映画ラストナイトインソーホーで実はミスコリンズの秘密を示唆している伏線のまとめ!

ホラー・サスペンス

映画「ラストナイト・イン・ソーホー」では映画の最後に大どんでん返しが明かされ、実はミスコリンズが黒幕であったことが分かります。

それだけでなく、ミスコリンズが実はサンディであったことも明かされるのでした。


しかし実際のところ、その重大な秘密が分かった後で、実は映画内にこの秘密を示唆する数多くの伏線が張られていたことに気が付きました。

そこでこのことを踏まえたうえで見直してみると最初視聴した際には気が付かなかった伏線の数々に気が付くことができたのです。

今回はその伏線を全てまとめて紹介していきたいと思います。










映画「ラストナイト・イン・ソーホー」の黒幕はミスコリンズ

映画「ラストナイト・イン・ソーホー」の黒幕はミスコリンズで、実は彼女がサンディでした。

サンディは殺されたとエリーは思っていたのですが、実際は彼女がジャックをはじめ、彼女を買いに来た多くの男性客を殺めていたのです。

ミスコリンズの秘密を示唆する伏線

映画のエンディングでそんな大どんでん返しをするのは、ズルい、と思ってしまうかもしれませんが、実はそれまでにミスコリンズが実はサンディであったことを示唆する伏線が数多く仕込まれていたのでした。

ではどのような伏線が仕込まれていたのか、一つずつ見ていくことにしましょう。

夜8時以降の男性の訪問を禁止

エリーが部屋を借りるための下見にミスコリンズの自宅に訪れた際、ミスコリンズはエリーにいくつかのルールを言います。

その中の一つが、

夜8時以降に男性を部屋に連れ込まないこと

というものでした。


一見すると、年頃の女性に対し、良からぬことから身を守るためにも納得のいくルールに聞こえますよね。

しかしミスコリンズがこのルールを決めたのは他にも理由があるように感じてしまいました。

というのも、彼女がジャックに騙されて男性客を取らなくてはならなくなってから、行為に及ぶのは夜の彼女の部屋でした。

つまり8時以降に訪れる男性に夜の関係を迫られていたことになるのです。

それがひいてはサンディが殺されていなくなった原因となった忌まわしい過去の思い出なので、8時以降に男性が部屋を訪れることを禁止した、と取れなくもありありません。


また8時という時間も意味深です。

というのも、エリーが2日目に見た60年代の夢で、ジャックがサンディを迎えに来るシーン。

夜8時に迎えに来るといったものの、実際は遅刻して8時を回ってからサンディの前にあわられるのでした。

つまりこの下りは8時に来るといって遅刻してきたジャックが実は信用してもいいのか、怪しい男性かも、と感じ取れる出来事だったのです。

そしてそれは見事、ジャックがサンディに客を取るように強要する段階となって証明されたわけでした。

60年代の曲はミスコリンズが好んだジャンル

エリーが60年代の曲ばかりを好んで聞いていますが、そのことがミスコリンズの間で話題となったとき、ミスコリンズが60年代の有名な曲はよく知っていて、まさに自分の時代の曲だ、と返しています。

ミスコリンズの年齢を考えると、彼女の青春時代がまさに60年代ですので数多くの思い出の局があるのは当たり前なのですが、実はそれ以上の思い入れがあったことが後に分かることになるのでした。


ミスコリンズにとっては、60年代に流行った曲はただ吹き出聞いていただけのものではありません。

それら曲を歌う歌手たちにあこがれ、ロンドンにやってきて自分も歌手になろうとした動機の大きな要素の一つだったのです。

逆に言えば、今彼女がソーホーの古い家でひっそりと暮らしている原因になったのが60年代のヒット曲、ともいえるでしょう。

60年代以来、部屋の模様替えをしていない

下見に来たエリーに部屋を見せ際、ミスコリンズは60年代のまま、部屋の模様替えなどをしていない、と言います。

エリーが60年代に大きな思い入れがあったため、彼女によっては都合がよく、古い感じの部屋の内装をたいそう気に入って、部屋を借りることを決めました。


このやりとりで、エリーが大きな問題であると感ずに逆に好都合としたところで視聴者も違和感を感じにくくしていますが、考えてみるとちょっとおかしい、と思わざるを得ません。

なぜ60年もの間、リノベーションをせず、壁紙をはがさず、ずっとそのままにしておいたのか?

60年代風の内装のまま、修理やメンテナンスをしていた、というのであれば分かりますが。


もちろん、映画の最後でその理由が明らかになり、たしかに遺体を隠しているのであれば、リノベーションとして壁や床をはがすことはできないことは納得がいきます。

エリーの好みを利用して会話の中でサラっと流し、違和感を感じさせないように隠蔽する技術は流石だ、と思いましたね。

これまで部屋を借りた多くの女性が夜逃げした

ミスコリンズの話では今まで部屋を借りた女性で夜逃げしたのも多くいる、とのことでした。

しかしこのセリフも、エリーがロンドンに来て以来、出会った女性にろくな人物がいなかったことで、エリーは簡単に逃げ出した女性たちのほうに問題があった、と解釈してしまったようでした。


その典型的なキャラクターはルームメイトのジャコスタで、出会ってすぐにエリーをいじめ始めます。

そのような女性しか見ていないエリー、そしてエリーの視点からしか物語を見ていない視聴者がミスリードされても仕方がないのかもしれません。

関連記事:エリーがサンディの殺人場面を見た理由はジャコスタ!?原因の考察


しかし真相は、多くの犠牲者の遺体が隠された部屋で生活していたことになります。

エリーほどの霊感はなかったとしても多少の霊感を持った人物であれば、何か超常現象に悩まされたことは、簡単に想像ついてしまいます。

そういった人々が夜逃げ同然で逃げ出したのは、当然の結末で、エリー自身も結局夜逃げ同然で部屋を出ることになってしまいました。

エリーの視点で映画を見ている視聴者も、ミスコリンズの言葉を都合よく解釈してしまう演出がなされていたと思います。

隣のレストランのニンニク臭について

ミスコリンズは部屋を借りるにあたって隣のレストランから終始漂ってくるニンニク臭についてエリーに断わっています。

部屋を借りる場合、このニンニク臭はセットでついてくるので、それを納得の上、借りるように、と。

エリーはニンニク臭は苦にならなかったようで、大きな問題ととらえずに部屋を借りる決断をしていますが、実はこのニンニク臭にも大きな秘密があったのでした。


サンディことミスコリンズは殺した犠牲者の遺体の隠し場所に、エリーが借りた部屋を選んでいました。

壁や床下にかくしていましたが、当然その遺体は腐敗し、異臭を放つようになります。

が、その異臭を隠す役割をしたと思われるのがこのニンニク臭。

これによってミスコリンズの犯罪が今まで隠蔽される手助けをしていたのでした。

ジョンを追い出した時のセリフ

エリーがミスコリンズに言われていたルールを破って夜遅くにジョンを部屋に連れ込みました。

が、そこでサンディがジャックに殺される光景を見てしまいます。

恐怖におののくエリーでしたが、何が起こっているのかわからないジョンも困惑を隠せません。

ついには騒ぎを聞きつけたミスコリンズが部屋にやってくると、ジョンを見つけて、彼を追い出します。


その時のミスコリンズのセリフですが、「自分であったら始末できたのに」と吐き捨てます。

一見、口の悪い初老の女性が、若い女性に乱暴しようとした不貞な男性へのののしり、とも聞こえます。

が、実際にはミスコリンズは、これまで数多くの男性を、本当に始末してきていた秘密の過去があるため、ただの罵りにしては自信に満ちていると感じられるのではないでしょうか?

あの時点ではエリーには冗談に聞こえたかもしれませんが、ミスコリンズは冗談ではなく、経験から実行可能な話としてつぶやいていたのかもしれません。

ミスコリンズの本名

ミスコリンズの本名はアレクサンドリア・コリンズ。

このアレクサンドリアという名前の愛称は、というと

・アレク
・アリ
・サンドラ
・サンディ

となるのが一般的です。

また、サンディが男性客を取らされるようになって、男性に名前を聞かれた際に、いろいろな偽名を使っていますが、その中で一度、本名のアレクサンドリアを使っています。


もちろん本名でサンディという女性も存在しますので、一概に

アレクサンドリア=サンディ

であるとは言えないですが、一方でもしかしてつながりがあるかも、という伏線になり得る名前の設定といえるでしょう。

バレリーナの置物

エリーがサンディの夢を見た際、今はエリーが住んでいる部屋はかつてのサンディの部屋でした。

そしてそのサンディの部屋の中に、バレリーナの置物が置かれているのが数度、画面に映し出されます。


そしてそれと同じ置物が、ミスコリンズの居間に飾られていたのでした。

このシーンはミスコリンズがエリーに彼女の秘密を話し始める際に差し込まれていますので、これによって秘密に気が付く、というよりは、疑惑が確信に近づきつつあるという緊迫感をえんしゅつするのにつかわれていますが。

ミスコリンズを演じたダイアナ・リグ

ミスコリンズを演じたのはダイアナ・リグという英国女優。

彼女は1960年代に活躍し、一躍スターになった女優でした。


イギリスのテレビシリーズThe Avengers(日本での放送時のタイトルは『おしゃれ?探偵』)(1965年-1968年)でのエマ・ピール役で出演し一躍大人気に。

その後、007シリーズ「女王陛下の007」(1969年)のボンドガール役トレイシー(テレサ)・ディ・ヴィンチェンゾ役を演じました。


その後もロンドンやニューヨークで演劇、ドラマに活躍し、1994年、演劇・ドラマでの長年の活躍が認められデイムの称号を授与されます。

また同年、舞台『メデイア』(”Medea”)でトニー賞の最優秀女優賞を受賞しました。

その後、本作「ラストナイト・イン・ソーホー」の撮影後、2020年9月10日、82歳でロンドンの自宅で、癌のため亡くなってしまいました


が、ダイアナ・リグが演じたのもミスコリンズが実はサンディであったというヒントであったと考えます。

彼女の経歴を見れば、60年代のスターであったわけで、サンディが目指した地位を獲得した女優と言えなくもありません。

おそらく映画スタッフは偶然に彼女をミスコリンズ役にしたのではない、と考えられます。

考察のまとめ

映画「ラストナイト・イン・ソーホー」で実はミスコリンズが黒幕であるという秘密が察せられる伏線の紹介をしていきました。

ただ単に聞き流していけば、深い意味などなさそうな言動ばかりですが、映画の最大の秘密である、「ミスコリンズ=サンディ」が判明した後は、それぞれが、実は意味深で、笑えない現実に裏打ちされた言動であったことが分かるのでした。


ここまで計算して脚本されている映画「ラストナイト・イン・ソーホー」

見終わった後でも、もう一度じっくりと鑑賞してみると、さらに深い味わいを感じられる作品だと思います。












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