ハウルの動く城おたま人考察!人間に戻れなくなる理由はなぜ?

ジブリ

映画「ハウルの動く城」に登場する「おたま人」

戦争をしているというハウルの住む国とその隣国との戦闘シーンで登場します。

シルクハットをかぶった空飛ぶ化け物として描かれていますが、カルシファーの説明ではかつて人間であったとのこと。

しかし今は、もう人間に戻れないと付け加えていました。

今回はこの「おたま人」に関しての考察をしていきたいと思います。







ハウルの動く城に登場する「おたま人」とは何?

映画「ハウルの動く城」に登場する「おたま人」は、ハウルがソフィーを子供のころの思い出の場所に連れて行った際に初めて遭遇します。

爆撃機としての大型戦闘艦から発進してハウルとソフィーを追いかけるのでした。

勘違いしやすいのですが、この戦闘艦はハウルの住む国の軍艦で「おたま人」はサリマンの手下ということになっているのです。

ハウルが攻撃したので敵国の軍艦に敵国の魔法使いだと思いがちですが、実は味方の国のものでした。
とはいっても、ハウルは自国の国の軍艦でも人殺しには違いないとして忌み嫌っていますが。


その後、ソフィーの帽子屋がある町が空襲された際に、ソフィーたちを捕まえるために現れた「おたま人」と軍艦を攻撃しているハウルに対して攻撃を仕掛ける「おたま人」が登場します。

ソフィーたちを捕まえるために帽子屋の周りに現れた「おたま人」はサリマンの手下。

一方で軍艦を攻撃しているハウルに対して攻撃をしている「おたま人」は敵国の魔法使いが変身したものです。

それでは、映像で描かれている「おたま人」より、彼らがどのような設定のキャラクターなのか、を考察していきましょう。

ハウルの動く城「おたま人」の描かれ方

映画で描かれている「おたま人」はどうやら敵味方関係なく、同じような形態になるようです。

多少の違いといえば、ハウルの国の「おたま人」は胴体がまん丸く、虫のように羽を使用しているののたいし、敵国の「おたま人」はどちらかといえばトカゲ風という割とスマートな外見をしており、羽も蝙蝠のような、滑空が可能な感じの形をしていました。

しかしなぜだか両国の「おたま人」ともに、シルクハットをかぶっています。

元は人間で魔法によって変化した

初めて登場した「おたま人」に対し、ハウルは彼らを「サリマンの手下である」と発言しています。

つまり彼らは荒地の魔女が多用していた「黒いやつ」とは違い、魔法使いが自らに魔法をかけて変化したことがわかるのでした。

ハウル自身も鳥の姿をしたモンスターに変化していますので、同じ魔法を使っているものと考えられます。

関連記事:ハウルの動く城の黒いやつ・ゴム人間考察!魔女の使い魔や手下?

人間に戻れなくなっている

「おたま人」が実際に登場する前に、ハウルとカルシファーの会話の中でモンスターに変化した魔法使いの話が登場します。

そのモンスターはハウルに襲い掛かったそうですが、カルシファーは二度と人間に戻れない、と発言していました。

しかもどうやら形がモンスターのままになってしまうだけでなく、やがて自我もなくして完全にモンスターとなってしまうようです。

そのことは、ハウルの

    やがてなくことも忘れてしまうだろう…。

という一言で察せられるのでした。

おたま人の描かれ方から導き出される考察

ハウルのいう、サリマンの手下が魔法で変化したのが「おたま人」であるということから、おそらくサリマンの魔法学校で最初のように習う、初歩的な魔法だと考察できます。

魔法を分類分けした場合、全く何もないところから何かを作り出す、という魔法は高度なものとなります。

例えばモンスターを何もないところに魔法の力で作り出す、という魔法は非常に高度なもの、ということです。


それに比べると自身をモンスターに変化させるという魔法のほうが、存在するものに対して魔力で影響を与えるため、どちらかといえば魔法を成功させやすいことになります。

しかも魔法をかける対象者である自分が、魔法の成功を望んでいるわけですので、より魔法を成功させやすいため、初心者にはよりおすすめな魔法といえるでしょう。

人間に戻れなくなる理由はなぜ?魔法を使う代償

初心者にも比較的成功させやすい魔法が、変化の魔法であることが分かりました。

しかしそんな便利な魔法も、実は落とし穴があります。

それは、使い続けるとやがて術者がモンスターと化してしまうということ。

魔法を使う代償・精神への影響

ハウルの世界の魔法は、術者に何らかの精神的なダメージを与えてしまうようです。

それは高度な魔法使いも同じことで、影響から逃れられない模様。

荒地の魔女しかり、サリマンしかり。


荒地の魔女が精神的におかしいことはすぐにわかると思います。

サリマンも、一見普通に見えますが、世話係の小姓全員を若き日のハウルの姿に変えてかしずかせていることを知れば、おかしいと感じずにはいられないでしょう。

ハウルもナルシストで女たらしで自信家のくせに臆病で、困難から逃げ回っている分けですから、大人の男とは思えないですよね。

おそらく成長しきれないのは、魔法による精神的なダメージが影響しているからではないでしょうか。

魔法使いとして精神力を鍛える必要有

魔法使いとして初期に習う変化の魔法。

魔法の成功率が高いため、なりたての魔法使いでも頻繁に使いたくなる魔法なのでしょう。

そして次のレベルの魔法をマスターするよりも、すでに成功させることを覚えた魔法のほうが簡単という理由で、ついつい使ってしまうのは、人間の性として、ある意味仕方のないことです。

が、安易に流れてしまっていると、やがては魔法に取り込まれ、変化したものから人間に戻れなくなり、ついには人間であることも忘れてしまうと罠があるのでした。


一方ハウルも同じように変化の魔法を多用していました。

しかし彼は魔力も強大で、魔法の訓練に費やした時間も長いため、精神力も鍛えられて高いためでしょう。

カルシファーに注意はされているものの、そう簡単に魔法に飲み込まれてはいないようです。

そして下っ端の魔法使いの変化とは異なり、大きさを自由に変化させていました。


このように魔法を使いこなすためには、マスターした魔法ばかりを使うのではいけません。

常に新しくよりむつかしい魔法を習得する訓練をし、それを通してより強い精神力を鍛えなければならないようです。

まとめ

映画「ハウルの動く城」に登場する「おたま人」

下っ端魔法使いが変化した姿ということが映画の中で語られていました。

そしてモンスターに変化ばかりしていると、やがて人間に戻れなくなり、ついには人間であったことも忘れてしまうという、恐ろしい罠があるようです。


そうならないために精神力を鍛えないといけないようですが、それでも高度な魔法を操ることのできるサリマン、荒地の魔女、そしてハウル自身も、精神的に何らかの欠陥を抱えていることが分かります。

つまり、ハウルの世界の魔法は、使用することで精神的なダメージを受ける覚悟を持って、使用しないといけない、という存在なのでした。









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