映画「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」はハリーポッター役で有名になったダニエル・ラドクリフが主演した奇妙な映画「スイスアーミーマン」を監督したダニエルズコンビの新作です。
多分に映画業界では巨大マーケットに成長して無視できなくなった中国市場を意識しているかのようにも感じますが、どちらかといえば、中国移民をターゲットにしているように感じました。
一方で、人生を生きていて、あそこで違う選択をしていたら、と思い返す瞬間ってあると思いますが、その「人生の分岐点がマルチユニバースが生まれる」という考え方は興味深かったです。
そして別の世界の自分を知ったことで、あのときに別の選択をしていれば、と思ってしまう主人公に、さもありなん、と思ってしまいました。
が、実際にはどんな選択をしたにしろ、後悔することは大なり小なりあって、完璧な人生なんて絶対に送れないんですけどね。
今回はこの映画「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」の基本情報や予告動画や登場人物情報、そして映画のあらすじを分かりやすく紹介していきます。
映画「エブリシングエブリウェアオールアットワンス」のあらすじ&基本情報
それでは映画「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」の詳細あらすじを紹介する前に、映画の基本情報を紹介します。
カンフーとマルチバース(並行宇宙)の要素を掛け合わせ、生活に追われるごく普通の中年女性が、マルチバースを行き来し、カンフーマスターとなって世界を救うことになる姿を描いた異色のアクションアドベンチャー。
奇想天外な設定で話題を呼んだ「スイス・アーミー・マン」の監督コンビのダニエルズ(ダニエル・クワン&ダニエル・シャイナート)が手がけた。
経営するコインランドリーは破産寸前で、ボケているのに頑固な父親と、いつまでも反抗期が終わらない娘、優しいだけで頼りにならない夫に囲まれ、頭の痛い問題だらけのエヴリン。いっぱいっぱいの日々を送る彼女の前に、突如として「別の宇宙(ユニバース)から来た」という夫のウェイモンドが現れる。
混乱するエヴリンに、「全宇宙にカオスをもたらす強大な悪を倒せるのは君だけだ」と驚きの使命を背負わせるウェイモンド。
そんな“別の宇宙の夫”に言われるがまま、ワケも分からずマルチバース(並行世界)に飛び込んだ彼女は、カンフーマスターばりの身体能力を手に入れ、まさかの救世主として覚醒。
全人類の命運をかけた壮大な戦いに身を投じる。
エヴリン役は「シャン・チー・テン・リングスの伝説」「グリーン・デスティニー」で知られるミシェル・ヨー。1980年代に子役として「インディ・ジョーンズ・魔宮の伝説」「グーニーズ」などに出演して人気を博し、本作で20年ぶりにハリウッドの劇場公開映画に復帰を果たしたキー・ホイ・クァンが、夫のウェイモンドを演じて話題に。
悪役ディアドラ役は「ハロウィン」シリーズのジェイミー・リー・カーティスが務めた。
第95回アカデミー賞では作品、監督、脚本、主演女優ほか同年度最多の10部門11ノミネートを果たした。
引用:映画ドットコム
映画「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」の予告動画
続いて映画「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」の予告動画紹介です。
映画「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」の登場人物紹介
最後に登場人物の紹介です。
エヴリン・ワン・クワン
演じるのはミシェール・ヨー
ジョイ・ワン / ジョイ・トゥパキ
演じるのはステファニー・スー。
ウェイモンド・ワン
演じるのはキー・ホイ・クァン。
ゴン・ゴン
演じるのはジェームズ・ホン。
ディアドラ・ボーベアドラ
国税局の職員。
演じるのはジェイミー・リー・カーティス
映画「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」ネタバレ!分かりやすく解説
それでは映画「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」のネタバレ有のあらすじを分かりやすくお届けします。
起・日常が崩壊したエヴリン
エヴリン・ワン・クワンは中国からアメリカに移民してきた中年の女性です。
夫のウェイモンド・ワンとともにコイン ランドリーを経営して生計を立てていました。
彼らは20年前に駆け落ちしてアメリカにわたり、娘のジョイをもうけ、家族三人で暮らしています。
そんな中、夫のウェイモンドはエヴリンとの離婚届を考えていました。
彼らのコインランドリー経営は厳しいものがあり、さらに国税からの監査も受けていました。
また、エヴリンの父親でボケが始まっていながら頑固なゴン・ゴンが旧正月の祝日を利用して、彼女ら家族を訪ねてきています。
ジョイにはアメリカ人で恋人の少女ベッキーがいました。
彼女はエヴリンを含め家族にその事実を受け入れてもらいたいと思っています。
が、エヴリンはベッキーがジョイを訪ねて来た際に、父親に娘の「親友」として紹介し、ジョイを失望させたのでした。
国税の調査官ディアドラ・ボーベアドラのオフィスにウェイモンドともに訪れます。
エレベーターに乗ってオフィスに向かっている最中から、ウェイモンドの様子がおかしくなってしまいました。
いつもと感じの違うウェイモンドにわけのわからないエヴリン。
そんな彼女にメモを渡し、いつもの彼に戻ります。
ディアドラからは、厳しい指摘が次々とされ、申し越しで申請却下の判断が下りそうになりました。
が、何とか、その日、オフィスが閉まるまでという猶予をもらいます。
そんな中エヴリンはメモ書きの記された通りの行動をして見ました。
そうすると彼女の意識はフロアの掃除道具入れの中に飛び、そこに先ほど会った様子の異なるウェイモンドがいることに気が付きます。
承・エヴリンに迫る敵
ウェイモンドはマルチバースの「アルファ・バース」からやってきたアルファ・ウェイモンドであると言いました。。
そしてアルファ・ウェイモンドは驚くエヴリンにこの世界の仕組みを解説し始めます。
彼女が人生の選択をした際に、選択しなかった方の世界が代替世界を形成しており、そのため多数のマルチバースが形成されているとのことでした。
そしてアルファ・ウェイモンドがやってきたアルファバースでは、「バースジャンプ」技術が開発されたのです。
この技術により、マルチバースに存在する自分に他の世界の自分がアクセスし、その世界の自分が持つスキル、記憶、身体を手に入れることができるようなったのでした。
アルファ・ウェイモンドもこの技術を使って、今、エヴリンの前にやってきていたのです。
アルファ・バースではリーダーであったエヴリンが亡くなってしまいました。
全マルチバースは現在、ジョイ・トゥパキにという人物によって脅かされている、とウェイモンドは続けます。
ジョイ・トゥパキは星の数ほどあるマルチバースの世界を移動し、そこに存在するエヴリンを殺して回っていたのでした。
説明を受けている最中、ディアドラが二人に襲い掛かってきました。
彼女は全くの別人で、恐ろしい程の身体能力を有していたのです。
が、住んでのところで現実世界に戻ったエヴリンは、目の前のディアドラを殴ってしまいます。
これによって警備員が呼ばれ、エヴリンは捕まりそうになるのでした。
また、この騒動の一方で、ウェイモンドがエヴリンと離婚を望んでいることを知ってしまいます。
アルファ・ウェイモンドの登場で警備員たちを撃退し、何とか逃げ出します。
この騒ぎで、建物内に避難警告が発せられ、建物内に人がいなくなってしまいました。
そんな中、先ほどエヴリンとアルファ・ウェイモンドを襲ったディアドラが再登場します。
そしてアルファ・ウェイモンドはこの世界で、死んでしまいます。
アルファ・ユニバースのウェイモンドは、デバイスを使ってエヴリンに連絡し、バースジャンプの方法を教えます。
普通であれば、訓練無しではできないはずのバースジャンプをエヴリンは成功させます。
別の世界で、ウェイモンドと一緒にアメリカへの駆け落ちはせず、中国に残ったことでカンフーの達人と出会い、彼女のもと厳しいトレーニングを経て映画スターとなっている自分を発見するのでした。
その力を得ることに成功したエヴリンは。いとも簡単にディアドラを撃退してしまうのでした。
ディアドラとの戦いによってジョイ・トゥパキが、エヴリンの居場所を察知してしまいます。
そしてエヴリンの目の前に現れたのは、ジョイのアルファ・バース・バージョンだったのです。
エヴリンは実の娘が自分を殺そうとしていることにショックを受けます。
ジョイ・トゥパキは、彼女を止めようとした警備員たちをいとも簡単に、しかもこの世のものとは思えない方法で亡き者にしていきました。
そしてエヴリンに詰め寄りますが、アルファ・ゴンゴンに意識を乗っ取られたゴンゴンの登場で難を逃れたのでした。
エヴリンのもとに戻ってきたアルファ・ウェイモンドがジョイについて詳しく説明します。
バースジャンプを開発したアルファ・エヴリンはアルファ・バースの人々にバースジャンプの訓練を施します。
そして素質のあった娘のジョイには、何度もバースジャンプを行わせたのでした。
その結果、自在にバースジャンプを行えるなどの特殊能力を身につました。
が、その一方で彼女の心はバースジャンプの後遺症で壊れてしまったのです。
そして、目的ははっきりしないものの、すべてのユニバース世界から自分という存在を消し去ることのできるブラックホールのような「エブリシング・ベーグル」の開発に成功したのでした。
落ち込むエヴリンでしたが、アルファ・ウェイモンドはそんな彼女を慰めます。
そして、彼女の可能性を信じている、と告げるのでした。
曰く、ほとんどの世界で失敗者として生きているエヴリンだからこそ、成功への可能性をより秘めており、その力を使うことでジョイ・トゥパキを倒すことができる、というのです。
正気に戻ったジョイも二人のもとにやってきます。
が、エヴリンはそんなジョイを、ジョイ・トゥパキの恐怖から椅子に括り付けてしまいました。
そんな彼女にアルファ・ゴンゴンはジョイを殺すように言います。
そうすることでジョイ・トゥパキはこの世界にやってくることができないようになるからでした。
しかしエヴリンは、その指摘を拒絶して逃げ出そうとします。
アルファ・ゴンゴンは自分の手下たちをアルファ世界から呼び出し、彼らをとらえるように命じるのでした。
エヴリンは、バースジャンプを繰り返すことで、自身が強くなって彼らを撃退します。
しかしその一方で、彼女の精神にはダメージが蓄積されていきます。
アルファ・ゴンゴンはエヴリンも、バースジャンプのやりすぎで、ジョイの二の舞になるのではないか、という不安を抱いていたのでした。
ジョイ・トゥパキはアルファバースでアルファ・ウェイモンドの居場所を突き止めるます。
そして、アルファ・ウェイモンドを手にかけてしまうのでした。
転・ジョイ・トゥパキの目的
次から次にやってい来る敵を撃退するものの、エヴリンの精神は耐え切れなくなって、気絶してしまいます。
気が付くと、元の世界に戻ったかのようですが、その世界のジョイはジョイ・トゥパキでした。
が、彼女はエヴリンを殺そうとはしません。
その代わりに、彼女はエヴリンを彼女が作ったエブリシング・ベーグルがおさめられている神殿に連れていくのでした。
そこでエヴリンの意識はジョイの意識とともにいくつものマルチバースの世界に訪れました。
その中には、とてつもなく奇妙な世界もあり、数えきれない体験をします。
そしてその後、ジョイ・トゥパキは彼女がエブリシング・ベーグルを作った理由をエヴリンにかたりはじめるのでした。
アルファ・エヴリンによって数えきれないほどのバースジャンプをさせられ、多くの世界を見てきたジョイは、この世界には価値のあるものは何もない、という真理を理解するに至ったのです。
そしてそのことを理解できるエヴリンを探してマルチバースを移動し続けていたのでした。
その間、この心理を理解できないエヴリンは彼女の手で殺して回っていたのです。
ジョイ・トゥパキの望みは彼女が開発したエブリシング・ベーグルを使って、自身とエヴリンの二人の存在を抹殺したいということでした。
この考えにエヴリンも理解を示し、賛同します。
これによって、マルチバースに存在するすべてのエヴリンは虚無主義的な言動をするようになり、周囲の人々を傷つけてしまうのでした。
結・意味のない世界で生きる意味
エブリンがジョイ・トゥパキと一緒にベーグルで彼らの存在を消し去ろうとしたその時。
彼女はある世界のウェイモンドの必死の説得に気が付きます。
彼は、戦いをやめ、人生が意味をなさないときでも他人に親切になるように、懸命に訴えかけていました。
このウェイモンドの心の叫びにエヴリンは彼女に襲い掛かろうとしている相手に対して、彼らが幸せになれる方法での反撃を始めます。
このエヴリンの反撃にあった人々は、幸福感に満たされ、それ以上争うことはしなくなっていくのでした。
こうしてジョイ・トゥパキとアルファ・ゴンゴンの手下たちは無力化されていきます。
エヴリンの世界でも、ディアドラによって店は差し押さえされ、彼女は拘留される寸前で会ったところを、ウェイモンドの説得でもう一日、猶予をもらえるようになりました。
父親のゴンゴンに対し、娘が同性愛者であり、ベッキーが彼女のパートナーであることを告げます。
そして、一緒にいたらお互いを傷つけあうだけで意味は全くないといって別れを告げるジョイに対し、どんなに今していることが無駄で意味がないように思えても、それでも親子として一緒にいたい、と本心を語ります。
エブリシング・ベーグルの中に消えていこうとしていたジョイ・トゥパキをエヴリンとアルファ・ゴンゴン、そしてウェイモンドが助けようとします。
彼ら3人だけではなく、その場にいたかつてのジョイ・トゥパキの手下とアルファ・ゴンゴンの部下たちも、ジョイ・トゥパキをエブリシング・ベーグルから引き戻すのに手を貸してくれたのでした。
現実世界では、エヴリンとジョイは和解の抱擁をし、それに照れていたのでした。
その後、エヴリン達は家族のきずなを取り戻しました。
国税局に赴き、ディアドラに再申請を提出します。
家族全員の協力によって申請書は大幅に改善され、多少の修正を指摘されますが、おおむね問題ないという回答を得ることができました。
ディアドラが話している最中、エヴリンの意識は一時的に別のユニバースに引き寄せられます。
が、ディアドラに声をかけられたことで自分の世界に戻ってきた彼女は、微笑みを浮かべるのでした。
最後に簡単な感想
一回視聴ではむつかしいかもしれない、ぶっとびなストーリーの映画です。
一方で場面や世界が目まぐるしく変わるものの、言いたいことはシンプル。
「家族愛」と「前向きに生きよう」という二点ではないか、と。
カンフーアクションもすごかったですし、ぶっ飛んだジョイ・トゥパキの衣装も素敵でした。
エヴリンとウェイモンドの若作りは、ちょっと無理を感じましたけど。
ばかばかしい演出もあり、総じて楽しいお話です。
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