映画セルのネタバレと感想&不思議なラストの結末を考察

      2017/08/20

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ホラー小説作家として有名なステーブキング氏の作品「セル」を、キング自身が脚本を制作して
できた映画「セル」

携帯電話から発せられた怪電波によって正気を失った人達に襲われる恐怖を描いていますが、
視聴しおわって一番初めに感じた事は、原作を読んでみたいと思ったことでした。





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予告編はこちら

新手のゾンビ映画?

主人公のクレイがボストン空港で家族に携帯電話で話をしているところから映画は始まります。
妻と話をした後、息子と話を始めてすぐ、電池切れのために携帯が切れてしまいます。

充電できる場所を探すクレイですが、その時、異変が起こり始めました。
携帯で話をしていた人達が頭を抑えて苦しみだし、そして他の人達を襲い始めるのです。

わけの分からないクレイでしたが、携帯を使って助けを呼ぼうとした女性が狂ってしまうのを
目の当たりにして、携帯が原因であることだけには気が付きます。
クレイの存在に気がついた狂人達の追跡からなんとか逃れて、地下鉄まで避難します。

そこに何人かの正常な人達がいましたが、電車は電源が切れており、動きません。地下の線路
伝いに逃げ出そうと提案する地下鉄社員トムと行動をともにするクレイ。DJと名乗る若者以外は
その場に残ることを選択したため、3人で線路伝いに町に向かいます。

ですが、そこでも狂人達の襲撃に会い、DJは死亡してしまいます。
なんとか襲撃から逃れ、町に辿りついた二人はクレイのアパートへ非難。そこで少しの休憩を
していると、同じアパートに住むアリスという娘が助けを求めて合流。
彼女は狂人と化した自分の母親を手に掛けたのでした。

窓から伺う外の様子は大量の狂人が犠牲者を求めて町を徘徊する光景。
そんな状態の中、クレイは家族のことが心配でニューハンプシャー州へ戻る決心をします。
これといって行く宛もないトムとアリスもクレイに同行するのでした。

わかり始める狂人たちの特徴

なんとか町を抜け出し、郊外を歩いていると、とある住宅にかかっていたカンバンととそこに
停車している車から銃マニアの住居であるとわかり、中に侵入して大量の銃と弾薬を入手します。

その家の裏庭にいた青年に、正気な人間か狂人かを判断するために声をかけたところ、狂人で
あったので射殺しますが、そこかしこから狂人がそれこそ湧いて出てきて3人を追いかけるのでした。

川べりまで逃げ、そこにあった手漕ぎボートの中に隠れてやり過ごそうとしていると、日が沈んで
いくにしたがって、狂人の凶暴性が薄れていき、やがて口から奇妙な信号音を発しながらどこへとも
なく去っていくのでした。

一息ついた三人でしたが、どうやら狂人達はここの視覚を共有することができる能力を身につけて
いるようだと、結論付けます。最初に三人を見た青年を倒したときに、まわりに狂人は数名しかいませんでした。
他は三人がどこにいるか分からないにもかかわらず、的確に追いかけてきたからです。

夜通し歩き続けていると、どこからともなく音楽が聞こえてきます。それは学校からで、そこには
唯一の生き残りである二人、生徒のジョーダンと校長チャールズがいるだけでした。

一時の休息を得て、食事をしながら何が起こったのかを話し合う5人。チャールズとジョーダンは
人間の脳にある、人間としてのプログラムが消され、新しい生き物としてのプログラムが携帯から
ダウンロードされたのではないか、という仮説を立てます。

夜になると音楽を発しながら活動を止める狂人たちは、再起動をするために活動を止めている
のではないかとしながらも、もし、夜にまで活動を行うようになったらどうするというチャールズの
心配から学校のグランドに集う何千という狂人に液化燃料をかけて焼き討ちにすることにします。

散布機付きのタンクローリーで狂人の上に液化燃料を散布、火をつけて焼き討ちにしますが、
火をつけられて目を覚ました狂人達が起き上がってきたので銃撃をして始めると、アクシデントで
タンクローリーが引火し爆発を起こします。この爆発でチャールズは死亡し、残された4人は
急いでその場を離れるのでした。





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黒幕の登場と進化する狂人

夜に移動を続け、昼は屋内で休む4人。そんなある日クレイは悪夢の中で、赤いフード付きの
パーカーを着た細身の男を見ます。夢から醒めると他の4人も同じように悪夢に悩まされていて
なんと同じ赤いフード付きのパーカーを着た細身の男に夢で見たことがわかります。

更に移動を続け、森の中にあるバーに辿り着く4人。そこにはオーナーを含む3名が潜んでいました。
そこでクレイはカシュワックという場所を知ります。インディアンの居住地で電話の受信アンテナが
無いことから狂人もいないと言われており、この3人もそこを目指すため明日出発することに
していました。

ところがまだ明るくなっていない早朝、3人のうちの一人が狂人になってしまい、屋内に狂人を招き
入れ、残りに襲いかかります。必死に抵抗を試みますが、不意をつかれたこともあり、大勢を
立て直せません。

そんな状況で、狂人の行動に変化がある事に気が付きます。今まではただ襲って相手が動かなく
なるまで攻撃を止めませんでしたが、今回、数人の狂人が犠牲者を押さえつけ、一人がその
犠牲者の耳元で口から奇妙な音声信号を発するのです。その音声信号は携帯から発せられる、
人を狂人に変えてしまう信号でした。

最初の一人はこの音声信号に気がついて屋内から聞き耳を立てていたため、強靭になってしまい、
バーに居たほかの2人も襲撃で狂人と化してしまいました。必死の抵抗で侵入してきた狂人と
ともになんとか全員を撃退しますが、その戦闘でアリスも帰らぬ人となってしまいます。

こうして狂人たちは夜間の活動も可能にしたこと、また携帯電話を利用しなくても狂人を生む
能力を身に着けていたことがわかったのでした。

3人になったクレイ、トム、ジョーダンは更に移動を続け、レイとダニエルに出会います。
二人からカシュワックは携帯電波の届かない聖地であることはデマで、1年前にカジノができた
とき、受信アンテナも設置されたことを知らされます。

それを知らない人達がカシュワックに出向き、甘美な覚めることのない夢を見続ける存在に
変わり果てる狂人になってしまうのでした。

レイもダニエルも赤いフード付きのパーカーを着た男を夢で見ており、その男が今回の事件の
黒幕だと考えています。そしてカシュワックにいるはずのその男とともに、受信アンテナもろとも
吹き飛ばすという計画を持って移動しているのでした。

二人はダニエルの弟も連れていましたが、彼はすでに狂人と化していました。
手足を縛り、頭から布袋をかぶせて他の狂人たちと視覚を共有できないようにして以来、彼は
全く動くことも、食べることもしなくなってしまったそうです。

そんな彼にクレイが近づくと急に変化が現れます。最後に電話で交わした息子との会話が
エンドレスに繰り返し、発せられるのでした。その声は、まさに息子の声で、動揺するクレイ。
トムの制止を聞かず布袋を取ってしまったため、狂人に認識されてしまい、トムは狂人を射殺せざる
得ませんでした。

すぐにその場所から移動を開始しますが、レイの様子がおかしく、突然車を降りて森の中に入って
いってしていまいます。
レイは夢の中で赤いフード付きのパーカーの男に操られることを恐れ、1週間近く眠っていなかった
のですが、起きていてもその男が見えはじめ、絶望し始めたのでした。

クレイは寝不足から来る妄想ではないかとレイを慰めますが、寝不足でかなり言動も逝って
しまっているレイは聞く耳を持たず、レイに爆薬の起爆装置を託して自殺するのでした。

自宅に戻ったクレイを待っていたもの・結末へ

自宅に戻ったクレイは息子からの書き置きを見つけます。
息子は無事であったものの、妻は狂人と化してしまっており、息子はカシュワックを目指すと
ありました。
すでにカシュワックのことを知っているクレイは絶望しますが、そんな時、屋根裏から物音が
聞こえてきます。恐る恐る様子を見に行くと暗がりから襲ってくる赤いフード付きのパーカーの
男。なんとか身を守ろうとしますが、かなりやばい状況になっていきます。
そこに駆けつけたトムの助けを受け、なんとか撃退しますが、落ち着いてから見直すとそれは
男ではなく、赤いシャツを着た妻の変わり果てた姿でした。

クレイは仲間と別れを決断し、一人でカシュワックに向かいます。
僅かに残っている息子との再会の可能性と赤いフード付きのパーカーの男との決着をつける為に。

カシュワックでは大きな受信アンテナの周りを時計回りにぐるぐると回る何万という狂人の群れ、
それを割って進んだ後、和の中でアンテナの前にたたずむ赤いフード付きのパーカーの男と
対峙します。

微笑みながらたたずむその男を車で跳ね飛ばし、地面に横たわる彼に近づいてショットガンで
とどめを刺します。あっさり事切れた男をそのままにして、何事もなかったようにいまだ歩みを
止めることない狂人の群れの中に息子は居ないかを探し回りますが、男を倒しても、期待して
いたように狂人は正気を取り戻しません。

諦めたクレイの前に都合よく息子が無表情に立っていました。思わず抱きつくクレイですが、
狂人たちは歩みを止め、一斉にハウリングをし始めます。それは息子も例外ではありませんでした。
また、その中には倒したはずの赤いフード付きのパーカーの男も混じっていました。

結末1

クレイは息子を放すこと無く、爆薬の起爆装置を押し、全てを破壊するのでした。

結末2

明るい秋の森の中、線路伝いに歩くクレイとその息子。彼らはカナダを目指し、TJDと黄色い
ペンキで記された目印を辿ってトム、ジョーダン、ダニエルの後を追うのでした。

結末3

エンディングテーマのYou’ll never walk aloneが流れ出し、映像は受信アンテナの周りを
時計回りにぐるぐる廻る狂人の群れを映し出します。歌は狂人たちが歌っているようにも見え、
その中には他の狂人と同じような呆けた表情のクレイが輪に加わって歩いているのでした。

映画の感想

映画を見終わっての感想は、思ったよりスッキリしない、でした。
携帯を利用した新手のゾンビ映画ではありますが、人々がゾンビ化する理由に説得力が無いと
いうか、あまりに荒唐無稽で感情移入がしにくいです。

ストーリーの展開として理由不明の大惨事に何らかの打開策なり、生存する方法なりを見つけ
だし、混乱を収集してまた新たに始める、というようなエンディングであれば、まだしも、
混乱が混乱のまま、という終わり方はエンターテインメントである映画にはちょっと合わない
のではという気がしました。

また、黒幕の存在もわけが分からず、どこのだれで、なぜそのような能力を持っているのかの
説明もなく、しかもその黒幕が主人公のクレイ個人を狙い出すストーリー展開に、クレイ一人を
ターゲットにするために、この世界規模の災害が起こったの?というアンバランスを感じますし、
話を広げすぎて最後にまとめることができなかったという印象です。

ステーブキング氏が脚本を担当した割に、この内容ということでちょっと首を傾げたくなり
ますが、編集などでキング氏が思い描いていた映像にならなかった可能性もあるのかな、
と思いました。

IMDbサイトでの評価は4.3/10、ネットフリックス上では5段階の1とちょっとというのが、
残念ながらうなずけてしまいます。

原作の小説はこうではないのではないか、という疑問も出ましたので、機会があれば読んで
みたいと思いました。
ちなみに翻訳版が出るにあたって本の題名を「携帯ゾンビ」にするという案があったそうです。
結局「セル」という原作と同じ題名になりましたが、もう少ししっくりくる日本語の良い題名が
なかったのかな、と思ってしまいます。とはいっても、自分でもいいものは思い浮かびませんが。





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