映画モアナと伝説の海のマウイとはどんな英雄?モデルの神話との違いはあるの?

映画

映画「モアナと伝説の海」はディズニーアニメーションによって南太平洋のポリネシアを舞台に繰り広げられる物語です。

主人公の少女モアナと彼女を助ける半神マウイの冒険のおはなしですが、このマウイ、モデルは存在するのでしょうか?

今回はマウイというキャラクターが出来上がったモデルについて、お話していきたいと思います。







映画「モアナと伝説の海」のマウイのモデルは神話のキャラクター

映画「モアナと伝説の海」に登場するマウイは半神半人のヒーロー
神様にもらった魔法の釣り針を使って何にでも姿を変えられる力を持ちます。

が、その過去は悲しいもので、人間として生まれたものの両親からいらないと海に捨てられ、それを哀れんだ神様に拾ってもらって半神半人の存在にしてもらいました。

人々のためにいろいろなことをしてあげた英雄ですが、その動機は人々の要求を満たしてあげることで人々に自分が必要だと思ってもらえるから。

人々の要求はとどまるところを知らず、やがて女神テ・フィティの心を奪って人間に与え、その力を使えるようにするところまでエスカレートしてしまいました。

その結果は、女神が心を失ったことで世界が闇に包まれ始め、その影響がモアナの島、モトヌゥイにまで及びそうになったころ、海に選ばれたモアナがマウイを探し出して一緒に女神テ・フィティに心を返す、というのがストーリーです。


で、このマウイという半神半人のヒーローですが、モデルはポリネシアの神話に登場する神様。その名もマウイで、映画内に登場する多くのマウイに関するエピソードも神話のマウイのものをそのまま使っています。

特にマウイが歌う「俺のおかげさ」の歌詞に登場する、人々のために行った数々のエピソードは、まさに神話で語られる、全くそのままのお話。

例えば、

    ・海底から島を釣り上げて、人々のために島を作った。
    ・空が低いと空を持ち上げた。
    ・太陽の動きを変え、昼を長くした。
    ・ウナギの怪物を倒した。
    ・人間に火を教えた

です。


が、実は神話には他のエピソードや続きのエピソードが存在します。

それが、

    ・夜空に星を貼り付けて星空を作った。
    ・太陽の動きを変えて夏の昼をながく、冬の昼を短くした。
    ・倒したウナギの亡骸を焼いたところ、ココナッツの木が生えてきた。
    ・兄弟と一緒に大きな魚を釣り上げたら、その魚が島になった。

などです。

最後のエピソードなどはその後の話があり、、釣り上げた魚をマウイはしばらく捌くのを待つように言っていなくなりますが、兄弟は待てずに、捌いてしまいます。

その結果、魚の残骸が山や崖、谷となって島を作り出してしまいました。

もしマウイのいう通り、しばらく待って捌いていたら、平地の島が誕生したことを、兄弟たちは後に知らされます。


というわけで、ポリネシアの神話でも大活躍をするヒーローがマウイで、映画のマウイも彼をモデルに作り上げられたのでした。

とはいえ、神話のマウイと映画「モアナと伝説の海」とのマウイでは異なる部分もあります。 それを一つずつ、紹介していきましょう。 マウイの両親

映画ではマウイは人間の子供として生まれています。

そして悲しいことに両親に捨てられた過去を持ちます。


が、神話のマウイは神の血を引く半神として語り継がれてきました。

ポリネシアの神話でもハワイの神話とニュージーランドに伝わるマオリ族系の神話、そのほかの島に伝わるそれぞれの神話で若干、詳細が異なります。

ハワイの神話では母親が月の女神であったとされています。

マオリ族の神話では祖母が黄泉の国の女神であったとされています。

つまり、マウイは神の血をひいてはいるものの、どの親族が神なのかは異なっているのですが、映画の用に両親が人間であるということはなさそうです。

そしてその両親に捨てられた、とするエピソードは全く神話の中には存在しません。

マウイの身体的特徴

映画「モアナと伝説の海」のマウイはムキムキマッチョな体つきをしています。
これは声優担当をしたドウェイン・ジョンソンの体つきに似せたため、だそうです。

が、神話では実は細マッチョで4人の兄弟を持っているという設定に、ハワイ神話においてはなっています。

そして10代の青年というのがマウイの姿であるとされているのです。

映画「モアナと伝説の海」のポリネシア人の評価は上々

マウイは神話の中でも人気者のキャラクターであり、だからこそ、ポリネシアに根付いているイメージを壊した描写をしてしまった場合、大きな問題になってしまう危険がありました。

実際のところ、映画を鑑賞したポリネシア人の間では、映画については上々の評価を受けています。

特に多くの人が、

    ・主人公のモアナ
    ・モアナの祖母タラ
    ・モアナの故郷であるモトヌゥイなどの島の描かれ方
    ・登場する村で村人が力を合わせて生きている様子

には、とても好意的な反応をしています。


一方で問題を指摘する意見も無きにしも非ずだったそうで、

    ・マウイの描写や間抜けな姿
    ・ヤシガニのモンスター・タマトア
    ・ヘイヘイ

などに厳しい意見が出たそうです。

さらに、映画の中で何度も言及され、エンディングでは実際に実行された女性であるモアナの村長就任には、伝統的にあり得ないことだ、という声が上がりました

まとめ

映画「モアナと伝説の海」に登場する半神半人のマウイ。

彼のモデルはポリネシアに伝わる神話に登場する半神のヒーロー・マウイでした。

映画の中のマウイは神話のマウイをモデルにしており、神話に登場する数々の偉業を、映画のマウイも映画の中で、達成させています。


一方で、映画のマウイだけのオリジナルエピソードがあったり、その逆で神話では語られているエピソードを、映画では紹介しなかったり、ということもありました。

そしてポリネシアの人たちは、マウイの姿かたちが、映画用のものに変わってしまったことに、心穏やかではなかったようです。
何しろ10代の痩せマッチョという外見のはずなのに、あんなに大柄な体つきになってしまっていて、肥満体系の多いポリネシア人のことを皮肉っているのでは、と思ってしまうのだとか。

他の文化のものを題材にして作品を作ることは、なかなかむつかしいもののようですね。











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