ネタバレ感想 1 「ライフ」という題名に何か深い意味はあるのか?
題名に騙された感がなきにしまあらずかな、と思いますが、最近はネットででも映画の
予告を簡単に確認することができるので、映画館の席につくまで、内容を全く知らない
ということはまずありません。
パニック映画であることは知っていましたが、全編を見ていてな、「ライフ」という題名に
意味があるのかとずっと考えていました。
カルバンが乗組員たちを襲い始める前に、真田広之氏演じるショウが地球とテレビ電話で
妻の出産に立ち会うシーンがありました。無事に女の子が生まれるのですが、これって
何かのメタファーなのかなと。
カルバンという未知の生物を生み出した事は、人間の子供が生まれる自然な行為とは違う、
ということをいいたかったのかもしれません。
でも、カルバン自身、ゼロから作られた生物なわけではなく、生物活動を行える環境に
置かれたから活動を開始した、というだけです。モンスターをゼロから作ったわけでは
ありません。
だから今ひとつピンとこないというか、題名を「ライフ」とした意味がつかめないままです。
DVDが発売されたらおそらくボーナスとして入っているであろう、制作陣のインタビュー
で何らかの見解が述べられていることを期待したいと思います。
ネタバレ感想 2 未知の生物ってこんなに強いの?
映画で、宇宙にいる未知の生物を題材にしていますので、どんな行動をしても、どんな
能力を持っていても「宇宙生物」だから、という一言が理由になってしまいます。
が、手のひらよりも小さいサイズで骨を折る程の強さ、真空空間でも生き続ける生命能力
などなど、本当に存在しうるのか、といろいろ考えてしまっています。
それが監督の思うツボなのかもしれませんが。
最初の設定として火星の土の中にいた、ということになっています。
実際火星でカビのような生物が発見されたというニュースが過去にありましたし、地球と
おなじ比率や濃度ではないにしても空気も存在しています。
このカルバンという生物、酸素に触れることで活発化したのではないか、と劇中でヒューが
仮説を唱えていますが、では一体、酸素に触れる事のできる環境下にいた次期とその場所は
いつでどこなんでしょうか?
いきなりこんな高等生物が生まれるとは思えず、やはりアメーバのような単純な生物から
進化してなったと考えるのが普通だと思います。
その場合、その進化をするだけの時間が必要で、火星に生命があふれる生物が活躍した
時期があったとは思えません。だいたい酸素は地球ですらもともとなかった空気です。
カルバンがマウスを捕食するシーンはグロテスクでよく映像にしたと思いましたが、
ああやって捕食するということは捕食される餌がないとできません。つまり捕食するだけ
の消化器官の進化もありえないと思うのです。
で、カルバンの仲間たちはどこでああやって餌を捕食していたのでしょう?
しかも火星で見つかっているのですから、火星の生き物でないとしてもそれほど遠くの
星の生き物というわけではないでしょう。
餌がないときはどうやっていき続けてきたのでしょうか?冬眠状態になる?
あとあの知能。宇宙ステーションの仕組みを知り尽くしているように思えます。
その割にはやることといったら捕食だけ。ちょっと矛盾を感じるのは僕だけでしょうか?
だって6人の人間を食べ尽くしたら次の食料はいつありつけるのかわからないのですよ。
すぐに次の食料がやってくるかどうかもわからないのに。
深読みして地球に戻るメンバーと一緒に地球に行くことを最初から考えていたのかも
しれませんが、それだってデヴィットとミランダが脱出ポッドを利用することを考えついた
からであって、その前に凍死して大気圏突入で宇宙ステーションごと燃え尽きる可能性も
あったわけです。
地球にいきたいならステーション内では無害な生物を演じておいて、凶暴化は地球に行って
からすればいいのに。
映画の主題は「密室パニック」だからその演出をしてくれさえすれば、設定はどうだって
いいのですけどね。
ネタバレ感想 3 俳優の演技はお見事というほか無し!ラスト結末はどう思う?
宇宙空間での話ですので、無重力状態の雰囲気を常に出しておかなくてはなりません。
その意味では撮影にお金はかかったでしょうし、それにも増して映画に登場する俳優の
演技はとてもお見事で、無重力の宇宙空間にいる雰囲気を十分に出してくれていました。
この手の映画は登場人物がまた一人、また一人といなくなっていく心細さと恐怖がとても
大事です。その反面、慣れた視聴者は誰が最初の犠牲者で最後まで生き残るのは誰か、
と想像しながら見るのも楽しみの一つになっています。
その意味で、最初の犠牲者として選ばれたのが、ロイ演じるライアン・レイノルズであった
ことは結構驚きでした。
そんな有名所を最初に殺してしまうの!という衝撃です。
てっきり僕は生物学者のヒューが最初の犠牲者ではないかと思ってました。
あと、唯一のアジア人として真田広之も最初の方でさよならだろうな、と思っていましたが、
思いの外、最後の方まで頑張ってくれましたし、画面に映る機会も多く、何より生まれて
すぐの赤ん坊に絶対会うんだという、クルーの中では一番生還する気満々だったのが
嬉しかったです。
そこへいくと、主人公であるはずのデヴィットことジェイク・ジレンホールの存在感は
あまりなかったというか、存在感を示さない演技だったなぁと思います。
加えてヒロインであるミランダことレベッカ・ファーガソンが唯一助かるのか、と思いきや
宇宙の果てで朽ち果てる運命になってしまうし、何よりいい雰囲気のシーンを数回出して
いた2人ですが、キスシーンすらないというのは、僕にとってはいい意味で期待を裏切って
くれたように感じました。
ラスト結末は脱出ポッド降下中の内部を映さなかったし、着水した後すぐにも、やっぱり
内部の様子を映し出さなかった時点でもしかして、と思いましたが、やっぱりその通り
でした。
これで続編、作るのかな?それにしては今回出演した俳優は一人を除いて全員死んでいる
から全く新たな俳優を呼んでこないといけないから、続編になりにくいかな、などと
考えてしましました。
ギャグみたいなオチですが、実はカルバン、塩水が全くダメで死んでしまうというので
あったらわらえるかな、なんて想像したりして。
賛否両論はあるでしょうが、ボク個人の思いだと、ああいう終わり方にした場合、その後、
どうやって話を収めるのかを自分の中で納得できないとスッキリしないです。
奥歯に物が挟まっている感じで。
まとめ
昔からありふれた設定のパニック映画、といえばそれまでですが、それでも面白い映画で
した。やはり有名な俳優をふんだんに起用しているだけあって、彼らの素晴らしい演技で
面白い映画に仕上がっているのではないかと思います。
だって最近の映画はCGのお陰でとてもリアリティのある仕上がりになっているものばかり
ですが、実際の撮影ではないものをあるとして演じなくてはならないですからね。
しかもコマの中に役者一人しか映ってなければ、その人の技量だけの表現になりますが、
複数映っていたらより大変ですよ。どこに皆の視点を当てて演技するかとかまで計算
しないといけないわけですから。
エンディングはスッキリはしないかもしれませんが、楽しめる映画であることは間違い
ないオススメであると思います。
コメント
初めまして。僕も昨日観ました。
奥歯に物が挟まっている感じ、とても共感できます。
僕個人の「Life」というタイトルについての見解ですが、種の生き残りを指していると捉えました。地球に存在しているどの種も様々な困難をくぐり抜けて、時に説明のつかない幸運もあって今現在存在し続けています。カルバンもひょんな事から生まれ、そこから敵(人間)の攻撃をくぐり抜け、ときに撃退し、道連れにされそうになりながら這い蹲り、最後は幸運も助かって地球にたどり着き生き延びました。
「カルバンは僕らのこと嫌いじゃないだろうけど、彼も生き延びるために僕らを殺すしかないんだ」というのが印象に残っています。なので、エンディングは地球に飛来した新たな種の起源として、カルバンの新たなサバイバルの始まりと捉えています…絶望感しか残りませんね笑
タイトルも含めて、この映画は「人類vsエイリアン」ではなく、全てがカルバン目線での物語ではないdrしょうか。
けいすけさん
コメント、ありがとうございます。
僕はそこまで深く考えが及びませんでした。映画を見ながらあんな生物が実在するのかな、するとすればどういう構造なのかな、そんな事ばかり考えてました。
確かにLifeが存在するには弱肉強食の世界を生きながらえないといけませんので、タイトルに「生存競争」という意味があり、カルバンがそれに打ち勝ってきた映画とも捉えらますね。
ただ僕はどうしても宇宙空間と地球上というとても条件が異なる環境で生きていける生物がいるのか、という点が頭から離れず、それ以外の観点から映画を見ることができていませんでしたので、けいすけさんのコメント、目からウロコです。
瓶に入れられたナメクジは
真空に近い無重量状態では
前に進めるだろうかしら?
実験してみたい。