映画モアナと伝説の海に登場するカカモラの正体は?モデルとなったのは何?

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映画「モアナと伝説の海」に登場するココナッツの怪物で海賊の「カカモラ

コミカルなその姿とは裏腹に、モアナの持つテ・フィティの心を狙って、情け容赦ない追跡をしてきます。

そんな「カカモラ」ですが、実際にどういった生き物なのでしょうか?

また、その「カカモラ」のモデルになったものは存在するのでしょうか?

今回は映画「モアナと伝説の海」に登場する「カカモラ」について紹介していきたいと思います。







映画「モアナと伝説の海」に登場するカカモラの正体

映画「モアナと伝説の海」でモアナがマウイと出会い、女神テ・フィティの心を返しに行こうとマウイを説得しているときに、そのテ・フィティの心を奪おうと登場する海賊が「カカモラ」です。

その姿はヤシの実に手足が生えたようで、ある意味モアナのいう通り、かわいらしい姿をしているのですが、武装して集団で獲物めがけて襲ってくる様は、かなり迫力があります。


有名な話ではありますが、「カカモラ」の海賊がモアナとマウイに襲い掛かってくるシーンは、リメイク映画「マッドマックス」のシーンのパロディとして、あえて似せて作られています。


その話は置いておいて、「カカモラ」の正体ですが、いったいどういった生き物なのでしょうか?

ヤシの実に手足が生えたヤシの実のモンスターなのでしょうか?


実は「カカモラ」はヤシの実のモンスターではなく、ヤシの実を鎧として使っているだけで、ヤシの実とは全く関係のない生き物なのです。

そして映画の「カカモラ」は、ポリネシア神話の中にモデルというべき生き物が描かれているのでした。

ポリネシア神話に存在するカカモラのモデル

映画の中では、ヤシの実のモンスターのような「カカモラ」、実はポリネシア神話に登場する「カカモラ」という生き物をモデルに作りだされたキャラクターなのでした。

ポリネシア神話に登場する「カカモラ」がどういった生き物か、といいますと、

    ・身長は120㎝前後の小人のような体形
    ・長くて鋭い爪を持つ
    ・木の実や果物、オポッサム別名フクロネズミを好んで食する
    ・人間の3倍から4倍の力を持つ

    とされています。

    ココナッツの実を鎧のように使って体を守っている描写もありますが、120㎝の身長であればココナッツの実に手足が生えている、というような姿ではないですよね。


    また、面白い特性として、

    ・火を使うものの、自分たちでは火を起こせないため、人間から火を盗んで使う
    ・白い色に恐怖する
    ・いたずら好き

    というものがあります。

    いたずら好き」という特性は、

    ジャングルの中で子供が泣いている子供がいたので助けようとしたら実はカカモラがウソ泣きをしていただけで、引っかかった人間を笑いものにしてジャングルの中に消えていった。

    という神話があり、そこから特性づけられているようです。


    神話において、ソロモン諸島の南に位置するマキラ島のジャングル奥深くにある鍾乳洞の中に住んでいる、とされています。

    が、「カカモラ」がマキラ島のジャングル奥深くに住んでいるのかは、解明されていません。

    というのも、マキラ島のジャングル奥深くは、原住民にとって立ち入りが禁じられている禁断の地となっており、そのため、だれも立ち入ったことがない地域となっているからです。


    とはいえ、映画「モアナと伝説の海」に登場する「カカモラ」とは、全く似ても似つかない姿をしており、また、海賊として海を航海するということもないようです。

    ポリネシアにおけるココナッツの隠された意味

    ところでカカモラが鎧として使っているココナッツですが、ポリネシア文化において、ココナッツというのはとても重要な意味を持ちます

    限られた食料の中でココナッツは、ポリネシアの人々にとってとても重要な食料です。

    そのためとても大切に扱う風習があるのです。


    実は映画のワンシーンで、モアナが怒りに任せて、野球のバットでボールを打つように、オールでココナッツをたたき、海へ放り込む、というものがありました。

    島の周りで魚が取れなくなった時、モアナがサンゴ礁を超えて沖で漁をすることを提案した際、父親に頭ごなしに却下された後のシーンです。

    映画を製作するにあたって文化考証を担当していたポリネシアの専門家から、ポリネシア人がどれだけココナッツを大切にしているか、という文化的な側面から、モアナがいくら怒っていたとしても、ココナッツに八つ当たりはしない、という指摘が出ました

    そのアドバイスに沿って、ココナッツを海に放り込む描写はカットされ、木の枝を砂地に投げる、というシーンに変わったのです。


    島という限られたリソースの中で生活をしなくてはならない人々にとって使えるものはすべて有効利用しなくてはいけません

    そういう意味ではココナッツの実も、ココナッツジュースや実を食べるだけでなく、残った硬い殻も有効利用してきました。

    身近に有り、比較的たくさん収穫のできるココナッツはポリネシアの人々にとってとても重要なものだったということですね。

    まとめ

    映画「モアナと伝説の海」で登場する「カカモラ」はココナッツの怪物ではなく、身長の低い、小人のような生き物が、ココナッツを鎧として使っていた、というのが真相です。


    そしてその「カカモラ」は実際のポリネシア神話に登場する生き物で、120㎝ほどの身長をもつ、やはり小人のような生き物ですが、ソロモン諸島の一つの島の奥に住んでいるとされ、海に出て海賊行為を行うようなことはありませんでした。

    とはいえ、映画の「カカモラ」は恐ろしいながらもとてもかわいらしく見え、「モアナと伝説の海」のマスコットのような存在と思えるのは僕だけでしょうか。











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