アニメ「ダンジョン飯」で登場するバロメッツは、低木のような植物でてっぺんに羊がなり、魔力を養分とするとなっています。
「ダンジョン飯」オリジナルの魔物植物かと思いきや、伝説上の植物としてヨーロッパに古くから伝わっていたのでした。
今回は、バロメッツの元ネタとして、なぜ羊が木のてっぺんになる植物なのかを紹介していきたいと思います。
アニメダンジョン飯のバロメッツの元ネタ解説!
アニメ「ダンジョン飯」に登場したバロメッツは、古くはヨーロッパにて知られていた伝説上の植物でした。
人を襲ったり、胞子や毒などで人間に危害を加えるということはありません。
ヨーロッパに伝わるバロメッツは、「ダンジョン飯」で登場したものと全く同じで、エピソード内でライオスが説明したものと全く同じ性質を持つ事がわかっています。
中央アジアが起源とされる伝説上の植物
バロメッツは古くはギリシャ時代の書物に、インドで発見されたとして、羊がなる植物として記載がされています。
また西暦436年ごろにも、ユダヤ人の民間伝承において、バロメッツに関する記載がありました。
その後、時代が進むに連れ、バロメッツは中央アジアが原産とした記述が増えていきます。
植物の実の中には子羊がいるとされているのは「ダンジョン飯」と同じで、植物の周りには多くの羊の亡骸が落ちており、その死骸を狙って狼などの野生動物が集まってくるとされています。、
「ウールを産む木」がバロメッツ誕生の真相
とはいえ、植物のてっぺんに羊が形作られるとされるバロメッツは世界にはどこにも存在できない植物でした。
羊が木のてっぺんに形作られるという話は、ヨーロッパ人、特に北欧で木綿を知らなかったことが最も有力な説となっています。
綿ができる綿花を知らなかった人々は、その当時ヨーロッパで綿花のことを聴いた際、植物の上にさく羊の生態の姿を作り上げます。
そしてバロメッツという植物が人々の中で大きくなっていったのでした。
カニ味の真相について
バロメッツがカニ味がする、という説の元ネタは、ジギスムント・フォン・ヘルベルシュタインというオーストリア人が記したロシア地方の見聞録でした。
彼の記した「ロシア事情解説」でバロメッツのことをきちんと記しており、足の爪の部分まで体毛で覆われていることから、無駄にする場所がないとも紹介しています。
そして羊の肉はカニに近い、と記しているのでした。
一方で、別の書物では、バロメッツの血液は蜜のように甘いと記している書物もあるのです。
まとめ
バロメッツは中央アジアに生えていると信じ込まされていたヨーロッパ人の空想の産物です。
歴史を紐解いていくとかなり古くから、バロメッツの存在は認められていた様子。
そんなバロメッツですが、なぜ羊が咲く植物として信じられていたのかと言うと、ヨーロッパ人が綿花を知らなかったためです。
衣服を作るための綿が取れる植物が、綿花を知らなかったがために、綿ではなるウールが取れる植物と勘違いされ、そこからウールの取れる羊がなる植物と誤解されたのです。
そしてその話の中では、バロメッツは足の際まで羊毛に覆われており、無駄にするところがない植物と信じられていたのでした。
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