アニメ逃げ上手の若君守屋山の聖なる沢に現れた神獣一覧まとめ

アニメ逃げ若

アニメ「逃げ上手の若君」で北条時行は諏訪頼重の頼みで守屋山に出向くことになります。

山にある聖なる沢の水を汲んできてほしいという願いでした。

そこには雫がおり、諏訪の神域に住まう神獣達に神楽舞を披露していました。

はじめは彼らの姿を見ることのできなかった時行でしたが、雫からの手助けでその姿を見ることができるようになっています。

彼らの前には9体の神獣たちがいました。

最近、転入してきた牡丹の姿も有りましたが、それ以外の神獣について、名前などの紹介も、どのような神獣であるかの解説もありませんでした。

そこで、時行の眼の前に現れた神獣について、解説をしていきたいと思います。







アニメ「逃げ上手の若君」で守屋山の聖なる沢に現れた神獣一覧まとめ

アニメ「逃げ上手の若君」で時行の眼の前に現れた神獣は全部で9体。

そのうち、牡丹は彼らが退治したイノシシもどきの生き物でした。

それ以外の8体について、その外見から考察される神獣としての解説をしていきたいと思います。

麒麟

牡丹の向かいにいた4つ足で、竜のような頭を持った神獣は麒麟であると考えられます。

麒麟は中国神話に登場する伝説上の生き物で、獣類の長とされています。

外見は鹿に似ていて大きく、背丈は5mあるとされています。

顔は龍に似て、牛の尾と馬の蹄を持ちます。

背毛は五色に彩られ、毛は黄色く、身体には鱗があるとされています。

古くは一本角、もしくは角の無い姿でしたが、時代が進むに連れ、二本角や三本角で描かれるようにもなりました。

普段の性質は非常に穏やかで優しく、足元の虫や植物を踏むことさえ恐れるほど殺生を嫌うとされています。

神鹿(シンロク)

麒麟の左隣に立っている鹿の神獣。

鹿の神獣として有名なのは「もののけ姫」の「シシ神」でしょう。

太古の日本において、鹿がただの動物ではなく、妖怪として考えられていた時代が有りました。

その時代は、それほど古いものではなく、1348年頃に成立したとされる播磨国の地誌「峯相記(みねあいき)」に鹿の妖怪の話が登場するのです。

その鹿は、「伊佐々王(いささおう)」と呼ばれる怪物で、約6メートルの体を持って、数千の鹿を従えていた、と記されていました。

人を襲って食うなどし、住民を苦しめていたものの、勅命によって討伐された、とされています。


「鹿の妖怪」が生まれた背景として、鹿が「自然」の荒ぶる力を象徴するものとして認識されていたことを示すものだとされています。

稲作において鹿の獣害は、そのまま「自然」の脅威そのものでした。

また、季節ごとに姿を変える鹿を、自然の象徴として捉えていた事も考えられます。

さらに、稲作を行う田んぼを管理できる自然であり、鹿が跋扈する自然を、未知なる世界として、人間が関われる境界線であると区別してきたことが、鹿を自然の象徴として神獣と言う存在にしたと言えます。

鳳凰もしくは鸞(ラン)

神鹿の左下に位置し、空を飛んでいるのは鳳凰、もしくは鸞でしょう。

鳳凰は中国神話に登場する伝説上の鳥で、鳥類の長と考えられています。

中国と日本ではその姿は異なっており、中国の鳳凰は、

    頭が金鶏、嘴は鸚鵡、頸は龍、胴体の前部が鴛鴦、後部が麒麟、足は鶴、翼は燕、尾は孔雀

とされています。

一方、日本の鳳凰は、

    頭と嘴が鶏、頸は蛇、胴体の前部が麟、後部が鹿、背は亀、頷は燕、尾は魚

となっています。

中国の鳳凰の大きさが12-25尺(4mから8m強)ほどなのに対し、日本の鳳凰は4-5尺(1.2mから1.5m)という小ささになっています。


一方で鸞は鳳凰の一種で青いものをさすとされ、鳳凰は鸞鳥を生み鸞鳥が諸鳥を生んだとされているようです。

ただ、いろんな諸説が有り、鳳凰は赤いのに鸞は青いから別のもの、という意見もあれば、鳳凰が歳を経ると鸞になる、というものもあります。

幻魚・鯉

鳳凰の下に位置する、水面に身体を出している魚の神獣。

調べてみたものの、魚の妖怪というべき存在は中国にも日本の各地方にも伝承されています。

ただし、聖獣や神獣ということで取り立てて名前がつけられて存在しているものはなく、あえて中国でも日本でもそこそこの知名度で特殊な力を持つとされる魚として鯉が挙げられるのでした。

「登竜門」の語源となった鯉の滝登り。

これは中国の言い伝えで、これが日本にも伝わり、5月の鯉のぼりの風習となりました。

また、調べてみると日本において鯉の妖怪、鯉の化け物とした昔話が伝わっっている地域が有ります。

鯉は育つと1メートルを超える、かなり大きな体になることも有り、このことから神秘的な能力を宿す、と考えられてのかもしれません。

霊亀(レイキ)

幻魚の下に位置し、岩の上にいる亀をモチーフにした神獣です。

古代中国神話に登場する、麒麟や鳳凰と並ぶ、四霊とされ、背中の甲羅の上に「蓬莱山(ほうらいざん)」と呼ばれる山を背負った巨大な亀の姿をしているとされています。

ちなみにこの蓬莱山には、不老不死となった仙人が住むと言われているのでした。

アニメ「逃げ上手の若君」に登場する霊亀は、甲羅の上に山を持つといった大きさの亀では有りません。

しかし亀は、東洋の神話等においては、千年以上生きると強大な霊力を発揮し、未来の吉凶を予知出来たのではないかと言われている存在です。

巨大化していなくとも、年老いた亀に神秘な力が宿ると考えても不思議はないでしょう。

翼を持つヘビ・化蛇(カダ)

霊亀の下に位置し、時行の左隣にいる翼の生えたヘビ。

中国に伝わる妖怪で「化蛇」と呼ばれ、人面で山犬のような胴体と鳥の翼を持ち、蛇のように進み、叫ぶような声で啼くといわれています。

また、化蛇が見つかった土地には洪水がもたらされる、とも言われています。


一方で、蛇は亀とともに、水神の象徴であるともされ、治水を助ける存在として考えられているという側面も持つのでした。

九尾の狐

雫の右にいる九尾の狐。

絶世の美女に化け、工程や天皇をたぶらかして災いを招く妖怪として知られていますが、実は中国では、霊獣としても知られています。

中国の各王朝の史書では、九尾の狐はその姿が確認されることが泰平の世や明君のいる代を示す瑞獣とされるのでした。

中でも「周書」や「太平広記」など一部の伝承では、天界より遣わされた神獣であるとされているのです。

また、九尾の狐の外見を記した書物には、

    外形は狐のようで、尾は九本。
    鳴き声は嬰児のようで、よく人を食う。
    この獣を食べた者は蠱毒(あるいは邪気)を退ける。

という、人を食べる妖怪で有りながら、魔を払う力を持つという側面も有している霊獣として扱われていました。

一角うさぎ

九尾の狐の下に位置する一角うさぎ。

実は一角うさぎは中国の伝承にある神獣ではなく、アルミラージという名前で登場する、アラブ世界の伝説上の生き物でした。

インド洋に浮かぶとされる竜の島に生息する角を持ったうさぎで、ありとあらゆる野獣は、このうさぎを見ると逃げ出す、と伝わっています。

ただし、この話の中心は、竜退治であり、それが成功したことで、その成功報酬の一部として角を持ったうさぎが与えられた、というものだけでした。

このうさぎが竜を追い払ったり、退治したりしたわけではなく、なぜ報酬としてこのうさぎが渡されたのかの特別な記述も有りません。

角が生えているというだけの、見た目が珍しいといううさぎなのでした。

まとめ

アニメ「逃げ上手の若君」で時行が守屋山で見た神獣の詳しい解説をしてきました。

基本的には中国の神話に登場する伝説上の生き物ですが、中には中国神話とは関係のない一角うさぎなども存在しました。

神鹿といった日本の歴史に関係する神獣も存在してますし、牡丹もどちらかといえば、日本の昔話に登場する妖怪といったほうがぴったりでしょう。

龍の姿が見られませんでしたが、日本の神性な土地にすまう神獣たちですので、龍の姿があっても不思議ではないと思います。









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