映画スキャンダルのグレッチェン・カールソンってどんな人物?プロフィール紹介!

映画

映画「スキャンダル」は2016年にアメリカの最大手テレビ局の一つで起こったセクハラ問題を映画化した作品です

そのストーリーはというと、かつてそのテレビ局の中でメインキャストの一人であったグレッチェン・カールソンという女性アナウンサーが、首になったのを契機にCEOを長年のセクシャルハラスメントを理由に訴える、というものでした。

結果的にCEOであったロジャー・エイルズは解雇され、テレビ局の親会社21センチュリーFOXが20億ドルを賠償金としてグレッチェンに渡し、公式に謝罪することで和解します。


ところでこのグレッチェン・カールソンという女性はいったいどのような女性なのでしょうか?

彼女のプロフィールを簡単にまとめましたので、紹介したいと思います。







映画スキャンダルのグレッチェン・カールソン

映画「スキャンダル」ではグレッチェン・カールソンは、FOXニュースにセクハラを訴えるという爆弾を投げ込んで、その後は雲隠れするという作戦を取ったように感じました

訴訟を起こしたのはグレッチェンであり、その訴訟で勝利をものにするための彼女の努力を映画として追いかけるのか、と思いきや訴えた後は、メディアなどに出たような描写もなく、ロジャー側もどこにいるか連絡がつかない、なんてコメントもしていましたし。

映画は、訴えが公になった後、FOXニュース内でどのように身を振ったらいいのか、態度を決めかねる人々の動きを中心に描かれていました。

現実的にも会社のトップが訴えられた場合、社員としてサポートするのか、敵対するのかを決めるのはなかなか判断がむつかしいでしょう。

失敗すれば、ことが終わった後に自分自身も破滅が待っている可能性があるわけですから。

逆を言えば、会社内でのセクハラなどの問題に対し、なかなか声が出せないという現実的な問題に切り込んでいるわけで、作品的には素晴らしい展開なのですが、グレッチェン個人の話となると、少し尻切れトンボのような気がします。

    グレッチェンが扉を開けて、メーガンがそれを閉めた

そんな印象を持ってしまいました。

グレッチェン・カールソンのプロフィール

それではグレッチェン本人のプロフィールを、

    ・TV局で働くまで
    ・TVに努めてから
    ・FOXと和解した後

の順に紹介していきたいと思います。

TV局で働くまでの経歴

グレッチェン・カールソンはアメリカ合衆国のミネソタ州に1966年6月21日に生まれました。

家族はルター派を信じるキリスト教徒で、祖父はアメリカで2番目に大きいルター派教会の牧師でした。

ミネソタ州は五大湖の西側に位置し、カナダと国境で接しています。
歴史的に北欧とドイツからの移民が多く、彼女の家族もスウェーデン系の家系です。


学業は優秀でスタンフォード大学を卒業し、オックスフォード大学にも留学していました。

また、映画の中でも触れられていましたが、バイオリニストとしてテレビやラジオで演奏をしており、1988年にミスミネソタの代表に選ばれた際と翌年の1989年、ミスアメリカに選出された際のパフォーマンスではバイオリンを演奏しています。


このように優秀なグレッチェンがテレビに出始めるのはミスアメリカで優勝した翌年からでした。

TV局に勤めてからの経歴

1990年、グレッチェンは地方テレビ局のキャスター、政治分野のコメンテーターとして出演を始めます。

その後、いくつかの地方テレビ局を渡り歩いて経験を積み、1990年後半に女性初の大手テレビ局プライムタイムのニュースキャスターに、同僚のデニス・デュフォラと抜擢されるのでした。

それまでは、女性キャスターが報道ニュース番組でメインアナウンサーを張ることはなく、彼女がパイオニアということになります


その後、2000年にアメリカ放送局の大手テレビ局CBSニュースに移り、同テレビ局の歴史ある朝の番組「ジ・アーリー・ショー」のメインキャスターの一人となります。

2005年にはFOXニュースに転職、同じく朝の番組である「Fox & Friends」のメインキャスターを務めることになるのでした。

2013年に「Fox & Friends」を降板し、映画にも登場していたお昼の番組「The Real Story with Gretchen Carlson」という看板組のMCを務めます。

ちなみにグレッチェンが降板した後、代わりに「Fox & Friends」のキャスターに選ばれたのが、メーガン・ケリーでした。

その後は映画でもあった通り、2016年6月23日付でFOXニュースを首になり、同年7月6日にCEO ロジャー・エイルズをセクハラで訴えます

FOXニュースは内部調査を開始し、オーナーのルパート・マードックが8月1日付で退職もしくは首にするという結論を出します。

ロジャーは7月21日に400万ドルという退職金とともにFOXニュースを去ることに同意し、映画でもあったようにルパートに退職の会見を一緒に開くことを要求しますが、断られ、大々的な公式発表なく、FOXニュースを去ることになるのでした。

9月6日にFOXニュースの親会社である21センチュリーFOXがグレッチェンと和解を発表。
賠償金200万ドルを彼女に支払い、公式に謝罪文を発表したのでした。

グレッチェン・カールソンのその後

これからはFOXと和解をした後の、グレッチェンの経歴を紹介していきます。

それまでのTV局での経歴を生かして他の局で働いたのかと思いきや、かなり驚きの展開を見ることになるのでした。

FOXと和解した後

FOXと和解後のグレッチェンはテレビのキャスターという仕事から離れ、女性の地位向上、特に職場内での女性の権利を守る活動に力を入れるようになります。

2018年の4月にテレビ局A&Eと契約を結び、職場でのセクハラ問題に関するドキュメンタリーの特別番組を3回、彼女のMCで放送するというものでした。

1回目の放送は2019年1月4日にされています。


さらに特筆すべきは2018年1月1日にミス・アメリカ機構の理事長に、かつてのミスアメリカ優勝者としては初めて、選出されたことでしょう。

これにより、グレッチェンはミス・アメリカの変革に着手します。

いくつかの変革がありましたが、その中で一番の目玉は水着審査をなくし、見た目ではなくこれまで何を成してきたか、により重きを置いてミス・アメリカを審査することにしたことでしょう。

2019年のミス・アメリカ大会では97年間続いてきた歴史の中で、初めて水着審査がなくなったものとなりました。


これに対し、特に参加した女性たちの間では歓迎する声が聞こえてきており、世間でも女性を中心にこの動きに対して好意的にみられていたようです。

しかし、反対意見がないわけでもなく、特に男性、そして一部女性の中にもこの方向性に懐疑的な意見を持つ人もおり、何よりもミス・アメリカのコンテストに対する視聴率が19%も下がったことが、如実に世間の受け取り方を現しているように思えます。

最も裏を返せば、ミスアメリカのコンテストが水着審査に代表されるようなものを求められている大会である、という世間の認識がはっきりしたというわけです。

これに対してグレッチェンをはじめとしたミス・アメリカ機構が、変えていきたいと動いていたのでしょうけども。


ところがこの影響を受けて2018年ミス・アメリカ優勝者であるカーラ・マンドがグレッチェンと最高経営責任者のレジーナ・ホッパーに対して非難の手紙を送るというスキャンダルが表面化。

その他にもグレッチェンの改革のやり方に反対を唱えだす州も表れだし、なかなか一枚岩にまとめて改革を進めていくことはできなくなってしまうのでした。

そしてグレッチェンはミス・アメリカの変革をある程度は行ったものの、2019年6月に理事長の座から退く決心をします。

映画スキャンダルと結末は同じ?

映画「スキャンダル」の結末はロジャーがFOXニュースから去り、21センチュリーFOXが200万ドルの賠償金を受け、公式な謝罪を勝ち取った代わりに、和解の詳細については他言しないという条件を受け入れます。

この結末は、現実でも同じで、200万ドルの賠償金と謝罪を手に入れ、今でもこの件に関してインタビューを受けた際、話せないことがある、とはっきりと返答しながら、答えられるだけのことは話しています。

つまり、映画の結末は、現実に起こったことをほぼ忠実に再現しているのでした。

グレッチェン・カールソンがどんな人物かとこれからが分かるインタビュー紹介

ミス・アメリカ機構の理事長を辞任したグレッチェンは今後、どのような活動をしていくつもりなのでしょうか?

そのことが分かるインタビューがありました。

その内容から彼女がどのような人物であるかも伝わってきますので、紹介していきたいと思います。

グレッチェン・カールソンは映画「スキャンダル」を視聴していた!

グレッチェンは彼女自身、映画「スキャンダル」を視聴したのでしょうか?

実はラジオのインタビューで映画「スキャンダル」に関してインタビューを受けている際に、子供たち二人と見に行ったことを明かしています。

映画で登場していた姉と弟も十代となり、三人で見に行ったそうです。

そこで、子供たちは自分役を子役が演じて撮影され、大画面に映し出されているのを見て大笑いし、自分たちと似ても似つかない、などの感想を述べたとか。

そしてもし他の観客に気が付かれたどうしよう、などと心配し始めたそうです。

映画に対する思いと今後の活動

それはさておき、グレッチェンは自身に起こったこと、そして彼女が訴えを起こしたことが以前はテレビドラマで、今は映画で公開されていることに対してどう思うのか、という質問を受けました。

それに対し、彼女はこう答えています。

「正直、自分の中でも思い出したくない記憶があります。その記憶を、このような機会があるごとに思い出さないといけないという心労がないといえばうそになります。」

「実際にFOXニュースで一緒に働いていた同僚の中には、ロジャーから受けたセクハラのPTDSに今にも悩まされ、このような問題を扱う作品を全く受け付けることができなくて、困っている人もいます。」

「しかし一方で、ドラマなり映画なりで自分の体験からセクハラの問題が世間から注目されることになれば、人々のセクハラに対して正しい関心が向くようになり、今現在起こっている、これから起こるであろうセクハラの被害者が勇気をもって、公表しやすい社会になる手助けになるのであれば、大歓迎です。」

そしてこうも続けています。

「セクハラによって被害者が陥るストレスは、『被害を受けたことを公表すれば、自分が好きで今後もこの世界で仕事をやっていこうとしている業界に一切かかわれなくなる』という脅しです。」

「努力をすれば誰もが成功できるというアメリカンドリームを謳いながら、特に女性に対し、セクハラという行為でその未来を消し去ってしまうことは許されることではありません。」

「そのためにこれからも、私は私が好きで得意とする分野で、この問題について取り組んでいきます。」

この発言からわかるように、グレッチェンは今後テレビ業界にかかわりながら、セクハラに対しての戦いを続けていくようです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

グレッチェンのプロフィール、そしてFOXとの和解後の状況が分かったと思います。


グレッチェンは完璧な女性の理想像を完成させるために戦い続けているように思います。

が、なかなかどうして、「女性とはどうあるべきか」という価値観が人それぞれで、女性の中だけでも統一されたものがありそうで、実はないのでしょうから、むつかしい問題だと思います。

彼女が「女性とはこうあるべきだ」といったところで、すべての女性ですら、理解してすべてに賛成するわけではないので。


ただし、職場でのセクハラに対する問題は、今後も彼女に続けてもらって、その結果より良い社会になっていくことを祈ってやみません











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