ディズニークラシックの名作「ライオンキング」
実写版も出ており、その内容は今見ても色褪せしません。
そんな「ライオンキング」のヴィランは主人公シンバの実の叔父スカー。
アニメ版では黒い鬣に緑の瞳、人一倍ほっそりとした体つきをしています。
超実写版では、シンバやムファサに比べて薄い、白っぽいような薄い毛並みのライオンとして描かれていました。
そんなスカーですが、左目にはトレードマークともいうべき傷跡があることが分かります。
しかし本編ではスカーがどのようにこの傷を負ったかといった話は紹介されていませんでした。
今回はスカーがどのようにして左目に傷を追うことになったのか、その理由を紹介していきたいと思います。
ライオンキング・スカーが左目に傷あとを持つ理由
ライオンキングに登場する同作品のヴィラン「スカー」
特徴的なのは左目にある傷あとですが、いつどこで、何が原因で傷を受けたのか、という説明は「ライオンキング」の中で一切触れられてきていません。
唯一、もしかすると原因の一端なのか?と思われるようなセリフがスカーの口から発せられていました。
それはスカーがシンバのお披露目の儀式をすっぽかして、そのことをムファサにとがめられたシーン。
その際、二人の会話の中でこんなやりとりがあります。
ムファサに対して不敬な態度を見せるスカー。
それに対してムファサは、
「それは挑戦か?」と問いただします。
それに対してスカーは
「二度とそのようなことはしない。」
と答えていました。
この会話からかつてスカーはムファサに対し、王位の座を巡って決闘を挑んだことがわかります。
そしてその結果、スカーはムファサに負けてしまいました。
もしかするとスカーの左目の傷はその際にムファサによってつけられたのかもしれません。
ただこの考察は、全くの根拠のないものです。
調べていくと、スカーの左目の傷についてのエピソードがわかるものが二つ、見つけることができました。
水牛につけられた
一つ目のは水牛によってつけられたというもの。
これは映画のスピンオフ作品として製作された、子供向け小説にあるエピソードです。
「A Tale of Two Brothers」という題名のその物語で、ムファサとスカーの少年時代の話が語られていました。
それによると、スカーは父親にかわいがられているムファサに嫉妬し、彼に対する父親の評価を下げようと画策します。
そして「楽しみのためだけに狩りをして動物を殺傷している」という話をでっちあげようとしたのでした。
ムファサをだまして水際で水を飲んでいる水牛の群れのもとに誘い出そうとします。
が、ムファサを異変を察知し、その場から立ち去るのでした。
一方、スカーは水牛達を怒らせてしまい、囲まれて襲われます。
その際に左目に傷を負った、という展開になるのでした。
ちなみにその後、ムファサがスカーを助けるために戻り、さらには二人の父親も駆け付けたため、大事には至らずに済みました。
しかしスカーはこのことで、さらにムファサを憎むようになったそうです。
蛇にかまれた
もう一つのエピソードはディズニーチャンネルで放映された子供向けテレビシリーズ「ライオンガード」の中で語られていました。
こちらもライオンキングのスピンオフ作品で、その中のシーズン3に登場するお話です。
若いころ、ライオンガードの一員として見回りをしていたある日、不思議なライオンに出会います。
そのライオンがいうにはスカーに協力して王国乗っ取りのてだすけをすると提案してきます。
その誘いに乗ったスカーでしたが、そのライオンはスカーを安心させた後に、仲間の毒蛇に、スカーを襲わせたのでした。
その時についたのが左目の傷。
毒を消したければ手下になれ、という脅迫をされますが、それに屈することなく、ライオンと毒蛇を倒したスカーでしたが、それ以来、左目には傷あとがついたままになってしまったのでした。
ライオンキング・スカーは左目の傷あとからのあだ名
スカーが左目に傷あとを負うことになった二通りのエピソードがありました。
一つはディズニーがスピンオフで発行した子供向け小説の話。
もう一つは、こちらもディズニーがスピンオフで製作した「ライオンガード」というテレビシリーズ内に登場するエピソード。
二つともディズニーが公式に関係している作品での話のため、非公式なエピソードではありませんが、どちらも正しいということにはならず、一方が本当ならもう一方はなかったことなってしまいます。
おそらく小説のほうが「ライオンキング」が発表されてからすぐに発行された、いわゆるかなり昔に明らかになった話なのでしょう。
そのため、ファンの中では、水牛によって傷をつけられた方の話がより浸透しているようです。
一方で子供向けとはいえ、小説という媒体のため、今の子供たちにはなじみが薄いことがうかがえます。
それに比べると「ライオンガード」というテレビシリーズを媒体にしている、蛇にかまれたエピソードのほうが、今後、浸透していく力が強いように感じました。
時間の流れとともに、「水牛」説は忘れられ、「毒蛇」説が主流となっていくのでしょうね。
ところで「スカー」という名前はもちろん左目の傷あとが元ネタとなっています。
しかし、生まれた時から左目に傷あとがあったわけではないので、それ以前は「スカー」と名乗る理由もないですし、名づけられるわけもありません。
そうなんです。
「スカー」という名前はあだ名であり、彼の本名ではありませんでした。
では、スカーの本名は、というと、それは「タカ」
といっても鳥の鷹という意味ではありません。
ライオンキングに登場するキャラクターたちはアフリカの言葉、スワヒリ語から名前をつけられています。
スワヒリ語で「タカ」とはゴミ、余り物といったようなひどい意味でした。
小説版では常にスカーはムファサと比べられて劣等感を受け付けられるような扱いを親からされてきた、とされています。
その一環としての名づけなのでしょう。
実の息子に「ゴミ」とか「余り物」という名前を付けるのは、とてもひどい毒親ですね。
スカーがあのようにひねくれて狡猾な性格になってしまったのもうなずけてしまいます。
小説では左目に傷を負った後、親を含めて全員にこれからスカーという名前を使用するという宣言を、自身でしたそうです。
一方、ライオンガードのほうでは、一連の出来事を解決し、(自身もその陰謀に加担しそうになったことは置いておいて)陰謀を未然に防いだことをムファサに報告するも、傷あとのことを笑われ、スカーというあだ名をつけられた、ということになっています。
どちらにしても「スカー」という名前は本名ではなく、呼称であることがわかりますね。
スカーが腰痛に悩まされている理由
張実写版ではそのような描写は一切ありませんが、アニメ版ではスカーが腰痛に悩まされていることを示唆するように描かれています。
そして野生の動物の中でよく見られる行動とあいまって、スカーの腰痛はムファサが原因である、という噂が出回っていました。
ライオンに限らず、群れで行動する動物の中では、ボスの優位性を群れの中の他のオスに示すため、マウントを取る行為がよく見られます。
身近なところではオスの犬を飼っていた場合、飼い主の家族や友人に乗りかかって腰を振る行為をする、などです。
これによって自分が上位であることを示すわけですが、ライオンにもその習性があり、オス同士でマウントを取った場合でも挿入が行われるケースもあるそうです。
これによって、群れの中に存在しているスカーがムファサに服従させられ、その結果腰痛持ちになったという話がまことしやかに流れたのでした。
しかし腰を動かして挿入しているほうが腰痛持ちになるならまだしも、押さえつけられてされているほうが腰痛になるのは、おかしい気がします。
また4足歩行であった人間が2足歩行になったことで腰痛を発症しやすくなったことは科学的に証明されていますが、4足歩行のままのライオンが腰痛を発症することはまれであると考えるのが自然でしょう。
特に犬の種類によっては腰の部分が弱いものも存在しますが、それは多くは重さに耐え切れずに症状が出るようになるのであって、マウントで、ということは考えにくいです。
さらに言えば、スカーが腰痛持ちであるという描写は原版の英語バージョンでは全く見られません。
おそらくは日本語に翻訳された際、スカーのセリフの一部として「腰痛」のことが発せられただけで、公式の設定でもスカーが腰痛持ちであるというものは存在しないのです。
そのことを踏まえ、張実写版でもスカーが腰痛に悩まされているという描写は一切、見受けられなかったのでした。
まとめ
ライオンキングに登場するスカーの左目にある傷あと。
この傷あとのため、彼はスカーという名前を名乗るようになりました。
しかし作品内ではこの傷あとがいかにしてついたのか、というエピソードは全く触れられていません。
ライオンキングのスピンオフ作品の中でのみ、スカーが左目に傷を負う原因が登場します。
そのエピソードは2通りあり、一つは「水牛によってつけられた」というもの、もう一つは「蛇によってつけられた」というもでした。
どちらかが本当であるとすれば、もう一つの話は存在しないことになります。
ただ、個人的には蛇によってつけられた傷あと、というのは少し納得がいきません。
というのも蛇にかまれた場合、切り傷が付かないからです。
毒を出すためにかまれた部分を切り裂き、その結果、長い傷あとを持つことになった人はいますが、蛇にかまれただけでは、スカーが持つような左目の傷あとはつきません。
大体、蛇がライオンの顔を噛みつく、ということも変な話です。
噛むなら足とかもっと噛みやすい部分があると思うのですが…。
一方で水牛によってつけられた、という話ですが、良く失明しなかったですよね。
運が良かったとしか思えません。
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