映画ドリームのネタバレ無し感想と見どころ紹介!黒人女性が白人警官を追いかけるのがなぜ奇跡?

   

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映画「ドリーム」は1961年を舞台にNASAで働く黒人女性3人にフォーカスを当てた、実話を
元にした作品です。

多くのアメリカ人はもちろんのこと、出演した多くの俳優でさえ、アメリカとして人を
初めて宇宙へ送ったこのプロジェクトに黒人女性が裏方として参加していた事を知りません
でした。

映画「ドリーム」は歴史の中に埋もれた偉業を探し出して、アメリカ合衆国の宇宙開発計画に
多大な貢献をした人々がいたことを教えてくれる上に、俳優たちの見事な演技によって
一流のエンターテイメントに仕上がっている、とても楽しめる映画です。

関連記事: 映画ドリームのネタバレ感想とあらすじ!マーキュリー計画前後の宇宙開発競争説明も!
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注)こちらの記事は以下の予告映像をご覧になっているという前提で感想を書いています。
ご覧になった方によってはネタバレがあるとお感じになるかもしれません。ご注意ください。

参考にした予告映像

ネタバレ無し感想

1961年のアメリカ 黒人差別の背景を知っておくとより映画がわかりやすい

予告編の一番最初にメアリーが、「1961年に黒人女性が白人警官に先導されて車を運転
していることは奇跡だ」と発言していますが、その理由は舞台になっている1961年前後の
黒人差別の酷さ
があります。

キャサリンの上司になる、アル・ハリソンが「Colored Ladies Room(有色人種専用女性用
トイレ)」と書かれたサインを叩き落としているシーンも見られますが、その当時、普通に
どの建物でも白人専用のトイレと有色人種専用のトイレと分けられていたのです。

実際にはトイレだけではなく、バスや電車の中で白人と有色人種の座るエリアが、また、
水飲み場もそうですし、学校や図書館も当然のように分けられていました。

州の法律で白人と有色人の結婚が刑罰の対象になっていることもあったり、選挙の投票を
するためには、有色人種は白人よりも多い税金を払わないとできなかったほどです。

この映画の舞台となる1961年の数年前からキング牧師の、黒人差別を容認するような
法律への反対運動
が大きくなりつつありました。

また、女性だからという理由でも差別を受けていた時代です。
いまでもアメリカで白人の警官が黒人を撃ち殺す事件がしばしば問題になっていますが、
映画のように主人公である黒人女性達に白人警官が近づいてくると、どんな難癖や
言いがかり、嫌がらせをされるのかと、身構えたに違いありません。

それがNASAで働いているというだけで、誘導してあげようと警官に言われるのですから
おもわず奇跡だ、といいたくなるでしょう。

宇宙開発競争の恩恵

1961年の黒人に対する差別問題に、黒人の方も立ち上がって抗議の声を上げ始めた時期、
白人と黒人の感情対立は高まっていたに違いありません。

白人の立場からすれば、黙って従っていればいい黒人が、一人前に反対の声を上げ、白人に
対抗しようとしているという差別的ストレスを抱えた時期でもあります。
明らかにおかしいことではありますが。

そんな時期に白人警官が黒人女性に親切心を起こすことになるのは、ソ連とアメリカとの
間で繰り広げられていた宇宙開発競争が理由です。

アル・ハリソンも言っていますが、ソ連はアメリカに先駆けて人工衛星の打ち上げに成功し
ていました。スパイ衛星だと言っていましたが。
ですので、アメリカの威信にかけて有人宇宙飛行を成功させないといけない、という多大な
プレッシャーがNASAにはかけられていたのです。
これは大統領命令でもありました。

そうした場合、白人だ、黒人だといがみ合っている訳にはいかないのでしょう。利用できる
才能は総動員して早急にロケットを打ち上げないといけません。

いわゆる共通の敵がいたから団結にするしかなかったわけですね。

キャサリンやドロシー、メアリーの3人も、そういう状況を見事に利用して、自分たちの
存在意義を高め、彼女ら無しではプロジェクトが進まない、という役割を担うことができた
ために活躍できた
わけです。

状況を的確に分析し、自分だけができる役割を見つけ出し、それを行うにはレベルアップが
必要なら、それができるように自分が変わる。

ともすると、今いる現状に不満ばかりいって、周りが悪いと自分では変えることのできない
ことを諸悪の根源にしてしまうことが多いですが、どうにもできないことには労力を使わず、
できることをしていって、このプロジェクトに貢献できるようになったか、はとても
いろいろと学ぶことが多いと思います。





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見どころ1 主人公達が楽しんで毎日を過ごしている

人種差別が背景にある内容ですので、ともすると暗い雰囲気を出してしまいかねませんが、
困難に挑戦する3人の女性が、毎日の生活を楽しみながらそれを一つずつ乗り越えていく
姿にホッとさせられ、元気づけられます。

いろいろと理不尽なことも起きますが、それにへこたれることなく、仕事に打ち込み、
家族との時間を楽しみ、友人たちとはしゃいで気晴らしをする。

仕事で存在感を示せるという充実感が、オフのときも楽しく過ごせる秘訣なのかもしれません。

映画の中でバックミュージックとして流れてくる音楽も雰囲気にピッタリのものばかりで、
プロデューサーでもあり、音楽担当でもあるファレル・ウィリアムスの本領発揮、といえる
のではないでしょうか。

コミカルな音楽がおおいせいか、NASAの中で奮闘する3人を安心して暖かく見守ることが
できるなぁ~と感じていました。

映画内で割かれている時間はそれほど多くはありませんが、友人や家族と一緒にいる、
リラックスできる時間の3人の表情や生活の楽しみ方にも注目してほしいと思います。

見どころ2 困難を打ち勝つ為の協力者

いくらやることがあるからとはいえ、やはり人種差別の壁は厚いと何度となく感じることが
ありました。

キャサリンの上司はあからさまに敵意を出していて、「ここはお前のいるところじゃない」
という思いを体全体から醸し出しています。

ドロシーやメアリーにとっての壁は白人女性の上司で、こちらのほうがよりたちが悪い、と
感じました。

この当時、女性というだけでどれだけ能力があっても男性が任されているような重要な
ポジションにはつけず、アシスタントが関の山でしたので、白人女性にもフラストレーション
はあったと思います。特に能力があって責任者になっている方の中で、もっと自分には
できる能力があるから、もっと重要な職に付きたい、という思いはあったはずでしょう。

それが叶えられない不満を、自分たちよりも下の境遇にいる黒人職員の状況を見て、自分を
慰めるくらいしか、できることはなかったかと思います。

そんな時、主人公たちが自分たちの境遇をより良いものにするために、いろいろと戦い
始めたのを、助けるよりも押さえつけようとしたことには、残念に思いました。

が、そういう気持ちになるのもわかる気がします。
自分たちの優越感は黒人職員が下にいる、ということで保たれていたわけですから、彼らが
立場の改善を要求し、それが叶えられてしまえば彼女らの優越感が無くなってしまいます。

長い目で見れば、黒人だ、女性だ、ということで差別されない職場になるほうがいいので
しょうが、なかなか長期的な視点に立てず、短期的に今の現状を守りたい、という人間に
備わっている本能的な行動をしてしまったのだと思います。

そんな中でもアル・ハリソンという理解ある責任者がいたことがキャサリンにとっては
幸いでした。
宇宙飛行士のジョン・グレンの信頼を受けたことも、見逃せません。

二人のキーマンが、黒人だから、というその当時では常識的な見方をしなかったお陰で、
彼女の実力を十分に発揮する事ができました。

今でこそ当たり前ですが、あの当時ではあのような行動を取ること自体、とても勇気の
いる行動を自然に行っている強さが、とても羨ましいと思った次第です。
僕もあんな行動、取れるかな、って。

まとめ

史実に基づいたお話で、60年近くもの間、歴史の闇の中に埋もれていた素晴らしい人物の
偉業を僕達に伝えてくれる映画で、働くことの素晴らしさを教えてくれました。

どんなに困難な状況でも、信念を持って自分を信じ、何が必要になのか、必要になるのか
の分析を的確にして、時代を先取って自分を仕事で必要な自分に成長させる。

それがひいては国の成功にまで結びつくかもしれない、ということに気付かせてくれた
映画です。

個人的なおすすめ度は10点満点中10点です。

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