映画「ヴェノム2」でエンディングにパトリック・マリガン刑事が生き返ったかのような描写がありました。
いったいこれは、どういった意味があるのでしょうか?
他にも映画「ヴェノム2」では、サラっと当然のように登場しているものの、ちょっと立ち止まって考えると、どういった意味なのか、不明なものや描写がありました。
今回はそれらについて考察をまとめていきたいと思います。
映画ヴェノム2の謎の一覧と考察方法について
映画「ヴェノム2」を視聴しているといくつかの疑問点が出てきます。
その謎を一覧として挙げてみますと、
-
・パトリック・マリガン刑事は生き返ったのか?
・レイヴンクロフトという施設は何?
・カーネイジが簡単に誕生した理由
・ヴェノムの宿主は死んでしまう?
・カーネイジがヴェノムに負けた理由
となります。
映画の中では全く理由た背景説明がないものばかりでしたので、
-
・原作のアメコミではどのように描かれているのか?
・映画では違いが何なのか?
・その違いを踏まえて今後どのような展開になると予想されるか?
を考察してみました。
それでは一つ一つ、見ていくことにしましょう。
パトリック・マリガン刑事はシュリークに殺されて生き返った?
映画「ヴェノム2」では、過去にシュリークの頭部を銃で撃ち抜いたパトリック・マリガンがその仕返しとしてシュリークに殺されたような描写がありました。
しかし、エンディングでパトリック刑事は息を吹き返し、シュリークと同じような青く光る両目を手に入れて、「モンスター」とつぶやくシーンが映し出されます。
果たしてこれは、いったいどういった意味なのでしょうか?
パトリック刑事は生き返ったのでしょうか?
実は原作のアメコミではパトリック刑事は第3のシンビオート「トキシン」となって活躍するキャラクターなのです。
「トキシン」はカーネイジがパトリック刑事に産み付けた卵が帰ったことで彼にとりつくのでした。
その後の展開として、パトリック刑事の影響を受けたトキシンはエディの影響を受けているヴェノムのように、どちらかといえば正義の味方的立場で活躍していくことになります。
が、映画「ヴェノム2」では、トキシンを生み出すカーネイジが、パトリック刑事に卵を産み付ける前にヴェノムに食い殺されてしまっていますので、原作のような展開をしていくことが不可能となってしまいました。
ちなみに原作との違いでいえば、映画ではシュリークの頭部を撃ち抜いたのは若き日のパトリック刑事となっていますが、原作では特定の誰、とは描写されていません。
さらに言えば、シュリークがカーネイジとなるクレタス・キャサディと出会うのレイヴンクロフトであり、時系列的に頭部を撃たれてから超音波能力を身に付ける出来事が起こっています。
関連記事:シュリークが超音波能力を使える理由やその他の特殊能力を解説
話をパトリック刑事に戻しますと、彼が「トキシン」を寄生させるいきさつや特殊能力を使えるようになったいきさつは原作とは違う展開にしないといけなくなったわけです。
そこで考えられるのが、シュリークによる影響、という展開ではないでしょうか?
つまり、シュリークの手にかかって一度は殺されたものの、その過程でシュリークの力が彼に流れ込み、彼もミュータントとして覚醒をした、という展開です。
こう考察する理由としては、シュリークの左目と同じ色に輝いたパトリック刑事の両目の色があげられるのでした。
さらに深読みをすれば、パトリック刑事はもしかするとシュリークと同じく超音波能力を使えるようになっている可能性もあります。
というのも、ヴェノムらシンビオートの弱点として炎と音があるため、今後「ヴェノム」シリーズで登場していくことになるパトリック刑事が超音波能力を使えることは、何かにつけて彼の活躍や話の展開が膨らむから、です。
原作でパトリック刑事が「トキシン」という第3のシンビオートキャラになっているため、映画でもトキシンを登場させる以上、パトリック刑事が必要となります。
だからこそ、彼が生き返ったかのような描写がなされたのではないでしょうか。
そして原作と映画とで話が多少異なる部分があるため、発展形としてシュリークと同じ目の色をもつことにした、と考察することができると思います。
レイヴンクロフトとはどういった組織?
シュリークことフランシス・バリソンが連れられて行った施設がレイヴンクロフトでした。
そこでシュリークは最高のセキュリティシステムによって長年、隔離されていましたが、実際にレイヴンクロフトという施設がどのような性格を持つのか、映画では語られていません。
レイヴンクロフトとは、バットマンの世界でいうところのアーカム・アサイラムです。
少し詳しく説明しますと、バットマンシリーズでは、正気を失った犯罪者が刑の執行を受ける代わりにこのアーカム・アサイラムという精神病院に収容される設定になっているのです。
スパイダーマンシリーズの中のレイヴンクロフトも同じ性質を持つ施設で、危険な特殊能力をもつ悪人たちが収容されていることになっています。
施設の責任者はカミール・パッゾという名の医師であり、原作での同名のこの医師はクレタスの精神科医という立場でした。
映画のパッゾがシュリークのことを何かにつけからかっている人の悪いキャラクターであったのに対し、原作でのパッゾは精神科医としてクレタスの性格を正そうとする、仕事熱心な人物として描かれています。
また映画内でレイヴンクロフトに収容されているひげもじゃの男性で、パッゾ医師にジークフリードと呼ばれた人物が登場します。
が、原作内でジークフリードという名のスーパーヒーローもしくはヴィレンズのキャラクターは存在しません。
映画のオリジナルキャラですが、オリジナルスーパーヒーローやオリジナルヴィレンズではないと、思われます。
カーネイジが簡単に誕生した理由
カーネイジが誕生したのは、エディの血液をクレタスが体内に取り込んだことが原因でした。
実はこの描写は映画オリジナルで、原作では全く違ったストーリーでクレタスがカーネイジに寄生されたことになっています。
原作の描写は、
ある夜、エイリアン・コスチューム(シンビオート)が侵入し、エディと一体化してヴェノムとなり逃走。
同じ房に残されたキャサディに、残されたシンビオートの一部が取り付き、カーネイジが生まれた。
というものでした。
映画の設定ではエディのほんのわずかの血液からでも新たなシンビオートが生まれることになってしまいます。
となると、この設定を生かして今後、エディ=ヴェノムが存在しながら、新しいシンビオートが登場させることが非常に容易にできてしまうでしょう。
原作ではカーネイジが産んだ卵が、パトリック・マリガン警部にとりつきます。
その結果、パトリック警部はトキシンという名のシンビオートとなり、スーパーヒーローとなって活躍するのでした。
映画ではカーネイジはヴェノムに食べられてしまうため、パトリック警部がトキシンになるためには、ヴェノムからシンビオートと分け与えられなければなりません。
その際、エディの血液から新しいシンビオートが生まれるという設定は、トキシンの誕生を用意にすると考えられます。
ヴェノムの宿主は死んでしまう?
エディと喧嘩をし、その結果、エディと別れて町へと消えていったヴェノム。
近くにいた人に片っ端から寄生していますが、そのうちの何人かは、ヴェノムが寄生したとたん、けいれんして地面に倒れ、動かなくなってしまっていました。
前作の「ヴェノム」の中にも同じような描写があり、ライフ財団でシンビオートの研究をしている過程でも、実験対象者にシンビオートを寄生させています。
しかし宿主の体がシンビオートを拒絶し、激しくけいれんして死んでしまい、シンビオートも寄生ができず、体外に出てきていました。
ヴェノムはエディに寄生するまで、多くの実験対象者に寄生しようとしていたのですが、宿主が受け付けず、死んでしまうことを繰り返していたのです。
これはおそらく体質的なモノが理由にあると考えられますが、はっきりとしたことは明かされていません。
ただ、映画内ではチェン夫人はヴェノムに寄生されても体調に変調をきたすことがありませんでした。
これがエディとチェン夫人は同じような体質の人間だったことを示すのか、それともチェン夫人がヴェノムの存在を知り、ヴェノムもチェン夫人を友人の一人として認識していたことが関与しているのかは、定かではありません。
また、チェン夫人だけでなく、アン・ウェイング、そして婚約者のダン・ルイスもヴェノムを寄生させても体調を崩した描写はありませんでしたので、精神的な面も大きく関係しているのでは、と考えられます。
カーネイジがヴェノムに負けた理由
カーネイジとヴェノムの決戦は、この映画のクライマックスとして非常に見ごたえのある戦闘シーンでした。
そしてカーネイジの狂暴な能力の前に、ヴェノムは終始、押されていたように描かれています。
その理由の一つとしてエディとクレタスの差もあったのではないでしょうか。
つまり敏腕記者というエディとサイコパスで実際に何人もの人間を手にかけてきた殺人鬼であるクレタス。
これがヴェノムとカーネイジの二つを比べた場合、狂暴という点でカーネイジのほうがヴェノムよりも強かった理由のような気がしたのです。
ただし、最終的にカーネイジがヴェノムに負けた理由もエディとクレタスとの差だったといえるでしょう。
この差というのは、エディとヴェノムのシンクロ度がクレタスとカーネイジのシンクロ度より高かった、という点です。
より具体的に言えば、エディとヴェノムがカーネイジを倒そうと互いに願っていたのに対し、カーネイジがヴェノムに致命傷を与えようとしていた時点で、クレタスはカーネイジが痛めつけていたシュリークのことを心配していた、という点のことを指します。
宿主と寄生生物との思いが一致していた側が、一致していなかった側を上回り、致命的な攻撃を仕掛けることができて、その結果、カーネイジとクレタスが離れ離れになったのです。
そしてその決定的な瞬間を見逃すことなく、ヴェノムは各個に相手の息の根を止めたのでした。
まとめ
いかがだったでしょうか?
こうやって見てみると、映画「ヴェノム」シリーズは原作とかなり異なった設定を利用していることが分かります。
原作のアメコミの設定を尊重しつつも、映画独自の設定を持っていると考えられるのではないでしょうか。
ヴェノム、カーネイジとシンビオートキャラが続いている以上、第3のシンビオート「トキシン」が登場する可能性は大きいと思います。
そしてそのトキシンの宿主であるパトリック刑事がカーネイジが死んでしまった上でシンビオートの宿主になる、原作とは違う新しいストーリーを作り出さなくてはいけなくなってしまいました。
そのため、シュリークが利用されたように感じます。
また、その他の謎も、ヴェノムとカーネイジとの戦いというメインの話とは関連が薄いため、深くは紹介されませんでしたが、「スパイダーマン&ヴェノム」ワールドでは非常に重要なものとなっています。
映画の尺の都合上、どうしても省かないといけないことが起こるとは思いますが、さらにシリーズが進んでいくと、どこかの作品で詳しく紹介がなされるかもしれませんね。
そしてそれはスパイダーマンとヴェノムとの共演につながる可能性が高くなるので、とても楽しみです。
コメント
個人的な意見ですが、トキシンを産み付ける場面を今回は描かず、次回作で過去の振り返り的な説明がされるという可能性に期待したい。
例えばパトリックがクレタスに捕まりエディが結婚式に登場するまでの間に卵を産み付けられた、とか。
安直すぎですかね笑笑
味噌スープさん、コメント、ありがとうございます!
やはり、原作があるのでそれに引っ張られるというか、あまりに違う描写にしてしまうと、受け入れられなかったときのリスクが大きいですね。
過去の振り返り的な演出は、僕個人の好みではズルいと感じてしまってあまり好きではないですね。
でも原作を知っていると原作と同じようなストーリー展開を期待してしまうのも分かります。
何はともあれ、本当にトキシンの出し方がどうなるか、本当に楽しみですね。
わざわざ返信してくださりありがとうございました!
結局のところMCUもSSUも我々の予想より遥かに面白い作品を作り出してくれるのでどう転んでも大満足すると思います!
味噌スープさん、こちらこそ、さらにコメントいただき、ありがとうございます。
ホントにそれですよね。原作があるからこそ、いい意味で裏切ってくれることにとても期待しています。
スパイダーマンの新作もラインナップに上がっていますし、楽しみですね。
最後のシーンでトムホランドのスパイダーマンがテレビに流れていましたが、ドクターストレンジの能力でMCUのユニバースと繋がったと予想できますよね。
ノーウェイホームにヴェノムが出てくると思いますか?
最後のシーンは鳥肌が止まりませんでした。
けいさん、コメント、ありがとうございます。
数日前に第4の予告編が公開され、またノーウェイホームに帰ってきたヴィレン役のウィレム・デフォー(グリーンゴブリン)、アルフレッド・モリーナ(ドクターオクトパス)ジェイミー・フォックス(エレクトロ)が出演したことでインタビューを受けた動画もユーチューブに上がっていました。
そこから考えると、彼らがヴィレンとしてメインとなるのではないか、と思われますので、まだヴェノムは出さずに映画の最後に次回作の予告としてショートシーンが含まれるだけではないでしょうか?
しかしヴェノムがスパイダーマンシリーズに登場することは、時間の問題でしかないですし、もしかするとわざと映画公開前に秘密にしておいて、実は登場する可能性も捨てきれません。
今から待ち遠しいですね。