カナダ在住20年の筆者が見た映画の感想とふと思った疑問についてを勝手気ままに書いていくブログです。

映画エイスグレード世界で一番クールな私へのネタバレと感想!アメリカの教育制度の解説も

 
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映画「エイスグレード 世界で一番クールな私へ」を視聴してきました!


今どきの10代、それも中学を卒業して高校へ進学を控えている冴えない少女が直面する悩みや不安、それに対してなんとか殻を打ち破ろうとする努力が微笑ましかったです。

生まれたときからネットとSNSがある世代ということで、自分の同年齢のときとは、違う部分もありますが、根本はあまり変わっていないのではないか、と見終わって思ってしまいました。


僕には学校にも入学していない幼い娘がいます。

が、彼女がケイラくらいの年齢になったとき、彼女の父親が映画の中で直面したような、悩みや不安に襲われるのか、とソッチのほうがもっと気になってしまいました。







予告動画はこちら

簡単なあらすじとキャストの紹介

生まれたときからウェブサイトやSNSが存在する“ジェネレーションZ世代”のティーンたちのリアルな葛藤や恋、家族との関係を描き、全米で評判を集めた青春ドラマ。

中学校生活最後の1週間を迎えたケイラは、“クラスで最も無口な子”に選ばれてしまう。待ち受ける高校生活に不安を抱える彼女は、SNSを駆使して不器用な自分を変えようとするが、なかなか上手くいかない。

高校生活が始まる前に、憧れの男の子や人気者の女の子たちに近付こうと奮闘するケイラだったが……。

「怪盗グルーのミニオン危機一発」で主要キャラクター・アグネスの声を務めたエルシー・フィッシャーが主演を務め、第76回ゴールデングローブ賞の主演女優賞(コメディ/ミュージカル部門)にノミネートされた。

YouTuber出身という異色の経歴を持つ人気コメディアンで、「ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ」などで俳優としても活躍するボー・バーナムが自身の経験をもとに脚本を執筆し、メガホンをとった。

ケイラ・デイ: エルシー・フィッシャー

マイク・デイ: ジョシュ・ハミルトン

オリヴィア: エミリー・ロビンソン

エイデン: ルーク・プラエル

ゲイブ: シェイク・ライアン

引用「映画ドットコム:eiga.com/movie/90536/」




エイス・グレード 世界で一番クールな私へのネタバレ

僕が感じたケイラの現状

主人公のケイラはユーチューブに定期的に動画をアップしている中学生。
インスタにもハマっており、今どきのティーンエージャーです。

ところが、学校では目立たない存在で、友達もいない様子。

クラスの人気者女子やイケメン男子のことを羨ましく見ているだけの存在でした。

それもあってか、ユーチューブに投稿する動画は、ある程度自分を偽ってしまいます。

さも自分がイケてるようなふりをして、イケてる十代になりたいためには、という内容の動画をあげていますが、実際は自分がそうなりたい、そうなれればいいな、と思っていることを話しているに過ぎません。

そのせいもあってか、ケイラのビデオ視聴回数は全くと言っていいほど、伸びていませんでした。

やはりユーチューブの中の自分を作りすぎているような気がします。
そのせいでしょう、なんとなく「作り物です」感が感じ取れてしまうのだと思うのですよ。

だから見た人に響かない、視聴価数が伸びない、という循環に陥っているのではないでしょうか。

確かにああいった発信ではある程度自分を作り上げて、魅力ある自分にしないといけないとは思います。
が、それが行き過ぎると自分が作り出したキャラに負けてしまうというか、演じなくてはならないという脅迫観念が次第に大きくなっていって、破綻すると思うのですよ。

ケイラも学校で、「無口な生徒」ナンバーワンの称号をもらってしまいました。
それは決して彼女が望んでいる理想の自分の姿ではありません。

だからこそユーチューブで動画を投稿し、理想の自分をユーチューブ世界の中で作り上げたかったのでしょう。

が、現実はもっと残酷で、ユーチューブの世界でもうまくはいきませんでした。

そんないくつもの失敗が、彼女が自分自身に自信が持てず、その不安から父親への反抗的な態度として表れているのでは、と感じたのです。

高校へ行けば変われる?

高校生になるまで残り数日。

そんな状況でケイラは勇気を出して自分の殻を破り、高校で再出発をするきっかけにしようと奮闘します。

クラスの人気者女子、お高く留まっているのが鼻につくケネディの誕生日パーティーにも、勇気を持って参加しましたし。

気になる男子エイデンにも自分からアプローチをかけてみます。

とはいえ、いきなりの行動にうまくいくはずもなく、結果はあまり芳しいものではありませんでした。

そして高校の体験入学。

大きな期待と、これまた大きい不安を感じてケイラでしたが、案内係のオリヴィアがとても親切であったことから、幸先の良いスタートを切れたと嬉しくなってしまいます。

ところが、オリヴィアから誘われ、彼女の友人と引き合わせてもらって楽しい時間を過ごしていたものの、心配しすぎた父親、マークがこっそり付いてきて物陰から様子を見ていたことに気が付き、恥ずかしさで一杯になってしまいます。

さらにオリヴィアの友人であるライリーに性的な興味の対象として言い寄られてとてもショックを受け、楽しかった一日はとんでもない最悪な気持ちで終りを迎えるのでした。

中学進学時に卒業する自分に向けて作ったタイムカプセル。

その中に未来の自分に対して送る動画メッセージが含まれていました。

タイムカプセルを開いてから、数日が経っていたものの、その動画を見る勇気が出なかったケイラでしたが、ついに意を決して動画を再生します。

2年前の自分は、希望に満ち溢れ、中学生生活が明るく楽しいものになるであろうと信じて疑っていませんでした。

そんな過去の自分を見せつけられ、あまりに惨めな気持ちになり、マークに頼んで、タイムカプセルごとすべてを燃やしてしまいます。

そこで、ケイラはマークに、自分がいることで悲しい思いをさせているのではないか、と父親に尋ねるのでした。

理想を思い描いていたものの、現実にはまったく理想とは異なり、自分が嫌になってしまうほど後悔の連続であった中学生活。

高校に上がってもそれは劇的に変わるわけでは無さそう。

自分に自信が持てず、何をやってもだめだ、と落ち込んでいる中で、自分が今時分に対して思っている絶望感を、もし自分の子供が持っていることを知ったら、親としてこんな悲しいことはない、と思ったからこその質問でした。

そんなケイラにマークは戸惑ってしまい、なんとかなだめようと口下手に、でも一所懸命に語りかけます。

マークが言いたかったこととは、自分なりに考えてこうではないか、と思いました。

つまり、物事の成功失敗は結果として重要ではあるけど、全体的にはそれほど重要ではない。

それよりも、

・こうなりたいという理想を思い描き、

・それに対してどう努力したら叶うかを考え、

・その考えに基づいて行動し、

・成功したらどうして成功したのかを自分の言葉でまとめ、

・失敗したら、同じくどうして失敗したのかを自分の言葉で説明できるようにし、

・次の理想に向かってその反省を生かして同じ作業を繰り返す。

という作業の繰り返しが人生で、失敗したときに落ちこみそうになるのは普通だが、その時、失敗したなりに、どれだけ成長できた自分がいるのか、にもフォーカスしたほうがいい、と。

考えても見てください。

僕もどちらかといえばマークのような年齢です。

ユーチューブの動画なんて作ったことはありません。

ですが娘のケイラは動画を自分で作ってユーチューブに投稿しているのです。しかも頻繁に。

親が教えられないことを自分で調べて自分のものとし、親ができないことをできるようになっている。

これはとてもすごいことだと思いませんか?

もちろんケイラにとってユーチューブに動画を投稿できるというレベルは、大したことではなく、彼女は同じレベルの人々の中で、動画再生回数を上げる、という次のチャレンジに挑んでいます。

これは自分が一より足が遅いと嘆いている人が、走れること、歩けることの素晴らしさと凄さのことを忘れてしまっているのと同じだと思うのです。

映画のエンディングでは、ケイラは高校卒業時の自分に対して中学入学する際に作ったような動画を撮影します。

その動画内での質問や語りを見ていると、マークが伝えようとしたことを自分なりに理解し、身につけたように感じました。

こうやって成長していくわけですし、楽しくない思い出もある中学生活でしたでしょうが、ケイラは自分の人生のための学びの期間として、中学生活は重要な時間であったことに気づいたような気がします。

エイス・グレード 世界で一番クールな私への感想

映画「エイス・グレード 世界で一番クールな私へ」がアメリカでとんでもない話題作となったことを知ってどろきましたが、視聴してその理由に納得した気になりました。

もともとホク弁全体で映画館4館だけの限定上映だったのが、公開初週末に26万3800ドル、日本円にして約2770万円(1ドル105円換算)、1映画館あたりの売上が約6万6ドル、日本円にして約693万円という計算になります。

一人あたりの入場料が20ドルとしたら3300人、15ドルとしたら4400人が平均でこの4映画館に金曜の夜から日曜の間に出かけて映画を見たということになります。

おそらく金曜の夜2回、土日にそれぞれ4回ずつの上映だと思われますので、週末に上映された回数は10回と計算すると、1回の上映に300人から400人のお客が映画館を埋め尽くした、ということになります。

いやはや、もう恐ろしいほどの人気ですね。

しかもアメリカではR指定にされ、17歳未満の子供の視聴は保護者同伴が必要となっていました。

内容を考えると、それも仕方がないかな、と思いますが、今どき13歳でもネットで調べれば、この映画がR指定されて原因となっていることを簡単に知ることができるのが現状ですので、少し、現実とかけ離れたレーティングになってしまっているのでは、と思ってしまいました。

それは、横道にそれた話題として、おいておくとして、何が言いたいかというと、一番この映画を見たいと興味を持った客層は、おそらくは主人公と同じ年齢の子どもたちだと想像します。

そしてR指定がなされたために、その子どもたちが見るためには、大人も同伴してみないといけない、という条件が付き、そのことで、更に口コミによる人気の沸騰に拍車がかかったのではないか、と思いました。

親としても、ティーンエージャーの女の子が、どんな悩みを、このネットで情報のやり取りが氾濫している時代に抱えているのかを知る、いい機会だと思うのです。

実際に、僕も先に書いたように娘がいて、まだ小さいのでそこまで心配はしていませんが、娘がケイラと同じくらいの年齢になったとき、マークのような状況になるのでは、と他人事ではなくなってしまっていました。

映画の初めから母親の姿がまったく見えないことが気になっていましたが、離婚は予想していたものの、まさかケイラが赤ん坊のときに出ていった、という設定には驚きました。

それ以来、父親のマークがシングルファーザーとして、ひとりで育ててきたわけですから、大変だったと思います。

そして娘が10代の難しい年頃になって、更にどう接していいか戸惑うことが多くなっていく中で、マークはよくやっている方だと思いました。

ただ、心配が過ぎてショッピングセンターで隠れて様子を見ていたのがバレたのはかっこ悪かったですけど。




8年生で高校デビュー?アメリカの教育制度の解説

タイトルにもなっている「エイス・グレード」

8年生という意味ですが、日本人には馴染みがないですよね。

アメリカでは小学1年生から高校卒業まで、基本義務教育で入学試験無しに上がっていきます。

そして学年も小学から中学、中学から高校に上がっても1年生に戻らず、小学1年生からずっと数が増えていくという形で呼んでいます。

ですので中学に入って中学1年制となるのではなく「7年生」となり、高校に入っても「9年生」となるわけです。

さらに言えば、アメリカでは教育制度は州ごとに変わっていて、さらに週の中でも学区が違うと、違い教育制度をとっているところもあるそうです。

が、一般的には5-3-4制がほとんどで、その場合は、小学は1年生から5年生、中学は6年生から8年生、高校は9年生から12年生、という区切りになります。

もう一つ日本と大きく異なる教育制度として、9月に新学期が始まることがあげられるでしょう。

つまり夏休みは、日本でいうところの春休みにあたり、生徒にとっては学年が終わって新しい次の学年に上る前の長期休暇となります。

アメリカの青春映画の舞台の多くが夏休みとなっている理由は、この9月に新学期が始まる、というところにあります。

さらに言えば、日本のように中学から高校、高校から大学への進学の際に入学試験が無いことも理由の一つでしょう。

ですので、アメリカの学生は試験勉強を一時に根詰めてする必要がありません。ですので、比較的自由な夏休みを過ごすことが出来、その結果、一夏の思い出が出来上がる、という流れになるのです。


この映画を見た前後に、別の青春映画「ホット・サマー・ナイツ」を見ました。

そちらは高校最後の夏休みが一生忘れられないものになったというお話なんですが、本当シャレにならないくらいに忘れられない夏休みになってしまっていて、後味はあまり良くありませんでした。

夏休みの出来事のせいでその後の人生を大きく狂わせる事になったのですから。

もし「ホット・サマー・ナイツ」に興味がありましたら、こちらから御覧ください。


映画「エイス・グレード 世界で一番クールな私へ」に話を戻しますが、こういったアメリカの教育制度と背景を理解していないと「エイス・グレード」と言われてもどういう意味かはわからないと思います。

もう少し、わかりやすい邦題にすることはできなかったのでしょうかね。

まとめ

「エイス・グレード 世界で一番クールな私へ」は中学から高校に上がる思春期の女の子を描いた映画で、今どきのティーンエージャーらしく、SNSを使いこなし、ユーチューブに動画を投稿しています。

が、根本にある問題、学校でパッとする存在でなく、そんな自分を変えてみんなの人気者キャラになりたい、という悩みは、どの時代の中学生の女の子が持っていそうなものでしか無いと思いました。

つまり、技術がどれだけ進化し、どれだけ便利な世の中になったとしても、結局同じような悩みを、いつの時代も抱えているのだなぁ、と感じました。

この映画がハッピーエンドで終わったように感じられるのは、ケイラが一回り成長して大きくなったことが感じられたからでした。

失敗して修正し、また失敗して修正する。
そして少しずつ良くなっていく、というのが人生です。

その事に気が付き、あまり思い出したくない中学時代の思い出を、気にしないようにして前向きに生きていこうとしているケイラが、4年後大学に進むのか、社会に出るのかはわかりませんが、どんな高校生活を終えて、更に成長しているのかを見たくなるような、エンディングだったと思います。











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