アニメダンジョン飯・逆鱗はドラゴンの弱点?元ネタの詳しい解説も

アニメーション

アニメ「ダンジョン飯」でファリンの救出のため、レッドドラゴンとの決戦を迎えたライオス一行。

戦力が整っていない中、持てる力と知識を総動員して何とかレッドドラゴンを倒し、ファリンの無事復活させます。


レッドドラゴンのとどめを刺した方法は、ライオスの「肉を切らせて骨を断つ」作戦でした。

片足を犠牲にし、弱点である首の逆鱗を突き刺すことで、倒したのです。


しかしこの戦法、逆鱗がキーポイントで、ここを攻撃できなければ成立しないのですが、逆鱗は本当にドラゴンの弱点なのでしょうか?

今回はドラゴンの逆鱗について調べてみました。







アニメ「ダンジョン飯」逆鱗はドラゴンの弱点?

アニメ「ダンジョン飯」でファリンを救出するため、何とかドラゴンを倒したわけですが、その方法はドラゴンの首に、逆さについている鱗、「逆鱗」という弱点を攻撃したことでした。

ここに対する一突きで、あれだけ巨大で強力なドラゴンが力尽きたわけです。

つまり逆鱗はドラゴンの急所、弱点ということになるのですが、これは真実なのでしょうか?

ドラゴンは西洋由来

「逆鱗」の説明をする前に、ドラゴンについて説明していきたいと思います。

    「ドラゴン」=「竜」

という翻訳が定着していると思いますが、よくよく調べてみると、西洋のドラゴンは東洋の竜と同じものである、とは到底言えないほど、大きな違いがあることが分かりました。

東洋の竜は聖なる生き物で皇帝や王を象徴する存在なのに対し、西洋のドラゴンはキリスト教における7つの大罪の一つ、憤怒を象徴する生き物として扱われることもあるほど、悪の存在として認識されてきました。

もともと、原始宗教や地母神信仰における自然や不死の象徴として崇められる蛇が神格化された存在だったと考えられています。

その後、ヨーロッパの宗教となったキリスト教の世界観では、蛇は悪魔の象徴であったため、悪の存在と考えられるようになりました。

また、霊的存在を意味する翼が加わったことで、天使の対としての悪魔という認識が生まれたようです。

さらに時代が進むと、「自然は人間によって征服されるべきもの」等といった思想の発生や新宗教が生まれてきます。

こういった新宗教は、旧宗教の信者を取り込む際等に征服されるべき存在の象徴で、征服されるべき者=悪者の象徴としてドラゴンが選ばれたという見方もあるようです。

ドラゴンに特定の弱点はない

西洋のドラゴンはもともと蛇の姿をしていました。

そこに、先ほど悪魔と関連付けられることで、天使の対として翼を持たされたのです。

トカゲやワニといった外見も付け加えられるようになり、さらに人間が抗うことのできない自然の怒涛の力を表現するために、ドラゴンの姿が巨大になっていったのでした。


そんなドラゴンですが、ここへの攻撃が成功すれば一撃で葬れる、というような弱点が存在するという説はありません。

ゲームなどですと、ドラゴン専用の武器「ドラゴンスレイヤー」といったものの攻撃が非常に有効である、という設定は、よくあります。

さらに、ドラゴンが特別な存在であるということを表すために、通常の武器ではダメージを与えることができない、といった設定も見受けられます。


物理攻撃が効かないのであれば魔法で、と考えますが、これはドラゴンのタイプによって効く魔法があったりなかったりします。

例えば火を吐くレッドドラゴンはその反対の氷系が有効である、という考えですね。

一方で精神的に影響がある魔法、例えば恐怖を感じて通常の能力が出せないといったものなどは、効かないことが多い傾向にあります。

とにかく、ドラゴンはラスボス級の強さを持つ扱いがされており、挑むための成長と特別な武具の用意などを準備したうえで、万全の態勢で挑んで、なんとか対等に戦える、といった強さを誇るのでした。

ドラゴンと龍は違う

ここではドラゴンは西洋でいうところの竜として扱っており、東洋の龍とは違うものと考えられています。

東洋の龍は聖獣・神獣・霊獣であり、人をはじめ、他の生物をむやみに殺戮することはないとされています。

中国では、伝統的に、特に水、降雨、台風、洪水を制御する、強力で縁起の良い力を象徴しており、さらに、貴人の力、強さ、そして幸運の象徴、ひいては皇帝のシンボルにまでなっているのでした。

日本の龍について調べ見ると日本神話に、天皇と龍とのつながりを示す記述が見つかっています。

日本神話では、海神族を龍宮の八尋和邇などとしており、天孫の地神五代と八尋和邇の玉依姫との間に初代天皇である神武天皇を設けた、となっています。

他にも、日本海を中心とした高志の八岐大蛇の話があり、こちらは自然崇拝が行われていたことを、日本神話で語っているとされています。

そして、国津神に属する大国主神、大物主神、建御名方神などが蛇体・龍神として描かれています。

しかしそれ以降、権力と龍のつながりは見られなくなり、日本では、古代に天皇の力の象徴として龍が使われたこともあったが、中国ほど「皇帝=龍」というイメージは生まれ無かったと言えるでしょう。

逆鱗の元ネタの詳しい解説

龍の「逆鱗」ですが、今風に言えば地雷と言えると思います。

特に目上の人の地雷を踏んでしまうことを戒めるために使われた言葉でした。

逆鱗は中国の故事

春秋戦国時代の思想・社会の集大成と分析した内容の書物「韓非子」(かんぴし)。

これは中国戦国時代の法家である韓非の著書です。。

この中で、臣下が君主を説得することの困難さについて述べたくだりが逆鱗の意味になります。

    竜という生きものは、穏やかな時には、馴染めば(背中に)またがる事もできるものだ。

    しかし、竜の喉元には鱗が逆さに生えた部分があり、これに触れる者がいると、竜は怒り、その者をすぐに間違いなく殺してしまう。

    君主にも同じように逆鱗がある。

    臣下の提言者は、具申の際に自ら君主の逆鱗に触れるようなことは避けなければいけない。そうすれば提言の結果は上手くいくであろう。

と。


これが「逆鱗に触れる」という故事であり、目上の人の地雷を踏んで怒られるようなことは避けるべきである、という意味になります。

この逆鱗は龍の口の下、喉に当たる部分に約1尺四方の大きさでついている、とされていました。

逆鱗は東洋の竜の弱点でもない

「逆鱗に触れる」という故事からもわかるように、逆鱗は地雷スポットであり、触れば必ず攻撃される、といったものです。

決してここが弱点であり、ここに剣を突き立てても即死するわけではありません。

ただ、まぁ、場所が場所だけに、逆鱗がある場所に剣を突き立てることができれば、龍に対してかなりのダメージを負わせることができるでしょうが。

もともと中国の龍は聖獣であり、悪意を持った人に対してしか襲ってくることはありませんので、逆鱗に触れることも、逆鱗に剣を突き立てることも必要がないとは思います。

まとめ

アニメ「ダンジョン飯」でライオスがレッドドラゴンを倒した方法は、ドラゴンの弱点、逆鱗への一撃でした。

そこでドラゴンの逆鱗は弱点なのか?逆鱗とはどういったものなのか?について調べてみました。


その結果、逆鱗とは中国の龍が持っているもので、西洋のドラゴンには逆鱗に関する記述はないことが分かりました。

しかも東洋の龍は中国においては皇帝のシンボル、聖獣かつ神獣として崇められているのに対し、西洋のドラゴンはもともとが蛇であり、キリスト教において蛇が悪とされていたことから人間を襲う悪い物という考えになっていったそうです。


また、本来の逆鱗は、平素温厚で慈愛に満ちた龍でも個の逆鱗に触れられると、触れたものを必ず殺す、という性質のものであることから、今でいう「地雷案件」といえるでしょう。

特に龍が皇帝のシンボルであったことから、より正確に言えば

    目上の人の地雷案件である、

と言えるのでした。









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