アニメ推しの子2でアクアができない感情演技とは?感情的に演技することとは違う?

アニメーション

アニメ「推しの子2」で舞台「東京ブレイド」に出演することになったアクアですが、演出の金田一から感情演技をするようにと要求されます。

ですが、アクアは感情演技が苦手、というより感情演技をしようとするとパニック障害を起こしてしまい、倒れてしまうのでした。


そんなアクアを苦しめていた感情演技ですが、実際にどういった演技を感情演技というのでしょうか?

「感情演技」という字面から

    感情的に演技する

と思われがちですが、実はその意味にはより深い演技であることがわかるのでした。


今回は、アクアを苦しめた感情演技についての解説と、なぜアクアが苦しむことになったのかについて、考察していきたいと思います。







アニメ「推しの子2」で登場した感情演技とは?

アニメ「推しの子2」で舞台に出演することになったアクアは、演出家の金田一から稽古でダメ出しを受けます。

その理由は「感情演技ができていない」ということ。

役になりきっておらず、クライマックスの盛り上がりで説得力が無いため、嘘くさくなってしまうというのでした。

この「感情演技」という専門用語、一体どのような意味なのでしょうか?

それは

    演じる役を自然に演技すること

なのです。

感情的に演技することとは違う感情演技

「感情演技」という言葉だけを見ると、

    感情を明確に出した演技

という意味に思えてしまいます。

もしこのような解釈で演技をした場合、どの様に演じることになるでしょうか?

悲しい場面で大げさに泣き叫んでいる演技。

楽しい場面で馬鹿笑いをしている演技。

怒る場面でぶちギレしている演技。

こうなってしまうでしょう。

果たしてこの演技で、いいのでしょうか?

悲しみ、楽しみ、怒りといった感情を出す際、場面場面によってその出方はそれぞれです。

例えば、親として子供が大学進学のため、下宿するとなって自宅から巣立っていった場合。

その悲しみは、大好きだった祖母が亡くなった時の悲しみとは全く違うものになるはずです。

それを「感情を明確に出した演技」と理解して感情演技をした場合、どちらも大げさに泣き叫ぶということになってしまいます。

それでは、不自然ですし、説得力が出ませんよね。

感情演技とは、感情をオーバーに表現して演技することではないのです。

自身の経験と結びつけて自然に演技すること

では感情演技とは、どういった演技なのでしょうか?

    「演じる役を自然に演技すること」

      と説明しましたが、自然であることが大切なのです。

      演じる役が直面した事柄に対し、自然と感じるであろう感情を理解して、その感情を自身の体験から感じた時の表情やリアクションのまま、演じるということになります。

      先に例で言えば、子供が巣立っていった際に感じる悲しみには、子供だと思っていた相手が成長して自立していく嬉しさも含まれることでしょう。

      大好きだった祖母が亡くなった場面でもその亡くなり方によって感じる悲しみは違います。

      長い病に冒されての死であれば、やっと苦しみから解放されたという安心感が含まれるかもしれません。

      延命治療の末、ベッドの上で何本ものチューブに繋がれて、本当に生きているのかどうかも疑わしい状態で数年、生きてきた末の死であれば、どうでしょう。

      はたまた、不慮の事故で突然死と向かい合わなければならない場合の悲しさは、上記の悲しさとは全く別物となります。

      こうした背景や人間関係、そういった要素をすべて理解し、この役はこの場面でどのように感じるか、を理解して自然に演じることが「感情演技」なのでした。

      アクアが感情演技ができない理由

      アクアが感情延期できない理由は、彼が体験したアイの悲劇が強く関連しています。

      特に、東京ブレイドのアクアの役は、鞘姫を守るが守りきれない、というもの。

      まさにアイを亡くしてしまった体験そのものと言えます。

      「感情演技」では自身の体験から役の感情を理解して演技するわけですので、アクアにとってアイを亡くした、しかも守ってやれなかったという罪悪感を強く刺激することになるのでした。

      その結果、PTSDによって倒れてしまう、ということになるのです。


      さらに言えば、アクアは他の感情に関しても、感情演技をしようとすると、アイとのことを思い出さずに入られません。

      アイとの楽しかった思い出。
      アイとの嬉しかった思い出。
      アイとの怒りを感じた思い出。

      すべての感情はアイとのものと結びついており、アイを思い出すことで彼女を守れなかったという罪悪感を呼び起こしてしまうのでした。


      これがアクアが感情演技ができない理由だと考察します。

      最終的には、その罪悪感すらも利用してアクアの敵を見つける、という決意を持つことで、舞台は成功に持ち込むのでした。

      まとめ

      「感情演技」とは、字面から感情をオーバーに演技することと誤解されてしまいます。

      しかしその真の意味は、

        その役のその場面の感情を理解して、役と自分を同化させ、自然に演じること

          というものでした。


          そしてアクアが感情演技ができない理由は、役が感じる感情を自身の体験と結びつけようとすると、必ずアイとの思い出が呼び起こされてしまうからです。

          その結果、アイを守れなかったという罪悪感が大きく膨れ上がり、アイを亡くしたトラウマに襲われて、体調不良をきたしてしまうから、でした。









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