アニメダンジョン飯のガーゴイルの元ネタや歴史、誕生した背景の解説!

アニメーション

アニメ「ダンジョン飯」に登場したガーゴイル。

ファンタジー系のアニメやマンガ、PRGでは登場頻度が高い、有名なモンスターです。

そのため、ガーゴイルという魔物に対し、「動く石像」というイメージが定着していて、疑問にも感じませんでした。

が、改めてその歴史や誕生した背景、元ネタを調べてみると、面白い事実が判明しましたので、紹介していきたいと思います。







アニメ「ダンジョン飯」のガーゴイルの元ネタは鬼瓦

ガーゴイルというと、「動く石像」型モンスターで翼を持つ悪魔のような怪物、という姿が定着しています。

ヨーロッパの歴史的建造物の屋根に取り付けられたモンスターの石像が元ネタ。

で、これが魔法の力によって動く様になった、はたまた、動くようにして番人の役目を任せた、というところだと理解していました。


ファンタジー要素的に、石像に魔法をかけ、番人の役割を与える、というのはその通りなのですが、よくよく考えると、なぜ屋根の上に魔物の彫刻を飾り付けていたのでしょうか?

詳しく調べてみると、かなり勘違いをしていたことがわかりました。

実は「ガーゴイル」という名称は、屋根に取り付けられた特定の品を指す言葉であり、日本語で言えば、「鬼瓦」と似ています。

「鬼瓦」は屋根に乗せる瓦の一部で屋根の装飾品であり、鬼を模すことで疫病を振り払う、という思想が背景に有りました。

実は「ガーゴイル」は雨樋の一部で、屋根から集めた水を排出する、飛び出した部分のことを指し、それを装飾の一部として動物や人、そして怪物の形にしたのです。

「ガーゴイル」は日本語訳することが可能で、日本語では「樋嘴(ひはし)」と言います。

ガーゴイルの歴史、誕生した背景の解説

建物の装飾品としてのガーゴイルの歴史は古く、古代エジプトや古代ギリシアの建物に備え付けられていたことが分かっています。

エジプトではガーゴイルから吐き出された水で聖杯などの宗教的品を洗っていたことが分かっているほど、ガーゴイルと宗教は密接に結びついていました。

一方、古代ギリシャのほうでは、ライオンの形をしたガーゴイルや、貝殻の形をしたガーゴイルが見つかっており、他にも様々な動物の姿のガーゴイルが見つかっています。

ガーゴイルといえば魔物、と今では考えられていますが、魔物の形をしたガーゴイルが登場するのは中世以降です。

しかし魔物の姿のガーゴイルが登場しても、普通の人間や動物を形どったガーゴイルも使用され、魔物の姿しか無い、というわけでは有りませんでした。

建物の装飾品

中世ヨーロッパではガーゴイルはほとんど見つかっていません。

広く使われるようになったのは13世紀、ゴシック建築の大聖堂が建てられるようになってからです。

ゴシック建築様式では屋根が急勾配で雨水が勢いよく流れ落ちる様になっていました。

そのため、勢いのついた水が壁面にあたり、漆喰にダメージを与えるという問題点が発生したのです。

この問題を解決するために、ガーゴイルをつけて、水が壁に当たらないようにしたのでした。


雨樋として屋根に装着しないといけなくなったため、装飾品としても利用しようということになりました。

装飾面の観点から、人や動物よりグロテスクな動物や怪物、魔物の姿になっていき、それらの口から雨水を吐き出す、という形に造られたのです。

こうして装飾品として必須となったガーゴイルは、その建物の権威や力を見せつけるため、より洗練度を高め、より複雑な装飾品となっていったのでした。

魔物となった背景

雨樋としてのガーゴイルが次第に魔物の姿になっていった背景としての定説は、じつは有りません。

人によって見解が異なりますが、例えば、民衆の想像力の反映であり、特別な意味はない、と唱える美術史家が存在します。

一方で、別の作家の意見では、「ガーゴイルは大聖堂から罪を外部へ吐き出している状況をあらわしている」と指摘しています。

また、動物の面や頭部の彫像は古来、魔除けに用いられてきたという歴史的観点から、建物を守護する動物像の伝統を引き継いだものではないか、という意見もあるのでした。

守護するものとして動物よりも怪物のほうが強い、ということなのでしょうか。

まとめ

ファンタジー作品によく登場するガーゴイルの元ネタ、歴史、登場した背景などを調べて紹介してみました。

僕自身、ファンタジーPRGから入っているので、「ガーゴイル=石の怪物」という図式が出来上がっており、そこになんの疑問も持ちませんでした。

が、よくよく調べてみると、ガーゴイルとは雨樋の一部のことを指し、集めた雨水を放出する部分の名前でした。

この部分がただの雨樋では味気ない、ということで動物や人の頭部などに装飾され、雨水がそれらの口から吐き出されるような姿となったのです。

やがてガーゴイルは怪物の姿に変化しますが、この理由に定説はなく、その時代の人々の流行によって、魔物の姿となったようです。

中には、大聖堂から罪を外に吐き出す象徴、と主張した作家もおり、また、古代、魔除けに用いられてきた動物の面や頭部の彫刻などから、建物を守護する動物像の伝統を引き継いだもの、と考察されたりしています。









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