ディズニー映画ストレンジワールド・LGBTの描かれ方の考察!ゲイは普通という世界

アドベンチャー

ディズニー映画「ストレンジ・ワールド」

ディズニーが誕生して100周年を迎える記念すべき年に公開された記念すべき作品です。

が、実際にはあまり話題になっていないし、制作費に対して興行成績は爆死レベルともっぱらの評判でした。

そしてその理由として主人公の一人がオープンゲイで、彼の恋愛対象が男性であるということが言われています。


しかし実際に映画を視聴してみると、ゲイのキャラクターがそのことを隠すことなく、周りも自然として受け止めていることが問題ではなさそうだと感じました。

今回は映画「ストレンジ・ワールド」でのLGBTの描かれ方について、深堀考察をしてみたいと思います。







ディズニー映画「ストレンジワールド」のLGBT

ディズニー映画だけでなく、最近の映画内ではLGBTキャラクターが普通に登場するようになりました。

一昔前までなら、LGBTであるキャラクターがその性格から大なり小なりの影響を、メインストーリーに与えるという扱われ方が一般的でした。

ところが今回の映画「ストレンジ・ワールド」ではLGBTの描かれ方が今までの映画とは全く違うように表現されていたのでした。

主人公の一人イーサンはゲイ

映画「ストレンジ・ワールド」で主人公の一人であるイーサン。

彼の恋愛対象として気になっている相手が男子であることが、さらっと登場します。


年頃の十代の男子にありがちな、気になる相手の前だと妙に緊張してしまい、うまく会話ができない、という典型的な描写がなされていました。

しかしそのお相手のディアゾですが、名前から男性か女性かはわからず、画面に初登場した時にも中世的な描かれ方をしていたように感じれたのです。

しかし会話が進むにつれ、ディアゾが男子であることがだんだんとわかってきましたが、画面に映る他の登場人物は、自然にふるまっていてディアゾが男子であることにとかく気にする様子はありません。

さらに言えば、イーサンが男子に好意を持っていることについて、取り立ててどうという反応を、両親のサーチャーもメリディアンも、しませんでした。

ストレンジワールドの世界ではゲイは普通

今までであれば、息子がゲイであることに悲観した両親がその後、ありのままの息子を受け入れる、という流れの話が定番のように描かれてきていました。

なぜゲイなのか?なぜ男子が好きなのか?

そういった質問に対する答えを表明するための、一定の時間が映画内に設けられていたのです。


しかし「ストレンジ・ワールド」ではイーサンとディアゾがゲイであることに誰も疑問を抱きません。

イーサンの両親もイーサンやディアゾに対して、まるで普通に接します。

さらに驚くことに25年間行方不明でイーサンが初めて会う祖父イェーガーも、何の疑問も持たずにイーサンの話を受け入れているのでした。


実は英語版ではイェーガーがイーサンに「誰か好きな人がいるのか?」と聞いた際、

    Who is she?

とは聞かずに、

    Who is it?

と聞いていたのです。


LGBT問題に理解がある人々の中では恋愛対象が異性であるという決めつけはされません。

ですので、男性や女性にに対して「好きな人はいますか?」と聞く場合、性別を特定してしまう「He」や「She」を用いずに「It」を使うのでした。


こういった質問の方法を、年齢のいったイェーガーが普通に、さらっと使っている。

このような演出をすることで、「ストレンジ・ワールド」の世界でははるか昔からLGBTに対する理解が浸透している、ということが分かるのでした。

LGBTであることが特別ストーリーに関係しない

こういった設定の背景があるからこそ、イーサンがゲイであることが、特別ストーリーに関係せず、キャラクター間で話題にも上らない、という扱いになっています。

それは、「ストレンジ・ワールド」の主要キャラクターのうち、イェーガーとサーチャーは白人で、サーチャーの妻であるメリディアンが黒人。

イェーガーのかつての冒険チームの一員で、今はアバロニアの大統領となっているカリスト・マルがアジア系のルーツを持つ人種。

このようなごちゃまぜに人種が一緒に冒険をしていることに、全く説明がないことと同じととらえられているのと同じわけです。


映画に関してネットでの評判を検索してみると、ゲイであることをオープンにしている主要キャラクターがいるから、興行成績が良くない、といった主張をしている意見を目にします。

しかし、ゲイであることという設定は、その人物が男性なのか、女性なのか、背が高いのか低いのか、白人なのか黒人なのかアジア系なのか、そういった設定と同様なものでしかない、という扱いしかされておらず、ゲイであるという設定が評価に関係した、という印象は全く感じませんでした。


それよりは、他に言われている、話題作りのための宣伝を全くしていなかったことのほうが、興行成績が低調に終わった理由の最たるものだと、個人的には思います。

まとめ

映画「ストレンジ・ワールド」

ウォルト・ディズニー・カンパニー創立100周年記念作品という特別な映画にふさわしい試みがなされていました。

それはゲイであることをオープンにしている主要キャラクターがいること。

そして彼がゲイであることを、ほかのどのキャラクターも特別なものとして反応していないこと。

この2点です。


このような、ゲイであることが話題にもならず、その人物が理由を述べることもない、という演出です。

例を出して説明すれば、ゲイであることは、その人物が背が高い、という特徴を持っているくらいの扱いになっている、ということでした。









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