映画The Beguiledビガイルド欲望の目覚めのネタバレ感想とあらすじ!

あらすじ

映画「The Beguiled ビガイルド 欲望の目覚め」はソフィア・コッポラ監督が1966年に発表された小説「The Beguiled」を元に制作した映画です。

1971年、クリント・イーストウッド主演で映画が作られていますが、その時の映画がクリントの目線、すなわち男性目線で映画が進んでいったことに対して、今回の映画は登場する7人の女性の視点から映画が語られます。

映画自体は予告などで書かれた文章からかなり期待してみていたのですが、最終的にはかなり残念な内容になってしまっていました。

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予告動画はこちら

登場人物とあらすじ

ジョン・マクバニー伍長: コリン・ファレル
マーサ・ファーンズワース: ニコール・キッドマン
エドウィーナ・ダブニー: キルスティン・ダンスト
アリシア: エル・ファニング

アメリカ南北戦争中のバージニア。そこにある女学院は戦争の被害を恐れてほとんどの人間が逃げ出し、学園長のマーサ・ファーンズワースと教師のエドウィーナ・ダブニー、そして女生徒5人だけが一緒に生活していました。

ある日、生徒の一人エイミーが学園外の森へキノコ採りに出かけたとき、左足に傷を負った北軍兵士を見つけます。
戦闘で負傷し、命からがら逃げてきたのでした。

助けを求められたエイミーは学園に連れ帰り、女性たちの手で傷の手当がなされるます。

急な若い男性の登場に女性たちはそれぞれ、いろいろなリアクションを取りますが、総じて興味がない者はいませんでした。

傷の大きさから命が助かるかどうか、危ぶまれましたが、ジョン・マクバニーと名乗る兵士は一命をとりとめます。

マーサはジョンの傷が治るまで学園に匿うことにするのでした。

女性たちはジョンのことが気になって仕方がありません。何かと用を探し出してはジョンのもとにやってくるのでした。

そういった女性たちに対してジョンも紳士的な態度で接し、彼女たちの信頼を得ていきます。

しかしそれは、彼女たちの間に嫉妬を抱かせる行為でもありました。

そんな中、ジョンは教師のエドウィーナ・ダブニーに告白し、一緒にここを出ようと誘います。エドウィーナもジョンのことを憎く思っていませんでした。

やがてジョンは起き上がって歩き回れるようになります。
庭の手入れができることから庭師としての仕事をこなすようになり、彼自身が学園に役に立つ存在だということをアピールしますが、マーサはもう少し良くなったら学園から立ち去るようにジョンに告げるのでした。

その噂はまたたく間に他の女性達の耳にも入ります。
特に女生徒の間でジョンの人気が上がっており、マーサにフォーマルな夕食会を開いてジョンを招待することが提案され、すぐに実行に移されました。

美しく着飾った彼女たちと美味しいごちそうにジョンは終始、ほほ笑みを浮かべています。
女生徒とエドウィーナは彼にもっと気に入られようとバレバレの会話を交わすのでした。

食事の後に告げられた夜部屋を訪れるからというジョンの言葉に、エドウィーナは自分の部屋で身支度を整え、彼が現れるのを心待ちにしていました。

ところが物音が向かいの部屋から聞こえてきます。最年長の学生アリシアの部屋で、様子を見に行くとジョンがアリシアのベッドの上に寝ていたのでした。

激しいショックを受けるエドウィーナになんとか弁解をしようとするジョンでしたが、エドウィーナは聞く耳を持たず、近寄ろうとするジョンを押しのけます。
が、運の悪いことに二人がもみ合っていたのが階段の近くだったため、ジョンは階段を転げ落ちてしまうのでした。

その衝撃で閉じていた傷口が開いてしまい、大量の出血をしてしまいます。

騒ぎを聞いて飛び起きてきたマーサは、緊急手術で足の切断を行い、ジョンの命を救うのでした。

しかし次の日、目を覚ましたジョンは片足がなくなっていることに逆上します。
命を救うためにはこうするしかなかったというマーサの説明にも耳を貸さず、足を失ってカタワになるくらいなら死んだほうがマシだ、と叫んで暴れまわるのでした。

その後、かつての紳士的なジョンはおらず、はじめは心配して見舞いに来ていた女性達も全員が恐怖を抱くようになります。

アリシアが見舞いに来たとき、いつもマーサが施錠するジョンのいる部屋のドアの鍵を脅して取ってこさせたくらいでした。

女性たちはどうやってジョンを学園から排除すればいいかを考え出します。
そしてそれは、ジョンがマーサの銃を盗み出し、彼女達を殺すと脅した時に、絶対に行動に移さないといけないものになったのでした。

しかしただ一人エドウィーナだけはジョンのことを思い続け、傷を負わせて足を失わさせた責任からジョンのことを受け入れます。
自暴自棄になっていたジョンもエドウィーナを受け入れ、二人は結ばれるのでした。

一人の女生徒が、ジョンの好物がキノコであることを思い出します。
そして、フォーマルな夕食会を再度行い、ジョンを誘い出して毒キノコを食べさせる計画を思いつきます。

計画は実行され、キノコに目のないジョンは見事に調理されたキノコをたべ、食中毒で息を引き取ってしまいます。

この計画を知らされていないエドウィーナはジョンの発作に驚きますが、他が全く騒がないことに真相を察し、それでもジョンを心配して名前を呼び続けるのでした。

次の日、ジョンの遺体を入れるフクロを自作し、門の外に放置します。
そしていつ来るかわからない軍隊の到着を待つ死体袋を、女性全員が柵の内側から見ているのでした。




ネタバレ感想 1 予告や映画紹介のミスリードがひどい!

映画を見る前にネットで映画紹介や予告の動画を見て、かなり面白うそうだと期待したのですが、実際に見てみると内容が全く違っていてかなりがっかりしてしまいました。

予告では傷ついた若い兵士が女性しかいない学校にたどり着き、そこ出来ずの手当を受けているうちに、女性全員から好意を寄せられ、初めは楽しんでいたものの、やがて嫉妬心や独占欲をつのらせた女性たちに恐れを抱くようになり、衝撃のラストを迎える、という、「ミザリー」のようなスリラーものなのかと期待したのです。

女性全員からちやほやされていい気になっていたのが、なにかおかしいと気付いたときにはとんでもない状況に陥っていて、逃げ出そうにも逃げ出せない、そういう怖さを体験できる映画だと思ってしまったわけです。

しかし、実際は全く違っていて、ジョンが調子に乗って複数に手を出そうとした結果、自業自得としか言えない、片足切断という状況になってしまいました。

確かにそんな悲惨な目に合わなければいけないほどの悪さをジョンがしたのか、という意見もあるとは思いますが、下手すれば刺されても文句は言えないようなことをしたと僕は思っています。

だって、それまでの会話でエドウィーナに男性経験が少なく、それでいて思い込んだら一途でそこまでするの?っていうほどのめり込むタイプである予兆はみせていたわけですから。

10代の若い娘からもシグナルを送られていて悪い気はしませんし、男としてよっぽど強くないとフラフラ~と行っちゃいそうですが、状況から考えても一人の女性と特別な関係になることは避けないといけないと思うのですけどね。

もしは一人に決め打ちしてそれ以降は他の女性には、紳士的振る舞いはしても絶対にそれ以上は踏み込まず、誘惑にも耐え続けるか。

だって、ジョンは北軍の兵士で彼女らに匿われているわけです。
もし南軍に見つかったらたちまち捕虜として連行されていくわけなのですから。

ところが女性たちが外とのつながりを立つような生活をしていてくれていたから助かっているものの、五体満足になり、野外で仕事をこなすようになれば、いつかは他の人の目にもとまり、あの男は誰だ?という話がすぐに広まることでしょう。

その時に悪い噂が出るようであれば、絶対に大目に見てはもらえなくなってしまいます。

もし一人の女性とだけ、結婚を前提とした真剣な交際をしていたならば、あるいは許される可能性もあるでしょうが、遊び人みたいに複数に手を出していたら、そんな甘い判断は絶対にくだされないでしょう。

自分たちの女性を弄んだ北軍兵士の生き残りとして、かなり辛い捕虜人生をおくることになっていたことは、想像に難しくありません。




ネタバレ感想 2 ジョンは一体何がしたかったのか?

ジョンは教師のエドウィーナのことがスキだと告白し、キスまでかわしています。
それでいて、生徒の中で最年長のアリシアからのモーションも気がついていて、状況を楽しんでいますし、学園長であるマーサとも下手をすれば何かしでかしてしまいかねない雰囲気を出していました。

他の4人の女学生は年が若すぎるから、彼らに手を出すとなると絶対に不興しか買わないでしょうから、映画内では彼女ら一人ひとりをいい気にさせるくらいの会話程度で終わっています。

まぁ、若い4人の女学生はその程度で満足してくれるでしょうからいいですが、ジョンの立場というものをきちんと整理して、それからどう行動するかを考えないと、本来はいけないはずです。

学園長であるマーサの機嫌を損ねれば、あっという間に収容所送りです。
もちろん軍隊が来るまでという猶予はありますが、傷ついているため、肉体的にもディスアドバンテージがあるため、彼女を怒らせることは避けねばなりません。

そういう意味ではマーサは大切な女学生たちを親から預かっている身。彼女らにお遊び感覚でやってはいけないことをしてしまうとマーサを怒らせることは火を見るより明らかです。

この時代、女の子を学校へ送れるだけの地位と経済力を持つ、両親がいるということも簡単に想像がつくので、彼女らを傷物にして、彼ら有力者の怒りを買うことは絶対に得策ではありません。

この消去法からボク個人の考えですが、それを知ってか知らずか、相手をエドウィーナに絞ったことは結果オーライだったと思います。

実際、エドウィーナもリッチモンドに住む父親を頼って出向いてみたら、と援助を述べていますし、彼女自身もここから抜け出したい、という希望を述べていますので。

学園を追い出されたとして彼にとって見の安全を守ることのできる場所は北軍の部隊の中以外ありません。

とは言え、実際に北軍の部隊がどこにいるのか、わからないですし、そんな状況で偶然出会うのに命を賭けるのは重すぎます。

そうなると、戦争がある程度沈静化していくまで学園内に隠れさせてもらうしかないのですが、それに対してOKをもらうのがマーサになるわけです。

腕のある庭師として学園内に残ろうとしていましたが、やはり学園、特に生徒のことを考えるとマーサはジョンに足が良くなり次第に出ていくことを告げざるをえないと思うのでした。

そんなマーサを安心させるがため、そして既成事実を作って諦めさせるためにもエドウィーナのとの関係を選んだのは良かったのではないかと思います。

ただ、ジョンがエドウィーナに対して一途であれば、という条件がつきます。
それで信用を得ない限り、学園と生徒に対して危険であるという存在になるからです。

つまり僕が思う、あの状況下でジョンが無事に生き延びる為にすべき行動はマーサからの信用を得ることを第一条件とし、次に女性とに対して害のない存在であると認められること。

そのためにはエドウィーナとの関係をもつことは悪いことではありませんが、その関係をマーサに認めてもらい、女性徒達からも祝福をされる状況にすることがベストです。

おそらくアリシアの性格から彼女はエドウィーナとの関係を認めず、その後も誘惑してくるとは思いますが、そこは命がかかっているのですから、鉄の意志で誘惑に負けないようにし、しかもアリシアの自尊心を傷つけないように諦めさせないといけないでしょう。

ネタバレ感想 3 結局は戦争下での敵味方で区別した結果の対処法

足の治療のためとは言え、切断させられたジョンがパニックから暴れるのもわかりますが、元はと言えば、自分がまいた種でしょ、というのが、僕の感想です。

そして一度、恐怖より根付いてしまった不信感は一度謝ったくらいでは拭えないものになっていました。

やはり戦争下であり、ジョンが敵軍兵士なのだということを再認識したエドウィーナ以外の女性たちが、ジョンを排除しようと動いたことは当然だと思います。

逆にそういう厳しい毎日にあるということを、相手が女性だから安心したのか、ジョンは軽く考えていたようにしか思えません。

たとえ、銃を盗み出してそれで武装したとしても、結局のところ多勢に無勢。しかも片足がなく、五体満足なからだでもないわけですし、どうしたって不利な状況であることは変わりないわけです。

ジョンの人となりを知るこれまでの彼の人生などは語られなかったので、想像でしかありませんが、多分にナルシストで自分が女性に対して好意をもたれやすい容姿であることを知っていたのかもしれません。

だからこそ、自分の置かれた立場を真剣に考える様子もなく、乗ってはいけないアリシアの誘惑に乗ってしまったのでしょう。

結局ジョンは、好奇心の対象にはなりうるハンサムではありましたが、傷ついていたとはいえ、敵である北軍の兵士であり、どんなに美しくても彼が学園や彼女たちに脅威を与えることができる存在でしかなかったわけです。

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