、全てに共通する法則が一つあるのです。
それは必ず「6角形」を基本とした形になる、ということです。
このことは科学的な説明もできるそうですが、あまりに専門的すぎて難しいので、ここでは省略します。
ではなぜ、この4つのクリスタルを含むポスターのようなデザインが作られたのでしょうか?
ディズニーのデザインミス?
まず考えられるのは、ディズニーのポスター製作者が間違えたのか、ということ。
しかしそれは、絶対にありえないでしょう。
なぜなら1作目「アナと雪の女王」のオープニングを始め、映画内で雪の結晶を何度も登場させていますが、それらは全て6角形です。
エルサが山の上で、魔法の力によって作り出した氷の城も6角形。
ここまで徹底されているのに、いまさら間違い、ということはありえないと思うのです。
似通ったデザインは?
雪の結晶でないとしたら一体何でしょう?
4つの長針と45度にずれた4つの短針の組み合わせ、これってもしかすると方角を指し示すコンパスに似ていませんか?
では、なぜコンパスなんでしょうか?
コンパスと「アナ雪」になにか関係があるのでしょうか?
いろいろと調べてみると、アイスランドに伝わる方角と進路を司る魔法のシンボル「VEGVISIR」というものが見つかりました。
これがその「VEGVISIR」の図
簡単に言ってしまうと「魔法のコンパス」です。
アイスランドといえば、「アナと雪の女王」の舞台のもととなっているノルウェーに住んでいたバイキングが海を渡って住み着いた島。
全く関係のない土地ではありません。
ウィキペディアによれば、「この『VEGVISIR』は悪天候の中を旅するときに目的地に向かって進むべき道を指し示す魔法のシンボル」と説明されています。
ここで思い出されるのが、まさに予告編で荒れ狂う海に向かって、魔法の力を使って沖を目指すエルサの行動ではないでしょうか。
クリスタルに刻まれた4つのルーン文字
続いて、「VEGVISIR」と思われるコンパスにデザインされた4つのクリスタルに目を向けてみましょう。
これらは一体何を表すのか?
「魔法のコンパス」が登場したのですからなにか魔法と関連がありそうです。
そう思って調べると「VEGVISIR」など魔法のシンボルが記載されている魔法の書「Grimoire」というものが存在することがわかりました。
魔法の書というと、やはり1作目「アナと雪の女王」で登場しています。
エルサがアナの頭に誤って魔法を当ててしまい、気を失ったアナを助けるために父アグナル王が開いた本。
その本は、見たことのない記号のような文字で書かれていました。
実はこれが北欧に伝わるルーン文字だったのです。
そのつながりから、クリスタルのデザインもルーン文字と関係している可能性が疑われます。
しかもこのルーン文字、もともとはゲルマン人によって使われいましたが、その後北欧に伝わり、研究では14世紀から15世紀まで使われていたことがわかっています。
それを元に見ていくことにしましょう。
エルサを象徴するルーン文字「イング」
4つのクリスタルの左下、ひし形のダイヤモンドのような形です。
これはルーン文字の「イング」に相当すると思われます。
イングの意味は「成長するための別れや隔離」
これは未だに人気の根強い「Let it go」の歌詞にも込められている、エルサにピッタリのルーン文字ではないでしょうか。
アナを象徴するルーン文字「ティール」
4つのクリスタルの右下、矢印のような形です。
これはルーン文字の「ティール」に相当すると思われます。
ティールの意味は「全体を救うための個の犠牲」
1作目「アナと雪の女王」のエンディングでエルサを、そしてアレンデールを守るためにハーンの振り下ろそうとした剣の下へ身を投げだしたアナにピッタリのルーン文字と言えそうです。
氷のルーン
4つのクリスタルの左上、しずくのような形に小さな丸がありますが、これと同じルーン文字は見当たりません。
そこで、アナ雪の内容と関連した意味を持つ、似通ったルーン文字が無いかどうか見てみました。
すると、こちらのルーンが当てはまるように思えたのです。
このルーン文字の意味は「氷」
デザインも似ていますし、意味は説明のいらないくらいドンピシャです。
4つ目のルーン文字は?
最後になりました4つのクリスタルの右上のもの。
「丸に下向きの三角」ですが、これに相当するルーン文字がありません。
「氷」のルーン文字のように意味から探しても、これといった候補は見つかりませんでした。
あえて形を変え、90度ずらして見てみることで、こちらのルーン文字に見えなくもないかと…。
このルーン文字の意味は「巨人」
しかしこれまで「巨人」なんて現れたこともありません。
エルサが作ったマシュマロウがそれに当たるといえば、当たるようにも思えますが。
「巨人」と「アナ雪」になにか関係があるのでしょうか?
北欧神話における巨人とは
「アナと雪の女王」では巨人は全く登場しません。
ですので、映画からヒントを得ることは無理でしょう。
そこで、魔法のコンパスやルーン文字のようにバイキングや北欧の神話や伝説で何かしら関係が考えられないか、探してみました。
すると、かなり興味深いことがわかったのです。
ノルウェーの地形といえば、フィヨルドが有名です。
氷河が削ってできた断崖絶壁ですが、このフィヨルドの岩のことをノルウェーでは巨人と見立て、冬になれば氷に覆われる姿から「フロスト・ジャイアント」とよんでいたそうです。
伝説では巨人たちが太陽の光によって岩に変わり、フィヨルドが出来上がったということになっていました。
このことがわかったとき、ポスターの中に隠されたもう一つの謎にも、なにか関係があるような気がしてきました。
それは映画のタイトル。
英語名では「FrozenⅡ」となっていますが、前作のFrozenと比べるとその違いは明らか。
タイトルの半分下が、まるで岩のようになっているではありませんか。
また、岩というと、Ⅰ作目「アナと雪の女王」で登場したトロール達も岩でした。
これらは全く関係がない、ただの偶然でしょうか?
まとめ
英語の映画情報オンライン・データベースで有名なIMDbでは現時点で「アナと雪の女王2」の説明をこのようにしています。
Anna, Elsa, Kristoff, and Olaf are going far in the forest to learn the truth about an ancient mystery of their kingdom.
引用「IMDb」
訳してみると、
『アナ、エルサ、クリストル、オラフの一行はアレンデール王国にまつわる古くからの秘密についての真実を探るため、遠く森の中へと向かう。』
「アレンデール王国にまつわる古くからの秘密」とは、もしかするとエルサが魔法を使える秘密ではないでしょうか?
そして魔法といえば、岩の姿のトロールが使えるように、岩の巨人も使える可能性があっても不思議ではありません。
もしかすると岩の巨人がこの秘密を守っているかもしれないのです。
その岩の巨人を探すため、魔法のコンパスで進むべき方角を探しているとしたら。
そして岩の巨人によって、エルサは孤島に、アナは岩山の頂上に、幽閉されてしまい、そこから抜け出そうとする姿が、予告編に映っていたのではないでしょうか?
ポスターにあった4つのクリスタルの意味は、タイトルのデザインも含め、このストーリーを暗示してのものだった。
そう考えてみることはできないと思いませんか?。
公開日は11月22日。
まだまだ時間がありますし、今後、新しい映像を含んだ予告編が発表されるかもしれません。
そこで得られる新しい情報を待ちたいところですね。
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