映画「パシフィック・リム アップライジング」を視聴してきました。
前作から10年後を舞台とし、怪獣がやってこなくなった割には物々しい準備をしているPPCDだな、と感じましたが、映画として2作目を作った以上、怪獣が戻ってくることを前提としないと話になりませんよね。
制作段階でいろいろなトラブルがあり、監督がギレルモ・デル・トロからスティーヴン・S・デナイトに変わってしまいました。
ギレルモ監督は「シェイプ・オブ・ウォーター」を優先して、アカデミー賞をとったので、正解だとは思いましたが、「パシフィック・リム アップライジング」を見た後の個人的な希望としては、こっちの監督もしてほしかったな、というものでした。
やはり監督交代の影響は免れなかったと映画を見て感じてしまいます。
楽しい映画ではありましたが、前作ほどの作り込みは感じられず、派手なアクション映画というだけ、という印象は拭えなかったかな、と。
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キャストの紹介
ジェイク・ペンコスト: ジョン・ボイエガ
本作の主人公。前作の司令官スタッカー・ペンとコストの息子。かつてはPPCD兵士。
ネイサン・ランバート: スコット・イーストウッド
かつてジェイクとコンビを組んでイェーガーに搭乗していたPPCD兵士。
アマーラ・ナマニ: ケイリー・スピーニー
イエガーのパーツを集めて自分一人でイェーガーを組み立てた少女。ジェイクともにPPCDに所属する。
ニュートン・ガイズラー: チャーリー・デイ
PPCDを去り、イェーガーを制作する中国企業に勤務している。
森マコ:菊地凛子
前作より出世し、PPCDの幹部となっている。ジェイクと血のつながらない姉。
簡単なあらすじ
人が乗り込み操縦する巨大ロボットのイェーガーと「KAIJU」と呼ばれる巨大モンスターの戦いを描いて話題となったSFアクション大作「パシフィック・リム」の続編。
前作から10年後、平穏を取り戻しはずの地球に進化を遂げたKAIJUが現れたことをきっかけに、新世代のイェーガーに乗り込む若きパイロットたちの戦いを描く。
「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」で一躍世界的に知られる存在となったジョン・ボイエガが主演を務め、スコット・イーストウッドや新田真剣佑が新たに参加。前作からはチャーリー・デイ、菊地凛子らが続投している。
引用「映画ドットコム:eiga.com/movie/87972/」
ネタバレ感想 1 大ヒットした前作と比べて、ちょっとごちゃごちゃしたかな
先にも簡単に書きましたが、アクション映画として十分に楽しめるエンターテイメントだとは思いました。
が、前作に比べると、詳細さが不十分だったように感じてしまいました。
ギレルモ監督は、映画を撮影する前にイェーガーのデザインを外面だけでなく、映画の撮影には必要ない内側の詳細まで作り上げ、図面上ではありますが、そこからイェーガーを組み立てるように、外側まで組み上げていきました。
同じく怪獣も生物学的に存在できるようなデザインにして、最終決定しています。
ですので、登場する怪獣が全て4本足で、きぐるみを作って中に人が入れることを前提にデザインされたとインタビューで答えています。
今回はギレルモは監督としては参加できず、制作スタッフの一人として携わり、彼が思いついたアイデアをスティーヴン監督に伝えました。
スティーブン監督もそのアイデアを映画内に取り込んでいます。
しかし、細かいところでディーテールをきちんと突き詰めていないように感じました。
例えば、3体の怪獣が別々の地点から出現し、日本の富士山目指して前進してきます。
場所は一体が南、一体が北東、一体が西からだったと記憶していますが、そんな怪獣たちが富士山で出会う前に東京の都心で鉢会うのはどう考えてもおかしいでしょ。
さらに合体して1匹の大きな怪獣となり、富士山を目指すって、富士山、都心とどんだけ近いのってツッコミたくなるようなところにたっているし。
あと、活火山として富士山をチョイスするのはどうかと思います。
それ以外に日本列島上、過去に噴火したとか未だに噴煙を上げているとかいう山がたくさんあるのに、どうしてそれらを使わないんですか?と。
それ以前に3体それぞれ別々の活火山を目指したほうが良かったのではないか、とも思いましたし、ナンなら地上に出ている火山ではなくて海底の活火山を利用したほうが、PPCDからも見つかりにくくてよかったのでは、と考えてしまいます。
あと、制作会社のレジェンダリー・ピクチャーズが大連万達グループに買収されたと言ってもPPCDの本部を中国に置くという設定は、どうなんでしょ?
別に日本に置け、とはいいませんが、一応太平洋の海底の何処かから怪獣は現れるとされているわけでしょう。だったら太平洋に面した場所に基地を置かないと意味ないでしょ。
日本もそうだしアラスカもそう。北米の太平洋岸でもいいし、場所的なチョイスならフィリピンだってニューギニア島だって中国より地理的に説得力を持つはずです。
怪獣が合体してより凶悪な怪獣になったのは、さらに一段階、怪獣の進化を見せつけてくれましたが、生物学的におかしいでしょ、と。
僕はてっきり、そういうところをギレルモ監督は大事にしてたよね、って映画を見ながら考えてしまいました。
もう一つだけ言わしてもらうと、怪獣戦争は前回で終わったってことになっているはずで、実際にこの10年間、怪獣は現れていないわけです。
それなのにPPCDが未だにイェーガーを改良したり、パイロットの育成を続けていたりする理由がはっきりわかりませんでした。
確かに、前回の最後で入口を閉じて相手の世界にもダメージを与えましたが、向こうも地球にやってくることを諦めてはいないとなっています。
10年の間、怪獣の遺体から取ってきたサンプルでいろいろと研究を重ねているようですし、脅威は去っていない、ということなのでしょう。
では、一般市民はどうでしょうか?
東京が襲われた際、逃げ惑う一般市民は地下への非難シェルターへ逃げ込んでいました。
10年間、怪獣が襲ってこなかったのに、市民レベルで時々避難訓練していたのでしょうか?それに加えて非難シェルターのメンテもずっとしてきていた、ということになります。
怪獣戦争は終わり、10年の月日が流れたことで一般の人々が再びあるかもしれない怪獣襲撃に常に備えていた、ということでしょうかね。
ま、日本人ならやりかねないとも思いますが。
そんなわけでいろいろと映画を見ながら変な考え事をしてしまったわけで、つまり映画に集中出来なかった=そこまで入り込めなかったわけです。
ネタバレ感想 2 誰が悪役で何を企んでいるのかがわからず面白かった
一方で悪役が誰で、何が目的であるのかがわかったときには、思わず唸ってしまうほど、やられた感がありました。
ガイズラー博士が自宅に隠し持っていた怪獣の脳みそを妻と読んでいることがわかった時点で、なんだか怪しげ、とは感じましたが、シャオ社のリーウェン・シャオもかなり怪しげでしたので、そっちの目も捨てられず、結局外してしまいました。
映画の初めの頃のリーウェン・シャオの高慢な立ち振舞などは、見事な演出で見事にミスリードされてしまいました。
怪獣に操られていたイェーガーもシャオ社の製品と関連がありそうという情報に、前作主人公と一緒に対怪獣で奮闘してくれたチャーリーはこちら側のキャラで、やはり黒幕はリーウェンだ、と思わされました。
本当に見事にしてやられています。
まぁ、難点を言えば、ガイズラー博士が黒幕とわかった後のリーウェンの献身的なまでの協力に、顔の表情まで変わってしまったように感じて、同一人物と認識していいのか、と
思ってしまったほどの変わりようが、ちょっと演出として強すぎるかな、と。
そういう意味で言えば、シドニーに現れた怪獣によって操られていたイェーガーの乗組員は一体誰なのか、それがわかるまでのミステリアスな話の展開には見事にやられた気がします。
前作で怪獣の地球に対するコンタクトができなくなった、ということが逆に怪獣達が地球に現れることができなくなったと先入観を植え付けさせたような気がします。
怪獣だと思うけど、怪獣は地球にやってこれない、だから対象外だ、という先入観です。
こうやって見るといろいろな伏線を張り巡らして本当の犯人をミスリードするのは、監督としてしてやったりだと思います。僕も楽しかったすね。
ネタバレ感想 3 人間の反撃がメインテーマの次回作を考察
映画の最後、PPCDに高速差rたガイズラー博士の口を借りて、怪獣が地球侵攻諦めないと叫んでいたのに対し、ジェイクが今度は反対に人類から怪獣の世界に攻め込んでいく、宣言しています。
第3作を制作するのであれば、これくらいのストーリーの展開にしないと同じような内容のものばかりになるので、自然な流れだと思います。
ただ、怪獣の生存する世界に入り込むのに一体どういう方法を取るのか。
海の中にできる出入り口から、ということになると、相手も来ることを予想して迎撃できるように待ち構えているかもしれません。
だいたい、守る方は少ない機体でもできますが、攻め込むとなると、それなりの数を出さないと、成功しないと思います。
映画の終わった時点で、一機のイェーガーもありません。
シャオ社の計画していたイェーガーもガイズラー博士の企みでかなりのダメージを受けていますので、戦力を整えるための時間が必要になるでしょう。
反撃に移るまで数年の期間は必要になると思います。
あと、向こう側に関する情報が殆どありません。これをどうするのでしょうか?
怪獣の脳みそと同調させて情報を得る方法がありますが、やりすぎるとガイズラー博士のように意識を乗っ取られる恐れがあるので、安全な方法ではありません。
この部分をクリアーにする良いアイデアが必要になるでしょう。
なにはともあれ、興行成績は今のところ順調なので、十分に続きやスピンオフが期待できると思います。
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