映画「バンブルビー」はトランスフォーマー・シリーズのスピンオフ作品といっていいでしょう。
これまで時系列的に話が進んできましたが、今回は時系列を戻して、トランスフォーマーたちが地球にやって来て、すぐの頃のストーリーとなっています。
時間を戻してこれまでのテイストを変えたわけですが、実は今まで監督を努めてきたマイケル・ベイが今回はプロデューサーになっており、新しい監督で作られました。
その変化によっていくつものマイナーチェンジがなされていますので、新監督がこだわった部分も合わせて、トリビアを紹介していきたいと思います。
新監督とトランスフォーマー・シリーズについてのトリビア・裏話
新監督について
これまでトランスフォーマーシリーズの監督を努めてきたマイケル・ベイがプロデューサーとなり、マイケル・ベイ以外が撮ったはじめてのトランスフォーマー映画となりました。
変わって監督として指揮をとったのはトレヴィス・ナイト。
「コララインとボタンの魔女」や「クボ 二本の弦の秘密」などのアニメ映画を監督してきています。
今回の「バンブルビー」がトレヴィス・ナイト監督にとってはじめての実写作品になりました。
ちなみにトレヴィス・ナイト以外に5人が監督候補として名前が上がっていましたが、その5人を抑えて最終的にトレヴィス・ナイトが監督を務めたのです。
他の5名の名前を紹介しておくと、
-
・クリス・マッケイ
・セス・ゴードン
・ジャウム・コレット=セラ
・リック・ファミュイワ
・アランとアダムのニー兄弟
です。
トランスフォーマー・シリーズにおけるバンブルビーについて
今回の映画「バンブルビー」の映画製作予算はこれまでのトランスフォーマーシリーズの中で一番少ないもので、公式発表約113億円~約150億円で作成されました。
一方で興行収入は3月19日現在で約510億円です。
今後日本での公開がありますので、更に上積みが期待されます。
これまでのトランスフォーマーシリーズの制作費と興行成績を表にしてみると、
映画名 | 公開された年 | 制作費 | 興行収益 | 利益率 |
トランスフォーマー | 2007年 | 166億円 | 777億円 | 468.0% |
トランスフォーマー リベンジ | 2009年 | 222億円 | 928億円 | 418.0% |
トランスフォーマー ダークサイド・ムーン | 2011年 | 216億円 | 1246億円 | 576.8% |
トランスフォーマー ロストエイジ | 2014年 | 233億円 | 1225億円 | 525.8% |
トランスフォーマー 最後の騎士 | 2017年 | 240億円 | 671億円 | 279.6% |
バンブルビー | 2019年 | 150億円 | 509億円+ | 339.3% 以上 |
1作目~4作目までは大成功のプラスですが、5作目は少し見劣りがしますね。
といっても失敗というレベルではなさそうです。
「バンブルビー」も今の所、そこそこの成績を収めていると思います。
できればあと100億ほど積み上げたいところでしょうか。
そうすることで収益率が400%を超えますので。
また、このバンブルビーだけが上映時間が2時間未満でした。
それ以外の5作の上映時間は全て2時間を超えています。
オリジナルアニメに忠実なデザインに
フォルクスワーゲンが採用された理由
今回の映画ではバブルビーは黄色いフォルクスワーゲンに変形します。
これは北米で1984年から86年にかけて、日本では1985年から同じく86年にかけてテレビで放映された「戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー」というオリジナルを踏襲したためで、同作品でバンブルビーが変形していたものと同じ車になっています。
バンブルビーだけでなく映画の最後に登場するオプティマスプライムも車形体はケンワースのK100で、アニメのものと同じです。
このように、オリジナルアニメを踏襲した設定が映画の中では多く使われています。
設定だけではなく、アニメで使われた全く同じの戦闘シーンでの動きも見られました。
バンブルビーとドロップキックの最後の戦闘でドロップキックがバンブルビーを投げ飛ばします。
投げ飛ばされたバンブルビーが車に変形して着地し、すぐにUターンしてドロップキックに向けて速度を上げ、またロボット形態に戻って殴りつけるという一連のシーン。
このシーンはTVアニメのオープニングのシーンでデストロンのスカイワープがオートボッツの副官マイスターに対して行った動きと全く同じものです。
キャラのデザインや設定、動きだけでなく、音楽も
チャーリーとメモが他の若者たちが集まってパーティーをしている海を望む高台にいきつき、トリップに挑発されて崖下の海に飛び込もうとしたものの、心の傷のせいで、逃げ出したシーン。
、バンブルビーがチャーリーを応援するためにラジオから流した曲はスタイン・ブッシュの作詞作曲した「ザ・タッチ」です。
この曲はもともとシルベスター・スタローンの映画「コブラ」のために書かれましたが、TVアニメ「戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー」と「戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー2010」の後に、続編ストーリーとして製作された劇場用作品でアメリカでは1986年8月に公開された「トランスフォーマー ザ・ムービー」での挿入歌として、何度も作品中に流れてくる曲です。
ちなみにこのトランスフォーマー ザ・ムービーは日本で公開予定でしたが、諸事情で実現せず、1989年にVHS・LD版が発売されています。
スティーヴン・スピルバーグと出演俳優に関してのトリビア
スティーヴン・スピルバーグに敬意を評して
スター・ウォーズから拝借
これは直接スピルバーグの作品ではありませんが、スター・ウォーズの一シーンから。
森のなかでチャーリーがバンブルビーを直そうとして、誤ってオプティマスプライムのホログラムを再生してしまうシーン。
どっかで似たようなシーン、見ていませんか?
実はこれ、スターウォーズの第一作目、ルークがオビワンの前でR2-D2の隙間に挟まっているものを取り出そうとして、レイア姫のホログラムが映し出されたシーンと同じなんです。
チャーリーとルークの発したセリフがほとんど同じというところも、心憎い演出ですよね。
制作として参加しているスティーヴン・スピルバーグとジョージ・ルーカスは良き友で良きライバル同士ですし、そこらへんの関係もあって、ジョージ・ルーカスに敬意を払っての演出でしょう。
映画だけでなく声優つながりも
映画内でスティーヴン・スピルバーグの作品「グレムリン」のポスターが飾られているシーンがあります。
そのスティーヴン・スピルバーグは制作で「バンブルビー」に関わっていますが、面白いことにグレムリンのストライプとその仲間の一人として、ピーター・カレンとフランク・ウェルカーが声優として「グレムリン」に出演しています。
実は、ふたりともオリジナルアニメの時代からトランスフォーマーの声優を担当してきており、「バンブルビー」でもピーター・カレンがオプティマスプライムの声優を務めているのです。
その他のスピルバーグつながり
その他にもスティーヴン・スピルバーグ関連の小物が映画に登場します。
チャーリーがなくなった父親のことを話した際に来ていたつなぎにかかれているイニシャル「BFG」はディズニーの映画でスピルバーグが監督をした「BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」を連想させますし、メモの部屋には「レイダース:失われたアーク」のポスターが飾られていました。
またフォルクスワーゲンとなったバンブルビーがパトカーに追われてトンネル内に入ったシーンは「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」や「ロジャーラビット」を思い起こす映像になっていました。
時代の流れを感じさせるヘイリー・スタンフィールドのトリビア・裏話
チャーリー役を演じるヘイリー・スタンフィールドの誕生日は1996年12月11日。
映画の舞台となったのは1987年。
ヘイリーが生まれる9年も前の話でしたので、映画の中でヘイリーが小道具として使っているものの中には、初めて使うものも多かったそうです。
例えばウォークマンがその最たるもので、はじめ、どうやって使っていいのかわからなかったとインタビューで答えています。
続編の可能性を感じさせるジョン・シナのトリビア・裏話
ジャック・バーンズを演じたプロレスラー、ジョン・シナですが、最初は敵役の「スカーフェイス」を演じる予定でした。
しかし理由は明らかになっていませんが、セクター7のエージェントに役を変えての出演となりました。
噂では敵役としてではなく実際に役者として参加してほしくなり、おそらく次回作もそのままの役で参加できる可能性を残しておきたかったのではないか、と言われています。
ちなみにジョン・シナはアニメを含めたトランスフォーマー・シリーズに参加した3人目のプロレスラーで、映画に関しては彼が最初に起用されたプロレスラーになります。
ちなみに彼の前にアニメで声優として参加したのは、ドゥエイン・ジョンソン、サモア・ジョーというリングネームで知られるジョー・シーノアの二人です。
あの有名な映画もトランスフォーマーにつながりが
映画の中で1985年公開の映画「ブレックファースト・クラブ」の有名なラストシーンが何度も映し出されています。
このラストシーンでサッカー場を歩きながら拳を突き上げるジョン・ベンダー役を演じたジャド・ネルソンですが、彼は1986年公開の「トランスフォーマー ザ・ムービー」で声優として参加しています。
ジャド・ネルソンが演じたのはサイバトロンの若き騎士「ホットロディマス」後にパワーアップして総司令官「ロディマスコンボイ」になるキーキャラクターでした。
その後、2017年、2018年に北米のTVアニメとして放送されたトランスフォーマー・シリーズにも声優として参加しています。
ロケシーンであの有名ドラマとバッティング
映画のラストでバンブルビーとシャッター、ドロップキックが死闘を繰り広げた港のシーン。
このシーンはカリフォルニア州ソラノ郡にあるメア・アイランド海軍造船所で撮影されました。
このシーンの撮影の際、テレビドラマ「13の理由」も同時に同じロケ地で撮影が行われたのでした。
「バンブルビー」がロボット同士の格闘シーンということもあり、またジャック・バーンズが戦闘ヘリでシャッターと戦い、墜落するもバンブルビーが助けるという大掛かりなシーンあったため、爆発音やヘリコプターが発する爆音など、特殊効果を伴うのシーンを撮影している間は、「13の理由」の制作側が、撮影を中止しなくてはならなかったそうです。
「13の理由は」2017年3月にNetflixより配信されています。
懐かしのアニメのパクリ!?
スピルバーグつながりではありませんが、バンブルビーで昔のアニメ映画のシーンを彷彿させる場面がありました。
バンブルビーがチャーリーによって蘇った後、セクター7の部隊に囲まれて取り押さえられそうになったとき、両目を真っ赤にし、右腕をレーザー砲に変形させて部隊を攻撃、基地を破壊しています。
これは1999年に北米で、日本では2000年に公開された「アイアン・ジャイアント」のワンシーンそっくりです。
ジャイアントがアメリカ軍に見つかって攻撃された際に反撃をしたシーン、ジャイアントは目を真っ赤にし、腕を砲に変えて攻撃していました。
まさにバンブルビーはそのとおりのリアクションをしています。
続編の可能性は有る?
トランスフォーマーの権利を持つおもちゃメーカーのハズブロと映画の興行権を持つパラマウントは新しくトランスフォーマーシリーズをリブートさせる計画を持っていることを発表しました。
その計画の試金石として今回の「バンブルビー」が制作され、興行成績と内容の評価が良ければ、リブート計画を実行に移し、続編を作成する予定にしています。
興行成績は今の所、制作費に対して約3.5倍の収入となっていますので、これまでのトランスフォーマー・シリーズの中では下から2番めという結果です。
続編のゴーサインを決めるにはちょっと微妙な成績ではないかという印象です。
作品に対する評価はおおむね良好で、有名な映画批評サイト「ロトントマト」では93%の高評価、「IMDb」では10点満点中7.1点となっています。
2019年3月の時点ではっきりしていることは、プロデューサーの一人でこれまで全てのトランスフォーマー・シリーズに関わってきているロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラが「バンブルビー」と「トランスフォーマー 最後の騎士」の続編に当たる作品の脚本執筆に入った、という発表があったことだけです。
今のところ、続編を作成する方向で動いているようですね。
まとめ
トランスフォーマー・シリーズも6作を数え、監督も交代して新しい転機を迎えている感じですね。
「バンブルビー」はおおむね成功と言えるでしょうし、続編の可能性もかなり高い状態で進んでいる感じです。
今後、さらなる公式発表が待ち遠しいところですね。
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